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「風に乗る金木犀」上田一眞さん
上田さん、ようやく長い夏が終わり、日本も秋めいてきましたよね。
金木犀の香りってとても濃厚でスマホを覆うような感じというのがとても共感しました。その濃密で静かなものを早朝に感じながら詩情に包まれていく情景でした。佳作一歩手前です。
この詩は上田さんの作品の中では短いものに分類されると思います。ですから、この詩はさりげなく一部の隙もあってはなりません(笑顔で書いています)さあ、私がどこが気になったか、ここで上田さん、考えてみてくださいね。一つ目は直して欲しいなと思う部分です。これは冒頭一行目の「秋色も色濃くなって来ると」です。秋色も色濃くなって、は他の書き方に変えてみてほしいなと感じます。色濃くという言葉に変化をつけるのがいいのかなと思います。いろいろありますよね。重みを増す、深く沈む、たっぷりと濃さを増す、色濃くなるでは少し直球すぎるように思います。特に、色という文字が重なっていたため気になりました。ご一考ください。もうひとつは参考までに。四連目の始まりの「でも」なのですが、物語を紡げないけれどこの香りが好きだ、のつなぎに置かれたのだと思います。ただ、もしかしたらなくてもいいかもしれません。ないほうがリズムがいいような気がしています。これは好みなので、参考までに。上田さん、最終連がとても良かったです。この連がこの短い作品をギュッと引き締めていますね。
「怨念」秋乃夕陽さん
秋乃さん、こんにちは。秋乃さんのペンネームの季節ですね。
こちらの作品は日常の風景の中での出来事に源氏物語の夕顔の君が映し出されてくる、という日常の中に広がる大きな世界を描いたものでその世界観がとても良いと思います。日常の一場面から大きなものが見えることって実際あります。そしてそれってすごく不思議な感覚ですよね。それがよく描かれていると思いました。大作になっていますがよくまとめられていますね。応援の意味を込めて、佳作2歩手前です。この2歩ですが、少し提案というか、やってみてほしいなと思うことを書きます。ひとつ目、この作品は比較的ボリュームがあるのと、登場人物と内容に引き込まれていくため、最後まで来て冒頭の湯船に戻るところで足元をすくわれたように感じました。というのは、冒頭の湯船のことをうっかり忘れてしまっていたんです。それで、最後の湯船が唐突に感じてしまいました。最初に戻って、ああここが始まりだったのだと思い出したのですが、私のようなうっかり者のために、今のあっさりした冒頭から少し重みを持たせて書くと良いかもしれません。湯船に浸かっている情景の描写を少し混ぜる感じです。そこで、最後に出てくる湯気を何気なく描いておくのもありだと思います。最初は何気ない湯気だったのが、最後に深い意味を持つものになる、感じでしょうか。ご一考くださいね。もうひとつ、見知らぬ女性が現れて座っていく過程ですが、もう少しあっさりまとめてみると良いかもしれません。近くに座ったことと年齢が30代前後だということカウンターにいること、がわかればいいのかなと。そして座った後にどっと話し始めることが際立てば良いと思いました。その人は、主人公が会計をすることで話を遮られたから怨念を送ってきたのか、それは主人公が読んでいた源氏物語の幻影を負っていたせいなのか、その辺りにボリュームを持たせるとさらにバランスが良くなりますね。いろいろ書きましたけれど、この作品がとても好きです。良いと思います。そして、時間をかけて推敲してよりよくしていってほしいなと応援しています。
「「箒星」の意味を調べても。」松本福広さん
松本さん、こんにちは。お待たせしました。
こちらの作品のストーリー、とても良いですね。特に三連目にある「星と星のコラージュで綺麗な嘘を作る」という一行に心惹かれました。この一行が最高に良いと思います。この一行への敬意を込めて、佳作一歩手前です。次回から厳しくなります。というわけで2つアドバイスを。ひとつ目、句読点ですが、この作品はない方がいいように思います。「。」の位置に意外と左右されて読んでいる自分に気づいたからです。気持ち的にここで切らずに読みたいなと思う箇所に「。」がついていることがありました。ご一考ください。ふたつ目、秋乃さんのところにも書きましたが、全体的に推敲をもう少ししていただけると良いと思います。これは時間をおいて何度もしてください。いらない言葉、足りない言葉、見つけてください。全体のストーリーがとても素敵なのであまり気になりませんでしたが、松本さんが加えたいものというのが溢れていて、少しわかりにくい点があったことは否めません。ご自身で時間をおいて(ここ大事)読み直してみて、手を入れていく、それによってこの作品はものすごく良いものになると確信していますのでやってみてくださいね。
「登校」ベルさん
ベルさん、こんにちは。お待たせしました。
通勤(かな)途中に車の中から見た風景に心を動かされた優しい作品に私の心も動かされました。とても柔らかな感情の流れが良いと思います。この作品は素敵な要素が詰まっていますので、少しだけアドバイスさせてください。何より一番心に残るのは、三連です。三連目の冒頭の二行が特に素敵。それをバックミラー越しに見守ることも素敵です。それで、この最後の二行を少し工夫してみると良いと感じました。「バックミラーに映る女の子を見て・そう思った」ですが、例えば、バックミラーに映る黄色い傘に・そう願った、とか、女の子を示唆するものに置き換えてみると良いかもしれません。ご一考くださいね。(これは確認ですが、バックミラー越しだったのかな?サイドミラー?どっちかなと思ったのです。これは蛇足ですが、自分自身がサイドミラーの方でよく後方の情景を見るのでちょっと気になりました。これは本当蛇足です。)
こちらも日常のほんの短い時間から広がっていく情景ですね。素敵でした。
「運命のバス」相野零次さん
相野さん、こんにちは。
あらこれは本当に運命のバスですね。タイトルに納得しました。この恋を応援したくなるので、佳作二歩手前です。二つ書きますね。ひとつ目、作品の形式を少し考えてみてください。冒頭一連目の雰囲気で行分けをしていくのが良いのではないかなと思っています。そうした場合、句読点をなくしてみてはどうかな。ふたつ目、「僕」の一人語りなので、「僕」を減らしてみてください。主語を書かなくても通じるところがたくさんあると思います。これを減らすことで読んでいる人に任せることのできる部分ができます。それは間みたいになって良い効果をもたらします。間、ができてくると、とても良くなってくるんじゃないかな。相野さんも次回から少し厳しくなりますので、ご承知おきくださいね。
::::::
終わりに。我が物顔に秋空が見下す英国よりお届けしました。
みなさま、秋を楽しまれてくださいね。
前日降り続いた雨は畑を潤し
昨日一昨日のひび割れた白っぽい地面とは
打って変わって
まるで沼地のように
どろっと水を豊富に含んだ地となっていた
そこから生える緑色の若い芽は
眩しそうに群れながら生え
ジョウロで水を与えるごとに
水滴を弾きながらより鮮やかに輝く
小松菜
キクナ
カブラ
ラディッシュ
大根
白菜
水菜
柔らかな可愛い手のような葉を広げて
精一杯陽射しを受け止めている
そのどこまでも伸びてゆこうとする生命力
小さな命は私の心をくすぐり
よりいっそう育ててゆきたい意欲を持たせる
水やりだけでは飽き足らず
ぬかるんだ土から
生えすぎた小松菜の葉を間引いたり
発育を邪魔する雑草は引き抜いたりしているうちに
時間はあっという間に過ぎてゆく
畑に来たのが十二時前ぐらいだったのが
いつのまにか十四時過ぎになっていた
心地よい風が頬を撫で
疲労というよりも充足感が胸を撫で下ろす
熱った頬に伝う汗を手の甲で拭いながら
泥まみれの長靴も手袋もTシャツもズボンも
我が子を育てている証なのだと
君への思いが足りなくて
君と別れた十字路が
飛行機窓から見下ろすと
山に刻まれた十字架に見える
背負うべきものを捨てて
重力に逆らっても
胸の奥の重い想いが
重い錘の重しの下で
受け止めきれずに散乱している
これらの想いを知性を盾に
言い訳へと変換して
全てを無かったことにしたら
山に刻まれた十字架が窓枠に変わった
君の父になるべきだった
君を救う者になるべきだった
対等という言葉に隠れて
責任から逃げていた
勝ち負けではなく、守るべきものがあった
生き死にではなく、生き抜く理由があった
堕ちるべき場所は空ではなく、大地だった
「あれは大地の窓か」
俺は飛び出す方向を間違えたのだ
迷いを捨て、これからは父として生きる
後悔の旅ではなく、覚悟の道を進む
詩の評ありがとうございます。今回は短い詩に挑戦してみました。初めは短すぎて読み手に伝わらないと思い、推敲の末、第1連で状況の説明を加えたのですが、かえって地味になってしまいました。短い場合は、読み手の想像に委ねても良かったのかもしれません。難しいですね。一人で作っているのに、他者とのコミュニケーションの練習をしているみたいで面白いです。
こころの闇に棲む
黒い犬
〈うつ〉という名の狂犬に
追いたてられ
列車に飛び乗った
仕事を放り出し
家庭を顧みず 独りよがりな
各駅停車の鉄道の旅
旅の途中
千切れたこころを掻き集めようと
藻掻きに藻掻く
医者には止められているが
もうスコッチを一本あけてしまった
ごとん
ごとん
ごとん
レールが軋み
うとうとしていると
列車が止まる
肥前山口 *1
ああ ここは…
脳髄はたちまち九歳のわらべに
立ち戻る
*
年一回の家族旅行
今年は九州だ
博多発長崎行きの急行列車
四人で対面式の席に座る
床に新聞紙を引いてもらうと
ここ座れるね
みいちゃんの席よ
幼い妹は無邪気にはしゃぐ
到着する前の車内案内
次は 肥前山口〜
聞き慣れない九州訛が色濃く
響く
ここは父の恩師が住む街
師を訪ねる旅に
父が笑い
母が微笑む
あり余る幸せの旅
そして 僕は
燕舞う
豊饒の大地
緑の佐賀平野を満喫する
*
僕には温かい寝床も
身を包む団欒もない
孤独の花を持つ左手が微かに震える
崩れ落ちた追憶
せつなさがただよい
帰ることのできない過去に
おぼろな自分が見える
なぜ肥前山口で下車?
ただ 佐賀平野のクリークが見たくなった
親子四人で訪れた
和蘭芥子が咲き
小鮒泳ぐ里
幸せを感得できた大地
わがこころの狂い犬に怯えるいま
緑豊かな自然と
確かな幸せの記憶が
僅かな慰安を与える
南への旅路に
死への願望が霧消したとき
僕は思わず落涙した
*1 肥前山口駅 現江北駅(佐賀県)
―アメリカの作詞家 亡きウィル・ジェニングスへ―
始まりは天の滴の音
音(おん)が育って
楽(がく)になる瞬間です
雨の遺産 やがて 快晴
歌う者は音階を
天目指して駆け上がります
奏でる者は地を
祝着として空を下ります
言葉を操る者は
中空にあって思索
二人を支えて
その使命を引き受けて
メッセージを曲に刻印します
楽曲が安住する在り処
彼らのそれぞれの創造は
天駆ける“曲技”飛行の
三つの邂逅に似ています
そのうちの一人
”言葉師“
作詞家ではなく”歌詩人“でした
OH! なんと
年を追うごとに
曲と言葉を仲立ちしたことでしょう
なんと
年月は過ぎ去り
寡黙に老いていったことでしょう
自らの生をも
SONGに寄り添う伝言にしました
天空にあって
多くの詩を浮遊させたのです
枕の言葉にして
安らかな眠りに就いたのです
*****************************************
作品タイトルは彼が作詞した楽曲名から採った。
ぐちゃぐちゃな頭の中は
生温いどろどろの泥水のようで
何を考えても上手くいかない気がする
夢は叶わない
親孝行も出来ない
愛した人に振り向いてもらえない
それはまるで巣から落ちた小鳥のようで
巣を見上げていても戻れない小鳥のようで
餌を求めて彷徨う子猫でもいい
悪い魔法使いに呪いをかけられたかな
遠い昔に互いの小指を結んで
誓った約束はまだ果たされていない
百年 何百年 何百万年 時が過ぎても
絶対に夢を叶える そして
君を迎えに行くという約束 必ず守るよ
これは勝負のようなものだった
どちらがさきに相手を本気で愛してしまうか
そうなったら負け 自信ないな
僕が負けるかもね
負けたら罰ゲームが待っている
嫌いな食べ物を口いっぱいにして食べる
という罰ゲーム
普段ならあり得ないが仕方ない
無類の美しさを持つ君を手に入れるチャンスを
見逃すわけにはいかない
僕は負けた
でも負けっぱなしではいられない
僕はもう小鳥じゃない
大空を駆け巡る鷹のようになるんだ
自分で餌を取り
つがいの相手を守り
幸せにする鷹に
いっそのこと本当に鷹になってしまえばいいのに
強さを誇示するでもなく
弱さを隠す為でもなく
君と僕がただ単純に自分達の幸せを
見つける為に
そして僕の存在理由は君だけの為にある
それは何があっても変わることはない
この世界はまだまだ僕の知らない事だらけ
幸せや不幸を一つとってみても
いくらでも在り方がある
この先どんな困難が待ち受けていようと
決して諦めない
それが君の為であり僕の為でもあるのだから
ああ
カラスがうるさいなあ
しらとりのようなあなたがすきです
けっしてらくではないしごとを
ほほえみながらこなしていくあなたは
みなもをおだやかにすすむしらとりのようだ
だがしぜんにくらすということは
そんななまやさしいものではないことを
ぼくはしっているのです
わがみのあんぜんをはかりながら
ほしょくしなければいきてゆけぬ
ましてやこどもずれともなればなおのこと
しごとのつかれやひととのわずらわしさを
ほほえみにひめてくらしていく
しらとりがみずかきのついたあしを
からだのしたでひっしにかいておよいでいる
あなたのえがおはそんなすがたににていると
そうおもったぼくはあなたをあいしたのです
しらとりのようなあなたがだいすきです
はじめまして。
丁寧に読んで頂いてありがとうございます。
出来るだけ余計かと思われるものを省くように努めました。
情景が伝わったようで嬉しかったです。
ありがとうございました。
特急あずさ号
塩尻から乗って
甲府を過ぎたあたり
出張の疲れで
ぼんやり
山の稜線を見ていると
山頂付近に
少し変わった樹影
二本の高い樹と低い樹が
ゆるやかに 登っている
ように見えた
確かに
恐竜の親子だ
母の後を子どもが追っている
もう少しで
山頂に届きそうだ
夕陽の影の
地味な山の稜線
保護色でうまく隠れ
こっそりと
目立たないように
頂を目指している
ああ ごめんね
僕が見てしまったら
親子は動かなくなった
あずさ号は
緩いカーブに入り
遠ざかる山の稜線
見る角度が変わったら
親子は ただの樹影に
固まってしまった
更に列車が進み
振り返ると
完全に他の樹と
見分けがつかなくなった
今の時代にも
ひっそりと
生きのびていた恐竜は
人に見られると
樹木に戻るしかない
また 何年も
何十年も待って
姿を取り戻し
山頂を目指すのだろう
僕はもう
あの親子を
見ることはないだろう
ほかの誰にも
見つからないことを
ただ 祈るだけだ
いつの日か
山頂に上った
親子の恐竜の
歓喜の咆哮が
人知れず響きわたることを
ただ 願うだけだ