夏のミニ句会を開催します。下記の開催要領に従い奮って投句して下さします
2025夏のミニ句会・開催要領
1・投句期間 5月10日(土)~5月20日(火) 兼題句1句を含め当季雑詠4句
2・兼題 麦の秋 または「海」を詠みこんで
3・清記&選句 5月11日(水)~5月30日(金) 選句要領は後報
4・結果発表 5月31日(土)
アイビーさん
お世話様でした、色々愉しませていたたきました。
いつもの泉也の自作あれこれです。
運動会今やマスクが子に声援
アイビーさん選評有難うございます。マスクは本来冬の季語。でもコロナの時世一年中マスクマスクの生活。それで兼題が「運動会」。季重ねを承知でアタックしてみようと詠んだ句です。下5「子に声援」がもう一つ、子らにとすると7音になるし。
相席に蜜柑を貰ふ列車旅
今回の題が「旅」昔夫婦で和歌山の白浜~新宮まで普通電車に乗った時の情景です。特急とか急行はほとんど二人席。アイビーさんの選評の通り、ボックス席、地元の夫婦の方か乗ってこられ、色々おしゃべりし蜜柑をいたたきました。
見知らぬ人とおしゃべりをするのも旅の楽しみと想い出が残っていましたので詠みました。
長き夜や地図で旅する北海道
歳のせいと、コロナで全然旅行ができない、そこで地図を取り出し、昔行った所を見ていると旅をしている気分になつたので詠んだ句で。函館の夜景・札幌の大濠公園・小樽の運河・五稜郭とつぎから次へと・・・。季語の「長き夜」との取り合わせが良かったと思っています。
子規聴きし鐘の音聴こふ柿の秋
この句子規の「柿くへば鐘が鳴るにり法隆寺」のパクリです。25年ほど前。法隆寺の近くに住んでいましたので、よく散歩して鐘の音を聞いたものです。季語の「柿の秋」はぴつたり。「聴く」の漢字「聞く」とどちらか迷いました。
秋雨やけふも一人の沙汰もなく
年寄りの一人居とコロナで、一日中訪問客なし、電話なし、メールなし・郵便物なしの日の寂しさを「秋の雨」と詠みました。それで何をして一日過ごしているかと言うと、パソコン麻雀・パソコン将棋にうつつをあげています。
ひひ孫に出逢ふ大和は柿日和
孫や子の俳句は、駄目と一般では言われていますか、私としては、88歳まで生き3人の曾孫ができたことを奇蹟と感じており、その印、日記として残す意味で詠んだ句です。「出逢ふ」「柿日和」に他にもっといい言葉がないかと悩みました。
これまで俳句をやつてこれたのは、ユウキャンから始まったこの句会の句友の皆さんのおお陰と感謝しています。今後ともよろしくお願いします。
子規の句のパクリと謙遜されていますが決してそんなことはありません。子規へのリスペクトの気持ちがよく表れた佳い句だと感じ入りました。法隆寺の近くに住まわれたことがあるのですか。法隆寺と言えば柿、子規の名句そのままの情景だったのですね。マスクは現代風俗の事象としてのマスクですから季重りにはならないと私は思います。
アイビーの感想その2【当季雑詠の部】
帰農せし友の久しや吾亦紅 (てつをさん)
会社を定年退職されたのでしょうか、今は農業に従事し悠々自適の友人と、本当に久しぶりに会って積もる話に花が咲きました。さりげなく配した吾亦紅がいい味を出しています。
五十鈴川渡れば秋風濃くなりぬ(新之助さん)
伊勢神宮の森深く流れる五十鈴川。神韻渺茫たる神域に渡り来る秋風が「濃くなりぬ」と感じた新之助さん。粛として襟を正さずにはいられません。
秋雨やけふも一人の沙汰もなく(泉也さん)
老境に差しかかった作者。見た目には何の変化も無い日常が、昨日も今日もそして明日も続くかに感じます。その一日一日が例えようもなく貴重な時間に思えます。
秋寒し靴ひも強く締め直す(野の風さん)
めっきり寒くなった秋を感じた作者、それに続く長く厳しい冬の到来を予感しているのでしょう。「靴ひも強く締め直す」とした中七、座五の楚辞が作者の覚悟を表しています。行為でもって心境を表現されています。
アイビーの感想 兼題の部
運動会今やマスクが子に声援 (泉也さん)
新之助さんにも同様にマスク着用の運動会風景を詠んだ句がありました。当節の運動会はコロナ防疫対策が徹底していますからありがちな光景です。近くの保育園では付き添いの保護者は園児一人に一名と限定されていました。おじいさん、おばあさんは可愛い孫の運動会を、塀の外からでしか応援できないのです。御時世ですね。
相席に蜜柑をもらふ列車旅 (泉也さん)
この頃あまり見かけなくなったボックス型の座席でしょうか。4人が向かい合わせに座りますから、自然に打ち解け会話も弾みます。蜜柑を貰ったお返しにお菓子をお裾分け、という具合で和やかな列車の旅は続きます。
水澄むや来し方のこと思ひをり (新之助さん)
季語の「水澄む」は池とか川とか水に関係する場所を詠むことが多いのですが、この句は水に関係ない心の内の動きと取り合わせましたが、とてもよくマッチしていると思います。
奥入瀬の苔に流れて水澄めり (野の風さん)
奥入瀬の清流が澄んでいるのは当然ですが、中七の「苔に流れて」としたところが巧いと思いました。ただごと俳句になりかねないのをちょっと手を加えて傑作にしてしまうお手並み。奥入瀬は野の風さんの地元でしたね。
たった今気づきましたが、集計に大失態がありました。なんと兼題の部の選句にアイビーがアイビーの句を選句してしまいました。あるまじき大失態で深くお詫びします。早速に結果を訂正いたしました。この結果、アイビーは5句のところ4句しか選句してませんが追加選句はせず4句のままとします。ご了解願います。
皆様のご協力により2022秋の句会は無事に終了しました。厚く御礼申し上げます。また何時ものように、感想、自句自解、質問等活発な意見交換の場にしたいと思います。また句会の運営方法についてもご意見を賜りたく存じます。
2022秋の句会の結果を発表します。
兼題の部
4点句 水澄むや来し方のこと思ひをり (新之助)
4点句 水澄むや打つ柏手の谺して (アイビー)
4点句 水澄むや釣り餌をつつく魚の影 (てつを)
当季雑詠の部
7点句 秋寒し靴ひも強く締め直す (野の風)
6点句 帰農せし友の久しや吾亦紅 (てつを)
5点句 秋雨やけふも一人の沙汰もなく (泉也)
個人別総合
俳号 兼題 雑詠 合計
てつを 7 12 19
泉也 5 12 17
アイビー 6 11 17
野の風 5 11 16
新之助 5 10 15
2022秋の句会 結果一覧
【兼題の部】
1 運動会今やマスクが子に声援 (泉也) 3 新之助、野の風、アイビー
2 城内のお堀巡りて水澄めり (野の風) 2 泉也、てつを、
3 水澄むや来し方のこと思ひをり (新之助) 4 泉也、てつを、野の風、アイビー
4 徒競走父母熱狂運動会 (てつを) 3 ◎泉也、新之助
5 水澄むや打つ柏手の谺して (アイビー) 4 てつを、◎新之助、野の風、
6 相席に蜜柑をもらふ列車旅 (泉也) 2 新之助、アイビー
7 運動会教師と家族マスクして (新之助) 1 泉也
8 借り物として妻を貸す運動会 (アイビー) 2 てつを、野の風
9 水澄むや釣り餌をつつく魚の影 (てつを) 4 泉也、新之助、◎野の風
10奥入瀬の苔に流れて水澄めり (野の風) 3 てつを、◎アイビー
【当季雑詠の部】
Aブロック てつを、12点
11 蛇笏忌や銀杏大樹のざはめける 3 泉也、新之助、アイビー
12 帰農せし友の久しや吾亦紅 6 ◎泉也、新之助、野の風、◎アイビー
13 掘り当てる思はぬ所にでかい藷 1 新之助、
14 東に茜さしきて秋刀魚船 2 ◎野の風
Bブロック 新之助、10点
15 新涼やきらめき流る五十鈴川 3 泉也、てつを、野の風
16 五十鈴川渡れば秋風濃くなりぬ 3 てつを、◎アイビー
17 秋気澄む見えた正宮避雷針 3 泉也、野の風、アイビー
18 秋麗ら上に伸びるや連理枝 1 泉也
Cブロック 泉也 12点
19 長き夜や地図で旅する北海道 2 てつを、新之助、
20 子規聴きし鐘の音聴こふ柿の秋 4 てつを、新之助、◎野の風、
21 秋雨やけふも一人の沙汰もなく 5 ◎てつを、野の風、◎アイビー
22 ひひ孫に出逢ふ大和は柿日和 1 アイビー
Dブロック アイビー 11点
23 秋風やにはかに興る旅心 4 泉也、◎新之助、野の風、
24 水澄むや竜神祀る浮御堂 4 泉也、てつを、新之助、野の風、
25 蒼穹や水澄む里の大師橋 1 新之助、
26 勲七等陸軍伍長曼珠沙華 2 泉也、てつを、
Eブロック 野の風 11点
27 秋寒し靴ひも強く締め直す 7 ◎てつを、新之助、◎泉也、◎アイビー
28 湯上がりの足音かろし天の川 1 アイビー
29 行く秋の今日でおわりぬ草野球1 てつを、
30 皮剥けば柔肌めきて衣被 2 泉也、てつを、
野の風さんの選句確認しました。泉也さんの追加選句確認しました。これで投句者全員の選句が完了しましたので、集計作業に入ります。その間にも正丸さんの選句の選句を待ちますが、10月21日、17時頃に結果を発表したいと思います。それまでお待ちください。