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あなたは
誰も恐れない
言いたいことは
堂々と言う
まっすぐに言う
権威を嫌い
不正を嫌う
掃除に来るスタッフには
好かれるが
偉そうにしている連中には
嫌われる
沼の中で
女一匹 泳ぐのは大変だ
損な性格だと
自分でもわかっている
それでも
毎日を真っすぐに
自然に生きている
僕は知っている
あなたの中には
いつからか
1人の少女が
転がり込んできて
そのまま 住みつき
あなたの代わりに
悲しんだり
寂しがったり
泣いたりして
家賃を払っていることを
その少女は決して怒らない
でも とてもよく笑う
あなたが誰かに傷つけられたとき
偉そうな連中から攻撃されたとき
僕はあなたに
慰めの言葉はかけるような
無謀なことはしない
僕は少女に語りかける
少女は駄洒落が大好きだから
オヤジギャグを飛ばして
「何よ、それ?」という
あきれた顔をするあなたと
笑い転げる少女を
あなたの瞳の奥に
同時に認める
あなたが大好きな
イチゴ大福
「いらないよ」という顔をするけど
しぶしぶ食べはじめる
イチゴ大福の香りと甘さが
口に広がったときの
少し和らいだあなたの瞳の中に
「おいしい!」と叫んでいる
少女を見つけて
こっそりとハイタッチをする
そうして
ゆっくりと時間が流れ
ようやく あなたも
微笑みを浮かべる
そのときだけ
少女も少し意味ありげな
微笑みを浮かべて
あなたの中から
しばし席をはずす
そのときだけ
あなたは
少量の涙を流す
出どころがわからぬほど
混乱した嵐の中で
人々は罪を冒した
昔からある「羊の生贄」
一つの悪を特定しないと
安心できない悲しい空気だ
俺も昨晩罪を犯した
星を滅ぼすほどの
愛情が曲がって歪んで
憎しみとなり
涙が澱み盲目になる
天塩をかけた羊のために
悪者探して生贄にする
明け方までに腫らした瞳で
女神と呼ばれる明星見上げた
あまりの赤さに大地が爛れる
なんて希望に満ちた怒りか
この怒りが背後に迫る
虚無から俺を守っていたのか
自分が無となる恐れをみつける
まだ繋がりを求めているのだ
まずは互いの恐れを出し合い
嵐の中でも対話を続ける
美しいものを呼んでみたい
宇宙の終焉
ブラックホールを通り過ぎる透明なひかり
雨の中で聴くことりのさえずり
あんぱんのへそ
脚の長い少女のくるぶしのあたり
おばあさんのゆっくり歩くうしろすがた
おじいさんが座るベンチのとなりあたり
美しい娘の風切る速歩
流れる風 そよぐ 木の葉
質の悪い夏風邪にかかっているうちに
8月も半ばになってしまった
うつ状態の母の訪問もできないまま
我が家の庭にはバタフライピーだけが
蔓を元気に勢いよく伸ばしている
その青いスイートピーのような花を見ながら
時々どこからともなく落ちてくる
セミを見ながら数日ぼんやりしていた
そのうち咳は残るものの体調もよくなり
母を訪問してみることにした
本当につい2週間前まで
泣きながらじっと動かなかった母が
にこにこしている
いやにこにこを通り越して
大笑いしている
全てにやる気がでたようで
庭木が全部根元から切られ
玄関前の小さな花壇も
コンクリートで潰されていた
業者さんに頼んだと笑っている
何の世話もしたくないからと
やっぱり笑っている
灰色のコンクリート一色の玄関前
家の裏は切り株だけの庭
何もないということは
憂いもないということらしい
そしてそれが母にとっての楽だと笑っている
この小さな家と庭は母のもので
そこは完全に母が自由に支配できる空間
これからは雑草ひとつ生やさない
誰も来なくていい何もいなくていい
母はひゃひゃひゃひゃと何もない庭を
見つめて笑い続けている
井嶋様 こんばんは。今回もくすりと笑っていただけて幸せです。そうですそうです。大事に育てられすぎたのところはいきなり日本語が分からなくなってこうだったかな?と落ちつけたところでした(笑)しかし、落ち着いてませんでしたね。お直しありがとうございます。辞書を見たらよかったです。
井嶋様、方向音痴なのですね。機会があればというか機会を作って私とモネの庭を迷子になりに行きましょう?四国は基本どこ行っても狭いのでとんでもないとこ行ったりしないので。安心してください。ただ太平洋には流れると大変です。
チリーンチリーン ふうりんのおと
ヒュードンドン はなびのおと
ミーンミーン セミのこえ
なつになるとおとやこえがする
にほんてふしぎだなっておもう
はる なつ あき ふゆ きせつによって
いろいろなおとやこえがするんだ
せかいのいろいろなくにはどうなのかな?
きせつのおとやこえがあるのかな?
ブーンブーン チクッ!?あっ カにさされた
ブーンブーンもなつのおとだね
井嶋りゅう様、「布団掃除機」に関する感想と評をありがとうございます。
井嶋様のご指摘通り、一連目は「波」に統一させていただきます。
2連目の3行目「初めて君がここにきたように」に関しては前後の言葉との兼ね合いやリズムからそのままとさせていただきますこと、なにとぞご容赦のほどよろしくお願いします。
勉強も手につかなくて
窓を開けて見上げた夜空
どこか遠くで花火の上がる音
もっと勇気があったら
もしかしたらこの夏休みも………
今からだってまだ間に合うのに
雲間に見える星屑たち
右手に握りしめた携帯電話
もう少しだけ もう少しだけ勇気が欲しい
勇気なんかじゃないよな
フラれるのが怖いだけ
来年になれば受験生
やがて来る朝 時は夜のまま止まらない
『少し話があるんだけど明日とか会えるかな?』
もう何十回も消しては書き込んで押せない送信
何してるかな?起きてるかな?迷惑かな?
かな かな かなと心の中の虫が泣く
あっ 流れ星 三回唱えられなかったけれど
少し気持ちに勇気が出て押した送信
やがて既読が付くだろう
やがてLINEの会話が始まり
やがて高鳴る胸で眠れぬ夜
そして明日の朝日が昇る
暑い夏の日差しより熱い思い出の日が始まる
春の 芽吹きが
花となって 咲く頃に
三日月は 満月へと 位相する
そして
梅雨の 雨粒が
若葉の上を ひとしきり 転がっている
真夏ではないが
なにか 夏を予感させる 季節
その時
空を駆ける 彗星が 語るのだ
来たるべき 秋を 知るかのように
往く 春 盛る 夏
やがては 訪れる 冬
すべてが 継っている
この 宇宙の 風の 中で
そして
僕は 今 貴女を 愛しています
天の川の 中心から 30000光年に
太陽系が ある 事を
人々が 余り 関心を持たぬ ように
密やかに 秘めやかに
粛々とした 力であって
爽やかな 愛だ
やがて 昇り来る 太陽も
雨露も
颯爽と 晴れ渡るだろう
一陣の 風
今 宇宙を 駆けて
消えて往く 星たちと 共に
僕達は ここに 居る