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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

評を頂きありがとうございます。

齋藤様。
忙しい中、評を頂き有難うございます!そうですよね、今一つ何か足りませんよね。暑さのせいか頭ぼんやりしてしまっている私です。(笑
しかし、暑さに負けず、めげずにまた書こうと思います。

編集・削除(未編集)

2022/8/16(火)〜2022/8/18(木)の感想と評になります 齋藤純二

おとめごっこ     紫陽花さん     8/16


うーん、めちゃいいですねこちらの作品。おとめの気持ちが満載でなんだかぷるんぷるんと伝わってきます。と、超おじさんの私が感想を書いているって、キショいかもしれませんが正直にそう思いました。比例、反比例のグラフという表現はコピーライター顔負けのグットな感じですね。

うーん、でもちょっと書き方がもったいなかったかもしれません。一行連わけはリズムが付かず、読み辛い感じがしますね。一行ごとにされたのは、前後に話を繋ぐことなく、場面の断面で繋ぎ合わせて雰囲気を伝える技法だとは思うのですが、ちょっと活かしきれてないような気がします。また、「蕾の香り」にクエッションマークが付いてしまうかな。花のことは詳しくないのですが、蕾の時に香りをためて香りはせず開花した時に、ふあっと香りが解き放たるものかなと思いますが、もし間違っていたらすみません。また開く前の蕾で白い薔薇とわかっているのは、自宅で毎年咲いている花なのでしょうね。ここは大丈夫だと思いますが、ちょっと考えてしまいました。あと、「お昼ね」のところで作品が終わってしまう感じもありますね(「おーい、寝たんかーい。話の続きはどうなるんだ……。ああ続いていた」)。話の流れ(場面の風景)がプツンと切れていますかね。

この作品、絶対に推敲に推敲を重ねてピカピカに磨いて完成させてくださいね。
参考になるかわかりませんが、私ならだいたいこんなスタイルにしてしまうかな↓。人それぞれの磨き方があると思いますので、紫陽花さん流にやってみてください。

評価は内容はもう超佳作なのですが、今の時点では「佳作一歩前」となります。ああ、言い忘れていました、題名、最高っです!


朝にたとえば
まだ開かない薔薇
ほのかな蕾の香りを聴いて



貴方と私の恋心

反比例グラフのやるせなさ


古今和歌集のお供は
鼻腔を通るチョコミント



微睡むつかの間
癒しのボサノバでうたた寝


夢に見た貴方と私の
正比例グラフものがたり


生まれて初めて
美容液を塗ってみたりして



コラーゲンドリンクを飲んで

ツヤツヤプルプルなお肌を楽しむ

ティーンエイジャーの情操


このまま
大人になんてなりたくないから
おとめごっこを続けよう






君が出ていった     ゆき さん     8/16


別れ、それは失恋でしょうか、なんだか受け入れない気持ちが痛いくらい伝わってきますね。「時間が解決してくれるまで / ずっと君を好きなまま」と、この表現が作品の状況や気持ちを的確に描かれていますね。とてもいい感じです。相方が出て行った部屋での場面、部屋での回想、この先の……、このような定番の設定になっていますが、あとはどれだけこの気持ちを読者に伝えられるかが勝負になってきます。誕生日にあげた青い帽子と黒い日傘を忘れて行ったと思い、まだ自分のことをどこかで好きでいてくれるという未練、願いみたいなものが伝わってくる表現なんて見事です。そのような書き方で定番が定番でなくなっている作品になっている理由だと思います。
ああ、せつない……。おじさんの私も胸がちょっと痛くなりました。

評価は「佳作」です。






落下     浮遊さん     8/16


初めまして浮遊さん。齋藤と申します。何卒、よろしくお願い申し上げます。今回は私にとって初めての方なので感想を書かせていただきます。

作品「落下」の浮遊さん。浮遊さんの「落下」。なんとなく浮遊さんの言葉というか、描く好みを勝手に想像できる作品なのかな、と感じながら拝読しました。円柱の上下の底面、側面を風景で象った景色が目に浮かんできます。そして「鈍色に輝いていた世紀」という表現に、むっむっと読者を惹きつける魅力がありますね。光がさして「霞む」と言うのだから閉鎖的な心地よさを失ったのでしょうか、なかなか意味深な表現におっと、と仰け反りますね。全体がボードレール的な雰囲気を使った空間、色、香りの表現に似た力を感じました(「あなたは聞きましたか」という問いかけはボードレールはしなそうですけど)。

作品によって、ひとそれぞれ伝わるメッセージが違うと思うのですが、私は母親の子宮の中にいて、怖い光のある世界には行きたくないよ、産まれる(落ちる)みたいな場面を想像しながら拝読しました。その時(産まれる)の香りは聴いたのでしょうが、覚えていませんが……。

言葉少なめで抽象的な作品でしたので、読者が想像しながら楽しむ内容になっていたと思います。次回はもう少し長めの浮遊さんの作品を拝読したいなあ、と思いました。またのご投稿をお待ちしています。





黙示     Liszt さん     8/16


今回はこれぞ散文詩みたいな、メッセージが強く伝わる作品になっていますね。最初に拝読した時には、えーと、これはどのような状況でどのようなことを伝えているのか、分かりませんでしたけど二度目の拝読では、おお、そうか、こりゃなかなか哲学的で進歩していく社会に住む我々にも当てはまるような内容になっている、と気づきました。これくらいの硬めの言葉で組み立てられた散文になりますと説得力もついてきますね。蛮族が城内に入り、そこで感じた失われた時間に、攻めた自分達の傲慢と無関心に気づき、それが身勝手な論理であるという。今も続く戦争にも関連付けて深く思考を巡らせる作品にもなっていると思います。
Lisztさんの新たなる開拓された作品にも感じられました。いろいろと試され詩作することはとても有意義な時間になると思います。ガンガン、行ってください!

評価は「佳作」です。





葬     cofumiさん     8/16


大事なひととの別れを少しずつ受け入れている感じなのでしょうか。一連にある水しぶきが心の反射が反射してできたという表現は、場面が浮かびハッとあなたを思い出す感じが見事に表現されて素晴らしいですね。あなたの言葉を葉に浮かせ、という三連の表現も切なくて伝わってきますね。そして火薬のにおい、あなたを思い出しながら、少しずつその愛を葬っていこうとする夏の情景が上手に表現されてた作品でとても良かったです。

評価は「佳作」です。





タイ料理屋の猫     小林オニカマスさん     8/17


タイ料理屋を出ると猫がまとわりつく、ここで飼われているのだろうか、なんとなくのんびりとした時間を過ごして、お腹も満足しているのでしょう。
前にプーケットに行った時、パイナップルをくり抜いた中に炒めたご飯が入っていた料理を食べたのですが、それがめちゃ上手くてその味を思い出し腹が鳴りそうでした。タイの料理は辛いものが多いですよね。コンビニでは辛くないカップ麺を探すのに苦労したことも思い出しました。けっきょく、付いていた辛子を入れずに食べたのですが、それでも辛っ、でした。ああ、脱線、失礼。こちらの作品はたぶん、小林さんの地元にあるタイ料理屋でのお話しでしょうか。店員さんの挨拶といい、異国へ行っている気分も味わえそうでいい雰囲気が目に浮かんできました。ああ、タイ料理が食べたくなったよ〜。
連ごとの場面が繋がって読めなくて、話の流れにちょっと戸惑ってしまいました。店を出て、猫がいて、そして店の中での話し、土浦の夏、んんっ最終連の写真の猫はどこで見ているのだろうか。流れを少し丁寧に表現されるといいと思いました。
評価は「佳作一歩前」です。





物語     喜太郎さん     8/17


この旅人は神のような存在ですね。空に弓を射抜き光を差し、青空の知らない子どもたちに正義だろうか善を教えてくれた、というストーリーとして作品を拝読しました。その村にある悪意な社会が空を曇らせていたのでしょう。これは語り継がれる物語になっていますね。場面や風景が浮かび臨場感がとても伝わってきます。旅人が弓を引くところなどは最高でしたね。雰囲気がでてました。上手に書けていると思います。
あとは一行ごとに連わけされていたのがちょっと惜しかったかな、と。読者に読みやすくと考えられて書かれたのかもしれませんが、詩を読む方は行間が空いていれば連わけという意識で作品を読みます。するとこちらの書き方だとすんなりと頭に入ってこないと思います。いくつかの連にするか、改行なしがいいですかね。その辺をご一考くださいませ。

参考になるかわかりませんが、例えばで↓



大空は悪意に満ち溢れている



いつからだろう

青空を知らない子供たちが
育つ
この村も曇天が空を覆い

悲しみと憎しみの中にある



子供たちは昔話で村の長から
青空を聞く



一人の旅人が来て

村の丘に立つ
大地に片膝をつき

しっかりと大地と一つになる


左手に持った大きな弓に

錆びた鉄の矢をあてがい

上半身に渾身の力を込める

鉄の矢を徐々に天空に向けて引くと

弓がギリギリと鳴り

隆起し始める紅い筋肉と太い血管



弓は限界まで引かれた

男の強い眼差しは

天空の一点から離れない

僅かに震える両手の筋肉と弓矢が



止まる



訝しげに集まった村人たちの中に

緊張と静寂が広がる瞬間

まるで石像のような弓を構える男から

弓が大きく鳴き響いた

風を切る音と共に矢は天空に向かい

一筋の金色の光となる



曇天に消えた金色の光の点

空を見つめる子供たちの瞳に

青空が徐々に広がる



男は立ち上がり歩き出す

次の矢を射る場所を求めて

そして長は誓う


もう二度と
悪意に満ちた空にはしないことと

子供たちに語り継ぐことを



やがて物語となり語り継がれてゆく


評価は「佳作一歩前」です。





はちがつじゅーしちにち。     おおたにあかり さん     8/17


8月17日のご投稿「はちがつじゅーしちにち。」ですね。その時の思考をささっと書き留めた感じの作品になっているようです。そこまで沸点には到達していない感じもしましたが、「東の方」になんだか腹が立ったのでしょう。季節の先取りと言っている妬みのユーモアな表現もを面白く書かれていますね。扇風機を顔にあて「ちくちょーう」なんて大きな声えをビブラートさせてしまいそうです。
私が子どもの頃は気温が30度に達すると、30度ってどんだけだよと騒いでいましたが、今じゃ気温が40度を超えてしまう日もあるというのですから、この先の環境が心配ですね。温暖化へのボタンをOFFにしなければ……。
なんてことも考えながらこちらの作品を拝読させていただきました。

評価は「佳作一歩前」です。もうひとつ盛り上がりが欲しかった、かなと。





へいこらサン     秋冬さん     8/17


なんだか面白い作品ですね。へいこらサン、部下に威張るひとから謙虚なひとに変わっていく様子がなんともいいです。へいこらサンは周りが自分に対する反応があれっと思い、これでは駄目だな俺、みたいな気づきがあったのでしょう。威張ったままのひとでなく、考えを改め始めているというのだから、ひとは変われるものなんですね。そんなへいこらサンの様子を語り部がよく観察して、へいこらサンの変化に語り部が感情移入している話の流れになっていることが面白いです。最後はいいひとかも知れない、と上手に表現されユーモアある口調で書かれ、勢いもあって見事だと思います。楽しませていただきました。ましかしたらモデルになっている方がいたのでしょうかね。

評価は「佳作」です。

ひとつ、改行をご自身で入れた方がいいですね。こちら詩誌の今号、新作紹介での井嶋りゅうさんの作品を参考にしてみてくださいませ。
テンプレが一行の字数が長いとかなり読み辛くなりますので。


なんだか面白い作品ですね。へいこらサン、部下に威張るひとから
謙虚なひとに変わっていく様子がなんともいいです。へいこらサン
は周りが自分に対する反応があれっと思い、これでは駄目だな俺、
みたいな気づきがあったのでしょう。威張ったままのひとでなく、
考えを改め始めているというのだから、ひとは変われるものなんで
すね。そんなへいこらサンの様子を語り部がよく観察して、へいこ
らサンの変化に語り部が感情移入している話の流れになっているこ
とが面白いです。最後はいいひとかも知れない、と上手に表現され
ユーモアある口調で書かれ、勢いもあって見事だと思います。楽し
ませていただきました。ましかしたらモデルになっている方がいた
のでしょうかね。





自分らしく     埼玉のさっちゃん さん     8/18


お久しぶりです埼玉のさっちゃんさん。ウクレレを弾かれるんですね。ウクレレの音ってとっても癒されるなあ、と思い私も二年前くらいからランダムに音楽を流しながら、旋律ぽいメロディで適当に合わせてひとりセッションしてます。
おっと、発表会で演奏されるということで、頑張って練習をされているのですね。凄いですね。当日はご本人も楽しみながら演奏できるといいですね!
アスファルトとの間から力強く伸びる雑草を見て、自分らしく生きようと前向きになる朝っていう表現がいいですね。私も今日一日頑張るぞ、と励ましてくれる。そう思える気持ちが素敵だなと思える作品になっています。
そして、家族のためにカレーを作って待っている、そんな身近な幸せも全体を通して上手に表現がハマっていますね。

話の展開は雑草、ウクレレ、カレーライスになっていますので、これらで連わけをした方が、読者は読みやすいかな。また「ふと気づくと」いう場面移行の言葉がありますが、ここにひと工夫がほしいなあ、と思いました。
評価は「佳作一歩前」です。

例えば↓


アスファルトの隙間から

力強く雑草が生えている
  
「自分らしく生きて行こうよ。」

朝から励まされている気持ちになる


興味が湧くものに目を向けつつ

隣に居てくれる存在を大切にしたい


置きざりになっている
ウクレレを軽く弾いてみた

指が覚えているのだと

感覚は戻ってくる

発表会まであと少し

まだまだ練習は必要だ

失敗を恐れず前進あるのみ


もう西日が伸びて

夕食を作る時間になっている

「ただいま」「お帰りなさい」

言葉が交ざり合うまであと少し

カレーライスを作って待っているね





ヘビ石     Osadaさん     8/18


蛇になってしまった龍のお話し、読み出したら評を出すことも忘れてストーリーを追っていました。見事に読者に分かりやすく書かれていました。臥龍橋ってけっこう各地にあるみたいですね。そしてこちらの作品では国道二号線が出てくるので大阪のようですね。
何千年も何万年も寝ていたというのだから、ほんと神話のスケールの大きさが非日常で楽しく拝読できます。読者を異空間へ飛ばすという詩の世界も書くための魅力になりますね。そして、この橋の名称の所以が楽しく私の頭の中にもインプットされました。上手に書けています。最後の「臥龍の寝言が」のシメもカッコいいっ。

「佳作」です。

欲を言えば、この神話が我々とってどのような人生観を与えているか(そんな大袈裟でなくていいのですが)、詩人の視点からの考察というかメッセージがあると、個人的には天に昇ってしまう作品になるのかな、と思いました。





夕焼け     北目気球さん     8/18


初めまして北見さん。わたくし齋藤と申します。何卒、よろしくお願いいたします。今回は感想を書かせていただきます。

車窓からの景色、また作品に「道」が出てきますので車からの夕日の景色なのでしょう。「夕日は今日一日の出来事をきれいに見せるてくれる」のようなイメージで拝読しました。仕事帰りなのでしょうか、疲れた自分の心身を労わり癒してくれている夕焼って感じですね。情景が目に浮かんできます。青空を期待しなくて良い、遠ざかっていったものを追わなくて良い、とありますのでこの黄昏時は日中のような頑張りをしなくてすむみたいな、ほっと一息する場面なのでしょう。夕日が今日一日を燃やしてくれ、汚れた道(嫌なこと)すらも陰で見えなくしてしまうのだから、夕焼けでの景色はなんて美しく自分をも癒してくれるのだろう、と思わせて楽しませていただいた素晴らしい作品でした。

今回はご投稿をありがとうございました。またの北目さんの作品を楽しみにお待ちしております。





。。。。。つぶやく。。。。。

投稿された方から、感想や評が出た後にお言葉をいただくのですが、「この作品は〜〜〜ということを書いているのです。そうではないです」と説明をされている文を目にすることが最近多いな、と思っています(私の評期間ではないですが)。詩人の手元から旅立った作品はすでに読者のモノなので、そこは自由に詩作品を成長させて欲しいと個人的には思っています。何が言いたいかというと「このように読んでください」という作品なら詩でなくていいと思います。やはり詩は自由であって欲しいなあ、と思うこの頃でした。

編集・削除(未編集)

心音  浮遊

深海の呼吸
青色から碧色へのグラデーション
が描く光のドレープ
一万年の眠り
から目を覚ますように
深海の呼吸
細胞みたいな気泡が
上へ上へと
うごめいている
予感のように
うごめいている
生になるように
命で在れるように

編集・削除(未編集)

私の神様 紫陽花

神様に一緒にいるよと声をかけられたような気がした

入院中の父の病院から呼び出しがあった
そんな帰り道

うるうるとした夕日が私を見てる

今週の予定だった父の退院は未定になった

いつもの坂道で
なんでもないいつもの段差につまづいた
擦りむいてしまった足から
夕焼け色の血が出ている

ああ神様どうして

こんな時ふと神様を思い出す
神様はいつも私の心の忘れ物入れの中に
住んでいる


いつも一緒にいるのに
私はいつも神様をほったらかして


こうやって思わず立ち止まってしまった時
憂愁の色をまとって神様は私の悲しみのそばに佇む
すぐそばに鈍色の視線を感じる

それは遠い昔の おばあちゃんも同じ

おばあちゃんが手首を骨折した時
術後の手首が酷く痛む晩
個室の病室で1人孤独と痛みを抱え

誰もいないはずの病室だったけれど

確かにあの日左手首に温かく少し重い気配が一晩中あった
あれは 神様だったよ

懐かしそうな目をしておばあちゃんは
私にこっそり教えてくれた

神様はいつも悲しくて優しい

編集・削除(編集済: 2022年08月24日 06:20)

ひぐらしの杜  山雀詩人

「景行天皇皇子
  大碓命墓

 一、みだりに域内に立ち入らぬこと
 一、魚鳥等を取らぬこと
 一、竹木等を切らぬこと

          宮内庁」

へえ、すごい
ちゃんと宮内庁の看板だ

山登りの復路
偶然通りかかった神社
その隣が何と
日本武尊(やまとたけるのみこと)の兄、大碓命(おおうすのみこと)の墓であった

この山で
蛇にかまれて亡くなったという

知らなかった
日本武尊といえば
神話の中の存在とばかり
まさかその兄の墓が実在するなんて

つまり、こういうことか
神話は作り話なんかじゃない
ちゃんと現実とつながっていると
いや、つながっているも何も
今もまさにここにあると

ホントかな
ホントに埋葬されてるのかな
なあんて疑うなかれ
畏れ多くもこれは宮内庁公認
ニッポン国の真実なるぞ

ほら、よく見れば
見えるよ、見える

髪はみずら
服は純白
腰には聖なる剣(つるぎ)を帯びて
山を駆ける益荒男が

そうだ
人はかつて神であった
荒ぶる神の子であった

ああ何という美しさ
これぞ人の原始の姿
遥かなる太古の夢

夢?
夢か
気がつくと
境内のベンチにひとり

ひぐらしが鳴いている
おかしい、もう夕暮れか
あわてて境内を後にした

石段を下っていくと
向こうから誰か来る

髪はみずら
服は純白
腰には剣

また夢か
いや違う
絶対違う

すれ違う

どうしよう
引き返そうか
境内までついて行こうか

そうすればなれるかもしれぬ
もしかしたら私も
荒ぶる神に
神の子に

いや
ダメでしょう
畏れ多くも神だなんて

一、みだりに域内に立ち入らぬこと

まっすぐに帰路を進んだ

やっと鳥居を抜ける
つくつくぼうしが鳴いている
何だ、まだ昼であった

おりしも路傍に大きな蛇が
いや、落ちて朽ちた枝であった




※ 景行天皇(けいこうてんのう)
  日本の第12代天皇。日本武尊の父。
  考古学上、実在したとすれば
  4世紀前期から中期の大王と推定されるが、
  定かではない。

※ 大碓命(おおうすのみこと)
  記紀等に伝わる古代日本の皇族。
  第12代景行天皇皇子で、
  日本武尊とは双子とされる。

※ 日本武尊(やまとたけるのみこと)
  記紀などに伝わる古代日本の皇族。
  第12代景行天皇の皇子で、
  熊襲征討・東国征討を行ったとされる
  日本古代史上の伝説的英雄である。
  (以上ウィキペディア抜粋)

※ みずら
  日本古代の男性の髪形。
  頭の額の中央から左右に分けて、
  耳のところで一結びしてから、
  その残りを8字形に結んだもの。
  (コトバンク抜粋)
 

編集・削除(編集済: 2022年08月28日 11:16)

一日の意味  秋冬

一日は
二十四時間なのに
長い日もあれば
短い日もある


今日は
あっ
と言う間だった

一日は
長さではなく
速さなのかもしれない


今日は
足取りが
重かった

一日は
速さではなく
重さなのかもしれない


嫌いな人と
過ごす一日は
とてつもなく
長くて
遅くて
重い

好きな人と
過ごす一日は
とても
短くて
速くて
軽やか

一日は
長さでも
速さでも
重さでもなく
好きか
嫌いか
なのかもしれない


そんなことを
考えながら
ひとり過ごす一日が
僕は好きだ


腹が
減ったので
パスタを茹でる

時計を見ると
まもなく14時になるところ

ひとり過ごす一日は
僕を自由にする

昼間から
赤ワインを
飲むとしよう

あと10時間
しかない
いや
あと10時間
もある

今日は
どちらだろう

一日は
時に
つまみにもなる

編集・削除(未編集)

夏よ  妻咲邦香

誰かの宝物だったかもしれないものが
もう地平線の向こう側だ

行ってしまうんだね
露店に並んでた西瓜も
川面に浸した指先も
翅の取れた蝉の死骸も
みんなみんな引き連れて

私だけは置いていくんだね
あの乾物屋の子のえくぼも
置いていってはくれないんだね

夏よ
何も伝えられぬまま、見えなくなる夏よ
貴方が私にくれたものは
まだ使い切ってはいない筈
財布を確かめる
くしゃくしゃのレシートがこぼれて落ちる
別れの言葉は捨てるほど使ったけれど
「さよなら」だけは何処にもなかった

旅先で買ったものがもう名前だけになっている
今年はまだブランコにも触っていないというのに

また会えるだろうか
私が変わってしまっても
夏よ、貴方は会ってくれるだろうか
頭を垂れた向日葵の影を消し去り
今に童らの声も止むであろうこの場所で

編集・削除(未編集)

銀の柄杓  朝霧綾め

夜になると空は
藍色の水で満たされ、
深い泉になる

白鳥、英雄ヘラクレス、鷲、冠
藍色の水面に映し出される
めくるめくばかりの物語

私は知っている
泉の北には
むかし誰かが落とした
銀の柄杓が沈んでいること

草むらに寝転んだまま
私は空に手をのばし
沈んでいる柄杓をとった

銀の柄杓で
泉の水をかき混ぜれば
星々が柄杓にぶつかり
からんからんと音がする

のどがかわいた私は
水を掬って
柄杓を口にもっていった

いたいほどの清冽さで
清水はのどに流れこむ
寝転ぶ私の唇から、こぼれた星々が
あごをつたい、草の上に落ちて
きらきら光る

のどが潤うと
私は空に手をのばし
柄杓をまた、泉に沈めた

編集・削除(未編集)

音のしない羽音  もりた りの

夜明けの神社の参道をゆく
石畳の真ん中に仰向けの蝉
暑い夏を命一杯生き切った
お疲れさまでした

ティッシュに包もうと
触った瞬間
力を振り絞り低空飛行で
樹の茂みに消えていった

つぎの蝉
また生き返り地面にぶつかり
羽をこすらせて消えていった
静かに茂みのなかへ

たくさんの蝉たちが
最期の力を振り絞り
自分が蝉かも分からずに
鳴き声もなく飛んで行く

蝉よ
飛んで行け
どこにでも飛んで行け
見えない世界に飛んで行け

あたりを見渡し
平衡感覚を失う
神社の境内のはず
境内なのか

わたしも
飛んで行け
どこにでも飛んで行け
見えない世界に飛んで行け

力を振り絞っても
どこにも飛べないわたし
生きている世界で
生き切れないわたし

狛犬の足元に黒い塊
無数の蟻に取り囲まれた蝉
茂みに眠らせてあげるのを
思い留まった

この蝉になろう
いつまでもここに留まって
蟻に食まれながら
わたしは崩れていく

崩れていけるなら
それもいいかも
消えてなくなるなら
それもいいかも

わたしの姿がなくなり
黒い蟻が散らばり
影もなく音もなく霧散する
それがいいかも

編集・削除(編集済: 2022年08月24日 07:47)

雨音様、批評のお礼です  U.

ご批評ありがとうございます。
初めての佳作でとても喜んでおります。

編集・削除(未編集)
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