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編集・削除(編集済: 2024年09月10日 18:37)

ちいさくてもおおきないちばん  じじいじじい

うまれたときはちいさくて
たくさんのくだにつながれて
ほいくきにはいっていたね
でもあなたはいっぱいいきようって
いっしょうけんめいにがんばってた

あれからもう6ねん
きょうしょうがっこうのにゅうがくしき
からだよりおおきなランドセルをせおって おもそうにしている
せがちいさいからいちばんまえのせき

でもねママやパパにはあなたのえがおが
いちばんおおきくかがやいてみえる
ちいさくてもあなたはがんばりやさん
ママとパパはおうえんしてるよ
これからもがんばってね

編集・削除(未編集)

2023/3/28(火)〜2023/3/30(木)の感想と評になります。 齋藤純二

春雨     埼玉のさっちゃん さん     3/28


春雨の雨音ですね。私はタブレットで雨音を聴きながらほぼ毎日、眠りにつきます。好きなんですよ、雨の音。子どもの頃は屋根がトタンでしたので、その雨が弾く音が最高に好きでしたね。評者に雨音さんがいますが、きっと雨音が大好きなんでしょうね。ちなみに雨音さん「あまおとさん」なんです。ずっと「あまねさん」だと思っていました。
と、いうことで今回の作品は春雨で雨音の良さに気づいたお話になってますね。雨=憂鬱から、雨=楽しみへの気づきは今後の雨の日での気分がガラッと変わるんじゃないですかね。傘に当たる雨音が音楽のように聴こえ楽しくなり、心もしんみりと落ち着いていく感じが作品から感じられます。ふとした日常から楽しみを見出す素敵な内容になってます。このような気づきのセンサーは詩人にとって、表現をするために必要な感度なのでしょう。しっとりと気持ちが伝わってきて良かったです。評価はつけないことにしましょう。
またの埼玉のさっちゃんさんの作品を楽しみにお待ちしております。





ワニとバイオリン     喜太郎さん     3/28


赤いワンピースと赤ずきん、ワニとオオカミ、設定が「赤ずきん」よりになっていますね。話の流れはワニがどうもひ人なんだろうなあ、なんて思いますね。「赤ずきん」の原作ではオオカミが危険な者として出てきますが、こちらの話では少女がワニを部屋に誘い、正直に「あなたを食べてしまうから……」と言うワニ、オオカミとは違う設定なっていますし、少女がひと夜を共にして、自分に生えた尻尾を揺らすところから、両想いの恋の話(大人の情事)になっているようです。あなたを食べてしまう、という口先を包こみ抱く場面、目に浮かんできていいですね。そして読者が想像を膨らませて拝読するとたぶん18禁のストーリーにもなるのでしょう。うーん、そうなると男を誘うのだからこの少女は……。
語りは18行で場面が流れる映像がなめらかで、完結しているところが凄いです。悲しげで、なのに楽しげでバイオリンを弾く情景を作り読者をストーリーに惹き込み、ワニが被ってきた帽子を抱きしめ音色を聴く様子など、ファンタジーな感じもいいですね。ワニは中折れ帽を被ったおしゃれさんだったのか、などと思いをふくらませて楽しく拝読できる楽しい作品になっています。

タイトルがなんとなく「ワニと少女」、あるいは「ワニとバイオリンを弾く少女」、「音色」とかなのかな、と思いました。「ワニとバイオリン」=「者と物」だとちょっとズレてしまいますかね。
評価は「佳作」です。





再会     やまうちあつし さん     3/28


初めまして、やまうちさん。わたくし、さいとうと申します。何卒、よろしくお願いいたします。今回は感想を書かせていただきます。

ふと思い出しクスッと顔が綻んだ場面が浮かんできますね。あの人のあの時に感じた雰囲気を思い出し、「ごきげんよう」と思い出を歓迎している様子がほっこりです。そして、今ではあの人の名前も言葉も思い出せないけれど、心の中にはいい印象が残っているのでしょう。ありますのね、そういうことって。私は匂いで記憶を遡ることが多いです。よくあるのがある香水の匂いを嗅ぐと幼稚園の頃の心持ちを思い出したりしますね。幼稚園の先生がつけていた香水なのでしょう。五十年前なのにスッとその頃の自分に「再会」するのですから、面白いものですね。そういった潜在的にあるいくつもの感情の記憶がそのひとらしさを飾りつけているようにも思います。
思い出し笑いよ、ごきげんよう。いい作品ですね!





Blues     freeBardさん     3/28


freeBardさん、初めまして。わたくし齋藤と申します。何卒、よろしくお願い申し上げます。今回は感想を書かせていただきます。

とてもエネルギーを感じる作品ですね。世界には光と陰があり、ひとは陰になり見えなくなったものがあるじゃないか、って訴えているメッセージを強く感じます。鳥の目、虫の話のくだりは、見えているものだけでなく、そこにある心を読みなさい、相手の心を想像することの大事さをうたっているようです。とても詩的な感覚で作品が組み立てられていることに、書く力量を感じられます。
もしかしたらひとの意識の中で「見ようとしない」というのが根本にあるみたいなところを描かれているのかな、なんて思いながらも拝読しました。「麻痺」という言葉が、それを物語っているような気がします。陰に光を当て見るためには、知ろうとすること、知らせること、訴えること、手を差し伸べること、だけどこちらの作品にあるように自分にある現状から見えない、見ようとしない、利己的な心が優先してしまう困難な生き物なんですかね、ひとは。博愛の目を持ち、ブルース(悲しみ、孤独)を癒し歓びを共有できる世界になって欲しいものです。
考えさせられる作品は読みごたえがありました。





絶望は 空から 降ってくる     森山 遼さん     3/28


森山さん、こちらの掲示板にあげる作品は最低でも五行以上となっていますので、今後はもう少し言葉を盛ってご投稿ください(掲示板のご案内参照)。
少し改行すれば五行以上になりますが………。短い詩は書き手の思いをどれだけ読者が共感(どちらかというと共鳴ですかね)させられるかにかかっていると思います。そのひと自身の根にある魅力が充分に言葉から滲み出せたのなら、作品として素晴らしいものになる気がします。





スタンダード     妻咲邦香さん     3/29


僕が読者に語りかけるように(「君」に話し掛けているスタイル)、地元の様子をソフトで親しげな感じで伝えているのがいいですね。山が雲の帽子を被り誰かに似てるとか、カフェにはサンドイッチが二種類しかない、そんなくだりもほっこりします。
「僕」が現時点でスタンダード、あるいはスタンダードの立場ではないといった両極端から拝読出来ますね。私は前者のスタンダードという柄じゃないけれど、現時点で僕はスタンダードなんだろうというジレンマを感じている作品と読みました。「永遠に君に刺さるものを描けない」、スタンダードを壊すことが出来ない日々は、僕を壊しているようですね。もしかしたら180度立ち位置が違くて、僕は君が好むようなスタンダードなものが描けない(描きたくない)、という意味かもしれませんが。「壊れることも出来ないままに/あと十分で電車が来る/それを逃したら君は/一時間以上待たなくちゃならない」ここの「壊れることも出来ないままに」では、壊れることが個別なことでなく、「君」と「僕」との関係性からも来ているのですね。
終盤では僕がスタンダードな日々(自分)を壊せずに、同じ花を咲かせるように同じような日々を過ごしていくのだろうという、ちょっと不思議な切なさも受けましたね。誰かと過ごす日々は暖かく、「壊したいものが何だったか」と、ひとを丸くさせてしまうのでしょう。それは果たしていいことなのだろうか、つまらないことなのだろうか……。
スタンダードを意識した時点でもうスタンダードなのでしょう。ひとと比べないスタンスが壊れず壊すことなのかな、なんて感じながら拝読させていただきました。
読みごたえ充分な作品で「佳作」です。





ラナンキュラスは知っている     紫陽花さん     3/29


ラナンキュラスって、どんな花かなと思い検索しますと花びらたくさんつけ魅力ある花でした。ここから冬の秘密が暴露されてしまうのですね。その様子を見て「私の秘密で遊んでいる〜」って感じで、冬の閉じこもった感覚から解放される気分が上手に表現されている作品になっています。日常で出会う花を眺めながら、自分の気持ちをその景色に重ねて言葉を綴る、詩の楽しみの醍醐味ですよね。こういう作品を拝読していると詩っていいなあ、とあらためて感じます。自然にちょっと言葉で遊びながら、楽しめるのですから。今回は評価をつけずに、ここで読者に遊んでもらいましょう。超ほっこりです!




RUN 鯖詰缶太郎さん     3/29


友がヤバい精神状態なのだろうか、そりゃ急いで話を聞いてやらなくちゃ、手遅れにならない前に、って感じですかね。「今まで、ありがとう」これは聞き手からするとSOSだよなっ、えっ河童!?どころじゃないようです。「河童」が唐突な登場ですが、るんぱっぱるんぱっぱといったように自分が酔っている状態ってことなのかなと思い拝読しました。ということは、酔った状態で自転車を転がし、「いい奴」な友とのことを思い出しながら風を切っている、ちょっとデンジャラスな感じですが、無事に友のところへたどり着けっ、と願いながら作品を追っていました。もし素面なら、河童やカップヌードルのくだりは頭に浮かんでこないだろうから、そう考えると突拍子もない河童の登場もしっくりくる作品になってきます。
もしかしたらこれは全て夢の中の話で、現実にはこの友を助けることが出来なかったという見方もできます。その心に引っかかっている語り部の想いが夢となり描いたストーリーなのかもしれません。ああ、こっちかもしれませんね。「お前の街は何故、遠い?」このへんで臭ってきます。すると「俺はいつだって間に合ってみせるから」というのが切なくなってきますね。
まあ、作品で一番言いたいことは、友がピンチの時は俺がいるじゃないか、待っていろよ、という友のもとへ走っていく気持ちなんでしょう。ちょっと疎遠になっていたようだけど、やはりその友が自分にとって大事でいい奴なんだ、という思いを楽しかった場面を回想しながら描き、ちょっとふあふあした平衡感覚を失った表現は構成もよい作品に仕上がっています。
タイトルの「RUN」というのは作品とフィットしていない気がします。英語だからかもしれません。「友よ、あと三分で着く」とかで、いいんじゃないかな。

評価は「佳作」です





。。。。。つぶやく。。。。。

どうでもいい話なのですが……
今朝がたの夢。
高速道路を運転していましたら、
車高の低い車?に玉突き事故を起こしてしまったようだ。
お互い路肩に寄り、相手の車を見ながら私が警察に電話している。
衝突した時もしっかり見ていたけれど、
その車はどう見てもUFOの円盤の形をしていて、
運転席がオープンカーのようになっていた。
相手の運転手に怪我はなさそうだったけれど、
なぜかアフロな髪型をしていている四十代の女性だった。
ちょっと面倒なことになったな………
と、目が覚め評の続きを書き始めたのでした。
じゃんじゃん。なんやそれっ!

編集・削除(編集済: 2023年04月08日 15:29)

雲  ベル

雲は風に乗って
遥か彼方まで行ってしまう
本当は追いかけたいのだけど
君を待ってる新しい世界を
僕が邪魔したくない

飛行機雲が空に溶けるくらいの時間
見えなくなるまで君を見ていた

夕焼けが夜の始まりを教える頃
あの雲はみんなの笑顔の真ん中にいるだろう
一番星を見つけて手をのばす
地球発よろこびのうた

編集・削除(未編集)

永遠の一部

朝6時起床
昨晩はよく眠った
起き抜けの紅茶一杯
無農薬の茶葉のアッサムティー
眼球は虚空を彷徨う

サンドイッチを平らげたら
さて日課の散歩に行くか
今日は公園の並木道を抜けて
隣町のコンビニまで
ホットコーヒー飲みに行こう

日曜日のゆるやかな歩行
風は凪いでいる
この千里という町は
本当に自然溢れる町だ
並木道の両側に立ち並ぶ
ソメイヨシノを見ながら
しみじみとそう思う

その昔この町一帯は
千里山という山だった
万博が開催される頃
山を全部切り開いていった

緑が無くなるのが惜しかったのか
所々自然を残してある
千里の町のあちらこちらに
桜の木が 自然が見られる

    *

並木道も終わりに差し掛かった頃
凪いでいた風が
ゆったりと起こってきた

すると僕の目の前に
枯れ葉が一枚
はらりゆらりと
舞い降りてきた

あっという間に
二枚 三枚 四枚と
無数の緑や茶の葉っぱが
風に揺られて降ってきた

悠久の時の流れを巡って
落ちてきた枯れ葉ひとひら
両の手で掬った
その時僕は思った
僕は永遠の一部を手にしたのだ

千里山の時代から
はたまたその大昔から
繰り返されてきた季節
そしてこれからも
繰り返される季節

そして今 2023年4月2日
僕が手にした枯れ葉は
永遠の律動の小さな小さな一部
ささやかだけれど
永遠を切り取った一部

編集・削除(未編集)

文学の糸  三浦志郎  4/7

私は眠る時本を読む

一ページ読んだくらいでたちまち眠れる
栞を入れ忘れ翌日困ることが多い

今 読んでいるのは―
直木賞作品だがすでに絶版
文庫 一九七八年十月二十五日 第一刷
最後のページに鉛筆で
「百円」
著者は今年亡くなられた
著名だった


その日は日曜日なのに朝から雨だった。急に思い出した。
町の文学館が今日を以って閉館するのを。老朽化の為に
改築するという。四年間の長い閉鎖。今、私が読んでい
る作家の追悼展も行われている。雨の中、難儀なことだ
が、どちらも今日が最終日だ。今日を措いて他日はない。
私は行かねばならなかった。その文庫本を持って出かけ
た。雨が勢いを増したようだった。


その文学館
瀟洒で由緒ある洋館をそのまま用いている
木の雰囲気が展示を優しく包む
この地に根づいた文学の姿と時間
去来した作家たち 詩人たち

それらに囲まれ
ひっそり息をするように
その人の追悼展示があった
経歴と写真と著作が並ぶ
窓からは美しい庭園が見え
視界は海へと続くはずだった
しかし 今日は雨に煙ったままだ


「あっ!」―静寂の中

私は場違いな声を出してしまった
近くにいた若い女性が驚く

生原稿である

*(京の醍醐寺に預けられていた今若が、異母兄頼朝の旗揚げをきいて……)


別に生原稿に驚くことはない。しかし、それは私が今読ん
でいる小説冒頭の肉筆ではないか。得がたい偶然である。
訂正や書き込みはあまりなく、比較的きれいな原稿だ。
筆跡は女流らしく、ゆったりと優しい。原稿用紙一枚分が、
私が読んだ時の気分と重なる。(昔はこうして一枚一枚手
書きしたのだ)。ごく当たり前のことに、私は妙に感動し
てしまった。原稿とその人の肖像が私の中で重なる。


今日 時空を越えて
手書きで届けてくれたのだ
贈り物となって 今 私の手許にある
この活字の故郷がこの原稿
畏れながら
著者と私とは
文学の糸で繋がっていたのだ

そう思いたかった

去り際のはからいのように
仲立ちをしてくれたのが
文学館
今日を以って閉じるのだ
この場所と私とは
文学の糸で繋がっていたのだ

そう思いたかった


いつしか優しい降りになった
雨に送られる
文学者も
文学館も

雨のベールで
自らを包み閉じるのだった
モノクロームに
淡く色を添えたような
最後の装いが
私の中で残像となった

(今日は雨でよかったのだ)

そう思った



                       *永井路子著「炎環(えんかん)」所収第一作目「悪禅師」の
                        冒頭部分。この作品集は再評価を受け新装版で復刊した。

****************************************************

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三浦様、評の御礼  凛

凛です。
三浦様、この度は『孤独を知らない君』をお読みくださり、また丁寧な評をありがとうございます。
今回は、孤独をテーマに詩を書いてみました。そしてテーマを引き立てるため、孤独と対照なものとして、月を取り上げてみました。普通月はどことなく孤独なイメージがあるのですが、よくよく考えたところ、意外と孤独とは対照的なものなのではないかという気がしてきたのです。
次回もより良い詩を書けるように努力いたしますので、またよろしくお願いいたします。

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ほほえみなさい  やまうちあつし

ほほえみなさい

路傍の花が

なくしてしまった
ものの代わりに
燃やしてしまった
ものの代わりに

ほほえみなさい

新しい如雨露を
ついでに
古いレコードを

夢みたいだね
遠い国の話のようだね

こんなに変わるとは
知っていたけど
知らなかったよ

ほほえみなさい

街の夕日が

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しあわせが、まっている  鯖詰缶太郎

空を眺めながら
しあわせだから
手をたたいた

君の事が大好きで、よかった

そして、君が僕の事を
好きでいてくれて
よかった

くちぶえが
僕より、先に
家で待っている
君のところに
急ぎ足で、帰っていく

今日の
ただいまのメロディーは
昨日のよりも
もしかすると
あったかくはないだろうか?
気のせいかい?

君はおかえりのカレーを作って、待っている
あまり、甘い言葉を書いてしまうと
カレーが甘くなってしまいそうだから
とっておきの言葉は
食後にとっておこう

ついつい
にやけながら、歩いている

いつ、職質をうけても
おかしくない、不審者に間違いない

職業は?

しあわせもの、です。

お名前は?

しあわせもの、です。

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歩こうよ  妻咲邦香

歩こうよ
ねえ一緒に歩こうよ
そう言える理由が欲しかった
手の甲が触れたのは
ちょっとわざとだよ

歩こうよ
ねえ嵐も過ぎ、花も散り
取り残されて裸足になった
ただの思い付き?
それで構わない
恋になりそうな色の空と
逃したくない気持ち
おいでおいでしている午後

背伸びをした後のくすぐったさで
街中のポスター読み上げて
飛行船の夢を見る
発明された遠近法
発見されないアドバルーン
時々は四つの手足を地面に付けて
ナポレオンになって
ナポリタンを食べて
知らない株式会社見つけて
はしゃいだり、ぶつかったり
居並ぶキッチンカー
大学生のデモ行進
お葬式の花束
ねえ歩こうよ
足が痛くても平気だよ
何が出来るわけでもないのに
少し違うだけの染色体が
どうしても縮めてくれない
果てしない距離が何だか

出会う前の恋人たち
目を細める親子連れ
昨日からせーので今日へ
並んで飛び越えた変更線
私は見たよ、怪しい家政婦
見たよ見たよ
腐敗する途中の生命
一度きりの約束だからと律義に従う
もう毎日がカウントダウン
それでも生きよと花を踏む草原
修復不能な裂け目を抱え
摩天楼がそびえ立つ
でもね、空の人には形あるものは映らなくて
機能しか見えてない
だから安心して

歩こうよ
ねえ一緒に
歩きたいんだよ
生まれ変わって一から探すの
面倒なんだよとっても
あなたのためなら今までの
全部捨てて妥協する

だから恋の
愛に変わってしまう前に
歩こうよ
そこいらの星をぐるっと
散歩して
ほんの数万光年

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旅愁  山雀詩人

二本の棒が横たわる
山の奥へ奥へと続く

よくもまあ敷いたものだ
こんな長い鉄の棒を
こんな山の中に

もしも僕が発明家で
もしも列車を発明しても
きっと却下しただろう

線路を敷かなきゃ走れない
そんな乗り物はありえないと

でもそんな予想とは裏腹に
今や線路は津々浦々に
町から町へ
都市から都市へ
ついにはこんな山にまで延び
僕が この寂しがりやの僕が
まさかのひとり旅なんぞして
案の定寂しいだけの一夜を過ごし
案の定寂しいだけの今朝の旅立ち

それでも今まさに列車は駅を離れ
誰見送る者はあらねども
もう来ることはないであろう此処を去らんとするに
おのずから旅情は高ぶる

何だろう この不思議な気持ち
何だろう このこみあげるもの

きっとこの棒のせいだ
およそこの世の旅の形で
列車の旅ほど寂しさをかきたてられる旅立ちが
ほかにあろうか

列車を発明した人は
旅愁の発明家でもあったのだろう
寂しさを演出すべく
こんな大がかりなセットを組んで

ほら 今もつながっている
僕をさらなる愁いへと
誘うように 招くように
二本の錆びた鉄の棒が
山の奥へとつながっている
 

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