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早朝5時
秋雨に降られて出かけていく
どしゃぶりの大雨だ
夜明けまでまだ1時間以上
真っ暗な一本道を
独り駆けていく
カバンは傘からはみ出し
ずぶ濡れになっている
お構いなしに駆けていく
水たまりが所々に出来て
上手くかわせないので
靴は泥水まみれ
相変わらず
傘に降る雨粒は
ぽつぽつと拍子を
刻み続ける
歩道に飛び出した
木の枝が傘にぶつかり
余計な滴を私に浴びせる
降り注ぐ雨粒の向こうに
私は見た
ぼんやりした影たちを
ああ、電灯の光たちが生むんだ
無言で立ち尽くす
暗い彼らを
悲鳴を上げる腰を抱え
歯を食いしばりながら
一本道を抜けると
三差路が二つ続く
渡り終えれば目的の地
やはり雨に降られながら
郵便ポストに投函する
目的は達成された
さあこれから帰り
雨という混沌を鏡に映す
人間という混沌の
私という混沌の
心をふと覗き見る
ねえ、君には何が見える?
ドストエフスキイが『カラマーゾフの兄弟』の中で
大審問官に語らせたものの中に
キリストの化けの皮を剥ぐのに
大審問官はキリストを約めていへば
パン、奇跡、権威の三語に収斂出来るとし、
それを今、キリストに代はって大審問官が民のために行ってゐると
沈黙するキリストと思しき人物に語るが
そのパン、奇跡、権威は埴谷雄高にかかると
パン、電化、党に置き換はる。
それを更に現代に当て嵌めると
パン、電脳、人工知能に置き換はるのではないかと
私は密かに思ってゐる。
そして、現代は電脳と人工知能の開発にかまけてゐるからか
パンに窮する民が続出してゐる。
そもそも電脳と人工知能は厖大なエネルギイを必要とする。
そのためか、食糧生産を民は疎かにしてきた。
その根本に飢ゑたことがないために
簡単には現代では飢ゑることはないと
高を括ってゐたのである。
しかし、狂った独裁者が戦争を始めると
事態は急変し、
食品を始めあらゆるものが急騰し、
民のエンゲル係数はぐんと跳ね上がったのである。
何の事はない、
現代は最先端を走ってゐたと思はれたが
キリストが存命の時代と何も変はってゐないことが露はとなったのである。
挙げ句に病院が攻撃の第一標的になるなど
再び鏖、つまり、Genocideが
おおっぴらに行はれてゐるこの狂った時代、
民は救ひを神に求めてゐるが、
原理主義者は
聖戦との言葉で
Jet機で高層ビルに突っ込む惨たらしいTerrorが
平然と行はれもした時代なのだ。
再び世界中で戦争が勃発する時代へと邁進するのか。
このパンに汲汲としてゐる時代にも
武士は食はねど高楊枝然として
ジャイナ教の奥儀にあるといふパンを断念しても尚平然と
瞑想に耽られる余裕が持てるかどうかで
戦渦は止められるかもしれぬのだ。
と、そんな妄想をしながら、
私はといふと
明日をも食へぬ貧困の中で
唯只管に飢ゑを我慢してパンを断念し、
水ばかり飲みながら
なんとか生を繋いでゐるのが実情といふ
何とも悲惨な中にゐる。
そして、この状態からの脱出は今のところ不可能なのだ。
私は障害を持ってゐて働かうにもままならず、
生活保護よりはましとはいへ、
僅かばかりの障害年金で暮らせと世界から見放された如くに
政治にも見放されてゐる。
この大競争時代は弱者は飢ゑて死ぬのをぢっと待つばかりなのだ。
だからといって社会を恨むでもなく、
私は現状を受忍してゐる。
何せ文句をいったところで、
――此奴は気が触れてゐる!
と、白い目で見られるのが落ちだからである。
だから、私はかうしてゐるのだ。
――武士は食はねど高楊枝!
君を一目見た時から
つい目で追いかけてた
まさに夕焼けに沈む西の太陽
そして夜空に輝く星
人生が急に光を纏い出す
さらに君の言葉は蜂蜜
ホットケーキに塗って食べたいよ
もうほっとけない!
耳元で囁くなんて
なんてことをしてくれたんだろう
君の言葉は旱天の大地に降り注ぐ慈雨
くそっ!
君のことをなんとも思ってなかったら
俺はこんなにも自分を見失わなかった
頭がくらくらする
うっとりとろけて
甘美な心地が俺を支配する
ああ、もう抜け出せないや
君の言葉が心底まで溶けて
俺の心をすっかり不純物にしてしまった
いや、寧ろ洗われたのか
ただ「ありがとう」と言われただけなんだけど
これほど力がある言葉だったとは
今まで軽く見てたよ、ごめん
君の声が鼓膜と一体になって
とっくに外は静寂なのに
ずっとぶるぶる振動している
君はリンドウだ
静かで凛としていて
髪は柳だ
靡いて揺れる
目はマリーゴールド
光が宿り吸い込まれる
鼻はダリア
豪華絢爛
唇はケイトウ
炎を幻惑し俺の心を燃え上がらせる
君の言葉は蜂蜜
蜜蜂たちが愛情を込めてくれたんだ
もうひとひねりの必要性
身に染みていますが
なかなか
形にできていない状態です。
意識を持ちつつ少しづつ。
技術の向上目指し
精進して参ります。
この度も評をいただきありがとうございました。
ありがとうございます。まだまだ勉強不足で全体な整理ができてないところ、これから気をつけて精進します。その上での評と感想、誠にありがとうございます。
ガラスケースの中
少女は笑う
僕が見つめるたびに
少女は『また見てくれたね』
そんな笑顔で僕を見る
ガラスケースの中
私は笑う
あなたが私を見つめるたびに
あなたを独り占めしてるから
私は嬉しさに笑う
もしも君が話せたら
僕になんて言うのだろう?
寂しさを癒してくれるかい
悲しみを慰めてくれるかい
もしも私が喋れたら
あなたに愛しさを伝えたいの
寂しさに包まれないように
悲しみに涙しないように
ガラスケースの中
狭くはないかい?
君は外の世界を知りたくないかい?
ガラスケースの中
私は幸せなの
あなたのそばで あなただけを見つめていられる
ガラスケースの中
君は笑う
私は笑う
ダム湖に映る里山
霜月の半ばを過ぎても
紅葉にはまだ早すぎた
宿を出たものの寄る店もない
吹き荒ぶ風に
ムーミンの夢は崩れて
亀の形に姿を変える
だんだんと暮れかかる上総亀山
私は元来た道を戻りながら
静かすぎる秋の夜を味わうのだった
歌が歌えなくなる程
疲れてしまった時には
いっそ何も無いところへ
行きたくなる
そんな場所は
どこにも無いと
知っているのに
歌が歌えなくなる程
疲れてしまった時には
手当たり次第に
思いついた事をするだけ
順序立てる事も
有益な事も
分からなくなる
生まれてきた責任は
きっと私にある
細胞分裂を繰り返して
地図を渡されて来た
小さい頃から
いつも一番後ろを歩いていた
追い抜かされて
追いつけなくて
歌が歌えなくなる程
疲れてしまった時には
それでも地図を頼りに
歩いて行くだけ
かつて こんな新聞記事があった。
相武新聞
一九八五年(昭和六十年)十月二十八日(月)
朝刊 社会面
「神奈川県三浦市初芽町三津浜台地で
旧海軍の地下通路見つかる
そこに遺されていたものは?
町長が明かす戦後四十年の秘密」
*
この新聞記事より少し以前、
ここは神奈川県三浦市三崎警察署。
今、初芽町の浜野正春町長が菅野清文署長を訪問している。
これは これは 町長 いつもお世話になっております
今日はどんな御用件ですか?
こちらこそお世話様です 実は 私自身のことで……
三津浜の野菜畑に元飛行基地の地下通路がある
署長さんはそんな話を聞いたことがありませんか?
ほう いきなりですね ええ 何やら少し聞いた事はありますな
しかし単に噂でしょう それが何か?
戦時中の地下通路は現存します
そこには飛行機の胴体と二体の白骨遺体があります
四十年間私はそれを知りつつ秘密にし 関わってきたのです
何ですと!?四十年……遺体…… よくわからないが—
それは本当ですか?全てを詳しく話してください
菅野署長は驚き犯罪の匂いを感じている。メモの用意をした。
すでに険しい表情に変わっている。
*
昭和二十年の四月 あそこで旧海軍の飛行基地工事が始まりましたが
終戦で頓挫しました 地下通路だけは完成して
私の父・浜野正風は海軍大佐で この基地開設の総指揮官でした
父は基地未完成と敗戦に絶望し一人の部下と共に地下で自決したのです
その遺体がまだ地下にあります
私は父の遺書を尊重し現場も遺体もそのままにして
長い間秘密にしてきたのです 供養はしてきたつもりです
もちろん犯罪なのは覚悟していました
信じられん そんなことがあるなんて……
遺体は二体ですね もうひとつの遺体は特定できますか?
貝塚新介という部下です 初芽漁業社員の貝塚新吉氏の父です
その息子さんも私と行動を共にしていました
ふぅむ 初芽漁業の……凄い偶然だな
町長 それだけの理由で四十年は不自然ですね 何か他にも?
さすがですね お察しの通りです
金を探していました 金の亡者になっていたのです
もともと浜野家は三津浜地域の大地主。その基地予定地も浜野家の所有地で、
海軍はその土地を買い上げ、浜野正風にその接収地代と基地開設の軍用資金
を預けていた形跡がある。それらは莫大な金額にのぼるはずだった。息子の
町長・浜野正春と貝塚新吉はそれぞれの父親の遺体を守りつつ、地下でその
金を探していたのだった。
浜野町長 私の着任以来 あなたにはいろいろ良くして頂いた
だが それとこれとは話が別だ
死体遺棄の疑いがありますぞ
わかっています そのつもりで来ました
貝塚さんにもその事は伝えてあります
ただちに実況見分する必要がある
戸田君 すぐに鑑識係を呼ぶように 事情は私が話す
それから初芽漁業の貝塚新吉氏に任意出頭するよう要請してくれ
*
貝塚さん、今日の出頭理由はもうおわかりですね?
ええ、浜野さんから聞いています。
浜野さんとはどういう知り合いですか? いつ頃から?
今回のこと、知っていることを全て話してください。
貝塚新吉です
昭和十六年(1941)七月九日生まれ 四十四歳
住所 神奈川県三浦市初芽町石田三丁目一六〇〇 シープラザ成島三五
職業は漁業会社社員 単純に言えば漁師です
私はもともと三崎で生まれました
四歳の時に海軍にいた父が戦死したので
父のことは殆ど記憶にありません 写真で見るくらいです
叔父―父の弟―が初芽町三津浜で小さな漁業会社を始めたので
高校卒業後 私もそこに引っ越し入社しました
最初は小さな漁船一艘からの始まりです
浜野さんと知り合ったのは昭和四十年頃(1965)で私は二十四、五歳でした
当時 仕事で漁業協同組合へはよく行きました
そこで浜野さんは営業部渉外担当で働いていました
最初 彼から声をかけてくれて馴染みになりました
仕事以外にも一緒に釣りをしたり飲みに行ったりもしましたね
父の死についてはちょっと引っ掛かる点があったのです
東京からの軍需物資を横須賀に運ぶ輸送船に乗っていて
浦賀水道でその船が撃沈されての戦死と聞かされていました
ですから遺骨はありません でも どこか不自然さは感じました 父の日記が出
てきて一番最後に「昭和二十年三月二十六日 三津浜開設分遣隊副長を拝命す」
とあったので その任務上の戦死は確かなようでした
それで一応納得はしたのです
ところが ある日 浜野さんに喫茶店に誘われました
そう あの日のことは はっきり憶えています
**********
つづく。(次回 12/1)