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緊張するとお腹が痛くなる心理は?

Q
 授業中緊張するとお腹が痛くなったり、尿が近くなるのは、どんな心理状態なんでしょうか?

A
 あのね、人の心理状態を推し量ろうなんて、とても失礼なことだと思うんです。僕は、他人に「あの人はほんとは何を考えているんだろう」って思われたくない。だから、子どもも思われたくないはずです。どうしても心配だったら、僕に聞かないで、子どもに聞いてみればいいと思う。「あなた、どんなふうに感じているの?」って聞けば、何か答えてくれるかもしれない。「別に」と言えば、別にないんです。
 不思議ですね。みんな、「こんなときにはどうしたらいいんでしょうか、うちの子は高校に行けばいいんでしょうか、専門学校に行けばいいんでしょうか?」と聞く。なんで私に聞くんでしょうか。子どもに聞けばいいと思うんです。
 子どもが何かしているときに、こっちが突然手伝うと、子どもはイヤがるんです。ちゃんと「手伝っていいですか?」って聞いてからでないとイヤがる。僕は、子どもに何かお説教したくなったり、助言したくなったら、最初に聞くんです。「ちょっと、言いたいことがありますが、聞きますか?」。すると、99パーセント、「いいえ、聞きたくありません」って言われる。
 どんなときでも、「私の言うことを聞いてみますか?」とか「お手伝いできることはありますか?」とか「してほしいことがあったら、いつでも言ってくださいね」って言っておきたいんです。何も言ってこないんだったら、何もしないんです。
 だからこの子にも、そう聞いてあげてほしい。「何かお母さんにできることある?」って。何も言わないんだったら何もないんです。人間には、黙っている権利がありますから。でも、黙っている権利を主張しますと、責任が伴う。どんな権利でも責任が伴うんですが、黙っている権利を主張して伴う責任は、誤解されてもいいという責任です。黙っていると、人に誤解されるでしょう。それでもかまいませんという責任を取るなら、黙っていてもいい。黙っているのに、わかってほしいというのは、厚かましい。子どもが黙っているということは、こっちが勝手に誤解してもいいわけです。そのことを子どもに学んでもらいたい。だから、黙っているなら、放っておこう。(回答・野田俊作先生)

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中1男子、高額なものをねだる

Q 
 子どもは現在、中1の男子です。昨年ごろから反抗期に入り、金額の無理な物をねだって困ります。たとえ無理して物を買ってやっても、ますますエスカレートしていくのではないかと心配です。

A
 まず、反抗期になったというのは間違いですね。反抗期なんてないんです。自分を主張する「自己主張期」というのはありますが、「反抗期」というのはない。自分を主張することを反抗だととらえている親がいるだけですね。
 それから物をねだるということですが、わが家もいろんなことを実験したんです。まず、家計を全部公開しました。家のお金で、生活費とか貯金とかを差し引くと、みんなが自由に使えるお金というのが出ますね。それをある場所に置いておきまして、そこに出金伝票も置きました。誰が出してもいいんです。「何月何日、誰それ、いくら」と書いておけばいい。ただ、もともと10万円あったら、持っていく分だけ引き算して記入しておかないといけない。子どもは一番下の子が小学校2年生くらいのときでした。子どもたちは喜びましてね、千円でも1万円でも持ち出し放題ですから。
 3日目に子どもたちが3人で来まして、「お父さん、お母さん、お願いだからあれはやめてください。前みたいにお小遣いをください」と言うんです。「どうして?」って聞くと、「おうちのお金がどんどん減っていくのを見るのはイヤだ」と言うんです。
 で、お宅の子はこの感覚がないんでしょうかね。つまり親がお金を全部管理していて、家にだいたいどれくらい自由にできるお金があるのか、自分の使うお金が家計の中でどういう意味があるのか、何にも自覚していないんです。こういう育て方はしないほうがいいですね。
 だから全部公開しちゃえばいい。「わが家は、月間これくらい使えます。それで、あなた方がこれだけ使ったら、これくらい減って、食費にこれだけ食い込む。だから今晩は、ご飯に醤油をかけて食べましょうね」って。
 それから、こんなふうに無理な要求をして、親からお金を引き出すことでしか、親が私を愛していることを確かめられないんだと思います。お話をしたり、一緒に遊んだり、悩みを聞いてあげたり、楽しいことを一緒にやったりとか、そんなことでもって親とはつきあえないだろう。親は基本的に自分(子ども)のことをあまり好きではないんだろう。だから親はどれくらい自分(子ども)のことを好きなのか確かめてやろうと思って、お金をねだる。それでお金をくれたら、「やっぱり見捨ててはいないんだ」と思う。これが彼の目的です。
 こういう子への僕のお勧めメニューは、「機嫌良くお金をあげなさい」ということです。「えっ10万円?ハイハイ10万円ね、ハイどうぞ」。「こんなことしたら、子どもはどんどんエスカレートします」って言われるかもしれません。では、今までエスカレートしてなかったんでしょうか?してるんですよ。今までのやり方でエスカレートしてきたんだったら、今までのやり方を続ける限り、まだまだエスカレートしていきますよ。
 では、今までと全然違うやり方を、とにかくやってみる価値はあります。今までと全然違うやり方として、まず考えられることは、機嫌良く与えることです。子どもはお金が欲しいのではなく、親が自分の言うことを聞くかどうかを確かめたいんです。だいたい子どものことを反抗期だと思うような親だから、かなり親のほうに要求があって、この子をこう改造したいとか、ああしたいとかと思っているに違いなくて、そのあたりのことを子どもはきっとイヤがっている。それで親を屈服させようとしているんだから、あっさり屈服してしまえばいい。そしたら、そのように、いらないところでエネルギーを使わないで、本当に大事な話が始められると思うんです。
 「貯金通帳を丸ごとよこせ」と言った家庭内暴力児がいました。で、そのお父さんが僕のところへ来て、「困った困った」と言うから、「全部あげたらいいですよ、ハンコごと。何でしたら家の権利書も付けてあげればいい。株券も付けましょうか。とにかく全部あげたらいい」って言ったの。そのとおりしたら、今度は子どもが困った。そんなものですよ。ケチをしてはいけない。(回答・野田俊作先生)

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中1男子が「自転車買って」とねだる

Q
 子どもは中学1年生の男子です。今は、「自転車が欲しい欲しい」と毎日のように言っています。今ある自転車は、まだ十分乗ることができます。次々に欲しいものが多くてとても困ります。

A
 これもね、似たようなことがわが家でもありました。うちでは、ルールを作りました。
 家族全員で会議を開きました。議長は息子か娘がやります。親が議長をしますと、会議を議長独断で進めてしまいますので、公平な立場の人にやってもらったほうがいいです。結局いろんな話し合いの中から、ルールが3つ決まりました。
 3つのルールというのは、1番目に暴力をふるわないということなんです。これは「但し書き」があって、言葉の暴力も暴力なんです。恐い声を出してはいけない。これは困りましたねえ。「こら!」って言うとダメなんです。「お父さん、ルールの1番目を言えますか?」「ハイ、暴力をふるわないです。恐い声も出してはいけないです。すみませんでした」って言わなければいけないので、親は一切恐い声で子どもを叱れなくなりました。
 ルールというのは親も縛られないとダメなんです。親が縛られないで、子どもだけ縛るようなルールは、絶対に守られない。
 2番目がこの質問と関係があります。むやみに物を欲しがらないというルール。このルールはまいりました。私はむやみに物を欲しがる人なんです。毎度、息子や娘に注意されました。「お父さん、また何か買おうと思っているでしょう」「……」。親が、このことに縛られないといけない。そうすると、子どもたちも「そうか」と思う。
 ついでに3番目のルールを言いますと、「嘘をつかない」というルール。これも「但し書き」があるんです。嘘をつかないというのは不可能で、人間、嘘をつきます。だから、嘘をつかないというのは、もちろん嘘はついてはいけないけど、本当のことを言わないのはかまわないんです。だから、例えば、「今日どこへ行っていたの」って聞いて、「言いたくありません」と言えばそれで終わり。“黙秘権”というのがある。私(野田)は裁判所に勤めていましたから、これは厳守していました。裁判所で、非行少年に最初に言います。「君は自分に不利になると思うことは言わなくてもいい」。刑事訴訟法にちゃんと書いてありますから。日本の国の法律が保障しているものを、家の中で保障されていないのはおかしいですから、家の中でも黙秘権を保障したんです。誰もひと言も嘘を言わなくなりました。その代わり、黙秘権がさかんに飛び交いましたけど。嘘をつかない子どもになりました。おかげさまで。
 この子が自転車を欲しい欲しいと言うのは、まず親が「欲しい欲しい」と言ってないか、ちょっと反省してほしい。それから、もしどうしても欲しいんだったら、それを稼ぐ方法を作ってあげることだと思います。かなり正当な賃金で、1時間350円から450円くらいの間で、家事労働等をしてもらうのもいい。あるいは借用書を作って返済条件もちゃんと書いて、お金を貸す。据え置き何か月以内とか、利子は何パーセントで返すとか、これも社会のルールを教えることになると思います。利子も決めたからにはきっちりと取る。わが家では5パーセントで、小遣い天引きです。向こうも小遣いがどんどん減るわけだから、どれくらい借金したらいいか考えますよ。
 つまり、「世の中だったらこんなときどうするかな」って考えたら、働いて稼ぐか、サラ金に行くとか、どちらかでしょう。どっちでもOKよ。どっちにせよ、あとできっちりと責任を取ってもらえばいい。
 私の親父がこの主義で、私は大学の学費と、生活費を返すのにえらく苦労しました。大学に入ったとたんに、「お前はもう18歳で民法上は成人だから、養う義務はなくなった。学費も生活費も全部貸してやるから、あとで返せ」って言うの。それで証文を入れさせられて、利子が付いて、かなり高くつきました。でも、いい教育だったと思います。
 親父は、「受験勉強をしなかったら大学に入れないというのは良くない。全然勉強しないで、学校で聞いたことだけで入れる大学へ行かないといけない。うちでわざわざ勉強して行ったって、あとでロクな者にならない」と言うんです。お茶の間はテレビがついていてね、その上、しょっちゅういろんなことを言うんです。話しかけてもくるし、やれ「タバコ買ってこい」だの、「風呂の水を止めてこい」だのね。そりゃ行きますよ。行かないとうるさいからね。でもそれは良かったです。そうやって邪魔され続けて勉強しますと、今すごいですよ。あらゆる雑用の中で、自分のしたいことをパッとやる才能が身についたから(“散漫力”です)。他のことをやりながら、人の話に耳を傾ける才能が身についたからね。あれが、一点集中でやっちゃダメなんです。そうすると、時間の使い方がとても下手になります。(回答・野田俊作先生)

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中1男子がふた月に1回くらい「お腹が痛い」と学校を休む

Q
 子どもは中学1年生の男子です。新聞配達をしていて、これは休まずに行っていますが、学校で少し遅刻があって、ふた月に1回くらい「お腹が痛い」と言って休むことがあります。今後新聞配達を続けさせるかどうかも含めて、どのように接していけばいいでしょうか?

A
 子どもが学校を休んだら、親は何が困るでしょうか?子どもが学校に遅刻しようが休もうが、何であれ、それは子どもが自力で解決すべき問題であって、われわれが頼まれもしないのに、口を出してはいけない。
 この息子さんに、「お母さん、僕、遅刻するんだけど、どうしたらいいだろうか?」と聞かれれば、「何々したらどう?」とアドバイスもできるけど、聞かれないのに言わない。あるいは、「新聞配達を続けようか、やめようか?」と相談されたら、「お母さんはこう考えます」と言えるけど、聞かれないのに言えないし、言う権利がない。
 それから、「お腹が痛い」と言って休むというのは気の毒ですね。うち(野田家)の子が1回、「お腹が痛いから、今日学校休みたい」と言ったことがあるんです。これでも私は医者ですから、ほんとにお腹が痛いかどうかくらいわかることはわかります。それでこう言ったんです。「うちでは、お腹が痛くなくても、頭が痛くなくても、熱が出てなくても、『今日は学校休みまーす』と明るく言っても、学校を休んでいいんだよ」。すると次からは、「今日は学校を休みまーす」と明るく言って休んでくれました。どうせ行かないんだったら、「暗く行かない」か、「明るく行かない」か、どっちがいいか。
 で、このおうちは、明るく休めない家なんですね。だから、子どもにそれは教えておいたほうがいい。「うちでは別にお腹痛くなくても、明るく元気に、今日は行かなーいって言ってかまわないよ」と。そしたら、きっとそうなるでしょう。そのほうがいいです。1日を有効に使えて。だって「お腹痛い」と言って休んだ以上は、数時間は痛いふりをしなくてはいけないですからね。つまんないですよ。(回答・野田俊作先生)

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高1女子、不登校で「そっとしておいていいか?」

Q
 子どもは高校1年の女子です。中学3年生のときから不登校です。現在兄は高校3年生、弟は中学1年生。彼らは登校しているが、高1の子は高校に入学したものの、1日も登校していない。家では夜遅くまで起きていて、昼まで寝ている。風呂に入るのも恐がり、人に会うのも恐がる。カウンセリングを受けたが、このままそっとしておくことを勧められた。いまだに回復しないので心配しています。

A
 そっとこのままにしておくということに、ちょっとひねりがあるんです。心配しながらそっとこのままにしておくと、事態は変わらないんです。
 例えば、人に会うのが恐いとか、お風呂に入れないということが起こったとします。またもっとすごいと、例えば、幻聴が聞こえるとか、隣のおじさんがいつも私のことをつけ狙っているとかという妄想が生じたとします。これは、心理学的に言うと、無意識がやっているわけです。無意識はなんでそんなことをやっているかというと、必要があるからやっている。どんな必要かというと、それはわからない。いったいどんな必要があって、そういう神経症とか精神病の症状が出るのかわからないけれど、そうでなければならないんです。そうでなければならないんだから、心配しなくてもいいんです。そうでなくてもよくなったら治りますから。
 どんな病気でも僕(野田)は心配しません。この程度のことだったら、心配さえしなかったら治る。心配しながら待っていると治らない。このお母さんは、かなり心配しているようだから、なかなか治らないでしょう。

 なぜ治らないか、そのメカニズムがわかることはわかります。
 まず、きょうだいが3人いて、真ん中の娘さんは他のきょうだいと競争して、お母さんの注目とか関心とかを引きつけようとしているわけですね。およそ、きょうだいというのはみんなそうです。親は賞品で、きょうだいがレースをしている。建設的な方法、例えば、勉強ができるとか、友だちが多いとか、親孝行であるとかという方法で、親とつながれる子どもは問題を起こさない。他のきょうだいがみんなそっちで勝ってしまって、「私は負けだ」と思うと、できるだけ具合が悪いことをして、親とつながろうとするんです。
 子どもにとって、無視されて関係が断たれるのが一番恐いんですね。われわれだって、友だちの中に入っていって、誰も挨拶してくれないし、口もきいてくれないと、そのうち何か変なことをするようになるでしょう。何とか目立とうとしますね。子どもの問題行動というのは、全部これなんです。
 小さな子どもが「お母さん、遊んでよ」と言うのに、知らん顔をしてますと、何か悪いことをするようになります。「何するのよ!」と言うまでします。で、「何するのよ」と言われて、子どもは実は喜んでいるんです。「あっ、お母さんはこっち向いた」と思って。この子は、できるだけ親に心配をかける子どもでいることによって、親との関係をずっと続けていこうとしているんです。
 それでは、この子がこんなことをしなくてすむようになるにはどうしたらいいかというと、そのことに関して心配しなければいい。そしてもっと良いことでつながればいい。その子がやっている建設的な出来事、例えば元気が良いとか、慎重であるとかに注目する。「臆病だ」と言わない。「内気だ」と言わない。「あなたは繊細だね」って言う。そうしたらその子は、臆病で、内気な子ではなくなります。慎重で、繊細な子になります。そうすると、彼女は自分の使い方を覚えます。自分の性格に良い名前をつけると、それを使えるようになる。このお母さんは、どうもこの娘さんの欠点を見る癖があるのかもしれない。
 でも、欠点というのはそのままで長所なんです。ちょっと助けてくれたときや、ちょっと良いなと思ったときに、声をかけていくとすごく変わってくる。良いことをしたときのほうがつながれるということを学んでくれる。
 よく学校の先生が「クラスに宿題を忘れる子がいるんですが、どうしたらいいでしょうか」と言う。これは簡単です。宿題をやってくれた子にお礼を言えばいい。「宿題をやってきてくれて、ありがとう」って言えばいいんです。そしたら、宿題をやってこなかった子は、「あれっ、これはやってきたほうが関係が持てるな、やってこなかったら関係が持てないぞ」と思う。ところが普通は、やってこなかったら関係が持てるんです。「お前、なんでやってこないんだ!」ってね。やってきて当たり前だから、やってきた子には声がかからない。そしたら子どもたちは、「どうせ僕(私)は、先生から良い形では注目されない」と思う。そのときに、例えば、宿題をやってこない、忘れ物をする、教室から外へ出て、フラフラと歩くということを始めるわけですね。ちゃんとやってきている子と、良い形でつながることだけやっていれば、みんなが良い形でつながろうとするようになってきます。
 このおうちでも、お兄さんとも、この子とも、良いところだけでつながっていけば、悪いことで競争しなくてもよくなるんです。今、きょうだいが競争していると言いましたが、きょうだいが3人いて、1人だけ不登校して、残りの子がしなかったら、今言った理屈なんです。何人かがしたというのだったら、育児がかなり根本的に間違っているかもしれない。きょうだいが2人以上不登校だったりすると、育児の構造にかなり問題がありそうです。それは何かというと、悪いところで注目を与えていて、良いところで注目を与えていないという構造があるんじゃないかと思います。きょうだいが3人いたら、それぞれみんな違います。そのみんな違う個性の部分で、親が喜び勇気づけていかないで、みんな一律にやっていくと、きっと誰か落ちこぼれていきます。

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