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母さん
私はあなたの腹から逃げて来たのです
だってあまりに気持ち良すぎて
消えてしまいそうだったから
なのに
私は今あなたの内に還りたい
あなたの神秘の扉を開けて
私の全てを知りたい
消えてしまうかもしれないのに
望郷の思いがし過ぎる
命の根元まで探究する為に
一度分解したくなる
分解されたその後に誰が元に戻すというのか
禁断の果実をもぎ取ったのも私
プロメテウスの火に魅了されたのも私
なぜなら
そのように出来ているのが私だから
ならばこのようにつくったのは誰
神というものならば
なぜこのようにつくった
タナトスとエロスの間に生まれ
どちらも選べない子のように
その間を綱渡りする子のように
※※※※※
映画『オッペンハイマー』にインスパイアされてこの詩を書きました。
重力は実は存在しない
昼間雑談で聞いた話は本当だろうかとふと思った
重力がなければ物は落ちないはずだが
そんな軽い話ではないのだろう
明日も早い
カフカの「審判」を途中まで読んで
布団に入り 部屋を暗くした
いつの間にか私は果樹園にいた
果樹園の周りには畑が広がっていた
近くの樹から熟したリンゴがひとつ
枝をそっと離れ
スローモーションのように落ち始めた
ああ やっぱり 重力はあったのだなあ
と思って見ていると
リンゴは着地前にこちらを見て
ほら このとおり 重力はあるのよ
ほら このとおり 重力はあるのよ
と微笑んで草の中に音もなく落ちた
私はほっとした やっぱり 重力はあったのだ
急に風が空に向かって吹いた
果樹園の周りの静まり返っていた畑がざわめき
スイカが 一斉に舞い上がった
リンゴも枝をちぎって 一斉に浮き上がった
スイカもリンゴも 勝ち誇ったように
高みからゆらゆら私を見下ろした
草地に落ちたさっきのリンゴも
ごめんね ほんとうは 重力はないのよ
ごめんね ほんとうは 重力はないのよ
といいながら仲間の後を追って
申し訳なさそうにゆっくりと昇って行った
私は驚きと悔しさと羨ましさで 思わず
重力がなんだ 俺だって
と叫んで布団をはねのけ
空に向かって思いっきり跳んだ
が 伸ばした手はスイカにもリンゴにも届かず
背中から落ちた
裂くような稲妻が仙骨から脳天を貫き
白銀色のギザギザがまぶたの裏を突き刺した
スイカとリンゴが一斉に落ちてきた
ああ また やってしまった
私はうめいた
重力の証明のために 腰を犠牲にする必要まではなかった
激痛に耐えながら かろうじて電気をつけた
こいつだったのか
ヨーゼフKが朝食用に取っておいたリンゴがひとつ
枕もとに転がっていた
少しがさついた指先が冷たくて
それでも「有り難う」という言葉が
何だか妙にあたたかい
特に大それた事をした訳ではない
ただ、世知辛い社会から追い出され
家も家族も失った人達に
水のように薄い豚汁と
ホカホカの白いご飯とを
食べてもらっただけ
それなのに世間で〝ホームレス〟と
言われる人達は皆
食糧を配る私達ボランティアに
頭を下げて感謝の意を述べる
その真摯な姿に
今まで色眼鏡でしか見てこなかった
私にとって
溜飲の下がる思いがした
私は初めてヒトとヒトとの繋がり
人としての尊厳を思い知らされた
どんな逆境においても
この人達は生きてゆける
そして、人間は誰でも
どんな苦悩にも負けずに
立ち向かってゆける
そんな確信を
優しい思いと力強さを持つ人達から
いま、この場で
プレゼントされたような気がした
ちょっとひねくれてるから
きっと散歩が好きなんだ
街の華やぎから遠く
川沿いの青臭い中をゆくんだ
なで肩を揺らし 静かな方へ
誰もいない川沿いを とんがって歩く
平日のしがらみに
足を取られてちゃいけないぜ
ため息の暮らしをやり直す
ひとりの道なんだから
ふいに
丸石だらけの
優しげな河原に
少年少女が駆ける幻
それはふと立ち上がった思い出か
それともなんだ
やっぱり僕は寂しいのだろうか
わからない
考えたってわからない
たぶん答えはないさ
いつか答えにするのさ
幻とは
忘れがたい何かからの言づて
今僕にできるのは
忘れずにそっと胸にしまっておくこと
まっすぐ続く ひとりの道
川沿いで聴く 午後のスピッツ
幻を連れて どこまでゆこうか
風に吹かれて どこまでもゆこうか
心がひび割れて しもやけになっていた頃
君に逢った
君は 父の分も 母の分も 愛してくれた
だから私は 生きて来られた
家庭の味と言う物を私は知らない
いつも肉屋で買った揚げたコロッケかトンカツ
だから君が イビツなお握りを持って来た時
嬉しかった 例えようもなく嬉しかった
泣きながら食べたお握りは しょっぱかった
「塩 きかせすぎたな」君はそう言って笑った
想い出す事は 幾らでもある 次々と湧いてくる
あの頃の時間は 家族を持てなかった私に
神様がくれたプレゼントだったのだろうか
私は 父にも母にも愛されなかったけど 君が全部
まとめて引き受けて 全身全霊で 愛してくれた
心のしもやけはいつか消え去り ひび割れた心は
クッションのように フカフカしてたあの頃
でも そこで時間は止まってしまった
なにもかもそこで 消えてしまった
最初から知らなければよかったのに 知らないままで
ただ寂しい娘でいれば それでよかったのに
家族の温かさを知ってしまった私は 壊れるしか無かった
そうしてそれから何十年 ひび割れた心の私は
それを修復する事も無く ここまで来てしまった
この先も このまま行くのだろう 最後まで 一人で
しょっぱいお握りは 二度と食べる事は無かったのだった
評をありがとうございました
どうしても行間を開ける癖があります
少し長い詩を書いて
調整していきたいと思います
ありがとうございました
大丈夫と言ってくれた君の言葉に
ついに泣きだした私の今日のささくれよ
この静かな波の広がる砂浜に
少し休んでおいきなさい
かわいそうに かわいそうに
そう繰り返しながら
波はそうっと撫でていくのです
ザザー ザザー ザザー ザザー
波は寄せては返し
私はすっかり安心して
浅い波間に潜ったり浮いたり
綺麗に洗われていくのです
カサカサに乾いた汚れも
鱗みたいな曇りも
波は ザザー ザザー ザザー ザザーと
優しくリズムよく
私を上にしたり下にしたりしては
転がすのです
はじめは少し強いかなと思った波にも
もまれるうちには慣れてきて
私はお陽様のきらきらを受けて
きらめいたり砂のさらさらを感じて
笑ったりすることができるようになります
そうしているうちに
おや少し水が冷えてきたようです
お陽様が明日を迎えに行く
準備を始めています
私もそろそろ海からあがりましょう
そしてすっかり角が取れた
この体を抱いて
お月様に濡れた体を乾かしましょう
もしあなたが
月夜の砂浜に白く丸く光る小さな
何かを見つけたなら
それはきっと私が落とした
あの日のかわいそうな
かわいそうなささくれでしょう
突然の雨 コンビニに駆け込む
大きめのビニール傘 一本だけ買う
『好きな人と相合傘をする
僕が好きな人としたい事の3番目
叶えてくれる?』
広げた傘に君はスッとに入り込んで
『1番と2番が知りたいな』と
少し俯いたまま呟いた
僕は口ごもり『ヒミツでいい?』と答えたら
『楽しみにしてるね』と顔をあげて笑ってくれた
三浦志郎様
評をいただき有難うございます。
御礼が遅くなってしまい、申し訳ありません。
生まれて間もない頃に住んでいた地にもあのとてつもなく大きな災害が起きた事は大変衝撃でした。その想いを汲み取っていただき、とても感謝しております。
「私のもう一つの故郷はこうして破壊された」の一つは確かにひらがなにした方がその悲嘆な思いが読みとりやすいと思うので、さっそく「ひとつ」に返させていただこうと思います。
四連目はより能登半島地震で被災した方々に寄り添いたいという気持ちで描きました。
なぜなら、被災した方が抱くであろう感情を私も共に分かち合いたかったからです。
そして最後はそれがタイトルと繋がるように結論づけました。
これからもこちらにもお世話になると思いますので、なにとぞよろしくお願いします。