鼻風邪をひいているのと連日の寒さで、野山が歩けない。花粉症歴40年で、年を取って鈍くなったのか症状は軽くなったといえ、鼻から喉にかけての粘膜を痛めて弱くなっているのは自覚している。先日からいただいたチョコを食べていたのが、というか、噛むと虫歯に入りそうで舐めていたのが、どうも嚥下がうまくいかないで気管の方に少し流れたのではないかと思っている。誤嚥性肺炎のとても軽いもの、誤嚥性気管支炎くらいではないかと思っている。おや、だんだん猫髭先生に似てきたぞ(笑)。
というわけで、図書館にて模写遊び。図書館横のカフェで働いているダウン症の青年に、「声が変ですね、大丈夫ですか?」と労わられた♪
シャム猫の眼に春の海二タかけら 鈴木貞雄
今日のお客さん、雪しぐれの中を見えた。一年ほど前、出張先の東京の雨の路面で転倒、足首を骨折してよりトラブル続きで心配していたが、なんとか好きな着物でクラシックなど聴きに行く余裕が出てきたようで、一安心した。この、モネの睡蓮のようなお召の小紋から身幅を直してさしあげよう。
波よりも絹のつめたき弥生かな 神尾久美子
猫髭さんの毒舌が傑作で分かりやすく、検索した鎌倉彫に納得です。よくぞ、
>鎌倉の鰻家『つるや』の鎌倉彫風重箱は村松梢風の折鶴のデザインだがこちらの方がよほど粋である。
ここまで繋げてくれました。昨日見た茶櫃の彫は、この鰻屋の重箱の彫に雰囲気が似ています。茶房のお母さんは、制作途中で病気か何かで続けられなくなった方から引き継いで仕上げたそうで、詳しいことは分かりません。こんど茶房へ行ったら、しっかり写真を撮って来るので、また見てやってくださいませ。
お顔の麻痺もだんだんよくなっているようで、安心しました。今は、田中邦衛風のお顔かしらん(笑)。
今日は和裁の集まりの日。袷だった訪問着を単衣に直しています。花水木は、桜のあと咲くので、3月から4月にかけて着るのが粋でしょうか。忙しく立ち働くお茶人には、そのころの袷は暑すぎますので。
花水木待たるることのある如し 西村和子
鎌倉彫は透明度の高い透漆(すきうるし。くろめ漆のこと)に朱色の顔料をまぜ合わせた、上塗り漆を塗るので朱いのが特徴で背景は、刀痕を残すため、これは黒漆は鎌倉彫とは言わないのでは。逗子・鎌倉に35年住んでいたから鎌倉彫は厭というほど見て来たがいいと思ったことは一度もない。だいたいお盆の表面が凸凹しているのが気に食わないしデザインも禅坊主の自己主張が武骨で野暮の極み。漆作家だった店主のお母さんの形見のお品の方が鎌倉彫よりよほどいい。鎌倉の鰻家『つるや』の鎌倉彫風重箱は村松梢風の折鶴のデザインだがこちらの方がよほど粋である。うまい鰻屋があると妻子を連れて行ったらなんと娘の同級生の家だった。ここは客が来てから鰻を捌くので1時間近く待たせるのでわたくしはいつも柳川鍋を頼んで一杯やりながら待つのが習いだった。川端康成と田中絹代も贔屓にしていたそうで、小林秀雄も今日出海とのゴルフの帰りにここに寄っていたらしい。全然知らなかった。小林秀雄は行きつけの店の主に『本居宣長』のサイン本を持参していたらしいが、猫鬚一家の行きつけの天麩羅屋『ひろみ』も小林秀雄の行きつけの店で、主はわたくしが小林秀雄ファンなのを知っていたのでサイン入りの『本居宣長』を見せびらかしたのでサイン本などを欲しがるミーハーではないが内心忸怩たる思いであった。行きつけの居酒屋『奈可川』にも小林秀雄と永井龍男が侃々諤々やっていたそうで、知らなかったとはいえ、小林秀雄や小津安二郎が通う店にわたくしは独身時代から入り浸っていたのだ。まあ、うまい店は静かな佇まいを一見持つもので騒ぐ奴バラを寄せ付けない。横浜中華街でも池波正太郎や丸谷才一の行きつけの店は他のまずい、とは言わないが、そこでしか食べられない絶品のメニューがない店が行列をなすのに、いつも空いているようなものか。常連は何十年もかけて贔屓の店の常連になったのであり、贔屓の店は知らない有象無象のやからには吹聴しないものである。
あ、話が鎌倉彫から脱線した。ここ数日三月から四月の馬鹿陽気で、紅梅や白梅が一気に満開となり、冬布団だと汗を掻くほどだったが、馬鹿陽気のせいか神経がほぐれたようで明らかに表情が改善している。冬来たりなば春遠からじ、か。
今日は、倉敷の茶房にて煎茶の席を設けてもらった。ランチは、切干大根のサラダ・千屋牛と法蓮草の炒め物・ポテトグラタン。茶花は師匠宅の小花水仙と菊の紅葉の一茎。茶菓子は柚べし。茶櫃を使ってのお作法を教わる。写真の茶櫃は鎌倉彫の黒漆。漆作家だった店主のお母さんの形見のお品である。お吟さんは、地元岡山の、写実的な烏城彫より、このデフォルメされた鶴亀が彫られた鎌倉彫に強く惹かれた。
春蘭や香のかたちに香の灰 日野草城
今日は倉敷の茶房にて句会。暖かい雨で、街も峠もしっぽり潤っていた。いつもより参加者が多かったので、嬉しくて写真を撮り忘れた(笑)。<シャンソン召しませ雪道を来し人よ・麦子>を平選で頂いたのだが、麦子さんの自解が興味深かった。「今から60年ほど前、カフェで皿洗いのバイトをしていた。雪が降る~貴方は来ない~と鼻歌を歌っていたら、「上手いじゃない、客席で歌いなさいよ」と声を掛けられた。2曲で200円もらったというから、けっこういい値段である。しかも、売れる前の吉田拓郎の前座を務めたこともあったとか。ま、歌よりも美貌が物を言ったのかもしれない。佳句にまみえることも嬉しいが、句が出来るまでのドラマを聞かせてもらえたりするのも、句会の醍醐味。
うぐひすに雨忍び音となりしかな 鷲谷七菜子
