互選結果発表
8月句会の結果を発表します。8月のトップはダイアナさんの「広島忌」の句で10点を集めました。続いて尾花さんの「風鈴」の句で7点、にゃんこさんの「原爆忌」の句、アイビーの「端居」の句、弥生さんの「新涼」の句が6点で並びました。以下、5点句には7句が並ぶ激戦でした。
10点句 10 小六の語り部ガイド広島忌 (ダイアナ)
7点句 87 風鈴にふれてにこにこ抱つこの子 (尾花)
6点句 4 サイレンへ風止まる街原爆忌 (にゃんこ)
6点句 42 端居して世の喧騒と距離を置く (アイビー)
6点句 64 新涼や新作パンの並ぶ店 (弥生)
個人別総合ではにゃんこさんが20点でトップでした。
8月度みんなのネット俳句会・清記一覧 特選2点、並選1点で計算。 7・8・14
1 止まらないポテトチップス秋涼し
2 八十路来て良き汗かける幸せを (てつを) 2 ラガー、茶々、
3 迎え火の吠え出す犬と男の子
4 サイレンへ風止まる街原爆忌 (にゃんこ) 6 ◎えっちゃ、◎ちとせ、かをり、アイビ、
5 鷺の首白き紋様青田原 (和談) 2 ◎ヨヨ、
6 しんがりの船鉾雨に悠悠と (尾花) 2 ちとせ、和談、
7 緑蔭へ漢孤独な翳を曳く (ナチーサン)
8 腹当は明日の元気を約束す (コビトカバ) 1 弥生、
9 夫運転私助手席雲の峰
10 小六の語り部ガイド広島忌 (ダイアナ) 10 ふうり、えっちゃ、尾花、ちとせ、コビト、◎ヨシ、森野、茶々、ナチー、
11 好きな夢選べる未来水中花 (ヨシ) 1 玉虫、
12 平幕は元気はつらつ名古屋場所 (ラガーシャツ) 3 ◎ふうり、比延、
13 流星や幾人残る同級生 (玉虫) 2 ちとせ、ABC、
14 鉢植えに灯る夕菅ひと夜花 (森野) 1 みにょ、
15 しかけたりしかけられたり水鉄砲 (ABCヒロ) 1 比延、
16 極暑日に線香燻り香り立つ
17 つかの間の生とも知らで蝉鳴けり (みにょん) 4 ふうり、えっちゃ、茶々、ヨヨ、
18 水の日に記録的雨皮肉かな
19 鶏も卵を産まぬ極暑かな (ふうりん) 2 ちとせ、ヨシ、
20 更衣逢ひたき奴は何処やら
21 青芦の風を呼びたりあひびきし (かをり) 1 えっちゃ、
22 向日葵や凛と老人寄せ付けず (和談) 1 ヨヨ、
23
24 ほおずきやほの口をして吹き鳴らす (弥生) 2 ◎にゃん、
25 夕菅や湖に暮れゆく比良比叡 (てつを) 3 みにょ、森野、比延、
26 向日葵や人と違ふと吸えぬ息 (コビトカバ) 1 玉虫、
27 夕暮れへ秋は密かに紛れ込む (にゃんこ) 5 ◎てつを、森野、和談、弥生、
28 水着着て昭和モダンの砂スキー (アイビー) 1 和談、
29 鉾の輪に噛ませたる梃子木屑とぶ (尾花) 2 ダイア、アイビ、
30 立つ秋や季節は歪み飛来せず
31 暑くなる予感小石に躓けり (ナチーサン) 4 尾花、ヨシ、玉虫、アイビ、
32 闇深き夫の故郷や天の川 (玉虫) 2 ラガー、ダイア、
33 今朝の秋雨は田畑を潤さず
34 夏草は胸の丈までここ空き家 (ABCヒロ) 3 みにょ、てつを、ラガー、
35 運転は夫におまかせ雲の峰
36 夢心地推しコンサート夏の夜 (みにょん) 1 えっちゃ、
37 玄関を出れば秋津の群るる空 (森野) 2 てつを、にやん、
38 熱風浴ぶ木々も疲るる40度 (ヨヨ) 5 ちとせ、◎みにょ、ヨシ、和談、
39 新盆の供物の礼の昔めく (比延) 1 森野、
40 長崎の鐘の復元盆供養 (茶々) 5 ふうり、えっちゃ、ABC、◎ナチー、
41 みんみんやとく眼帯のもどかしさ (かをり) 5 ちとせ、コビト、てつを、ヨシ、にゃん、
42 端居して世の喧騒と距離を置く (アイビー) 6 ダイア、◎ABC、◎比延、弥生、
43 蝉時雨背に一刀浴びにけり (和談) 2 玉虫、ヨヨ、
44 目を剥いて暑いと言ふや仁王像 (尾花) 3 ラガー、和談、比延、
45 今朝の秋ひこうき雲は茜色
46 八月の悼みごころの靴並ぶ (えっちゃんあら) 3 コビト、かをり、ナチー、
47 句集編む時の流れや梅雨湿り
48 炎天や悲鳴を上げる室外機 (てつを) 1 ヨヨ、
49 炎暑果てほっと一息夕日観る
50 無人駅風は青田を渡り来る (にゃんこ) 5 ふうり、みにょ、てつを、森野、比延、
51 炎暑なり荒れに荒れてる名古屋場所 (ラガーシャツ) 1 茶々、
52 寝室に蟷螂全身に寒気
53 老犬の座り込みたる秋暑し
54
55 語り部の白髪三千丈原爆忌
56 このセット取れば優勝蝉時雨 (ヨシ) 2 コビト、ダイア、
57 猛暑日も牌で鍛える古き脳 (みにょん) 3 えっちゃ、尾花、コビト、
58 迷い道して出会いたる花鬱金 (森野) 1 尾花、
59 母と見るプレバト俳句蚊遣香
60 師の病快癒願ひて笹飾る
61 原爆忌さらけ伝えよ世界中
62 踏み上る崩れ石段花は葉に
63 初めての町に既視感百日紅 (アイビー) 4 みにょ、ヨシ、ABC、玉虫、
64 新涼や新作パンの並ぶ店 (弥生) 6 てつを、ラガー、ダイア、◎アイビ、
65 すれ違ひざまに見上ぐる百日紅
66 向日葵は今太陽に挑みたり
67 雨の京都地につくほどに夏柳 (尾花) 3 ◎茶々、玉虫、
68 冷奴何も吸収したくない
69 ペン胼胝の名残かすかに桜桃忌 (てつを) 2 ヨシ、弥生、
70 孫を待つアロハで変身米寿なり (和談) 1 ヨヨ、
71 蚊遣香持ちつつ移動庭仕事
72 夢に入ることもできずに明易し
73 憧れて届かぬ遠さ夏茜 (ヨシ) 3 にゃん、◎玉虫、
74 面痩せの何処に立ちても夕立かな (かをり) 1 ナチー、
75 溜息を繰り返しつつ夜の秋
76 美しく儚きものに揚花火
77
78 森更けてなほ蜩の鳴き止まず (森野) 1 にゃん、
79 みちをしへ遥か先行く父の背ナ (玉虫) 4 ◎尾花、てつを、アイビ、
80 あれこれと歳時記片手に熱帯夜 (みにょん) 1 ラガー、
81 昼日向ビール三昧蝉時雨
82 マスカット一房囲む甘さかな (ふうりん) 3 かをり、茶々、弥生、
83 愛猫も興奮夏の甲子園 (茶々) 1 ABC、
84 手花火のじじと弾けてみな終る (かをり) 2 にゃん、玉虫、
85
86 表札はローマ字表記秋の薔薇 (弥生) 2 かをり、比延、
87 風鈴にふれてにこにこ抱つこの子 (尾花) 7 ちとせ、コビト、ヨシ、茶々、和談、◎弥生、
88 太陽のコロナ閉じ込めスイカ玉 (てつを) 4 コビト、かをり、ナチー、和談、
89 生き過ぎたといふ義父逝きし初の盆 (えっちゃ) 3 みにょ、◎コビト、
90 日を浴びて畑に向日葵凛と立つ
91 なまくらなこの身を嗤へ蝉時雨 (にゃんこ) 4 ◎ラガー、ダイア、ABC、
92 寝室を出たらあちらに蝉王国
93 蛍の点滅闇を争はず (ナチーサン) 2 にゃん、茶々、
94 御所東膳を揃えて生身魂 (ラガーシャツ) 1 かをり、
95 豊漁の鰯クレーンの網開く (ダイアナ) 5 えっちゃ、尾花、ABC、アイビ、弥生、
96 秋簾昭和の会話聞こえそう (ABCヒロ) 2 てつを、ナチー、
97 今の子に貧乏話終戦日 (アイビー) 1 弥生、
98 名は名古屋朝顔とあり江戸の鉢 (森野) 1 ふうり、
99 旅先で席譲られし冷房車
100 盆唄や炭坑節を繰り返し
101 熱波の水桶で伸びてる蛙の子
102 古本の書き込み侘し夜の秋 (比延) 3 ◎森野、アイビ、
103 茄子馬で迎え火求め先祖来る (ヨヨ) 2 ◎和談、
104 ひまわりも俳句も好き麻雀も (みにょん) 1 ラガー、
105 万博リングそぞろ歩めば風涼し (ふうりん) 2 尾花、ダイア、
106 夏場所や光る土俵に巨人舞ふ (和談) 1 ヨヨ、
107 ちはやぶる一生懸命蝉の声 (ラガーシャツ) 1 ふうり、
108 初穂の田雨渇望す地割れかな (ダイアナ) 2 ふうり、みにょ、
109 朝戸開く外に暑熱が横たふる (ちとせ) 2 ◎ダイア、
110
111 やわらかき野に膝をりて今朝の秋 (かをり) 3 尾花、森野、ヨヨ、
112 奪衣婆の乳房あらはに黴の堂 (アイビー) 3 かをり、ABC、ナチー、
113 唖蝉の不意に翔ちたる翅音かな
114 藍浴衣男嫌ひをとほすかな (えっちゃんあら) 5 かをり、にゃん、ナチー、比延、アイビ、
115 雷鳴に居間を離れて長電話
投句者は、ヨヨ、和談、コビトカバ、えっちゃんあら、ラガーシャツ、弥生、にゃんこ、ABCヒロ、尾花、森野、ふうりん、ヨシ、ダイアナ、ちとせ、みにょん、てつを、ナチーサン、アイビー、玉虫、茶々、比延、かをりの22名。
間違いその他不都合をご連絡下さい。
9月句会の互選結果の記事のピン留めを解除します。ご覧になられる方はno.4272の記事までスクロールしてください。
明日29日から俳句三択クイズを行います。お遊びですから気軽に参加して下さい。
10月句会は10月5日開幕です。
2 耳遠き母のスマホへ虫の声 (ダイアナ) 6 ◎あい◎ふうりん
スマホの機能は素晴らしい。五感全てに対応しているように見える。難聴のの母とスマホ。そこへ虫の声。どう解釈すべきか。いろいろ楽しませてくれる句だ。
21 鬼灯を鳴らす昭和の音がする (ABCヒロ) 1
鬼灯と言えば先ず海ほうずきを思い出す。私の田舎では子供たちがこれを口に含み音を出す。この句は岡鬼灯、いずれにしても音色からは昭和の息吹きがする。最近そのような遊びが見られなくなり昭和は遠くなりを実感している。共感の句だ。
30 胡弓の音編み笠舞うや風の盆(和談) 8 ◎茶々◎ダイアナ◎ヨヨ
越中おわらの風の盆を現地で見たことはないがテレビでは何度か鑑賞している。解説を聞きその歴史や風俗を知るにつけ信仰に裏打ちされた厳粛の中にも男女の機微を織り込んだ歌詞の数々、踊りは単純な中にも情緒たっぷりの仕草など奥深い。この句の上五の胡弓の音色が全体を引き締め幽玄なものにしている。ちなみに作者は平成の時代奥様と現地で体験しているそうだ。
34 鉦叩石垣だけが残る城(弥生) 3 ◎ABCヒロ
選で迷った句。味わっていて三橋美智也の「古城」の歌詞を思い出した。かつて城を支えた石垣、上五の季語が切ない。
41 草は穂に浮いた噂は聞かぬまま(ABCヒロ)4 ◎落方、
なるほど。季語はこのように使うのですか。身近なところから句材を得ることの大事さを学びました。
79 叩き練る合い挽き肉や豊の秋 (ABCヒロ) 1
恐らく魚だろう。旬のものとすると鰯など数匹が思い浮かぶ。その新鮮な魚を叩き練るの措辞、やや乱暴だが実感がこもり好感が持てる。正に豊の秋だ。
86 初茸や仏は常にいませども
悩ましい句だ。だが捨てがたい。自分なりに解釈するもまだ消化されていない。作者の解説を戴きたい句だ
アイビーの俳句鑑賞 その3
真青の背手剝きて鰯だんご汁 (ちとせ)
鰯をさばく時、新鮮な鰯であれば刃物を使わず指で割く。その鰯をテーマにした一句。刺身もよいが、つみれの鰯だんごもまた旨い。魚好きにはこたえられない句だろう。「真青」「手剝き」ということで、説明しなくても鰯が新鮮であることが分かる。食べ物の句は、この句のように旨そうに詠みたい。
なぞなぞの答えに窮し葡萄食む (てつを)
お孫さんの相手をしていたのであろうか。他愛ないなぞなぞ遊びだが、子どもは限りが無い。いい加減うんざりしてたところに、大人でもてこずる問題が出た。ギブアップのタイミングを失ったてつをさん、仕方なくそこにあった葡萄を摘む。あり勝ちな一コマをユーモラスに描写した。こういう軽みも大切な俳句の要素だと思う。
おはぐろのつゐと入來る厨かな (落方)
おはぐろはオハグロトンボのこと。全身が黒く翅も真っ黒で、普段はなかなか見られない。人の生活領域に出現することは珍しいが、どういう訳か台所に舞い込んだ。どういう種類の蜻蛉なのか、ひとしきり話題になって、そのうち何処かへ飛んで行った。それだけの話だが、おはぐろのネーミングのユニークさとあいまって、あたかも一場の舞台を見るようだ。
娘らに背中押されて踊の輪 (ふうりん)
踊りの好きな人はともかく、普通の男性は盆踊りはどうも、という人が多いのではないか。それがどういう訳か盆踊りの会場の出向いた。最初は見物するだけだったが、一緒に来ていた娘に「お父さんも輪の中に入り、一緒に踊りましょうよ」などと言われ、慣れぬ踊りをする羽目に。とかく男親は娘に弱いものだ。
まだ来ない迷走台風まだゐたか (ヨシ)
一読して不思議な感覚におそわれた。一句の中で二つの時限が同時に存在するのだ。10号台風はさんざん迷走したが時速が遅く、いつまで経っても上陸しない、上陸したらしたでいつまでも動かない。「まだ来ない」「まだゐたか」はまことに実感だが、いずれも現在形を使っているのだ。つまり、一句の中に異なる二つの時限が、しかも同時に存在するのだ。作者が意図的に編み出した手法なのだろう。不思議な魅力があって面白い試みだ。
台風の目を観る神の眼の画像 (にゃんこ)
台風の目を下界から見ることは、我々人間の目でも見える。上から見ることが出来るとすれば、もはや神の領域だ。驚きを素直に表現すれば、そういうことになる。訳知り顔で「なに、あれは簡単なことで、人工衛星から送って来た映像云々、」などと解説してはいけない。そこまで言っては野暮というもの。神の御業がどうして画像になるかを詮索してもいけない。素直に神の御業を畏れ,感嘆するところに俳句があり,詩が生まれる。
下次号、不定期掲載。
真青の背手剝きて鰯だんご汁 (ちとせ)
アイビーさん取り上げてくださり、並びにナチーサン選句下さり有り難う御座います。お魚も値上がりして鰯は主婦の味方。骨も刮げて味噌生姜大葉を俎板に載せて包丁で叩く。啜ったお汁の美味しさ、皆様も是非。
おはぐろのつゐと入り來る厨かな 拾っていただきありがとうございます。
おはぐろとんぼが台所の網戸を開けると身を翻してさっと入ってきた。
蜻蛉は精霊に通じ霊を載せているので取っては駄目と子供のころから言われてきた。
特におはぐろは身にまとわりつくことが多く親しい。外へ出してやるのに苦労した。
因みに蜻蛉は秋の季語だがおはぐろは夏。あかねよりだいぶ早くから出るからかな。
アイビーさん、お纏めありがとうございます。
今年は九月になっても暑いので体調にお気をつけてくださいませ。
★12 風の盆神も佛も姿付けて
風の盆いうと、「風の盆恋歌」なんてありますけど、嫌いですね。
ストーリーにからみだけなら、「愛の流刑地」がほうがなんぼか潔いです。
なのですがすがしく神も佛もがええわー。
★14 賢治忌やカタカナ文字の詩を謡ふ
賢治の歌は三行であったり、カタカタという近代に託した。
カタカナ文字謡うがあれですよ、カタカナ文字を口笛に、くらいの軽さに。だけどいい句ですねえ。
★65 台風の目を観る神の眼の画像
こうなったら神も出そう。爽快な割り切りをいただきました。
★80 秋声や在りて見えざる父の星
父上の小言から教えまで、懐かしい。秋の声とはそういう郷愁のこえですよね。
秋声やで切ったのがいいです、さて皆様はどういう声を聞いておられるのでしょう。
★84 聞き役の吾枝豆の莢の山
平凡な日常という言葉はけなすことではありません。ユーモアがまさり、秋の楽しい生活句区。
お疲れ様でしたとお声をかけたくなる楽しさをいただきました。
★85 弥生杉地に還るらし島は秋
万物は流転す。大きく詠んで、島の秋でしっかりと締める。
それによってしらざる弥生杉が屋久島の杉のごとく抱きしめられぬ骨太の自然を感じます。
★★95 献体の妣帰り来ぬ白芙蓉
献体に携わった自分はまず、いただきました。献体に出すと暫くはもどらず、通常秋に献体祭り後の戻りとなります。
白芙蓉は出来すぎの季語ですが、見事にはまりました。
★96 頬に触る風変わりゆく葉月尽
今年も暑いです。とても若々しい感性、見習いたいです。
触る、触るる論争は、ここでは不問にしたいです。詳しい方のお話があれば・・・・
聞き役の吾枝豆の莢の山
拙句を取り上げていただき有難うございます。私も寄る年波で聞き役に回ることが多くなりました。若い頃の私は、立て板に水を流すという訳にはいきませんが、かなり理屈っぽい方で相手を辟易とさせることもしばしばでした。飲み屋なんかに行って酒のあては、安くて間が持てる枝豆にとどめをさします。
★★95 献体の妣帰り来ぬ白芙蓉
かをりさん、特選に推挙いただき光栄です。妻の両親は二人とも献体をしていまして岳父は10年前に献体し3年目に帰ってきました。呼び出しを受けた火葬の際には関わった5名の医学生が共に骨を拾って下さり待ち時間にはいろいろお話も聞けました。
この度の義母は1年での帰還になります。10月初めとの案内が来ていますが短縮されたのには最近の医学事情もあるようです。
私も最後のご奉公として献体をと思っていますが家内を始め家族の了解が得られません。ただ、献体に関しては本人の意思の他、家族の複雑な思いが錯綜していることは確かで最近の悩みの一つです。
日時 十月六日(日)
会場 武豊町中央公民館一階
第一・二会議室及び教育研修室
招待選者
斎藤朗笛先生
受付 十一時より
出句〆切 十二時三十分
出句 当季雑詠五句(未発表作品の事)
会費 五百円(参加粗品呈上)
賞 選者特選・入選若干
武豊町民文化祭実行委員会
担当武豊俳句会(代表・坂靖久)
電話(0569-72-4015)
私玉虫の所属する武豊俳句会が年一度、斎藤朗笛先生のお顔を見ての俳句会です。
小さな会です是非皆様の俳句を勉強させて頂きたく、アイビーさんに勧められて
ご案内致しました。
ナチーサン、ありがとうございます。
私は新参者でして、武豊の俳句大会には、去年初めての参加でした。
俳句もまだまだ初心者でして、朗笛先生の添削で赤ペンだらけ。
毎月の句会は互選で、後から朗笛先生のご指導を頂いています。
初心の怖い物なしでして、今年はすかんぽの句会に行ってみました。
白桃は先生のお誘いで参加しましたが、毎月の20句に汗をかいています。
どうかよろしくご指導下さい。
名乗りは「水心」でした。
大福会へ入会して間もなく神谷さんの車に同乗して仲間数人と武豊町民文化祭俳句大会へ参加させていただきました。その時初めて朗笛先生にお会いし白桃への入会を勧められました。句会は和やかな雰囲気で進められ常連の方がダブルで特選になったのを朗笛先生の配慮で私の句が繰り上げ特選となり書状と敏弘作の絵画を副賞に戴きました。部屋に飾ってありますが、日付は令和元年九月二十二日とあります。玉虫さんひょっとして同席されていました?
将棋王座五番勝負第2局が名古屋市で行われ、藤井聡太王座が永瀬拓也九段に123手で勝利しカド番とした。この勝負序盤の早いこと早いこと好漢あっという間に70手ほど進んでしまった。しかも38手までは全くの同型。序盤はほぼ互角だったが永瀬のミスもあり少しずつ差は広がり王座の連勝となった。招待者とのセレモニーの後の感想戦は立会人を交えての和やかなものとなった。検討の度の駒のやり取りは目の回る速さだ。考えながら駒を弄ぶさまなど本番ではありえない。一つの発見は挨拶の際の藤井の頭の下げ方、以前は極端に長かったがやや短くなった。相手に合わせるようになったのかも。
夕食は藤井が名古屋コーチンの天津飯、永瀬は三河一色の鰻によるひつまぶしと地元名古屋ならではのものとなった。
次回第3局は9月30日京都市で行われる。好漢永瀬の奮起が期待される。
アイビーの俳句鑑賞 その1
釣り人の魚篭に初秋を尋ねをり (かをり)
普通は釣り人に「釣れますか」と声を掛けるが、この句は魚籠を覗いてみて秋を感じたのである。初秋の鯊釣りは類句が多く、ただ当たり前の鯊釣りの光景を詠んだのでは、それこそ掃いて捨てるほど類句がある。そこで作者はちょっと捻りを加えた。これで俳句の印象がずいぶん変わった。鯊という言葉がひとつも出てこないところが作者の仕掛なのだ。
敬老の日二言目にはキセル打つ (えっちゃんあら)
作者のえっちゃんあらさんの父上のことを詠んだものか。「キセル打つ」から、昔ながらの刻み煙草と思われる。たったこれだけの描写でお父さんの人生や為人までもが、読み手に想像できるのだ。実直で、一刻で、少し古風な人物像が浮かんでくる。俳句の玄妙さを感じる一句。上五はもっと良い季語がありそうだ。
弥生杉地に還るらし島は秋 (ABCヒロ)
弥生杉は屋久島に自生する、太古からの杉で樹齢数百年というのも珍しくない。中には枯渇する木もあるが、「地に還るらし」と言い留め、人の手を拒絶する杉を表現した。大自然の営みの前に、人は敬虔な気持ちで頭を垂れる。
預かりし犬に連れられ野路の秋 (森野)
犬の世話を頼まれた。軽い気持ちで引き受けたのはよいが犬の世話というもの、まず朝晩の散歩、病気、食事と意外に大変なのだ。いくらか後悔したものの、悪いことばかりでもない。朝晩の犬の散歩の道々、何時もは気づかなかった秋の気配を、そこかしこに感じたられたことが第一だ。そんな気分をうまくまとめた。
数独を口論しつつ夜の秋 (ヨヨ)
まだまだ暑い日が続くが、それでも日没時間が早くなったと実感する昨今だ。秋の夜長というやつだ。無聊にまかせ数独で時間を潰すヨヨさん。時間つぶしの筈がだんだん本気になる。横合いからあれこれ言われては気持ちが集中できない。そこでついつい口論になる。微笑ましくも平和な家庭の、秋の雰囲気を出している。
晩学や絶対旨いふかし芋 (あい)
「晩学」は本職の農家ではないが、最近になって家庭菜園を目指して色んな作物に挑戦しているという意味か。絶対旨いと自信満々に言い切ったところに、得も言われぬ俳味を感じる。これだけ自信を持って言うのならさぞ旨い薩摩芋が出来るのことだろう。ただ上五はもう少し推敲をしてみてはどうだろう。
無点句は最後に纏めて取り上げます。
以下次号、不定期掲載。
アイビーさん、ありがとうございます。
釣り人の魚篭に初秋を尋ねをり 彼は無能の石売といふ かをり
つげ義春の「無能の人」から発想をとばしました(プレバト風)ああ、私はプレバトのファンですw
アイビーさん推しのハゼではなく、一応落ち鮎。大雑把に季節を捉えるのが好きです。
ナチーサンとアイビーさん鑑賞ありがとうございます。上手く俳句詠めないなあと思う時にいつも鑑賞して頂くとまた頑張って👊😆🎵みようと思います。私もいつか背中を押して感謝されるように俳句上手くなります。言ってしまった。。。ここは忘れてください。
アイビーの俳句鑑賞 その2
門限は破つてなんぼいぼむしり(コビトカバ)
門限破りが開き直って「何が悪い」と嘯いている、実にけしからん句。けしからんのだが,どこか愛嬌があり憎めない。あたかも派手なパフォーマンスをしながら、どこか間が抜けているカマキリのように。この句は二物取り合わせの句だが、季語にカマキリをもって来、しかも蟷螂でなく、いぼむしりとしたところに作者のセンスが光る。
賢治忌やカタカナ文字の詩を謡ふ(玉虫)
戦前の小学校は平かなよりも先にカタカナを教えた。また、役所の公用文もカタカナ混じりの漢字で書かれていた。今よりカタカナが身近にあったのである。宮沢賢治のあまりにも有名な詩「雨ニモ負ケズ」はカタカナで書かれている。そういう故事を踏まえながら、この句を味わいたい。なお、「うた」ふの字に「謡」をあてたのは何か理由があるのであろうか。
胡弓の音編み笠舞うや風の盆(和談)
最高点に次ぐ8点を得た句。胡弓のものがなしい調べに乗せて、揃いの編み笠で踊る「風の盆」。旅情を誘うフレーズだ。菅原洋一さんの名唱を彷彿とさせる。ただ印象としては大人し過ぎると私は感じた。もっと踏み込んだ表現があってもよかったように思うのだが。
台風に忙中閑ありじいっと待つ(ラガーシャツ)
最近の台風は、史上空前とか大型で強いとかの詳細な表現をされる。伊勢湾台風に匹敵する10号台風は,迷走に迷走を重ね、来る前にこちらが草臥れてしまった。準備万端整えて備えても、台風の速度が遅すぎた。と言ってほかにやることもない。忙中閑ありという次第。
鉦叩石垣だけが残る城 (弥生)
天守閣を具えたお城ではなく、砦と言った方が相応しいような城。城とは名ばかりで石垣の一部が残っているだけでも、村おこしには大事な観光資源だ。宣伝に乗せられて、行ったのはよいが「何、これだけ、、」というケースもままある。がっかりと言うか、予想通りというか、鉦叩が鳴いているばかりだ。
合宿のオーボエの子の夏終る (尾花)
高校受験を控えた中学3年生か。吹奏楽部に所属し、最後の合宿に出かけた。3年間打ち込んできた部活、それも終わってしまった。明日からは受験のための勉強だ。中学生と言えども、「夏終る」の楚辞に一抹の哀歓をおぼえる。「オーボエの子」の一言で、吹奏楽部、受け持ちの楽器、受験生といったことを全て分からせるお手並みは見事。
以下次号、不定期掲載。
雨ニモマケズ
の賢治の詩が好きです。詩と言っても本人が発表した物では無いとか?
しかし私はこの詩を普通に読めないのです。圧倒されて。
あらゆる事を自分を勘定に入れずに・・・
青森に暮らしたことがあります。友達がこの詩をまさに朗読しまして
東北弁と言いましょうか?その訛りこそ此の詩に相応しいのです。
優しいイントネーションです。謡うのです。
謡うを使ってみたのはそんな理由でした。
ほんとにけしからんですよね(u_u)
私はカマキリが凄まじく苦手で、だからなのかなんなのか、カマキリをお題にした句がどんどん湧いてきます。
何故だろう。
選句鑑賞がとても参考になりありがたいです。
アイビーさん、ナチーサンさんの選句鑑賞を読んで気づかされることがいっぱいあり、自分の句ではなくても「そういうことだったのねぇー」とか「そういう見方もあるのね!」とか自分では気がつかなかったことを発見してその句がイキイキと見えてきます。
これからもどんどん教えてください。 他の方の選句鑑賞も投稿してくれないかなぁーと期待しています。
57番のオーボエの句ですが、おっしゃる通り中3の孫が、毎年美浜町に2泊3日の合宿に行きます。今年は少年自然の家でした。
先輩後輩の関係もひと昔前のように厳しくないようで楽しんできたようです。 ただ高校受験のない学校なので、それなりにの~んびりしています。
森野さん、特選に選んでくださりありがとうございました。
67 敬老の日二言目にはキセル打つ (えっちゃんあら) 1
寡黙で頑固、昭和の老人のイメージ。刻み煙草に煙管は付き物。これは孫の頭をぶつ武器にもなった。田舎の墓地で火葬にする為掘り出した土葬の墓地から出て来た煙管に叔父の一人が述懐していた。座五は年寄りの唯一の意思表示。上五に敬老の日を持ってきた。何ともユニーク。納得のいく句だ。
76 山一つ動かす如し虫時雨 (ヨシ) 4
山が動くとはある日本人の女性政治家にもあった。よく例えに出てくるがこの句は何と虫時雨。蝉時雨でなく。よほど総身に響いたんだろう。迫力満点の句。
84 聞き役の吾枝豆の莢の山 (アイビー) 4
夕食か、家族団らんの一幕だろう。周りは女性ばかりかも。ちびちびやりながら枝豆を抓む。女同士おしゃべりの話題は尽きない。時折相槌を打ちながら黙々と。気が付いたら枝豆の莢が山になっていた。幸せな時が流れる。
85 弥生杉地に還るらし島は秋(ABCヒロ) 9 ◎かをり ◎ナチーサン
先日屋久島を襲った台風10号、高さ26.1mもの世界遺産の弥生杉、46mもの強風で倒れた。
樹齢3000年と言う。この句を見てネットで確認。大樹の生々しい姿を見た。中七に実感が籠っており切なくなった。改めて自然の残酷さを思い知らされた句だ。特選に戴いた。
87 稲刈を見る二千歩の徃き還り(玉虫) 3
二千歩と言うから相当な広さの田んぼだろう。半分ほどは刈り取られ稲架襖になっているのかも知れない。見回りながら豊作に満足しつつも異常気象の1年を回想しているのだろう。二千歩の歩みも苦にならない。足取り軽く。
89 秋灯や車窓に旅の果のあり (森野) 2
秋の旅は格別だ。特に日本の秋は津々浦々至る所に名所があり胃袋も充たしてくれる。
この句、車窓に焦点を当てた。車窓に旅の果てとは言いえて妙。秋灯の季語も申し分ない。心に残る句だ。
105 真青の背手剝きて鰯だんご汁 (チトセ) 1
鰯の美味しい季節。旬の食材を使った贅沢な団子汁。だがこの句の魅力は上五中七の潔さ。躍動感。実践したものでないとこのような生きた表現は出来ない。団子汁、戴きます。
107 二杯目は塩むすびにて今年米 (ヨシ) 4 ◎ラガーシャツ
コメ離れが言われて久しい我が国だが米食党の選者にはうらやましい句だ。一膳目はおかずと味噌汁でお替わりは🍙と来た。しかも塩のみ。新米が輝いている。三杯目は海苔か。ご馳走さま。
ナチーサンさん、二句も鑑賞して下さりありがとうございます。
山と虫時雨の 句は、ドライブインの隣が山で、真っ暗な山で一斉に色んな虫が山全体が震える程にないていました。黒い塊が動き出すような人間の立ち入ることの出来ない畏怖の念を感じ何とか気持ちを残したいと句にしました。
塩むすびの句は、新米の出る頃になると食欲も復活し飯が旨いです。熱々の飯を湯気ごと「はふっ」と頂く!最高です。おむすびにしたって具も要らない、塩だけで旨いのです。ご飯を美味しく頂ける感謝の気持ちも込めた句です。