MENU
109,500

黙示  Liszt

 砂漠の無垢と純潔の彼方から、見知らぬ旗印を掲げた蛮族が疾風
のごとく攻め寄せてこの国の城壁に迫ると、彼らの言葉を解せず、
その奉じる神々を信じぬ者たちは、城を捨て算を乱して荒野に逃げ
去った。労せずして城内に入ると、蛮族はすぐさま失われた時間と
物語をこの国に取り戻す。すると、私たちにはありありと見えたの
だ―幾千の罌粟の花が一斉にまぶたを見開き、虚無のとばりを開け
放つのを。ないがしろにされ打ち捨てられた遺骨から死者がよみが
えり、異教の神々を賛美するのを。一度は生まれてくることを拒ま
れた子供たちが改めて現世に招き入れられ、そして聖なる愚者が牢
獄から解き放たれるのを―そのとき私たちは理解した。今ここで裁
かれているのは生者の傲慢と無関心、別けてもその身勝手な論理で
あることを。

編集・削除(編集済: 2022年08月19日 10:14)

落下  浮遊

先ほど
空が鈍色に輝いていた世紀に
ぽっかりあいた穴の中を
光がひとすじ
落下してゆきました
あなたも聞きましたか
その時空気が桃色に揺らぎ
淡く霞むように香ったのを

編集・削除(編集済: 2022年08月16日 12:26)

君が出ていった  ゆき

ドアの閉まる音が響いて
一瞬甘い香りが漂い

散らかった部屋の隅で
カーテンが揺れた

割れた花瓶から溢れた水が
絨毯を濡らしても気にもならない

飲み慣れないお酒を飲んで
水面に浮かぶ枯れ葉のように
僕はこのまま流されてしまうだろう
頼りなく ゆっくりと

時間が解決してくれるまで
ずっと君を好きなまま


誕生日にあげた青い帽子と黒い日傘は
忘れていったのだと思ってた

テーブルの上の部屋の鍵も
二人の写真ももう君には必要のないもの

何がいけなかったのかさえ
もうどうでもいい

苦しくてもう身体が動かない

君をずっと好きなまま
僕の心はどこに流されて行くのだろう

編集・削除(編集済: 2022年08月16日 09:43)

おとめごっこ 紫陽花

休日の朝は たとえば まだ開かない白い薔薇の蕾の香りに微笑み

反比例のグラフに貴方と私の恋心のやるせなさを感じる

チョコミントアイスは古今和歌集のお供

癒しのボサノバで微睡むつかの間のお昼寝

今日は 生まれて初めての美容液を塗ってみたり

コラーゲンドリンクを飲んで
大好きなグレープフルーツゼリーよりツヤツヤプルプルなお肌を楽しむ

ティーンエイジャーの情操

おとめごっこを続けよう

このまま大人になんかならないように

編集・削除(未編集)

八歳と海  朝霧綾め

海に背をむけて
浜辺の砂をにぎって遊んでいた
「こわくないよ」と
最初は誘ってきたお父さんも
すぐあきらめて
オレンジのサーフボードを抱えながら
お城の作り方を教えてくれた
わたしがうなずくと
完成も見ずに
サーフィンしに行った
遠くの海へ

誰にも話しかけられないように
いっしょうけんめいなふりをして
砂をかき集め
お城をつくった
砂は生きていないからいいな
魚も海藻も
生きているものは気持ちわるい

てっぺんに飾る石を集めるために
周りを歩く
「3-2」と書かれた
水着のゼッケンが見えないように、うつむきながら
わたしは背がひくいから
こうしていれば一年生にだってみえる
わたしよりずっとちいさい子のはしゃぎ声が
海から聞こえる
そのたびに下を向く

ピンクのゴーグルの女の子
わたしと同じくらいの子が
こっちを見ていることに気づいた
ゴーグルの反射がピカピカこわい
今度は上を向いた

「わたしはカモメがめずらしいから
空をみています」

そう心の中で言いながら
走ってにげた

三年生なのに泳げない
三年生なのに水がこわい
プールの授業で
「ふしうきをしてから立つ(5秒間)」ができないのはわたしだけ
一日海に行ったくらいじゃ
なにも変わらないのに
三年生なのに泳げない
三年生なのに水がこわい

白いきれいな石を六つ拾って
頂上に
ぽとぽと落として
お城に飾る

お母さんのかばんからスマホを出して
てきとうにいじって
完成したお城の写真をとった
わたしもいっしょに写るのは
ちょっと難しいみたいだったから
逆光の砂山写真一枚で終わりにした
そして、波や誰かにこわされるまえに
自分の足で蹴ってこわした
つくるよりこわす方が
ずっと楽しかった

パラソルを一緒にたたむとき
「つかれたでしょう?」
なんてお母さんが言って
「まあね」と答えた
ほんとはもっとつかれたかった

お父さんが運転席
お母さんが助手席
全然ぬれていない水着で
わたしは後ろに乗った

ちっとも眠くないのに
話すのがめんどくさい

目をつぶって、トンとわざと音をたて、
車の窓によりかかれば
「やっぱりつかれてたんだよ、寝ちゃった」と
大人たちのくすくす笑う声

編集・削除(未編集)

血が薄い  もりた りの

あなたですから告白いたしますが
わたしはどうも血の色が薄いようです
鏡を見ても顔色が冴えません
血色が悪いのです

採血すると分かります
血の色が薄くなっているはずです
もう赤色でさえないかもしれません

桃色とか
もしかしたら
赤銅色
焦げ茶色
群青色
あるいは黒色かもしれません

血が巡っているのかも疑わしくなります
いつもめまいがして
ときどき倒れこみます
とても疲れやすいのです
 
休み休みでなければ務まりません
ひどい倦怠感に襲われ
頭がずきずき痛みます
動悸や息切れがひどく
胸が締め付けられて
いたたまれなくなります

原因ですか?
あなたもご存知だと思います
あなたです
あなたがそうさせているのです

酷いお方

 

この間、お医者様にいってまいりました
ただの貧血でした 
レバーがいいですよ、と言われました


* * * * * * * * * * * * * *

これは詩と呼べませんので、
ご評価は無用でございます

編集・削除(未編集)

白い壁には、落書きを! シャーミィ来平

病室の白い壁には黒い霧
白地に黒の走馬灯
白い、真っ白な壁に黒ずんだ
その不気味な美しさ

さすがにあれは、壊さなけりゃ

思慮も情熱もない
ただ、異様な黒さ
そして、ゆっくり流れる横軸の時間
穏やかな笑みを浮かべながら…
これには一太刀!上、下、左、右、○、✕、△…

華麗なる反逆

へっ、へっ、へっ、白い壁には落書きを!

編集・削除(未編集)

Acmpletely freeworld ふわり座

怖かった。生きていく事が。逃げていた。
全てが決まっているような気がして。
有り得る世界に対して余りにも無知すぎて。
それが無限の可能性だったとして、今ある
この世界は何処へ向かっているのだろう。

選ばれし存在になんてならなくてもいい。
ただ真実が知りたい。
夢くらいみてもいいよね。現実逃避だと
笑われても諦めきれないものがある。
愛というなの力だ。皆んなが憧れるあの力だ。

冷たい空気を思い切り吸い込んで叫びたい。
君達と解り合いたいって。
混沌に満ち溢れたこの世界じゃ君達を
迎えることは出来ないかな。

未知なる世界。
未知なる存在。
未知なる力は確実にある。

だけど向こう側からのアクセスは滅多にない。
完全なる自由な世界に近づくことが
出来るかもしれないのに。

欲に駆られた人間の世界なんて消えてしまった
方がいいのかな。
君達の世界に魅せられた僕は、人間の世界に
興味がなくなった。もうこの世界での幸せは
叶わないだろう。
全ての事は君達に繋がっている。
君達はどんな時に手を差し伸べてくれるの?
僕は絶対に君達と一つになるんだ。
そして完全なる自由な世界へ飛び立つんだ。
大丈夫、きっと上手くいくよ。

僕が守る。君達の世界は壊れない。

編集・削除(未編集)

井嶋りゅうさま、評のお礼です。 深尾貞一郎

拙作「直観」に評をいただき、感謝いたします。
暴力や戦争について書きたかったのですが、私が書けるのはこの程度のことでした。

とくに皮肉を書いたつもりでもありません。「損得で物事を考える人」は、まともだと思います。
核の平和利用とか、核の傘とかを主張している人たちも、まともかも知れませんが、主張に同意しかねます。

ラスト2行ですが、ストレートに思いを書きました。ありがとうございました。

編集・削除(未編集)

井嶋りゅう様、評のお礼です。  

井嶋りゅう様、「夜明け」に評をいただきありがとうございました。最近はちょっと、作者も後で読んでみて一緒に考えられるようなものを書きたいと思って書くように心がけています。それでもやっぱりちょっと抽象的過ぎましたね、すみません。
何処から帰るか、これはっきりさせてないですけれど、私も実は知りたいのです。呼びかけている場所も、謎です。そもそも主人公は何なのかという、言葉は発しますが人間ではないような気もしてます。だからいろいろ雑多な風景が出てくるのかもしれません。呼びかける相手も誰で、一体今何処にいるのか、謎だらけです。
初連の文章は意味というよりも、トーンが弱いですね。その後の流れを受け切れてない気がします。だから意味のある無しが気になってしまうのかもしれません。ピューマのくだりも、こういうのを入れちゃうから抽象的になってしまうのだと思います。
ただ井嶋様が疑問に思われた箇所は、読む時にキーポイントとなるように仕掛けた意味合いもあるので、わりと意図通りに拾い上げていただけたのが嬉しかったです。ご指摘ありがとうございました。また次回よろしくお願いいたします。

編集・削除(未編集)
合計1428件 (投稿1428, 返信0)

ロケットBBS

Page Top