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編集・削除(編集済: 2024年09月10日 18:37)

感想と評の御礼 大杉 司

三浦様へ
この度は「最終日」をお読みいただきありがとうございます。「嘘の日」も楽しんでいただけて嬉しいです。
この詩は、人々が新幹線や飛行機から降りてくる様子をテレビで見て、何とか詩として書けないだろうかと思い、出来上がった詩です。
降りてきた人たちは実家に帰省してたのか、はたまた何処か遠くに行って写真を撮っていたのかと、いろいろ考えました。
また、中には憂鬱な顔をした人もいたので、楽しい時間は短いなぁとも感じました。
雨については、その憂鬱さと対比させて書きましたが、実際に降ってたので書こうと思ったところもあります(笑)
半歩前の評価もありがとうございます。次回も宜しくお願い致します。

編集・削除(編集済: 2023年05月14日 01:38)

三浦 志郎様  まるまる

「白髪がなくていいねと言われて」に感想をいただけました。ありがとうございました。
書いている時は一生懸命に書いて、後から、限定的すぎだったかな、とドキドキしながら読んでいただける日ををお待ちしていました。
三浦さんにとられては、身近なテーマではなかったかもしれないのに、フィーリングに好感を持っていただけたこと、また、アフターアワーズでは、「向上心」として、久しくお忘れだったと気づかせて差し上げられた、このことで とても幸せな気持ちになりました。今回もありがとうございました。

編集・削除(未編集)

三浦 志郎 様へ、投稿詩への評の御礼です。  ロンタロー

お忙しいなか、拙作への評と感想、ありがとうございました。
ご指摘いただいたとおり、今回投稿させていただいたものは
私自身、詩的純度が低いと認識していたので、評不要にするべきかどうか迷ったのですが、
せっかく書いたものなので、評と感想をいただくことにしました。
確かにラジオは想像力を掻き立てる昔ながらのメディアかと思います。
全く関係ありませんが、いとうせいこう氏の作品のタイトルに「想像ラジオ」という小説がありましたね。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。取り急ぎ感謝申し上げます。

編集・削除(未編集)

感想と評 5/5~5/8 ご投稿分  三浦志郎  5/13

お先に失礼致します。


1 森山 遼さん 「詩人と永遠」 5/5

まず、初連と2連に好感が持てました。もっと言うと「ミウラ好み」といった感じです。
初連は「雨」ですが、人々の「涙」も連想できそうです。どちらかと言うと2連のほうが好きで、
「しみ」と「思い出」という両者のイマジネーション上の関連性がいいと思う。
やっぱり、この詩は3連が肝でしょう。もっと言うと、

永遠が終わった後も

屋根に喩えれば、このフレーズが見事に頂上を成し、左右、美しい傾斜を成すかの如くです。
「永遠とは何か? 永遠が終わる、とはどういった姿なのか?」―答えは出ずとも、沈思する契機を、この詩は読み手に与えているでしょう。もちろん、森山さんにとっても、この詩上での課題であるでしょう。概念や姿―「見えないものを見ようとする」詩人の性(さが)が、ここにはありそうです。そのような片鱗を、このサイズで見せた。その佳作です。


2 妻咲邦香さん 「櫃」 5/5

これは大型の箱の「ひつ」でいいんですよね?米櫃とか鎧櫃とかの……。

僕の評の場合「ああ言えば、こう言う」の部分がどうしてもあって、だいぶ以前、「此処ではちょっと」みたいなことを書いたんですが、ここ最近は「ちょっと迎合してない?」と思っていた矢先なんですが、さて、この詩、特に2連まで、(このあたりが、この人の本領でしょ。出て来た、出て来た)と思っています。ただ、「ならばその方が良い」以降、なぜか形而下的に落としちゃう。これは一体何だろうという思いがあります。正確な解釈はわかりません。が、詩のシステムのことを書いておきたいと思います。前半と後半では誰が見てもスタイル・フィーリングが違う。妻咲さんはレベル高く、このことを充分理解できるだろうと思って書いています。あ、でも最後の2行は好きですね。佳作半歩前で。


3 理蝶さん 「夕日の湖畔」 5/6

自己の中に葛藤があるのかもしれない。あるいは相克と言ってもいいでしょう。
それを浮き彫りにする、構図としての「スワン⇔お前(僕)」でしょう。当初、理蝶さんはスワンの愚鈍さを嘲笑するのですが、俄然、スワンが切り込み鋭く逆襲してくる。いわく……

俺はお前だ

キメ文句です!この詩はスワンの逆襲のほうが断然面白いのです。自分の愚鈍を逆手に取って、スワンがいちいち暴いていく感じ。この詩はこのパーツで立っていると断言してもいい。
スワンへの批判が反射板にぶつかって、そっくりそのまま返って来る。スワンの口調はちょっと脅迫のようにも取れ、迫力というか凄みがあります。それは結局、自分自身のこと。場面も交えたのは素晴らしい。これは佳作です。


4 エイジさん 「Return to Forever」 5/6

冒頭上席佳作。思考は深遠で含蓄がある。(この人、いつからこんな風になったんだろ?)―そう思わせるものがあります。ところで「永遠」という言葉はメカニカルなものではなく、多量の情緒・修辞を含んだもので、とりとめもないのですが、僕は時とは第二の神であり、神以上に絶対的なものだと思うようになったのですが、さしあたり永遠を時の別名と仮定します。この詩を読んでイメージしたことを、誤解を恐れず図示するとこんな感じ……

時――――――――――――――――――――――――――――――――――――➔永遠
         ↓                    ↑
       生まれる・出る             死ぬ・入る・還る(人間全員以下繰り返し)

人は永遠の中のピンポイントに生まれ、ピンポイントで死に永遠の時に戻っていく。まあ、上記は見流しちゃってください。 前半で目を惹くのは「肉体に縛られ~肉体からも自由に」でしょうか。
この詩は後半、次第に死生観にも及び、終わり2連はこの詩の白眉でありクライマックスを形成し終わります。特にそれら連の終わり各3行。(まいった、やられたよ!)―このつぶやきで全て理解してください。さらにひと言(こりゃあ、次が大変だ。まあ、リラックスして……)。代表作の大定番。

アフターアワーズ。
この詩はそれだけでなく、チック・コリアにも絡めてるオマケあり。名曲「LA FIESTA」あり、
「WHAT THE GAME SHALL WE PLAY TODAY?」僕、大好き。ウキウキしてくる。バラ色。
フローラ・プリンの歌声って、ホント“ユートピア”って感じ。


5 埼玉のさっちゃんさん 「選択」 5/6

前回、ちょっとチグハグな部分もあったのですが、今回はブレることなく綴られていますね。
はい、この詩のテーマにおいて「ドア」という比喩はとてもいいですね。イマジネーション的場面が浮かびやすいです。日向性があり前向きなのも魅力です。「選択する=決断する」とは、とかく難しく頭を悩ませるもの。よく言われることですが「何かを選ぶのは何かを捨てること」。こういった場面で人が一番辛いのは優柔不断に陥ったり、他者からそう思われることでしょう(評者、多々体験済)。この詩は、それを楽々とクリアーしている気がする。勢いを感じる、ということです。
ポイントになるのは、終わり3行のような気がします。これ、背中を押してますよねえ。と同時に、案外正鵠を得ているように思えてきました。ナンカ、元気が出て来た。ありがとうございます。前作と比較して佳作とします。


6 ロンタローさん 「ラジオ聖地巡礼」 5/6

エッセイ的な詩と把握しております。同時に作者と評者は、まずまず同世代と把握していますので、
評者もほぼ同じ体験をし、大部分共感ができるのです。まあ、DJになろうとは思いませんでしたが。
AMはやっぱり深夜放送でしたね。リクエストで自分の名前が読まれたりすると、それこそ有頂天。
放送を聴く為に、お飾りで勉強してたようなものです。そうですね、本格的なロックやジャズはFMでした、必死こいてカセットに録ってましたね。(おっと、脱線!)
この詩の個性になるのは、やっぱり電波送信所の件ですね。珍しい事物、珍しい動機がこの詩を面白くしているわけです。ならば、ここをもう少し叙景などして、ロマン的に膨らませて詩的純度を上げておきたい、というのが詩論的立場になります。佳作一歩前で。

アフターアワーズ。
ラジオの事はちょっと以前の「評のおわりに」で書いたのですが、基本、最低限、音楽に映像はいらないし、トーク、語りも同様です。本を読んでいるのに近いです。ということは、音楽、文芸をやる人はもっとラジオを聴いてもいいかもしれない。想像力を養えるかもしれない。


7 大杉 司さん 「最終日」 5/7

以前、エイプリルフールの詩を面白く拝読しましたが、今回はGW篇。しかも最終日。
そうですね。最終日の気持ち・群像はこういったところで、ほぼ過不足ないと思います。最終日の事実としての天気はともかく、これはややフィクション寄りの任意で構わないでしょう。まあ、この雨は最終日の気持ちを反映していると言えるでしょう。これでも特に問題ないのですが、5連は3行目とそれ以降を入れ替えても可のように思えました。そうすると、雨の憂鬱ともダイレクトに繋がりそうです。この詩の気分を表するに、最初と最後を雨で締めたのは印象的。佳作半歩前で。


8 ベルさん 「物語」 5/7

これはラブソング。
「僕の物語に君が登場」の方が普通は多い気がするんですが、これは逆。技術上の仕掛けであり、いや、それ以上に、「僕」の謙譲であり、気弱さであり、気づかいであり、優しさ、そんな風に思えてきます。「君の物語の登場人物に僕を加えてもらえませんか?」―そんなニュアンスが全詩行にわたって感じられます。初々しさとナイーブさがいいですね。2連目の動機というか、初めの心理がちょっとモヤモヤ気味かもしれないです。一目惚れなのか「こんな人を探し求めていた」のか、も少し浮き彫りにしたいところ。そうすると、他の連もさらに影響されて輝くというもの。そんな気はしますね。佳作一歩前で


9 凛さん 「風が好き」 5/8

まず技術論的な構成を見てみます。四季で4分割の4連。各連全て5行。ある程度、定型化して
抒情を嵌め込んでいく。評者の感想の書き方が即物的で皮肉っぽいと取られる可能性がありますが、実はそうではない。習作という観点において、僕はこれは時にアリだと思うのです。(こればっかじゃ困っちゃいますが)。で、中に入っている各行を見てみると、季節に応じて、よく練られ、抒情性も加味され、いい感じを醸していると思います。フリーハンドでも、こんな感じでいけば、とてもいいと思えるのです。最もいいのは、やるせない思いを込めた冬でしょうね。季節の中での「貴女」の肖像や二人はどんな時間を共にしてきたか、そんな追憶の詩です。良くなってきました。甘め佳作を。


10 まるまるさん 「白髪がなくていいねと言われて」 5/8

これはなかなか具体的な詩ですなあ。消極的に書かせてもらうと、今までそういったことに、やや無頓着だったご様子。きっかけが初連なわけですね。えーと、女性の髪のケアや技術的なことは、よくわからないので、ある程度、割愛させて頂くとして、この詩は髪を染めるという行為から、外見と同時に自分の気分も変えて行こう、そんな気がします。「BRUSH UP」という言葉が浮かびました。調べると「身なりを整える、技術・知識に磨きをかける」とあります。女性は外見を少し変えるだけで気持ちも変わる、というのは男性以上にありそうです。身近な例で「化粧や髪型を変えると気分も変わる」とはよく言われることです。この詩では髪の変化により、自分の性格や態度も少し変えてみよう、といった面が感じられます。内面にまで行っている点ですね。「一歩踏み出してみようかな」―そんなフィーリングが好感です。これは感想だけにしておきましょう。

アフターアワーズ。
こうやって読むと、何かを目指す時、女性は男性以上に、外面と内面が連動していることに気づかされます。これもひとつの向上心。評者、迂闊にも久しく忘れているものでした。


11 朝霧綾めさん 「幸せな帰り道」 5/8

いつも通っている道のようですが、今日は何かとびきり良いことがあったのでしょうか。
けっしてはしゃぐわけでなく、文中「一歩一歩」とあるように、噛みしめるような、地に足の着いた
喜びが語られています。大人の味わいです。いや、これは単純な喜びではなくて、ここにあるように「幸福」から発して、ワンランク上の境地に届きそうな気配を感じます。周辺具体物や月や星の出し方もこれでいいと思います。「帰る」およびその周辺言葉―帰り道、帰路、帰宅 帰還―などに織り込まれた詩性のようなものと、この詩の持つ感慨が上手く、美しく出会ったのを感じます。
出会わせたのは朝霧さんです。甘め佳作を。


評のおわりに。

アジサイが日々そだちはじめてうれしい。  では、また。

編集・削除(編集済: 2023年05月13日 18:35)

島様  詩への評の御礼  鯖詰缶太郎

おはようございます。鯖詰です。
おまけ名作との評価、ありがとうございます。
たしかに最後の二連で、わりと具体的に輪郭を出しているのに「こんな」ですませてしまうのは、もうちょっと物足りないような気がしますね。
作品を書く時にこういったものが出来るだけ、すっと出てくるといいなあと、書く度に思います。
難しいと、多々思う事はありますがこれもそのひとつです。
ただ書いて、考えてを繰り返していくしかないのかなと思いました。
次回もよろしくお願いいたします。

編集・削除(未編集)

評、4/28~5/1、ご投稿分。  島 秀生

そういえば、去年、明治神宮に行った時、ドクダミの花がいっぱい咲いていて、
こんなにいっぱいドクダミ見るのは、子供の時以来だと思って喜んで、
しゃがんで写真いっぱい撮ったなあー。
ふつうは雑草として抜かれちゃうものなんだけど、あそこではなんでか大事にされてる。
私以外にも、ドクダミの花が好きな人がいるんでしょう。


●江里川 丘砥さん「傘」

なんか、泣けるねえー もらい泣き。
この、一所懸命書くところが、江里川さんのいいところなんよな。情感の動きがコマ送りで見えるようです。一所懸命書いてます。
今回、傘をくれた人のことはやや抽象的に書いてきましたが、そこもいいと思いますし、それだから、バトンのように傘を渡していくリレーも、きれいに置き換えられていくような気がしました。なんていうか、そこは固有名詞でなくても、人から人へ無名のリレーでいいんだという意志に感じました。
ストーリーもステキで、このストーリーは、ストーリーというより、いつの間にか自身の思考となり、意志へと変わっていきます。

空に石を投げるという行動を2回しますが、一見無為に見えるこの行動も、それぞれに幻想的な反応を示します。このファンタジックもいいですね。
この、傘を差しだしてくれた人は、人生の恩人ですね。
人間て、人生に何度か恩人と出会うから、生きてけるんだと思う。

いいと思います。江里川さんらしい、いいところが出た作です。名作を。そして代表作入りを。


●無価値さん「手を引く」

過ぎ去った恋が蘇っているようです。
時が経っているのでしょう。だから、もう届くかどうかわからないのに、手紙を書こうとしています。切ないですね。

詩行もキレイに書けてますよ。切なくて、甘酸っぱくて、いいと思います。情感が伝わります。

一個、難しいのはタイトルです。「手を引く」は、時間が経って、ようやく踏ん切りがついたって、意味なんですかね? 状況から察するに、一度お別れしてるはずなんですが、気持ち的にはお別れしてなくて、この手紙でようやく訣別する、手を引くってことかもしれませんね。タイトルの解釈だけ、やたら難しかったです。

無価値さんは、私は初回ですので感想のみになりますが、またぜひ書いて下さい。


●やまうちあつしさん「旅立つアルファ」

「アルファ」は、「X」みたいな不明の意味で、特段に何かを指してるわけではないようです。
ストーリーは奇想天外でおもしろく、文体も書けています。概ねできています。おまけの秀作を。

ただし、ストーリーの奇想天外だけではいけないので、問題はどこで情感を乗せるか、なんですが、
いちおう中盤のところに、

 果てしない海洋を前にして
 これまで思い悩んだ諸々が
 きれいさっぱりどうだってよい
 それでいてそれら一部始終が
 無意味だったとはどうしても思えないのだ

とあり、ステキなことを書いてくれてるんですが、ちょい足りない。ここでもう一個何か情感が書けるといいんですけどねー 3行くらい。
それが①案です。

②案は、この話のいいとこは、ただ奇想天外なだけでなく、想像の先に「美」のテイストを持っていることなので、そこを強調する案です。
3~6行目を削除です。
3~6行目から想像されるものは、災害だったり、某映画だったりするので、「美」とは違う要素のもの。奇想天外なだけで、あんまりいい想像はしないのです。ここの行は、ない方が、「美」的にはスッキリします。

ということで、概ねいいんですが、もう一息を望みましょう。


●エイジさん「実存と虚無のはざまに」

今回は、えらく難しいところから入ってきましたが、哲学書よりも、1本の木に、より人生の在り方の感銘を受けた、ということかなと思って、読みました。
この詩にはありませんが、エイジさんは透析にずっと通ってる悩みもあるので、人生について思い、考える機会が、他の人より多いかもしれませんね。より切実に、この先の人生を考えたのでしょう。

これはエイジさんの、これからの人生に向かう宣言と受け取りましょう。秀作プラスを。

とはいえ、ずいぶん大上段なとこから入ったから、前半のアプローチの構えすぎ感がしんどいなあー
たとえば、序盤はしっかり論考にしておいて、「本を閉じた」で、そこはスパッと終わりにして、それから散歩に出るような調子に文体を変えて、桜の木を見に行ってもいいですね。そしてそこで悟るわけですよ。案ですが。


●鯖詰缶太郎さん「しょうゆ」 

おや、いい詩ですね。
お葬式か、通夜か、あるいは病院で看取ったところか、という感じで読みました。「しょうゆ」の言葉を真と考えると、葬式のあとの精進落としシーンを思うのもアリなんですが、事態はもっと逼迫してる感じがするので、病院で亡くなったとこかなとも思い、読みました。

これ、かなしみにしょうゆをかけるという異種の方策を取るアイデアもおもしろいんですが、それだけだと言葉が先行して、具体性や詩の重みに欠けるところ、後半で、このおじいさんがどういう人か描いてきたところが良かった。これで、表面も内実も、揃った感になりました。
正直、コロッケだけだと、肉屋さんや惣菜屋さんが先に浮かんでしまうんですが、ピーマンの話もあるので、料理人だったんだなあと思いました。料理人と考えると、8連の「すこしでもたべやすくするれしぴ」とも合致してきますね。コロッケの「さくっと」の語感が、とても生きてます。
初連の「しょうゆをかけた/かなしみに」は、「汚れちまった悲しみに」のパロディっぽいんですけどね。内容が真面目な話なので、ジョークで終わらなくて、良かったです。

いきなりですが、この詩、インパクトもあって印象に残る詩なので、おまけ名作と致しましょう。

えーと、7連は、3行目と4行目が逆の方がリズム感いいですね。
10連「こんなありさま」のところ、「こんな」じゃなくて、なにか入るとベターですね。そこ、難しいんですけどね、なにか態様を入れたいですね。
「土砂降りのありさま」とか、どうでしょう?


●freeBardさん「しろがねの月」

立原道造か、そのあたりの昭和初期の詩人をよく読まれてるみたいですね。
天体や自然の万物の永遠性と、そこに還元されていく人の命の在り方をうたっておられるように感じます。壮大ですね。

あのーー、一方で壮大なんですけど、一方では、この詩ひとつで全部を言い切ってしまいそうな勢いで、人の一生にしても、人のおもいにしても、全部ひとまとめで語っていいのか、と思うところもあるのです。例えば母のおもい一つ取ってみても、思い出すだけでもいくつかのものがあるんじゃありませんか? そのひとつずつを個別に描かれた方が、具体的であり、具体性があることで、今の時代の人にも伝わりやすくなりますよ。そういうこともちょっと考えてみて下さい。

内容面ではそういうことで、あと表現面なんですが、ちょっと勘違いしないで欲しいのは、昭和初期の詩人の言葉って、その言葉使いが時代の先端を行ってたんですよ。あれ、脱・文語体の、その時代の先端の書き方なんです。でも、今の時代に生きてる人間がその時代の言葉をわざわざ遡って使うのって、懐古趣味的な面が避けられないわけですよ。使う理由がないんですから。
だから、影響を受けるのはいいけれど、詩情もステキだけど、でも書く時は、自分の言葉に変換して書いて下さい。「流れ墜つ」とか「誓いし」とか、こういう言葉は使っちゃいけない系です。別に七五にならなくていいのです。

ということで、いくつかの言葉が気になりましたが、天体や自然のものと、人間を並走させて作る、詩情自体はとても良かったです。終連もとてもキレイですよね。
freeBardさんは、私は初めてなので、今回、感想のみになります。


●妻咲邦香さん「手を洗おう」

ゆるゆると語りましたねー
人と会って、夢を見て、夢は叶わないと見て、嫌いになろうとしています。

 帰って来たんだ
 あの人の国から
 はるばる私のお家まで

は、とりたてて「国」の特色的なものが何も描かれてないので、COUNTRYの国ではない感じがする。相手の家や世界観を意味してるのか定かではありませんが、ともかくちょっと遠出してきたようで、外出先から家に帰った時に手を洗う、その習慣のシチュエーションで、詩が展開されていきます。
が、正確にいうと、「家に帰ったら手を洗おう」みたいな予定形の意志のようです。終連を見ると、家にはまだ辿り着いてないようです。

この詩は、3連に書かれてる人を、どういう対象に思うかで、想像する情感の種類がいくつかに変わってしまうので、そこが入り込めないところですね。

 まるで穢れを知らない
 まるで悲しみ知らない

 記憶も新品同様ピカピカ

は、文法的にはその前の「部屋」を指してるようであり、連の脈絡からすると「人」を指しているようでもあり、ですね。「人」だと赤ん坊みたいなことになってしまいますし、もし「部屋」を指してるなら、なんの意図で部屋を描こうとしたのか、謎です。

なにが言いたいかというと、この詩、わりとリズムで流しちゃってる部分が多いので、3連は、意味の取りどころとして重要な部分なんですよ。特に、相手がどんな種類の対象かを掴むにおいては、3連しかないんですが、どっこい自由に受け取ってくれ、の書き方してるから、読む方としても「特定できません」で、定まらないから、気持ちが入っていかないとこがあるんです。
まあ、フツウに恋愛話かなって、漠然としたセンで止まっちゃうんです。
念入りに手を洗おうとしてるから、思いは深いはずなんですが、その動作に呼応する情感部分が見つからんのです。

手洗いで描く構想はとてもおもしろいんですが、どこかにキモとなる部分は入れないといけない。そこが充分とは思えんなあーというのが感慨です。
秀作にとどめます。

編集・削除(編集済: 2023年05月13日 00:58)

木漏れ日の中で唯独り  U.

五月の風は
涼やかで
蜜蜂の羽音に戯れる
妖精のよう
甘酸っぱい花の香りと
黄色い花粉を運んでくる

そんな風の中を揺蕩う私は
いつも反対側が空虚なの

なんて言うか
ベンチに座っていると
右側の視界の端には
いろいろな物が
サツキの生垣に花が咲き
遠くにブランコが揺れ
開かれた本が置いてあり
カラフルな光が乱れている

でも、左側は壁
白い何もないただの壁が視界の端にあるの
それが
重いとか何とか言うのじゃない

ただ、なんて言うか
上手くは言えないけれども
本当に唯だの何もない壁があって
それでもって
唯それだけなのだけれど

目の前には
もちろん
緑の芝生が広がり
葉桜の木がスクと立ち
陽の光がステンドグラスのように揺れているし
手には飲みかけの缶コーヒー

でも、どちらを向いても
左側の視界の端には
いつも
何もない壁があるの

それが
別になんてことはないのだけれど

唯、何となく
私の命取りになるなあって
そんな気がするの

編集・削除(未編集)

チャイムがなる頃に  理蝶

夕暮れた充溢した魂は
鉄箱に入れられ今カーブを曲がる
煙突に登る煙が
どこまでもたなびく先を見飽きたら
僕の居場所に近づいた頃

河川敷に寂しく描かれた放物線は
やがて煤けたグローブに収まり
また放物線が描かれるのを待たずに
次の景色が流れてゆく

空は宇宙の縁とこの星の光が混ざり合い
どこかロマンをくすぐるような
秘密めいた青さで
紙飛行機が本当にこの星を飛び出すと
信じていた日を思い出す

窓がある いくつもの
通り過ぎる いくつもの
枯れた観葉植物 揺れる洗濯物
微かに震えるガラス 窓際に据えたベッド
高く鳥は鳴き 稚児は空を見る
彼はまだ退屈と恐怖を行ったり来たりする
そしてもう少ししたら
紙飛行機はこの星を飛び出すと信じるようになる

この繰り返しだ
この繰り返しは
いつまでもいつまでも
続くのだ

魂を入れた鉄箱は速度を落とし
少し停止する
魂は交差し散り散りになる
そしてまた鉄箱は動き出す

それぞれの居場所に帰った魂は
新しい魂を抱きしめ潤し耕している

内側から吹く退屈も
歯が痺れるような緊張も
それでいい そのままがいい
全てはこの星に受け継がれる
暖かく崇い繋がりのために

魂は彷徨い出会い
残しまた彷徨う
この繰り返しだ
この繰り返しは
いつまでもいつまでも
続くのだ

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水曜スペシャル  やまうちあつし

白紙の中に
生息する生き物がいるという
じっと眺めていると
時折飛沫があがる
私はペンを取り捕獲に向かう

簡単にはいかない
生き物はペン先をすり抜けて
縦横無尽に泳ぎ回る
手を変え品を変え
釣り上げようと試してみるも
こちらの奮闘をあざ笑うよう

そして私は
今日もふて寝するのだ
水曜スペシャルなんて
信じなければ


みせかけて
買ったばかりの万年筆を
はてしない比喩よ
きぜわしいオノマトペよ

現れたのは一頭の白馬
魚だとばかり思っていたが
立派な鬣に蹄
おだやかで黒い瞳
背中には純白の翼まで
とらえてみれば大人しい
初めから全部
決まっていたかのように
紙の上に佇んでいる

かくして週末が終わる
来週もまた
詩人を名乗ってしまおうか

水曜スペシャルを信じて
本当によかった

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ためらい  妻咲邦香

鞄ひとつ
胸に抱え
ためらう

でも心は決めていた

花のような生き方も似合わなかった
だから何も
言葉にはしなかった

ひとりだよ
悲しくはないよ
だけどそっちにはもう行けないから
血迷ったふりして飛び出して来たんだ
ためらいひとつ拳に握って

偽りのない今を確かめられたから
やり直そうって思えたんだ
最後の最後、そのさらに終わり
そっと明日を選んだ

やさしい家には帰らない
あたたかな窓は振り返らない
ためらいだけを話し相手に
忘れないよ
今日のこと
忘れないで
いつの日だって
私は誰かの肩の先
私は何処かの土の上

鞄ひとつ
胸に抱え、それでも
飛べない空があることも
知っている

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