倉敷の茶房にて、煎茶の席を設けてもらう。ランチは、切干大根の煮物・蕪とパプリカの酢の物・ピーチ豚と茄子とズッキーニの味噌炒めなど。茶花は姫大山蓮華。茶菓子は羽二重餅。美魔女さんは、お姑さんの形見の、杜若がおおらかに描かれた帯に鼓の帯留が粋だった。
帰りに、町屋と古民具が昔のまま残っているお宅を訪問。明治41年に建てられた呉服屋の難波家は、家業を継がなかった十三代が、芦屋に居を構えながら70年の長きにわたり、人が住まなくとも手入れを怠らなかったため、明治の姿を現在に残す稀有な建物となっている。窓枠の装飾やゆらぎの硝子に魅せられる。張りぼてでない倉敷がここにもある。
杜若雨に似合ひて黄なりけり 風人子
倉敷の茶房にて句会。句友が庭の夏椿を手折ってくる。茶房のこの硝子の花器は、どんな花を投げ入れても様になるので不思議。喜寿の麦子さんは、水色のギンガムチェックのロングフレアースカートに白いサマーセーター、青い夏ショールを羽織って、見惚れるほど美しい。特選も採らされてしまった。でも、「お仲間に差し上げてください」と、帯締めや帯揚げをたくさんくださったので許しましょう(笑)。
影のない事に気づかず羽抜鶏 麦子
>あたかも茎が葉の真ん中を突き抜けているように見えることからツキヌキと呼ばれ
ふつう植物は、茎から葉がでていますが、今見てきましたら、なるほど葉の根元を茎が突き抜けているように見えます。面白い名がつきましたね♪
今日は、犬養毅(号は木堂)の生家あたりを散策。あやめなどが咲いて庭先のきれいな民家や畑に囲まれている。「木堂こみち」も整備され、地元民に今も愛されている。おとついの5月15日には偲ぶ会があったようだ。「木堂書道展」というこどもの書道展も長く続いている。
記念館には、友人知人に乞われて書いた書が展示されている。木堂さんは能書家と評されているが、自身は、「字は手の芸ではない、面の芸である」とか「自分の書は無法のもので、書を学びたることはない」と清々しい言葉を遺している。友人の日本画が売れるようにと、よくそれに賛を書いていたというから、ほほえましい。
銃弾に打たれたとき、たまたま来日していたチャップリンと木堂さんの息子が会食していたそうで、悲しみの葬儀ではあるが、チャップリンの弔電が読まれた時には、ひととき場が和んだに違いない。木堂さんの子孫には、犬養道子や緒方貞子、安藤和津や安藤サクラがいる。その夫君は奥田瑛二や柄本佑というから、チャップリンの一件は、華麗なる一族となることを予言していたかのよう(笑)。
まことその名のごときひと鉄線花 鷹羽狩行
初当選したときの樟が、刈りこまれてはいるが生家にどっしりと立っている。
わたくしが懇意にしているお茶の先生は下井草図書館の隣の造園の娘で、彼女が勝手に植える珍しい花に俳句を付けるので、それがあまりにも無邪気な下手さなので時々直してあげるお礼に勝手に植えた大根や韮をくれるので、わたくしの顔を見ると造園の珍しい草花を案内してくれるので、茶の先生なので茶花として栽培している草花をわたくしは毎月句材にしているというわけです。突抜忍冬の名に由来は実物を見ればわかるのですが、花に一番近い対生する枝先の葉が基部で合わさって、あたかも茎が葉の真ん中を突き抜けているように見えることからツキヌキと呼ばれ、冬でも落葉しないスイカズラを「忍冬(にんどう)」と呼ぶますが、茶道ではツラヌキニンドウと呼ばれます。
ところが句会でこれらの珍しい花を詠んでも誰も見たことも聞いたこともないのでちんぷんかんぷんでいつも無選なのですな。でも、無選とわかっていてもせっかくなので詠んでいます。今は武蔵鐙の花「仏炎苞」が咲いているのと一日限りのサボテンの花が美しいのですが、お茶の先生に言わせると、ムサシアブミで伊勢物語の武蔵鐙の二股かける浮気男の話をしたりできる人ってあなたぐらいよと言われるので、伊勢物語など誰でも知ってるだろう、鰐淵春子の♪サボテンの花が咲~く明日は幸せがそこにあるとき♪というTVドラマの主題歌で彼女の美貌と共に一世を風靡したでしょうとわたくしが驚くしかない。伊勢物語なんて教科書に出て来るし、岩波文庫で百円くらいで買えて読める薄さだろうに、みんな読んで知ってるでしょう???
おどろおどろ武蔵鐙の仏炎苞(ぶつえんほう)
明日咲く仙人掌の花明日一日(あすひとひ)
武蔵鐙の仏炎苞は白く清楚な水芭蕉の仏炎苞と違ってマムシかコブラの鎌首のようだからねえ。
あ、写真はスマホで撮ってあるのですが。画素数がでかすぎてパソコンにメール出来ないので、神田祭の時に湯島聖堂そばの孔子廟「大成殿」の写真を。すさまじい椎の木の花の匂いでしたが、まだ栗の木の花の生臭さよりは森の匂いでした。
花椎の大成殿のがらんどお
お吟宅の雑草園、毎年へくそかずらが咲く垣根に白い花が見えたので見にゆくと、すいかずらの花だった。すでにたくさんの金銀花になっている。山の辺の道のようではないか、よろしいね(笑)。月見草も咲き始めた。
すひかづら鴉子連れとなりしかな 斎藤夏風
やぶさめや山路なほ咲くすひかづら 水原秋櫻子
