Q
高校1年の娘が5月からスマートフォンを使い始めています。この娘との関係についてご相談します。クラスや部活の生徒やいろんなグループとLINEを使っておしゃべりや連絡をし、時には学校の先生も知らない相手と試験勉強などで楽しんでいるようです。うちではスマフォの費用はお小遣いから出すことと、夜10時には親に預けるという2つの約束をしました。使い始めて2か月たって、何度か時間オーバーや一度やめても夜中にするというような違反があって、1日使用禁止の罰となってしまったりします。LINEは夜通し、時には朝まで続くという話を聞きますが、そういうふうにのめり込んでほしくないと思っています。違反や罰のたびにスマフォをめぐって娘に不機嫌になってしまいます。スマフォとつきあう娘とのつきあい方についてご助言をお願いします。
A
依存症なんですよ。お酒をやめるのと一緒で、本人が決心しないとやめられない。お酒ってどうやったらやめられるか?アル中をやめさせるコツはどんどん飲ませることなんです。どんどんどんどん飲みますと肝臓が悪くなります。それでだんだん食べられなくなります。食べると吐きます。お酒だけ飲めるんです。手も震えます。お酒の入ったカップをつかんだとたんに止まります。まだ口に入ってないのに。それで飲むとちょっと機嫌がいい。そのうち酒も飲めなくなります。酒飲んでも吐きます。そうなったときに、ここでお医者さんと親戚が集まって、「お酒やめますか?それとも人間やめますか?」と聞くんです。そうすると「お酒やめます」ということになって入院していただいて、アルコール専門の病院に入院していただきます。それで禁断症状が出ますので、それを乗り越えて出てこられたら、もうお酒はやめられます。これを“底打ち”と言います。底を打たない限りやめない。「やめた」と言ってもまたやります。だからいっぺん底打ちしてもらいましょう。バンバンやって破滅寸前まで行く。「スマフォやめますか?それとも人間やめますか?」と言う。インターネットというのは中毒です。特にLINEとかはひどいです。ひどいものはそれ以外にもいろいろありますがあまり葛藤しない。これは依存症で、たぶん人生を滅ぼすであろう。滅ぼすところまで行くんだったら、いっぺん見てみよう。勉強もどんどんできなくなるし、時間も足りなくなるし。やってごらん。どうなるか観察してみるというのはどうですか?期間はまあ2,3か月で十分底打ちすると思います。アル中をやめさせるのに一番いけないのは、「酒やめろ、酒やめろ」と言い続けることです。あれをやるといつまでもブスブスと燃え続ける。(回答・野田俊作先生)
Q
息子中学2年生、2人きょうだい2番目。姉は中学3年生。妻と息子の間で勉強について争いごとが頻繁に起こります。基本的に勉強はあまり好きでない息子です。以前から興味を持つと成績がアップする子なので、楽しく勉強してくれたらと思うのですが、妻がテストの成績に敏感に反応して喧嘩になってしまいます。妻の気持ちもわかるのですが、息子自体何とかしようとする気持ちが見えているので、僕としては静観することが一番だと思うのですが、2人の権力闘争でまわりが少し迷惑しています。勉強が大切だということを息子に伝えるにはどうしたらいいでしょうか?
A
中学2年生、3年生になると将来計画を決める時期だと思うんです。大人になったら何をするかというのは、小学生ではまだもひとつイメージできないんです。小学生には未来はない。今ここに生きている。未来のイメージは、観察して見ていてもわかるし、発達心理学者が書いているものを見ても、5年生くらいからちょっとずつできるみたい。わりと明確にわかってくるのが中学2年生くらいかなという気がする。それくらいから、大きくなったらどんな仕事に就くかの話を始めて、それに併せてお勉強を考えるんです。お勉強がいるタイプの未来像だったらお勉強するし、お勉強がいらないタイプの未来像だったら、お勉強しなくてもいいでしょう。昔、うちの娘に数学を教えたんです。理科系出身の親父の悲しさで、「数学・物理・化学なら任せて」と(高校3年生まで家庭教師ができたので)、高校で数学を採ってくると思ったので複素数(虚数と実数の組み合わせ)のややこしい計算を教えておいた。「これ、入試に出るの?」と聞くと、「数学採らない」と言う。「数学採らないんだったらこんなものにエネルギーを使わないで。この複素数というのは、これから先一生絶対に役に立たないから。理系へ行って工学者とか理学者になるんだったら、絶対必須科目で必要です。でも理系へ行かないんだったら、この計算をすることは二度とないから、もう忘れなさいっ」て。勉強ってそんなもんなんです。今の高校は変なことをしている。新制高校ができたとき、中学から高校への進学率が36%だった。今は90%以上です。なのにカリキュラアは基本的にあまり変わっていない。人口の36%の昔のエリートさんに教えていたことを、今90何パーセントの子に教えていて、多くの子には必要のない複素数の計算だとか漢文を読むだとかをやっている。「子曰く…」を高校出てから、普通の人は読まない。読みたい人は自分で読みますし。すごく無駄なことを教えている。それは仕方ない。文部科学省がそう言うならつきあうけど、親や子としては「自分の将来像」をまず見据える。これはほんとに将来いるのかいらないのか。いらないことにはあまりエネルギーを使わない。いることにエネルギーを使う。将来お百姓さんになるんだったら、お百姓さんに関係のあることをやる。将来お商売をやるんだったらお商売に関係のあることをやる。サラリーマンになるんだったらサラリーマンに関係のあることを、お医者さんになるんだったら、お医者さんに関係のあることをやる。お勉強に関係のある将来像なのかそうでないのかをはっきり区別しておいたほうがいいし、中学3年生までは確かに義務教育でこの世で生きる算段を教えてくれるかもしれないけど、高校からはそうじゃない。だから将来を見据えて、いるものはしっかりお勉強しましょう。いらないものはまあ「赤点取らない程度に勉強しましょうね」と言っていていいじゃないですか。(回答・野田俊作先生)
Q
本日のお話(高松での講演会)は私たちの学校教育の人権・同和教育で進めていることそのものだと共感します。(やめて、お願いだから。違う。まったく違う。)一応、人のために何ができるか、学力保障して、していけないことはいけないと、特別な支援を必要とする子に対して、体験から学ぶ教育をしています。
A
私、“人権思想”反対なんです。“権利思想”賛成ですけどね。根本的に哲学が違う。どうせ、ある思想のキャンペーンをする人は、共産主義であれファシズムであれ、その他どんな思想であれ、きれいな言葉を使います。「それはなるほどいいことだね」と思わせなければ広まりませんから。騙されないためにはどうすればいいか?思想の一番根本を疑うことです。アドラーが嫌いだった言葉がいくつかあります。1つは、「民主主義」です。それから「人権」。「権利」は好きだったけど「人権」は嫌いだった。そのへんの哲学的な違いが一番根底にあって、それをデコレーションで、美しいもので飾っている。ケーキの中のスポンジは違うけど、表に載っているクリームは一緒なんです。中身の違いを知ってほしい。学校では「人権・同和教育」をすべきではなくて「道徳教育」をすべきです。道徳教育というのは、「したくないけどしなきゃならないことを、しなきゃならないね」ということを教えるんです。したいことをして生きるわけにはいかない。したいことをしてみんなが生きたら、みんなが不幸になる。当たり前でしょう。人間は「したくないけれどもすべきこと」をすべきなんです。そのことを子ども時代に教えてあげないといけない。これが幸福へつながる唯一の道です。そのためにひょっとしたら時には自己自制が必要かもしれません。この次に戦争するときのことを考えてみたことありますか?真剣に考えてほしい(もちろん絶対したくないですが)。今の状態でこの次戦争をするときは、まず最初にわかることは、一番最初から本土決戦だと思います。この前は、沖縄だけは申し訳ないけど、本土決戦はなかった。日本本土へは敵を上陸させないままに戦争が終わりましたが、この次は一番最初から本土決戦です。だって「憲法」がそう書いているもの。こっちから外へ出て行くというのはないんですよ。だから、敵軍が攻め込んだ瞬間から始まります。最初から本土決戦というと、敵の軍隊はどこにいるのか?今、日本国内にいます。どうやっているか?留学生としています。今から5,6年前の北京オリンピックのときに聖火リレーが長野県でありました。そのときにチベット支援者たちが聖火リレーに文句を言おうと長野に行こうと計画を立てたら、中国政府が日本にいる留学生に動員をかけて、5000人からの中国人留学生が観光バスを仕立てて巨大な五星紅旗(国旗)を持って長野へ集まりました。それでチベット支援者たちを殴る蹴るの暴行をして、日本の警官はそれをまったく見て見ぬふりをしました。日中友好のためか知らんけど。かなり怪我人が出ました。黒い眼鏡をかけた筋肉質のおにいちゃんが中国人です。要所要所で携帯電話で連絡を取り合っているのは、中国人の将校です。留学生たちは全員兵役の経験がある。兵隊をしたことのある若者が日本へ留学に来ていて、何かあったときに将校がパパッと指示をすれば即動ける状態で、日本に何万人もいる。もしも戦争になったら、最初にその子たちが動く。武器はどこにあるか?これも2,3年前ですが、中国の民間航空機が成田空港に強制着陸しました。管制塔の指示を無視して。日本はどうしたか?他の飛行機をのけてその飛行機を着陸させました。ということは、民間航空機の中に武装した兵隊が乗っていたら、そのまま日本のどこの空港にでも降りられるという練習をしたわけです。中国はこのように着々といろんなところで密かに軍事演習をして、日本を占領する計画を立てていますから、この次戦争をしたら、フッと気がついたら町中、中国のゲリラでいっぱいなんです。その次に、日本人の一般の人々を人質に取るでしょう。そして日本政府に降伏するように迫るでしょう。自衛隊は手も足も出ない。状況はこんなんですよ。こんな状態で同和教育?ほとんどナンセンスと思わない?一番根本の哲学、スポンジケーキのところが抜けている。学校で子どもたちに教えなきゃいけないことは、万が一のときには死ぬ覚悟を教えることです。それから自分たちの国を自分たちで守る覚悟を決めさせることです。そのときにどう動けばいいか教えることです。悲しいことですがしょうがない。こういう地域にあったらしょうがない。もしできたら、日本国自体にモーターを付けて何千キロか移動すればいいが、そうもいかないからね。(回答・野田俊作先生)
Q
保護者がわが子に対して学習力をつけないといけないと一生懸命になりすぎて、心が疲れてしまっている。保護者をどう勇気づければいいか?
A
保護者も不安なんです。子どもの成績が良ければ子どもはきっと一生生きていけると思ってしまっているんですけど、そうじゃないと思う。一生生きていけるのは安定した社会があるからです。社会全体がちゃんとした社会でちゃんと暮らしていけるんです。この間、ウイグルの人の講演会が、私のアルバイト先の超近所であったので聞きに行きました。ウイグルは中国に武力統合されてしまった気の毒な国です。ウイグル人の子どもたちは勉強しようが何しようが未来は真っ暗です。中国人がどんなことしているかというと、15歳から25歳までのウイグル人の女の子を強制的に拉致して、中国人と結婚させているんです。なんで中国人の男はそんなにたくさんいるかというと、中国は一人っ子政策で、女の子は中絶したんです。だから男の子ばっかりいるんです。男の人口がはるかに多い。で、女の子が足りない。ウイグル人の女の子はトルコ系でとても美人です。それを中国人の男の子と強制的に結婚させる。ウイグル人の男はどうするか。男もまた強制的に捕まえて、工場で強制労働させます。ときどきウイグル人の男がそういうことにたまりかねて、ちょっと文句を言うと、中国の武装勢力が彼らを虐殺します。こんな世界で、ウイグルの子どもたちは希望を持って生きられると思う?どう考えても無理ですよ。なんで彼らが希望を持てないかというと、安定した社会がないからです。自分たちで民族自決して自分たちの暮らし方をやっていく社会がないからです。日本は今どうか?半分ないですね。半分とはどういうことかというと、日本はどう見てもアメリカの半植民地で、1994年からかな、毎年10月に「年次改革要望書」という文書がアメリカからやって来て、いろいろ書いてあるんです。コンビニで酒を売れとか、裁判員制度を作れとか、アメリカの医療保険を日本で売れるようにしろとか、携帯電話の番号を全部共通にしろとか、アメリカの弁護士を日本で働けるようにしろとか、ありとあらゆることを書いてある。認めないときにはいろんなことで圧力をかける。特に一番圧力になるのは、米軍を引き上げること。日本は米軍を引き上げられると大変困るので、そうやって言うことを聞いてきました。わけのわからん裁判員制度、あれはものすごい問題なんです。だって凶悪犯の裁判に立ち会わされるんです。しかもクジか何かで決まって、誰が当たるかわからない。当たると、惨殺死体の写真を見せられる。心の傷になる。われわれ医学生でも法医学の授業は嫌いだった。法医学というのは犯罪の医学で、犯罪被害者の写真を見るといろいろあるんですよ。正視できない画像が。僕ら医学生でも昼飯食えなくなる。それを裁判で無理やり見せられる。そんなの絶対ナンセンスですが、アメリカがそうしろと言ったんです。それで民主党以外はあきれて話し相手にならんと方針を変えてTPPにしました。TPPも結局アメリカの制度で日本を治めることを言っていて、日本人として日本人が決められる社会じゃなくなった。ここ高松もそうですが一番気の毒なのは岐阜の町で、岐阜の駅前は一路四方に個人商店が全部潰れて、ではお店はどこになるかというと、郊外です。高松だってそうですよ。郊外に大規模店舗を作るのを認めた。小さな店をやって生きていくという日本人の希望を奪っている。アメリカの姿勢は微妙で、この地域から引き上げたいという気持ちもあるみたい。「オスプレイ反対!」と言っている人たちもいるので、それなら引き上げましょうかという気もないでもないみたいですし、どうなるかわかりませんが、万が一引き上げると、中国が来ます。中国は、「日本は中国の属国になるべきだ」と公然と主張しているから、中国の属国になるかもしれません。なったらウイグルと同じ目に遭います。日本人の女の子は幸いウイグル人の女の子ほど可愛くないので、強制拉致されなくてすむかもしれないけど、まあロクな目に遭わないでしょう。
こんな状態でお勉強したってしょうがないじゃない。それよりも僕らの未来に希望を持つこと。われわれはどうやって生きていくのかについて、国民みんなが話し合う。どういう未来を僕たちの力で生き抜くのかを考えるべきです。そうすると親はもうちょっとリラックスできます。そしたらしんどくなくなってくるんじゃないですか。(回答・野田俊作先生)
令和6年度がスタートしました。学年はじめの「野田先生からのプレゼント」のような質疑応答です。↓
Q
学ぶ意欲の低い生徒(うちの子)に対して、学習の大切さを教えたい。家庭では妻が厳しくやらせようとするが、反発が大きい。何を大切にして子どもに関わればいいのでしょうか?
A
子どもたちに「理想」がないからです。学んで結局どうなるかがわかってないからです。大人になって何をするのかの話をあまりしてないから。大人になって何をするのか、私たちの世代はわりとはっきりしていました。よかれ悪しかれ。鉄腕アトムと鉄人28号の漫画を読みすぎでね、みんな。僕らの頃は漫画月刊誌があった。それに鉄腕アトムとか鉄人28号とかが出ている。それをクラスで1人だけ金持ちが買う。それをクラスみんなが順番で回し読みする。全員が回し読みした頃、次の号が出る。みんな「これだな」と思う。科学工業力です。皆さん方はお若いからピンと来ないでしょうが、日本がこの状況、僕らの頃は焼け野原がまだ残っていて、小学校の校舎は木造のバラックでした。1学年が11組あった。ひとクラスに60人いた。教室が全然足りないから、1年生と2年生は二部授業をやって、朝行くと昼ご飯を食べたら終わりです。午後からは同じ教室を別のクラスが使う。ご飯食べて始まる。昼食が2回ある。そうして1年生と2年生を過ごした。中学へ行くと1学年23組ありました。どうですか、壮大なもんです。校舎が全然足りないから、アメリカ軍の払い下げのカマボコ形兵舎をもらって、そこで授業をしていた。校庭ですから夏は暖房完備。休み時間には全員外へ出て休んで、また中で次の授業。こういう環境で育つと協力を学びます、どうしても。そんな中で僕たちが思ったのは科学です。科学でこの国に貢献しないと、ここから抜け出せないと思った。いわゆる団塊の世代は、科学を中心にその周辺でもって未来を描く。実際にそういう世界になりました。これは結果的に間違っていたと思うけど、まあそうなりました。でも、ある時代からそういう夢を持てなくなった。子どもたちが具体的なイメージとして未来イメージを持てない。漫画もアニメも大変終末論的で、世界が滅びる話ばっかりです。彼らが未来イメージを持ってないので、じゃあ今勉強するのは何なのかがわからないんです。教育がもう一回仕切り直さないといけない。ここ数年の間に、少なくとも10年以内に仕切り直さないといけないと思うのは、はっきりした未来イメージを持ってもらうことです。教育全体が未来イメージを失ってしまって、終末論的な世界の中で何となくただ勉強している。その中で子どもは燃えないよ。1人1人がそういう未来をイメージすることを考えてみてほしい。手はかかりますが。(回答・野田俊作先生)