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編集・削除(編集済: 2023年10月25日 04:10)

ミルフィーユ 紫陽花

あなたに笑って欲しくて
嘘をついた

ミルフィーユみたいに何層も何層も
毎日嘘を重ねた

優しくて甘い嘘
今日のミルフィーユもサクッと軽く
できたかな

ほわっと幸せな気持ちだけ残るといいな

だから、今日も私は嘘を重ねる

また、歩けるようになるよって

編集・削除(未編集)

日曜のバイオリン弾き    小林大鬼

日曜の柏駅を降りて広がるダブルデッキ

撤退したそごうの茸型の
展望台付きビルは鎖されたまま

蝸牛のようなエスカレーターの先に
若者が一人バイオリンを弾く

バイオリン弾きを見ながら
人々は流されるように降りてゆく

古ぼけたビルの狭間の誰もいない空の下で
若者は一人バイオリンを弾き続ける

観客の視線は映画のエンドロールのように遠ざかる

緩やかなエスカレーターを降りると
渋い老舗の喫茶店と大判焼屋が見えて来る

編集・削除(未編集)

旅人の音楽  もりた りの

その旅人はギターを片手に旅をした
ある日ある王国にたどり着いた

そこは音楽のない国だった
鳥のさえずりは音楽ではなかった
虫の鳴き声も
風のそよぎも
泉の溢れる音も  
ただの記号だった
事象を認識するための

旅人はいつものように
街角で音楽を奏でた
人々にはただの記号でしかなかった
彼らはこの記号を読み取ろうとした
その意味が分からずにいた
音を鳴らしている理由が分からなかった
 
そこに王さまが通りかかった
しばらく旅人の音楽を聞いたあと
家来にその者を捕らえるよう命じ
地中深くの牢屋に閉じ込めた
最も残忍な犯罪を行った罪人の牢屋に
旅人の音楽が誰にも届かないくらい
深く暗く湿った地中深く
音楽が地上に届かない牢屋に

ある日王さまはみなが寝静まった夜
たったひとりで旅人の牢屋にあらわれた
音楽とやらを奏でるように旅人に命じた
旅人はおどろいた
しかし王さまは笑顔でうながした

生れ育った故郷を想う音楽を奏でた
王さまは耳を奪われた
共に戦った友を想う音楽を奏でた
王さまを視覚を奪われた
なくなった両親を想う音楽を奏でた
王さまは思考を奪われた
昔の恋人を想う音楽を奏でた
王さまは心を奪われた
見えない空を想う音楽を奏でた
王さまはすべてが奪われた

王さまは目を閉じて音楽に聞き入り
涙がとめどなく流れた
笑顔で旅人を見つめ
旅人に手を差し伸べ
とても長く力のこもった握手をした

次の日王さまは家来に命じた
旅人のギターを破壊せよ
旅人の声を破壊せよ
そして旅人を海の向こうに流せと

王さまは恐れていた 
いずれ旅人の音楽が
自らの地位を脅かす日がくることを
音楽が世界を脅かす日がくることを

編集・削除(編集済: 2022年07月06日 00:47)

青島様、ご詩評の御礼  もりた りの

このたびは「転がるスイカ」にご詩評くださりありがとうございました。
また返信が遅れてしまいすみませんでした。
時々こういうものを書きたくなる衝動にかられるときがありまして、投稿するときは「これは詩なんだろうか、詩ではないはず」と思いつつも出してしまいました。思いもよらないご評価をくださり、うれしさとともに、ほっと致しました。
詩が思い浮かんだのは、朝Yahooのトップページにいくつかのスイカが水に浮かんでいる写真が載っているのを見た時です。心も体もとてもウキウキしたいた時だったことを思い出します。(と、いってもいつも上機嫌なのですが)
話変わって、数か月前のゴールデンウォークの時ですが、昔のMY DEARを古い方から順番に読んでいたとき、eri.さんのとある詩にとても惹かれました。フルーツが出ていたような、花を書かれていたような、朝だったような、カフェだったような・・・・、とてもウィットにとんでいました。その時に旧ページが見られなくなってしまうと知っていれば、コピーしていたのですが、再度見つけ出すことに自信がありません。こんなことを言われても困ってしまうかもしれませんが、いつもいつかお伝えしいたいと思っていましたので、書いてしまいました。
どうもありがとうございました。引き続き何卒よろしくお願い致します。

編集・削除(未編集)

雨音様、ご詩評の御礼  もりた りの

このたびは「白い砂浜の絵」にご詩評くださりありがとうございました。
また返信が遅れてしまいすみませんでした。
ご指摘いただいた点、確かに染み入りました。
「あなた」と「わたし」がたびたび出てきて、読んでくださる方の視点が行ったり来たりさせてしまっています。
また表現的にも「あなた」「わたし」と都度書かなくても、伝えられる表現方法があるような気がしました。現時点では、具体的な解決策は見つかっていませんが、「出来ない」という感覚にはなれないので、推敲して力がついてきたら見えて来ると思います。そのときようやく詩の形になるとも。
やっぱり説明的な文が多かったですね。
出直してきたいと思います。
ご丁寧なご講評、どうもありがとうございました。
引き続き何卒よろしくお願い致します。

編集・削除(未編集)

葡萄に栗鼠  ピロット

唐紅に染まったもみじ もみじ
ひっそり 静まり返った境内
燃えるような 赤なのに
漂うあの静謐さは 何だったのか
蒼色の天鵞絨 
苔の吐息だけ響いていた
清らかな冷気に 

伊達家の菩提寺 瑞巌寺
桃山様式の粋尽くし
政宗が 五年かけ完成した
都の典雅さとは異なる美 
孤高な武骨さが刻まれていた

 *

濃紅の落葉の如く
堆く重ねられてゆく 過ぎし月日
寺を訪ねた思い出も 薄れゆく
全ては 落葉の吹き溜まり
遠い潮路を渡る風にかき消される

音もなく心に散る もみじひとひら
赤く灯る 一つの記憶
栗鼠が一匹
複雑に絡まる 山葡萄の蔓
葉陰に身を潜め
たわわに実る葡萄を 見詰めていた

左甚五郎が彫り
欄間の中 閉じ込めた
葡萄に栗鼠 生の表象
武道に律す 伊達の魂

 *

琥珀の中 姿そのままに生きる小さな虫のよう
心の底 黄昏ゆく紅葉
栗鼠は今も じっと息を潜ませている
葡萄の葉陰に
豊かな尾を 蔓と踊らせて

栗鼠は 何かを待っている……

否 
心の中住む栗鼠は 絡まる蔓を器用に渡り
その小さな両手に しっかりと掴む
葡萄一粒
きっと

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菜箸の威信  まるまる

水玉模様
縞模様
好みに合った柄付き菜箸
キッチンを少し 華やかに
台所の主婦の 余裕

子どもの頃に
見慣れていたのは
昔ながらの木の菜箸
端から端まで
飾りは 無し

一日に一度は「塩ひとつまみ」
直接指でつまむのをためらう
指に塩が付いちゃうから
ものぐさの私の手は止まる

鍋を混ぜる
昔ながらの菜箸片手に考える
煮汁の箸で 塩は取れない
どうしようかと考える

鍋を混ぜる
昔ながらの菜箸片手に鍋を見てたら

ひらめいた

飾りのないこの木の菜箸は
反対側も菜箸になる
ひっくり返して塩壺に
すっと差し込み 塩ひとつまみ
指と同じに美味しくできて
壺にも馴染む その菜箸

端から端まで木の色の
昔ながらの菜箸は
飾りも気取りも 何もない
キッチンに華ももたらさない

端から端まで木の菜箸は
飾りも気取りも何もない

だけど代わりに
無駄もない

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旅人かへらず  エイジ

1993年10月17日
シカゴ、オヘア空港に降り立った
既に3回目のアメリカだった
語学学校のレセプショニスト
ベッキーさんが迎えに来てくれた

1年半の留学だったけど
沢山すぎる思い出が残った

みんなで食べたドミノ・ピザ、サブウェイ、マクドナルド
ビリヤードにボーリングに明け暮れたユニオン
夜遅くまで友達と勉強したクリストファー・センター図書館
ランニングにジムに水泳 汗を流したフィットネス・センター
発音をカセットテープで徹底的に練習したランゲージ・センター
留学生とアメリカ人学生と討論した思い出……

今 僕の第二の故郷として甦る
インディアナは ヴァルパライゾ大学
いつまでもとどまっていたかった
最低4年はいたかった

僕らは留学生 なので
絶対帰らなければならない家がある
断腸の思いで去った……

まだ僕の思いはかの地の
大学のキャンパスを彷徨っている
永劫に彷徨うことだろう
人生の旅人となって
ああ「※1幻影の人」よ
※2旅人かへらず

※1 西脇順三郎詩集「旅人かへらず」の序文より
※2 西脇順三郎詩集より

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猛暑日

むらむらと、地中からわき上がる
熱気を感じて
地球の威力を感じて
ぼくはうれしくて、階段を
二段とばしで駆け下りた
日傘を差しているおねえさんたちが不思議だった

太陽が、地球のお産を手伝っている
地球の吐息が熱風
産婆の手が日ざし
地面があついのは、中で赤ちゃんが暴れているから
ぼくはここにいるんだ
みんな頑張っているんだから
ぼくもここに立っていなきゃ
ゆらゆらと、ぼやける路上
せみが鳴いている

とたん目の前が白くなり
つめたいやわらかい部屋にいた
「熱中症ですね」
白い部屋の看護師さんたちは笑っていた
「どうなったの?」
ぼくが聞いても
誰も答えなかった
雨がぽつぽつ降っていて
赤ちゃんは死んでしまったんだと思った

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眠る種  荻座利守

一粒の種がある

黒く硬い
種皮に包まれた種が

いま深く深く
眠っていた

眠る種は
種であると同時に
時間でもあった

硬い種皮に包まれた
結晶化された
時であった

それ故眠る種は
遠い記憶の海を
漂っていた

種がもし
人の言葉を解したならば
己が種という名で
呼ばれることを
頑なに拒んだであろう

何故なら
種は種であると同時に
芽であり
根であり
葉であり
茎であり
花であり
実でもあるから

それら全ての形相が
結晶化された
時の内に刻まれていて
黒く硬い種皮の
内側に湛えられた
遠い記憶の海を以て
種という名による限定を
超脱していた

だが種は
人の言葉を知らず
いまはただ深く深く
眠るのみであった

そして
その内に秘められた
時の深みが
無辺なる質料の世界へ
遥かなる無限の未来へと
投射される日を
寡黙に待ち続けている

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