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互選結果発表

12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表
12月句会のトップは10点を集めたダイアナさんの「冬うらら」の句でした。次いであんのんさんの「除夜の鐘」の句で、1点差の9点でした。以下、ABCヒロさんの「寒紅」の句が7点、弥生さんの「十二月」の句が6点と続きました。
10点句 42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ)
 9点句  5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん)
 7点句 52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ)
 6点句 19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生)
個人別総合では、ダイアナさんが16点でトップでした。

12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表             特選2点、並選1点で計算。
1 早咲きの山茶花一輪短冊に (みにょん) 2 ◎えっちゃ、
2 よろよろと歩む姿は狂ひ花 
3 畝間では白き肌魅せおでん酒 (和談) 1 ヨヨ、
4 亜米利加は未だ銃社会開戦日 (ABCヒロ) 2 ◎ちとせ、
5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん) 9 ダイア、◎尾花、◎ラガー、◎森野、ふうり、アイビ、
6 片手ずつ手袋外し手を繋ぐ (玉虫) 4 茶々、にゃん、かをり、コビト、
7 冬日射す水飲み台に小鳥の像 
8 初雪や音なく過る鳥の影 (馬渡谷) 2 えっちゃ、アイビ、
9 人は人吾は吾だと冬将軍 (コビトカバ) 2 ラガー、えっちゃ、
10 ほどほどの二年連用日記買ふ (ナチーサン) 4 ◎ヨシ、◎みにょ、
11 雪催ひしいんと生きる村の知恵 (かをり) 2 ダイア、森野、
12 枯草を束ねて結ぶ通学路 (尾花) 2 ナチー、森野、
13 未来とは後のことぞ日記買ふ 
14 大阿蘇の枯れて尾花の風となる (森野) 4 ナチー、馬渡谷、◎にゃん、
15 炬燵中先に籠るや熊よりも (ヨヨ) 1 和談、
16 県境を超えれば一面冬紅葉 (ふうりん) 1 ヨヨ、
17 炬燵猫寄せる寒気に薄目開け (茶々) 1 えっちゃ、
18 蜜柑食べ掌談義始まりぬ (ヨシ) 2 玉虫、かをり、
19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生) 6 ちとせ、馬渡谷、◎ABC、◎コビト、
20 掃いたあと掃いたあとへと落葉かな (アイビー) 5 ちとせ、和談、弥生、ABC、みにょ、
21 冬の朝烏らは鳴き芥を出す 
22 一日を炬燵を出ては戻る猫 (にゃんこ) 1 茶々、
23 ポトフ煮る厨の外は虎落笛 (ダイアナ) 2 尾花、ふうり、
24 電線に音符の響く寒雀 (茶々) 1 ヨヨ、
25 暮れ際のポインセチアの並ぶ店 (みにょん) 1 弥生、
26 しがみつき耐えて残る葉落葉風 
27 寒いよーJapanの家は地獄かな (ラガーシャツ) 1 ふうり、
28 パリパリと音する夜道聖夜ミサ 
29 先生の前いきなりの大くさめ (ABCヒロ) 3 尾花、玉虫、にゃん、
30 白駒の根上がりに苔雪化粧 
31 埋火やあいまいに生くこれよりは (あんのん) 5 ナチー、玉虫、森野、かをり、ヨシ、
32 年の瀬や歌姫昭和の歌を吐く (ナチーサン) 1 和談、
33 陸奥の湯宿初雪にして根雪 (馬渡谷) 1 てつを、
34 当主にて終ふ湯やどの冬構 (かをり) 3 ◎馬渡谷、アイビ、
35 早朝のバス凩と共に待つ (コビトカバ) 1 ダイア、
36 枕木も朽ちて廃線冬ざるる (森野) 5 ◎ダイア、ヨヨ、ABC、アイビ、
37 葉ぼたんや日時計我の腹時計 (尾花) 1 弥生、
38 最後には玉子で〆るおでんかな (ふうりん) 3 弥生、ラガー、ABC、
39 小春日やまたひとり来て畦談義 (てつを) 3 あんの、コビト、みにょ、
40 群と呼ぶ数には満たず鴨の池 (弥生) 2 あんの、にゃん、
41 池鏡もみじ葉映す東山 
42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ)  10 ちとせ、ナチー、◎てつを、◎弥生、ラガー、にゃん、ヨシ、アイビ、
43 コンビニのおでんと言へど侮れず (アイビー) 1 てつを、
44 真夜中に猫の入り来る蒲団かな 
45 雪降ればちちははの声雪積もり  
46 突つつけば海鼠のつそり復元す (アイビー) 4 ちとせ、尾花、玉虫、馬渡谷、
47 貫けずとても虚子には初昔 (ラガーシャツ) 2 ◎かをり、
48 大根の皮は剥かぬと諭されて (玉虫) 1 えっちゃ、
49 苔庭の日暮れ寂しき冬紅葉 (みにょん) 2 ダイア、和談、
50 初冬の夜道へ誘う電飾衣 
51 補助具付け杖つく人や冬日燦 (ちとせ) 2 馬渡谷、アイビ、
52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ) 7 てつを、◎あんの、ラガー、コビト、ヨシ、アイビ、
53 暗闇を燃やす晦日の熱気かな (コビトカバ) 1 みにょ、
54 長生きのめでたきことと言ふ冬日 
55 綿虫や逢うて語るも易からず (かをり) 4 ◎玉虫、あんの、コビト、
56 襖絵の虎の眼や山月忌 (馬渡谷) 2 ◎ナチー、
57 日当たりて鴨一列に堰の上 (てつを) 4 ヨヨ、茶々、かをり、ふうり、
58 屑籠に師走の芥放り込む (ナチーサン) 1 尾花、
59 佇めば風吹き抜ける松手入 (ヨヨ) 3 ◎和談、森野、
60 冬晴の天守見惚るる竜吐水 
61 百均で探すあれこれ年用意 (弥生) 1 ABC、
62 枯蔦や異人屋敷の跡と聞く 
63 電飾の街や二人のクリスマス 
64 着物着て外つ国人も紅葉狩 (ふうりん) 3 茶々、ヨシ、みにょ、
65 寒烏逢引きですか見つめ合ふ 
66 豆炭の埋れて赤き火鉢かな 
67 父の癖思ひだして冬至柚湯 (えっちゃんあら) 1 アイビ、
68 足音に日々の疲れや年詰まる (ヨシ) 2 ◎ふうり、
69 吾子の名の縫い取りありぬ吾の手套 (ダイアナ) 4 てつを、◎茶々、あんの、

*投句者は森野、えっちゃんあら、ラガーシャツ、ABCヒロ、弥生、コビトカバ、馬渡谷、ヨヨ、ちとせ、和談、玉虫、あんのん、ナチーサン、ふうりん、尾花、アイビー、ヨシ、てつを、にゃんこ、みにょん、茶々、ダイアナ、かをりの23名。

*間違い、その他不都合な点をご連絡下さい。

編集・削除(編集済: 2025年12月14日 13:15)

4日ぶりの更新

パソコン不具合により更新をさぼっていて申し訳ありません。ようやく回復がなりましたが、その間かをりさん、ナチ―サンさん、束束子さんから有意義なご意見をいただきました。有難うございます。ほかの皆さん、特に今回好成績を収められた蓉子さん、玉虫さん、ヨシさんから一言いただきたいものですね。

引用して返信編集・削除(未編集)

蔵書印薄れし父の書を曝す

父は五人の子を育てなければならない、労働者でした。
乏しい小遣いで少しずつ本を買って、将来子育てを終え
仕事を退いたらユックリその本を読む積りと話していました。
残念ながら病気の為に、僅かの本を読んだだけでした。
蔵書印を押す程の本ではありませんでしたが。
その蔵書印は
年々薄くなってしまいました。
私はその頃の父より歳を重ねています。
父の蔵書印に託した、夢?を愛おしく思っています。
・・・これだけのことを17音ではあっさりと表現できる
俳句って素敵とおもいます。
これからも勉強していきたいと思います。
皆様、ご指導ください。

引用して返信編集・削除(未編集)

アイビーの感想 その1

アイビーの感想です。例によってアイビーの鑑賞3原則に則ての駄文です。お気を悪くされませぬよう願います。異論、異議、大歓迎です。

いつの世も憂苦に満ちて河童の忌 (ちとせさん)
河童忌は文豪芥川龍之介の忌で7月24日のこと。生前、河童が好きで揮毫などに好んで描いた。また俳句でも一家をなした。虚子との交際はよく知られる。ぼんやりとした不安にさいなまれ自死した龍之介に、上五中七のフレーズが利いている。ただ、「河童の忌」としたのは疑問。「河童忌」と一続きにすべきかとも思うが。

水やりのため息ひとつ酷暑かな (エミさん)
花か野菜か、水やりはエミさんの日課なのだろう。せっせと丹精込めて水をやるのだが、それにしてもこの暑さはどうか。思わずため息を漏らすエミさん。暑さは和らぐ気配すらない、うんざりした気持ちをため息で表現したところが巧い。

炎天や石の布袋の太鼓腹 (蓉子さん)
べんべんたる太鼓腹は、今ならメタボと言われるが、かつては有徳人の象徴だった。雨の日も風の日も、凍える冬も炎暑の夏も、いつも機嫌よく笑っている布袋。石製品だから当たり前だが、凡俗の身には到達できない境地だ。読者の側に、布袋様のイメージが定着していることが共感を呼んだ。作者の計算通りだろう。

底紅や姉妹の奏づ吹奏楽 (無点)
惜しくも無点句となった。底紅は木槿のこと。木槿と姉妹の楽器演奏を取り合わせた句だが、いま一つ読み手に状況が伝わらなかったようだ。具体的に楽器の名前を出すとかすれば、姉妹は何歳くらいなのか、読み手に想像が働くのではなかろうか。

廃線に夕菅ほのと灯り来し (森野さん)
夕菅は夕萓とも書くが、レモンイエローの可憐な花を咲かせる。夕方に咲く花の性質から、「ほのと灯り来し」
という表現が生きてくる。さらに舞台装置として廃線を配したあたりが心憎い。この句は何処に旅行された時の句なのか、作者の森野さんの自句自解をお願いしたいところだ。

しゃべるたびマスクはずれて秋暑し(ABCヒロさん)
本来マスクは冬の季語だが、コロナからこの方、通年ものになった感がある。立秋とは言え暑さ厳しい中、ただでさえ鬱陶しいのに人前ではマスクを外せない。しゃべる度にマスクがずれるから、その都度直さなければならない。残暑が募るばかりだ。まことによく分かる一句。

甲虫捕りに出かけてそれっきり (束束子さん)
男の子はとにかく虫類が好きだ。まして貫禄たっぷりの甲虫と来れば、寝食も忘れて追いかける。女の子はそんなことは無いのは、虫好きは太古から男にのみ刷り込まれた遺伝子なのだろうか。その方面に詳しい方、どなたか解説していただきたいものだ。座五の「それっきり」が可笑しい。

以下、不定期掲載

引用して返信編集・削除(編集済: 2022年08月17日 20:13)

ありがとうございます。

こんにちは。
アイビーさん、掲示板の運営いつもありがとうございます。

プールの句を採っていただきありがとうございました。この句は、幼かった子供たちを思い出して作りました。
まだ柔らかい子供の髪や肌からプールの匂いがして、、プールに入ると疲れますしウトウトしているという句です。

かをりさんに、愛情を感じ取っていただき嬉しいです。

私は初心者ですから、見たまま思ったままを自由に作っていましたが、勉強をはじめてから、どんどん難しくなってきました。
でも、楽しいので頑張ります。
このような勉強の場を与えて下さって感謝します。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

引用して返信編集・削除(未編集)

無点句鑑賞


26 ぜいたくや日ごと夜ごとに髪洗ふ
    私も薄くなった髪の毛は毎日洗う。この女性と思われる人はそれを贅沢と詠んでいる。多分、戦前戦後の生活を回想してのも
    のと思われるがどうだろう。衣食住、全てに贅沢になった。それでも若手とは一線を画してはいるが。 
30 向日葵や萬はあらうか目の前に
    この句を見て例の子規の鶏頭の句を思い出した。作者は向日葵の絨毯を目の当たりにして圧倒されたのだ。思わず萬と。千で
は無く。私の次点の句の一つ。
34 秋立つ日ひとりもいいさ誕生日 
「ひとりもいいさ」に共感した。事情があって寂しい誕生日になった。しかも秋立つというその日に。この日の晩酌はさぞほ
    ろ苦かったと想像する。飲み過ぎたかも。
40 花錆びて梔子匂ふ狭庭かな
    梔子は実が熟しても口が開かないと言う。庭にはその梔子が熟して香を放っている。花は何時しか萎れ無残な姿をさらしてい
る。作者は縁側に坐って物言わぬ梔子との会話に時を忘れているのかも知れない。 
47 空港へ車窓に盆の月連れて
   お盆の帰省だろうか。親御さんの待つ田舎へ子供を連れてしかも盆の月まで連れて。中七から下五への描写に惹かれた。 
54 裏木戸を四十女の帰省かな 
    帰省にもいろいろあるが中七に悩まされた。私の田舎もそうだが、村中に血縁が多く常に他人の目がある。裏木戸からそっと
    我が家に入る四十女。それだけの事情があるのだろうか。なんとも深みのある選に入れたい句だ。  
66 炎昼や梅干しゃぶり庭師かな 
    例年に漏れず今年も酷暑が続いている。家主の心遣いか梅干しをしゃぶりながらの作業。「さあ一服、お茶にしましょう」の
    声が聞こえてくる。中七が新鮮。心温まる作品だ。
73 恥じらいも無きやビキニ娘浜の夏 
    ビキニが流行したのは何時の頃だろうか。海に行かなくなって久しいが、この作者、家族とでも海水浴に出かけたのだろう
    か。そこで見かけた風景に圧倒されたようだ。それとも目の保養になったか。いずれにしても切れ字「や」は浜の夏の前に持
ってきたい。

引用して返信編集・削除(未編集)

 ご指摘のこと気になっていました。投稿前には揃っているんですが何故か乱れています。次回はプレビューで確認の上投稿します。
よろしくお願い致します。

引用して返信編集・削除(未編集)

何時も精力的に投稿していただき感謝に堪えません。一点、お願いがあります。それは折角のメッセージが不規則に改行されているため読み難い憾みがあります。おそらく別の稿からコピペして投稿されたものと思いますが、両方の書式が違うための現象かと想像します。投稿画面にコピペする際に[back space] のキーを使って、文頭を揃える工夫をされるようお勧めします。

引用して返信編集・削除(未編集)

お礼

私の「炎天や石の布袋の太鼓腹」の句に、思いがけず多くのご支持を頂きましたこと、有難うございます。
何時も皆様の句を見て勉強させて頂いていますが、まさか私の拙い句がトップになるとは想像もしていませんでした。この句は、私がいつも通る道に、墓石などを製造する石材店がありまして、そこの店頭に陳列されている石の布袋様を句にしたものです。ユーモラスな太鼓腹、雨の日も風の日も空を見上げて円満なお顔をしています。何の技巧もなくただ見たことをそのまま詠んだだけです。今後ともよろしくご指導願います。

引用して返信編集・削除(未編集)

選句と得点

【選句と得点について】
     5人~9人句会   10点
    10人以上句会     7点
    40人程度句会     3点
   200人級句会      1点
 参加人数が多くなると得点数が減るのが普通。 10人以下の句会だと7句出句で10句選が普通。 この場合は10点取れれば御の字
 ところが10人になると出句が5句で選句が7句と少なくなるので総合点で7点も取れれば「よし」となる。 
 更に人数が増えて40人ぐらいの俳句会となると3句出句で5句選と厳しくなってくる。こうなると総合点で5点は上位に入ってくるから3点も取れればいい。
 そして200名を超す大きな大会ともなると2句出句で選者選になるので殆どの人は0点となり、1点か2点を取れば喜んで帰ることになる。

 私は月に200句ほど句を作りIT俳句会には「わかり易く、深みのある句」を厳選して出すようにしております。中日新聞や芭蕉祭、みたま祭などの各地大会には「未発表」という制約があるのでIT俳句会とは競合しない200句中のピカイチ句を選ぶ。しかし、投句者数が数百人、数千人もの規模にもなると入選しないのが普通なので、まだまだ勉強が足りないと思っております。 
 IT俳句会の目標は5句出句7句選なので、目標はトータルで7点以上、加えて「5句が全部 点を得る」こと。    しかしこれがなかなか難しいのです。
 ちなみに今回の句会では16名が参加してますが、5句が全て点を取れているのはアイビーさん、玉虫さん、山口さんの3人だけで(間違ってたらごめんなさい)いかにパーフェクトが難しいかが分かりますね。
 点数などはどうでもいいのだ、誰かが私の句を拾ってくれればい。 と鷹揚に構えている人は大成しない。 点にこだわり「歯をくいしばって句作に励む人」は矢張りいい句を作る  1点も入らない句とか説明しなければ解らない句は「駄作」と考えて作り直すしかない。 これが40年間俳句を作り続けてきた私の感想です。 

自切の尾離れ見てゐる瑠璃蜥蜴

引用して返信編集・削除(編集済: 2022年08月15日 13:34)

点にこだわり「歯をくいしばって句作に励む人」
最近かをりも意識してますが、肩に力がはいってしまい、スローカーブも不調です。
先達のお話はとても参考になります。

引用して返信編集・削除(編集済: 2022年08月15日 21:30)

先だってより選句数の問題が論議を呼んでいました。私の体験的に申すなら、2句出句なら3句選、3句出なら5句選、5句出なら7~8句選、10句出なら15句選というのがおおよその目途と感じています。つまり出句数の150%が選句数という法則らしきものがあるように思います。この法則に則れば、当句会は5句出で、、多くても8句が妥当となります。投句者が20人を越えたら再考することになっています。

引用して返信編集・削除(未編集)

選句観賞

アイビーさん、お疲れ様です。
盆の雑用、今日明日から目白押しなので、取り急ぎ選句の観賞を。

6 長き旅終る椰子の実初嵐 
島崎藤村の「椰子の実」ヘのオマージュの句ですね。
伊良湖岬に滞在した柳田國男が恋路ヶ浜に流れ着いた椰子の実の話を藤村に語り、藤村がその話を元に創作したものである。とか・・・
初嵐がとても効いていて、初秋の透明感がでました。

24 黒揚羽弔旗の如く翅立つる 
実は弔旗、検索して画像で知りました。多分時事の句でありましょう。
時事をモロ使いは川柳ですが、黒揚羽を以って弔旗。
これぞ、真っ当な慶弔句としていただきました。


27 碁敵を待ちて昼寝の高鼾 
詠み手は寝ているのでこれは違うよ、というのは当たりません。
寝ている自分をも客観視する、堂々たる高鼾。
うらやましいのは、碁敵ならぬお友達がいることなんですねえ。

◎32 開けずとも木箱に匂ふメロンの香
果物と木箱、もう最近ではメロンでしょうか。
蜜柑箱や林檎箱とは違う、ここを感じました。
選句のとき、飢えて渇いていたのでいたのです。
お腹が減っていたのです。しかも格調高くお腹をぐーとならせてきたのです。

60 転た寝の子よりプールの匂ひかな 
学校のプールは規定で塩素くさいですよね。
こうして短詩に詠むと、夏の午後の暑さも滲みでて。幼子の塩素も愛おしいです。
教室にプールの水の匂ひ来る 茨木和生 を彷彿とさせますが、愛情はこちらの句が優ります。


61 O型の儂に胡桃を割れと云ふ 
これはオンリーワンの世界。優等生では読めませんまだまだガキ大将よ、降参ですよ(笑)
またこんなんを、よろしゅうに。

76 蚊帳に寝て子どもが聞いてならぬこと 
もう昭和40年代、祖父母の家に行っての夏の三大謎は、蚊帳、井戸、外厠。
蚊帳で8時に寝ると、何時だかわかりませんが、低い声の祖父母の会話。
夫婦間のこと、お金のこと、近所のこと。
日本の昭和の夏をいただきました。

急ぎましたので、誤解釈、誤字脱字(いつもですが)、ご容赦くださいませ。

引用して返信編集・削除(未編集)

新宅の主の句を二句採れていい感じです。
リアル句会と違い、すぐには謝れませんが、深読みは楽しいので不愉快に受け取られないように続けます。

引用して返信編集・削除(未編集)

アイビーの句を2句も採っていただき恐縮です。何時もながらかをりさんの鋭い読みに敬服しております。深読みのし過ぎと思わなくもないのですが、一たび作者の手を離れた俳句は、もう作者の所有物ではありません。かをりさんの解釈の方が俳句として深みを増すように思われ、作者としては面映ゆいような心持です。

引用して返信編集・削除(未編集)

選句鑑賞

   2 水やりのため息ひとつ酷暑かな (エミ) 2
一読通り過ぎたが何となく気になり再読、結局最後まで残ってしまった。ため息を吐き乍らも日課となっている水やり。ため
    息ひとつに思いが凝縮されている。日射病にご留意を。

  3 せせらぎに草分けて飛ぶ糸トンボ (和談) 2
糸蜻蛉はうっかりすると見失ってしまう。作者は見失うまいと草葉に目を凝らしているのだろう。私の経験では殆ど見失って 
    しまった。せせらぎの音を耳に残して。

  4 炎天や石の布袋の太鼓腹 (蓉子) 5
     何ともユニークな句。太鼓腹と言うととっくりを抱いた狸を思い出すがここは布袋。しかも石の布袋、炎天下に太鼓腹を抱 
    えて汗だくの布袋さん。想像するだにニヤリとしてしまう。

  5 暑いてふ言葉呑込む暑さかな (山口) 3
    今年の夏は格別、毎年繰り返している気がする。ここで想像を逞しくすると「家族で≪暑い≫を禁句に。言ったものには
    罰を」・・・昔わが家で子供が考え出した。・・・そうなると艶消し。ここは素直に「言葉呑み込むほどの暑さ」と受け止め
   共感した。

 36 廃線に夕菅ほのと灯り来し (森野) 1
「夕菅」、初めて出会った季語に興味を持ち季寄せで「ゆうすげは孤を守るかや月細き」の例句を得た。
   他の歳時記でも調べたが「夕菅」は無く菅刈りに例句が。菅は菅笠の材料になるようだ。
   その上で、上5と中七、下五の解釈に悩んだが行きつく先は「孤独」。まだ句の理解には及ばない。力不足を痛感。

◎50 一握の砂零し行く素足かな (山口) 2
   真夏の浜辺の夕刻、帰路に就く水着姿の数人の若い女性だろうか。砂を踏んでいるのは素足。内ひとりの女性の掌から砂が零れ
   落ちる。啄木の「一握の砂」を思い出したが、何とも幻想的な描写。特選に戴いた。
 
 74 風鈴や軒に生まるる陸奥の風 (かをり) 2
    中七から下五のあしらいに痺れた。風もこのような扱いを受ければ満足だろう。読み返すほどに味わい深い句だ。

引用して返信編集・削除(未編集)

今回出した句で満足したのはこの句、ナチーサン,アイビーさんに拾っていただいて嬉しいです。
元句は 風鈴の音色をとへば南部鉄 でした。
こちらのほうがわかりやすいですよね。
今気付きましたが、返信昨日を使うと、スレッド?が上がりますね。
風鈴をそろそろ仕舞ふかなかなと  季重なりごめんなさい。

引用して返信編集・削除(編集済: 2022年08月15日 21:37)

結果発表

互選結果を発表します。今回は入点が割れ、トップは5点で3句が並びました。以下4点句に5句が並ぶ激戦でした。
5点句  4 炎天や石の布袋の太鼓腹 (蓉子)
5点句 45 蔵書印薄れし父の書を曝す (玉虫)
5点句 60 転た寝の子よりプールの匂ひかな (ヨシ)
個人別総合ではアイビーの16点がトップ、玉虫さんが11点で続きました。

8月度みんなのネット俳句会 互選結果一覧
 1 いつの世も憂苦に満ちて河童の忌 (ちとせ) 1 蓉子、
 2 水やりのため息ひとつ酷暑かな (エミ) 2 和談、ナチーサン、
 3 せせらぎに草分けて飛ぶ糸トンボ (和談) 2 森野、ナチーサン、
 4 炎天や石の布袋の太鼓腹 (蓉子) 5 ヨシ、森野、玉虫、淑子、ナチーサン、
 5 暑いてふ言葉呑込む暑さかな (山口) 3 ◎森野、ナチーサン、
 6 長き旅終る椰子の実初嵐 (束束子) 2 かをり、ヨシ、
 7 仲直り職員室の青葡萄 (かをり) 2 ふうりん、エミ、
 8 御霊載せ打ち上げ花火昇天す (ナチーサン) 1 ちとせ、
 9 蚊を叩く振りして触るる夫の頬 (玉虫) 2 蓉子、エミ、
10 西日うけ琵琶湖に遊ぶ親子連れ 
11 底紅や姉妹の奏づ吹奏楽 
12 蝉時雨タモ持つ男の子今何処 (淑子) 1 ◎和談、
13 梶の葉に願いは一つ筆に込め (森野)  1 萩、
14 お喋りなビビットカラー百日草 (ヨシ) 1 ふうりん、
15 古稀老を𠮟り飛ばせし生身魂 (アイビー) 4 ちとせ、◎ヨシ、萩、
16  仏らに湯のような水墓所灼けて (ABCヒロ) 1 山口、
17 サイダーや木馬歌ひし遊園地 
18 強右衛門磔刑の地の銀河濃し (萩) 1 森野、
19 夏雲や洒落たトラムの走る街 (ちとせ) 2 エミ、山口、
20 取り敢へず布に包みし兜虫 (玉虫) 1 アイビー、
21 片陰を選みて参らん御縁日 (蓉子) 2 ◎ふうりん、
22 蘆茂るユンボの傾(かし)ぐ堤かな 
23 しゃべるたびマスクはずれて秋暑し(ABCヒロ) 2 束束子、アイビー、
24 黒揚羽弔旗の如く翅立つる (アイビー) 4 かをり、萩、◎ABCヒロ、
25 甲虫捕りに出かけてそれっきり (束束子) 2 ちとせ、ABCヒロ、
26 ぜいたくや日ごと夜ごとに髪洗ふ 
27 碁敵を待ちて昼寝の高鼾 (山口) 4 かをり、蓉子、エミ、和談、
28 ぼく五つあたし二つよ枇杷の種 (ナチーサン) 1 ヨシ、
29 猛暑日や首に取り付く保冷剤 (和談) 2 ◎束束子、
30 向日葵や萬はあらうか目の前に
31 赤信号待つ身に滲むる油照 
32 開けずとも木箱に匂ふメロンの香 (ふうりん) 4 ◎かをり、蓉子、アイビー、
33 夏の月猫がゐるから許すこと (かをり) 2 束束子、玉虫、
34 秋立つ日ひとりもいいさ誕生日 
35 円安もさることながら生ビール (アイビー) 1 淑子、
36 廃線に夕菅ほのと灯り来し (森野) 1 ナチーサン、
37 りんと咲く植えし友逝き百日紅 (淑子) 3 ふうりん、和談、山口、
38 祭髪みなヒロインになりたがる (ABCヒロ)  2 ふうりん、◎玉虫、
39 ちりりんと風鈴句座に風送る (ふうりん) 2 ちとせ、ヨシ、
40 花錆びて梔子匂ふ狭庭かな 
41 魚飲む鵜女鵜匠の綱捌き 
42 念力も魔法も効かぬ溽暑かな (アイビー) 4 エミ、◎萩、和談、
43 亡き夫に夢で逢ひたき盆供養 (エミ) 3 ◎ちとせ、森野、
44 ドーンとすはしゃぎベランダ大花火 
45 蔵書印薄れし父の書を曝す (玉虫) 5 束束子、◎蓉子、ABCヒロ、アイビー、
46 黒き絽の透けてなにやら秘密めく (ヨシ) 1 ABCヒロ、
47 空港へ車窓に盆の月連れて 
48 無事の羽化生の謳歌や蝉時雨 (和談) 2 森野、淑子、
49 祭り果つ古老の叩く捨て太鼓 (ナチーサン) 4 ちとせ、玉虫、淑子、山口、
50 一握の砂零し行く素足かな (山口) 2 ◎ナチーサン、
51 千代紙の金魚尾を振る扇風機 (束束子) 3 萩、玉虫、ABCヒロ、
52 冷房や友入院の四人部屋 (蓉子) 1 エミ、
53 寝姿の相似形なり夏布団 (玉虫) 2 ◎山口、
54 裏木戸を四十女の帰省かな 
55 降り続く驟雨噴き出すマンホール 
56 青春は古書店の街草田男忌 (ABCヒロ) 2 ヨシ、蓉子、
57 七月尽ノストラダムス予言の日 
58 亡き兄と再会待つや茄子の馬 (和談) 3 ふうりん、◎淑子、
59 頑固爺されど団扇で寝る孫に (淑子) 1 萩、
60 転た寝の子よりプールの匂ひかな (ヨシ) 5 ちとせ、ABCヒロ、◎アイビー、山口、
61 O型の儂に胡桃を割れと云ふ (束束子) 2 かをり、萩、
62 小学校保育の子等と蝉時雨 
63 鰻焼く匂い漂ふ御縁日 (蓉子) 2 淑子、和談、
64 御参なれしかと傘さす夕立かな (山口) 1 玉虫、
65 叔父を知る今は一人に終戦忌 (森野) 2 ◎エミ、
66 炎昼や梅干しゃぶり庭師かな 
67 立秋や数学九十点の夢 (萩) 3 束束子、ヨシ、アイビー、
68 夏負けずおろしポン酢のハンバーグ
69 ひとけなし葭原うるさ行々子 (ちとせ) 2 森野、淑子、
70 幼き日父に負はれて観し蛍 (エミ) 1 ふうりん、
71 生薬のにほひに埋もれ夏深し (ヨシ) 1 束束子、
72 配らるるお菓子目当ての盆踊 (束束子) 
73 恥じらいも無きやビキニ娘浜の夏 
74 風鈴や軒に生まるる陸奥の風 (かをり) 2 アイビー、ナチーサン、
75 息詰めて線香花火全うす (玉虫) 1 和談、
76 蚊帳に寝て子どもが聞いてならぬこと(アイビー) 3 かをり、玉虫、山口、
77 ホームより景色の一つ桐一葉 
78 草道を鱗滑らせ蛇よぎる (萩) 2 束束子、ABCヒロ、
79 食傷す土用のうなぎ折込みに (山口) 1 蓉子、
80 夏休み漁師の兄についていく 

◎は特選。特選2点、並選1点で計算。投句者はABCヒロ、蓉子、エミ、森野、萩、束束子、玉虫、ナチ―サン、ちとせ、和談、淑子、アイビー、山口、ヨシ、ふうりん、かをりの16名。

お気づきの点がありましたら幹事までご連絡下さい。

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おかしいな

昨日選句しましたけど メモを探して後で入れます

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