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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

青空に飛行機雲  U.

気だるさに掴まった
頭の中は
ピエロのパイプで
モコモコ煙がいっぱい

青空に
白く、自由に伸びた飛行機雲
空の端から端まで
一筋に流れる私の想い

きらりと光る金属片が
白い絵の具を青いカンバスに
買ったばかりの筆でなでていく

ピエロの奴め
頭の中から飛び出して
白い雲めがけて飛んでいった

飛行機雲の先にあるのは
中央線の高架から見た夕日の孤独
破れた初恋の悲哀

この広い空の下
私を通り過ぎて行った人達が
何処かに居ることを思って
呟く
 私はここに居ます

飛行機雲の後ろに残るのは
孤独と悲哀を突き破ろうとする
張り裂けんばかりの混乱と焦燥

自由に伸びた飛行機雲は
軟らかく広がって
白い雲
青いカンバスの中

今は
あの鋭さを失い
千切れてほどけて
風に取り込また

ほらほら
ピエロの奴めまた泣き出した
空から私の頭の中へ落ちてくる

編集・削除(未編集)

感想。8/25~8/28 ご投稿分  三浦志郎  9/3

〇 大変ご迷惑をおかけしましたが「評価お休み」は当区間をもって終了です。
次回より評価を再開致します。よろしくお願い申し上げます。


1 上田一眞さん 「匹見峡に遊ぶ」 8/25

島根県は当サイト詩人・紗野玲空さんによって、僕にとっては詩上なじみ深い県であります。
調べたところ、この匹見峡もまた、大変美しい場所でありました。自然、景色、生き物の宝庫と言っても過言ではないでしょう。同時に詩にもそういったものを感じました。まずは生き物が多く登場します。それらには生き生きとした詩的装飾が成されました。そして釣りの様子。「毛針」とあるからフライ系でしょうか。「パールマーク」「アマゴ」等も出てきて、お詳しい。以前の詩にもそれを感じました。渓流釣りが好き。良い趣味をお持ちのようです。読んでいて深呼吸したくなるようで清々しい。清新の気を感じます。
さて、少し気になった点を書いてみます。まず2・3連目。昼間の情景をイメージしがちなんですが、次に「黒い闇」と来る。ここに少し違和感を感じるわけです。通読していくと「ああ、暗いうちに走って朝が来たんだな」とわかる。そうすると3連が、ちょっと浮いたように思える。おそらく上田さんとしては……
3連(結果)→4、5連(過程)の感覚

で書いたことが推測されます。一番安全なのは時系列で書くことなんですが、そうすると、「黒い闇」を3連に持ってきて、現2・3連を何処か中央部に移動する方法もあります。しかし僕自身提案しておきながら(それじゃ、あんまり芸がないなあ)って気もするんですよ。現ポジションでスッキリ読んでもらうには― 1番安直な方法は―3連以降、ドーンと行空けして「*」をつけるか?何か上手いフレーズを編み出してブリッジにするか?でしょうね。次に、これは上げ足を取るような事項で、申し訳ないんですが、「僕の背中を見つめて 君は/つまらげに棒で川面を叩いている」です。
「背中を見つめて」ということは「僕」は「君」の前にいて、後ろ向きである。そうした場合、「君」の行為がどうしてわかるのか?そもそも「背中を見つめて」も何故わかる? といった点なんです。なるほど「叩いている」から音でわかる?ただ根拠としては弱い気がするのです。このあたり、ご一考を。 「おそらく~〇〇なんだろう」みたいな書き方のほうが無難か?ところで「つまらげ」はあまり聞かない言葉ですねえ。僕も自信ないんで調べましたが、出て来ないんですねえ。無難なセンは「つまらなそうに」でしょうか。以上の点をチェックすると、この詩はもっと良くなるはずです。もともと自然に溢れた瑞々しい詩なのですから―。


2 じじいじじいさん 「トンボ」 8/26

俗に言うアカトンボは個別種ではなく総称ですね。ここではアキアカネを思い浮かべて書きましょう。
まさに秋を知らせるトンボでしょう。 「トンボのおやこ」となっているのが、生物学的詮索はやめて、児童詩ならでは、といったところでしょう。2連で、トンボ(アキアカネ)に象徴される秋の予感と夏への別れであり、この詩のポイントであり最も言いたかったことでしょうね。前回はなかなか読ませる作品だったのですが、今回は特にトピックがなく、あっさり目に書かれています。少し物足りなさを感じました。
幸い、1連、2連、担当しているものが微妙に違いながらも流れはあるので、それらを少し肉付けしてもいいと感じました。


3 晶子さん 「キラキラ光る」 8/27

この通りの詩でしょう。こちらも晶子さんにしてはあっさり目のアプローチか?初連で、取るに足らぬもの、品下がるものを(敢えて?)持って来たのは面白いし、かえって、この詩の主旨を浮き彫りにするに一役かっているのがよくわかるのです。つまり、こういったものでも光さえあれば光る、といったこの詩の主旨であり主張です。流れとしての「例示→思考」もまずは理想的でしょう。
流れといえば、もうひとつあって「2連・直喩→3、4連・結論としての私たち」―ここも上手く機能しています。各連とタイトルを同フレーズでキメたのは、これは晶子さんの意志と見ます。服で言うと「お揃い」といった趣きあり。従って諒とします。光に照らされ日向性のある「励ま詩」ですね。


4 えんじぇるさん 「易し過ぎる人々へ」 8/27 初めてのかたなので、今回は感想のみを。

まずは「優」の違う読みと意味。次に「優し」と「易し」の同じ読みで違う意味。この2本立てで主旨は進行します。ところで、物の考え方として絶対と相対がありますが、この詩はほぼ前者で書かれている。これは善悪ではなく、ひとつの立場を指し示した作品です。しかし独断に過ぎる部分はあるわけです。他者や社会に実害がない限り、その産物は作者の自由意思になりますが、作品の質、評価、他者の共感の度合いは、また別問題になります。ここまでが前半。「他人と距離」以降は少し方向を変えたこともあって独断性は無くなります。距離によって見えてくるものがある、といった考えはバランスの取れたものだと思います。最後2行は、この詩において、最も共感できる部分です。 もう一度前半に戻りますが、僕は以下のことを推測しています。

えんじぇるさんは、本気でこう思っているのか?という点です。違うのではないか?という推測です。
あるエッセンスを表し伝えるにあたって、物事をわかりやすくするために、敢えて極端な例を出すことが時にあります。デフォルメという言葉がやや近いでしょうか? 前半部分はそれではないか、そんな風に考えています。様子を見ましょう。また書いてみてください。


5 富士伊真夜さん 「あるアプリ精神疾患」 8/27

お久しぶりです。
僕はよくわからないのですが、SNS上のことですかね。普段の富士伊さんは新作紹介で、散文詩的長いフレーズを使っているので、よくわかるのですが、この短さはビックリ。断片的呟きといった感じです。最後は「それって さぁ」の後、続けてほしかったですね。よくわからなくてごめんなさい。


6 エイジさん 「懐中時計」 8/28

「あからさまなフィクションであっても(むしろフィクションだからこそ)、細部のリアリズムは重要かと思います」
*                 *                 *                *
これは8/5付・水無川 渉さんの評の一節です。全くその通りなんです。僕が日頃思っている(あるいは悩んでいる)ことを見事に言い当ててくださいました。極端なたとえ話で言うと「これはフィクションですよ」で許される範囲内なのか、それとも展開をある程度地味にしてもリアリズム追求なのか、といった点です。SFや幻想詩ならば関係ないですが、現実と隣り合わせのストーリーの場合、上記のことは分かれ目になります。この詩で言うと、「閉ざされた金庫の中で、懐中時計が50年間、寸分違わぬ時間を刻んでいた」点にあります。正直、僕にも判断がつきません。ですが、これは作品として存在していいと思います。一般論的心得として対象物の概念、メカニズム、性能は調べる必要はあります。詩の裏付け的取材力といったことでしょう。それが詩に直接反映されるかどうかは別にしても、自分の詩に対する自信が違ってきます。評価への自信が違ってきます。
この件について、もう一点言うと、この詩のキモは懐中時計の部分なんですが、取っ掛かりの金庫寄贈の部分。直截に言わせてもらうと、どうしても“取って付けた”感がつきまとうようです。
プロの作家さんでも出だし「何でこうなるの?」みたいの、あったりします。このあたりをどうするか、なんです。例えば、偉大と言われるカフカ「変身」にしてからが、主人公、朝起きたら巨大芋虫になっていた。(何じゃ、それ?)ですよ。こういう例に照らせば、金庫の件は全くもって正攻法なのかもしれない。もう何だかよくわからなくなってきたので、この辺で―(笑)。

アフターアワーズ。
上記文はこの詩を否定するものではありません。むしろエイジさんがこういった分野に出ていくことをバリエーションという意味で、とても歓迎できるものです。フィクション~リアリズムの問題はとても難しいですが、作品キャラに合わせてバランスメーターの指針を振って行けばいいでしょう。「~寄り」みたいな。参考までに私事を書かせて頂きます。3~4年前にすでに此処で発表した長編詩をいまだにイジっています。それはつまるところ、水無川さん言われるところの「フィクションの中の細部リアリズム」なんです。歴史事実というモチーフ上、“リアリズム寄り”に振ります。いきおい調べることが多いのです。土地勘、死体の変化や戦時の土地所有権、民事裁判の有無などです。疲れます(笑)。
できれば、僕だけでなく、こういった作品を他の評者さんにも提出し、別の意見をもらうのもお勧めですね。


7 ベルさん 「証」 8/28

「水虎」……日本、中国の(水に棲む)妖怪の一種。
とあります。日本では時に河童と混同されたり、明確な姿は不定で物語によって様々に解釈、描写されるようです。要は架空の生き物と把握できます。ところで、この詩は読み手が独自に解釈したほうがよさそうです。そういう具合に話を進めましょう。端的に言ってしまうと、架空ゆえに(叶わぬまでも)証が欲しい、といった主旨です。そして詩とは“ないものねだりをねだることができる”文学媒体だからです。そんな主旨で読んでいました。おそらくこの語り手は、もうむやみに水虎族が好きなのでしょう、その伝説が好きなのでしょう。そのあまり語りかけてしまうのです。彼にあっては、その実在・非在、徒労・虚無などは関係ないほどにです。彼は詩の中で見事に“ないものをねだって”いるのです。此処に詩上「架空の証し」が存在しています。


8 朝霧綾めさん 「空回りの夏」 8/28

朝霧さんの童女の頃に、これに似たことがあったのかもしれません。それを基にしながらも、詩自体は別途の架空主人公を立て、ストーリー性を構成しています。従って朝霧さんの回想ではなく、あくまで別個のドラマとみるべきでしょう。しかも“ストーリーの中でのリアルタイム”があるということです。タイトルがいいですね。主人公は泣き虫だけど、なかなか勝ち気そうです。人物造形も事情・場面もなかなかリアルです。小学校3~6年生くらいでしょうか?筋書きにメリハリがあり、読んでいても面白いのです。ただし、この詩には重大な違和感があって、上記“主人公のリアルタイム”といった観点に立つと「雨降って地固まる」「人生万事塞翁が馬」です。特に後者は小学生は言わないでしょう(それとも、もう習うのかな?)。どうも、ここだけ大人である書き手が出てしまっている気配です。作中人物に成りきる必要がありそうです。推敲時に考えておく必要があります。



評のおわりに。

「ネットの中の詩人たち」のビッグプレゼントに加え、初心者掲示板の常設。
初心者から常連まで、ネット、ツイッター、出版まで、詩表現をフルカヴァーする集団!
まさに詩のBIG BAND!詩人会所属者も増え、「すごいぞ、MY DEAR」といったところです。
此処に参加していることを大変嬉しく誇りに思っております。
これも島さん、齋藤さんのご尽力の賜物であります。
心より感謝申し上げます。ありがとうございます。 では、また。

編集・削除(編集済: 2023年09月03日 07:55)

島秀生様 評へのお礼  山雀詩人

「一膳」に評をいただきまして
ありがとうございました。
名作とのこと、うれしいです。
「一粒で二度おいしい」とのお言葉も…

何回投稿しても、評を読むときは、
ドキドキが止まりません。
画面をゆっくりスクロールして、
うわ、自分の来た! と一旦止めて
一行ずつおそるおそる読んでます。

そんな場を与えていただき、ほんと感謝です。
今度ともよろしくお願いします。

編集・削除(未編集)

島秀生様の「残暑」の評に寄せて

高評価、ありがとうございます。
この詩に出てくる男女は、実在する何かではないんです。
強いて言えば、残暑の“熱”の象徴でしょうか。
そこが、うまく伝わってないので評価が良すぎるかもしれません(笑)
もっと、思い切って書くべきでした。

編集・削除(未編集)

★お知らせ★  島 秀生

夏生さん、ご家族のことで急ぎの対応があり、
評が遅れます。
1~2週間程度お待ち下さい。

該当日の方には申し訳ありませんが、
ご容赦の程よろしくお願い申し上げます。

編集・削除(編集済: 2023年09月02日 18:57)

評、8/18~8/21、ご投稿分。  島 秀生

追って説明を入れますが、「初心者向け詩の掲示板」を新設しました。
これは、全くの初心者向けです。今の掲示板に来ることがハードル高く、入っていけないと感じる人向けの掲示板です。
初めて詩を書く人、恐る恐る始める人を対象にしています。小中学生も歓迎です。
初心者掲示板は、コメントは2~3行レベルでしか付きませんので、
ガッツリした評・感想が欲しい人、詩人に向け成長したいという意気込みのある人は、
今までどおり、この掲示板をご利用下さい。


●江里川 丘砥さん「自然の摂理のように」

いい詩ですねえー
「自然の摂理のように」は、まさに!ですね。
心がどのようにあろうと、体は生きたがっている。心が思うに任せない時、コントロールできない時は、体の命じるままに従うのが良い。
窓をあけて空気を吸う。お腹がすいた。お風呂に入りたい。体の命じるままにあるのが良い。わからない時は、いち生物に戻る。それが基本。生物として世界と繋がるところが、物事の根本に思います。

うむ、しっかり書いてくれましたね。自問自答を繰り返して、一つの境地に達したかのようです。それに内向的・偏狭的でなく、頭でっかちでもなく、自分の前後左右を見渡して、経験も踏まえて結論に至ってるのがいい。
字下げから戻ったあとの部分(後ろ3分の1くらい)で、想いが星や風や地球のイマジネーションに膨らむところもいいね。これ、122行かな。うむ、しっかり書き切ってくれました。
名作あげましょう。誰もが突き当たるところのテーマを扱ってくれてることもあり、代表作の列に加えて良いと思う。

1点あります。
冒頭の1~2連なんですが、「~なら」を2回続ける形で書いているんですが、この「~なら」が、ちょっと疑問。
自己診断的に「自分がそういう時は」という意味で書いてるのかもしれないけど、他者への呼びかけにも見えてしまう。で、そう見えた場合に、ちょっと押しつけ感(説教的)を感じてしまう。
ここの「~なら」は、 →「~から(だから)」で書いてもらった方が、オール自分向きになって、その方がスッキリすると思うのだけど。(他になにか意図があるのかしらね???)


●エイジさん「心象風景 (アルバム「Merry Christmas, Mr. Lawrence」を聴きながら)」

この詩はしっかり書いてくれていて、気合いの入った連もあり、いいとこいっぱいの詩なんですが、またしても問題あるんですよねー

もちろんタイトル曲は知ってますし、この曲に思い入れもありますが、
でも、アルバムのことまで言われても困りますね。
これはJAZZの場合も同じで、歴史的名盤と呼ばれるものはまあまあセーフなんですが、その範囲を超えた個々のアルバムのことまで言われても困るわけです。エイジさんの好みと他の人の好みは当然ながら違うわけだから、知ってるだろう見込みで書かれても当然ながら困るわけですが、
この場合も同じで、「Merry Christmas, Mr. Lawrence」の曲は世界に知られる超有名曲だからいいのですが、このアルバムまで有名なわけじゃありません。アルバムまでオーソライズされていませんよ。
坂本龍一にとってはこの曲が代表曲の一つでもあり、この曲自体はいろんなアルバムで吹き込んでいますし、ライブでもさかんにやっているので、どの時の演奏と思うかは人により自由な存在です。「Merry Christmas, Mr. Lawrence」は、これ一曲単独で独立した魂を持った生きものというべき曲ですね。
ですから、この曲に関しては、標記のアルバムに限定されたものでは、全くありません。

まずもって、この詩はそこに思い違いがあるというか、ミスがあることを先に言っておきます。

ということで、私はこのアルバムは知らないんですが、これ映画のサントラ盤ですかね? 何が言いたいかというと、4連の、

 魑魅魍魎がうごめく太古の島へ
 音楽に誘われて訪れてきた

これが問題で、
これはおよそ「Merry Christmas, Mr. Lawrence」の曲イメージとはかけ離れているわけですが、
サントラ盤だから存在してる別の曲のことなのか、
それとも、3連の「音楽は」に入ったところから、アルバムとは全く関係ない、一般論としての「音楽は」の話をしてるのかが、識別不明です。不可能です。
(たぶん、その識別は、実際アルバムを持ってる人にしかできない)
これは「アルバム」と書いているから生じる問題ですね。

1~2連はタイトル曲のイメージどおりのいい詩行が続いていたので、気持ち良く読んでたんですが、私はこの4連アタマで完全に蹴躓きました。
これ、後ろの5~8連(終連)もよく書けてる、いい詩なんですけどね。あらかたはよく書けてる、いい詩なんです。もったいないね。

話をまとめますと、
まず副題を「アルバム」にしない。
もし3連の「音楽は」で、もう坂本龍一を離れ、一般論をしてるのだとしたら、離れるのが早すぎる。副題に入れた以上、もう1~2連は副題の曲に触れてから、一般論に行くべき。
で、一般論でいろんな曲があるという話を始めるにしても、坂本龍一との中間色(共通項)があるところから話から始めるのが本当はスジなんですが、どうしても「魑魅魍魎」からスタートしたければ、話の流れからはかなり異質のところからスタートすることになります。こういう場合は、「時に魑魅魍魎が~」と、例示となる言葉「時に」は絶対つけた方がいいです。

以上3点一考下さい。現時点は秀作ですが、上記点を直したら、この詩はもっと評価良くなる詩です。いいところは随所にあります。


●freeBardさん「タンポポ」

大作ですね。
まずもって、一所懸命書いてるのが伝わる。
よくここまで思考が続いたなあと感心するし、結論として言ってることも悪くない。
また視野として、偏狭にならず、いろんなものへの観察があるのがいいです。
また、未完成ではあるものの、自分なりのリズム感があるので、長い詩ですがちゃんと読めます。つまり「語り」の形にはなってます。
うむ、努力賞的なとこもあり、秀作にしましょう。

ちょっとだけ改善案ですが、
やっぱり構成にメリハリをつけた方がいいと思うのです。
1~11連まで皮肉的、批判的なものが並びます。まずもってこれが充分に長いのです。
で、12連からは話が自分の考えの方に転じてきます。

 どちらが優れているのでなく どちらが正しいわけでもなく
 ほほぅと唸る愉しさを 互いに交換すればよい

13連のこれは作者の考え、この詩の一つの核心となるものです。
ここでもう話が転じてきてるので、もう一度、11連までのような皮肉・批判的なものに戻らず、話をまとめる方向に進んだ方がいいと思うわけです。

この視点に立った時に、私が気になるのは、後ろから4連目の、この連です。

 あたりまえ ありえない みんな言ってる ジョーシキだから
 そんな思い込みの向こうに花が咲く
 誰にも綺麗な花が咲く

この連は、話をせっかくまとめにかかってる時に、話を逆戻りさせてる感(1~11連のような感覚)があります。そういう意味でない方がいいと思うのが1点と、
これはまた次の連に出る、

 よく晴れた朝の光にタンポポは花開く
 当たり前とはそういうことなのだ

この連の「タンポポ」と「綺麗な花」が花カブリになってるのが良くないと感じます。
私には「綺麗な花」と「タンポポ」が別の意味で使ってると思えるのに、ここでカブらせてしまってるのが、両者同じものとの誤解を受けて良くないと感じる。これが先の連を削除した方がいいと考える2点目の理由です。

文体もいずれ磨いていく必要がありますが、さしあたりで気になるのはここなので、ちょっと一考してみて下さい。


●凰木さなさん「残暑」

おもしろいですね。
前後をナチュラルな叙景で挟んでいるので、真ん中の飛躍展開部分とうまく中和され、バランスが良いです。

 男は尖った靴とスパンコールの衣装を纏い
 女は高いヒールと金の刺繍のドレスを身につけ

この連が秀逸ですね。この連の思い切りの良さが、この詩に映えています。
たぶん鳥なんでしょうけど、フツウはやはり鳥の色柄に似たもので衣装の想像を書いてしまうとこなんですけど、この連では、そこにこだわる外連味がありません。そこがいいです。誰もおもいつかないような想像を書いてくれている。個性がいい形で反映されてます。
また、正直、これなんの鳥かわからないまま、オチがない形なんですけど、全体、短めの詩ですから、謎を謎のままで置くのも、このサイズであればアリです。だから、このままでいいです。
やや甘ですが、秀作を。

一個いうと、1~2連の、基本の叙景のところがまだ甘いです。
絵でいえば、基本のデッサン力みたいなものなので、叙景の力をもうちょっと鍛えていくのが、今後の課題かなと思います。
すぐでなくていいのです。意識に置いておいて、ぼちぼちと鍛えていくといいです。

個性はいいものがあるので、おもしろい書き手だと思います。


●山雀詩人さん「一膳」

これ、パーフェクトじゃないですか?
私、何も言うことありませんよ。

割り箸を「一膳」としたとこが厳かですねえー
でもって、この名を使ったことで、初見では「これなんだろう?」と考えながら読ませてくれる楽しみがあり。一方で1回読み終えたら、割り箸とわかるので、わかったところでもう1回、最初から読み直して意味を取り直し、2度楽しめます。
読者的にも、一粒で二度おいしい、なんて親切な詩なんだろうと思うし、詩的にも、最初の謎かけの時に、いろいろなものに当てはめて想像できるように仕組んでくれてるところが通好みで、詩人的にも唸らせるものがあります。うまいねえー

また、割られた割り箸の片側の孤独は、テーブル、ソファーなどの物理に1つのものへの思考展開から、男(多分に作者的)の孤独感をも照らすのがいい。
擬人法は別のもののフリして、結局のところ、どこかで作者の人間性を反映するところがあってこそ、良いのです。この詩にも、その味があります。

うむ、文句ないですよ。名作を。
ちょっとユーモア系ですが、これは代表作の列に並べて良いと思います。よくできてます。


●えんじぇるさん「愛.」

ナルホドねえー 愛に関して、多彩な見解を聞かせて頂きました。
人により相違はあるでしょうが、これはこれで、えんじぇるさんの見解を徹底的に追求して、しかもオノマトペにこだわって表現してくれているのがいいです。
アリですね。少々おおざっぱ感はありますが、内容的にも表現的にも、この執拗なこだわり具合は評価できます。やや甘ですが、秀作あげましょう。

一点あります。
最後のアンサー部分なんですが、一般的に最後の部分というのは、話のマトメ的に読まれがちです。
でもオナラが係っているのは、どう見ても最後のQだけで、他のQには係っていないですよね。だから、全体的に係っているものでなくて、「そこだけ係っているもの」ということの意識をもって、言葉選びをすることが必要です。
「結局」という言葉は、マトメ的に使われる言葉だから、オナラに対して使っちゃ、絶対ダメですね。
現行の最後のセンテンスは、これらのQ全体が「愛」にも見え、「オナラ」にも見え、という構造の時に、初めて使える詩行です。この詩はそうじゃないので、変えるべきですね。

 いや、でも、これはちょっと、オナラかもしれませんよ。

くらいの書き方の方が正解です。最後のQだけが違うのですから。


●上田一眞さん「カマツカの夢」

カマツカは、河川の主に中流域からちょっと下流域の、川底の砂地の方に棲んでるやつですね。
初連の、

 水面から三尺下
 水の重みを確かめる小さなカマツカ
 のろのろと泳いでいる
 鈍臭いやつ

この詩行は、作者の、上から水底を透かし見てる角度感がすごく良かった。「深さ」というよりも、三尺の「透明な水の厚み」ですね、これを透かし見てる感覚に、ちょっと感動しました。
ストーリーも良かったけど、正直、私の一番はここでした。

2連で、「おまえの夢は何?」と作者が聞きたくなったのは、
カマツカがなんとなく、いつも底の方に棲んでいて、底の方から上を見上げてるふうに見える生きものだからかもしれませんね。
カマツカの夢としては、もっと美しくなることではないかという想像から、「渓流の女王」と呼ばれるヤマメが登場するようです。しかしながらヤマメは上流域の魚なので、中・下流域では住めません。カマツカを説得するに、2連ではまずそのことが語られます。

説得するならば、まずはその生息域の話からなので、2連は必要ですが、
私はそこを経たのちの、3連の、

 山女魚は孤独で寂しいよ
 ぼくみたく訪ねてくるのいないから

この詩行がしんみりして良かったです。私は結構、ここ好きです。
私としては初連にあったような作者の位置取りを、後半でも出してきて欲しかったので、この3連は大事だなと思っています。

次いで、4連後半の、魚のオンパレードのとこですね。そこが良かったです。
最初のギギ(ナマズ目)とシマドジョウは川底の仲間で、後述のものとは生息の水深で分けてくれているようです。
正直、それら全部をいっぺんに見られるところは、なかなかないんじゃないかと思いますが、いてもおかしくない範囲のものを並べてくれています。そこはある意味、詩を楽しくするために、調べて書いてくれているんじゃないかと思います。(それとも昔の記憶の中では、それらが並列的に存在した時期があったんだろうか)

うむ、各連、それぞれの味わいを出してくれていて、良いですよ。秀作を。

ちょっとだけ気になったのは2点。
2連の「夢」を語る場面で、初見では中~下流域の魚だから、上流の魚になりたいのかなとただ思ったんですが、そうじゃないようで、
例えばカマツカが醜いとかいう下りがあるならば、逆に美しいものに憧れる、夢見るというところにも、読んでて意識が行くのですが、初見ではどっち方向に夢見た話をしてるのか、わかりにくいです。つまり、どっち方向の夢の代表として、ヤマメを登場させたのかが、わかりにくいです。
なので、ヤマメを夢見ることとなった、伏線(理由となるもの)を事前に配置しておいてほしい気がします。

それから3連、

 一匹だけで淵に棲む

というフレーズで、先に浮かぶのはイワナの方(ヤマメよりイワナの方が水がゆっくり溜まったとこが好き)なので、もちろんイワナがいないところではヤマメがちゃっかりいるでしょうけど、「淵」って言葉は、ヤマメとあまり印象合わないので、私はこの言葉は変えたほうがいいと思います。「淵」という言葉はそこそこ深さがあるところの意になるので。


●妻咲邦香さん「愛しているもの

おお、前回といい今回といい、書けてきたじゃありませんか!!
これもジャストミートしてますよ。

電車を待ちつつ、あちらとこちらに人がいる。別れを想起させます。
詩中の「知っているもの・知らないもの」についての下りも、「愛しているもの・愛していないもの」についての下りも、すべてはこの二人のためにあるようです。
いい詩ですね。

どの連もよく書けてますが、とりわけは、

 愛しているといくら口にしたって
 この世界には、愛してないものの方が多い
 愛しているものは、愛してないものに
 ぐるりと取り囲まれている
 取り囲まれて、そして
 輝いている

この連で。暗誦してしまいそうなくらい、ステキなフレーズです。
思考と想いの感情がシンクロしてます。そして、美がある。

いいなあ、いい詩だなあ。これ、ぞっこんですね。
全く異議ありません。名作です。代表作入りです。

編集・削除(編集済: 2023年09月02日 02:05)

妹よ…  上田一眞

妹よ おまえは生を受けたとき
ふくよかで愛らしく
何より美しい亜麻色の瞳をもっていた

おまえのことが大好きな兄ちゃんは
本当は一番好きなのに
皆から愛されてるおまえへの嫉妬から
よく意地悪をした

甘いパンを買ってきたときも
欲しがるおまえにつれなくして
ただ見せびらかすだけ
なんて悪い兄ちゃんだろう

おまえは10歳で母を亡くしたが
薔薇を愛する 美しい女に成長した

亜麻色の髪と大きな瞳で遠くを見つめる
おまえに皆が振り返った
兄ちゃんに 紹介しろよ妹を
と言った奴もいたんだよ

妹よ おまえが死病に取り憑かれたとき
兄ちゃんはほんとうに狼狽えた

意地悪兄ちゃんを許して欲しいと
悔悟の海で泳いだものだ 
そして 死病の淵から甦れと真剣に祈った

おまえはこよなく花や歌を愛し
家族や友を優しく包み込む
こころ豊かな女だね

兄ちゃんはおまえの兄で誇らしい
だから慈愛の瞳で皆を見つめ
いつまでも健やかにいて欲しい

それが兄ちゃんのただ一つの願いだ
妹よ…

編集・削除(未編集)

海の時  エイジ

劫初の時に思いを馳せ
海の時の流れを想う
海は天からの恵みだろうか
海神ポセイドンが
最初の海を創り出したのだろうか
海のような大いなるものは
神々しか創りえないものだろうか

青春を過ごしていた頃
よく海を見に行った
海を見に行きたい
欲求に駆られ
海で何をするでもなく
ただ砂浜に立って
海をぼんやりと眺めていた

青空の下の海は
鏡のように真っ青に空を映し
いっそう私の心を慰めてくれた
青空と海との対話を聞くように
そっと音に耳を澄ました
劫初の頃からの
空と海の永遠の対話に

海の大いなるうねりに
この世の縮図を見ていた
波が静まったかと思うと
小さな波がおこり
やがて大きな波を生み
浜辺に押し寄せてくる

あの大いなる波のうねりが
さらに大きなうねりを呼び
何もかも飲み込んで
永遠に向ううねりとなって
押し寄せていくのだろうか
まるで人の世のようだ
永遠の自然の律動を
身じろぎもせず
じっとこの小さな身体で
身体全体で受け止める

空では大いなる太陽が
私に微笑みかけている

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ヘタウマ  妻咲邦香

トマトは夏を連れて行く
帰るお家があると言う
ヘタがジャマだと言ってたね
帽子をかぶる時もジャマ
お辞儀をする時も
でんぐり返しの時も
ジャマじゃないのは人生を語る時
思い出し笑いをする時

いいかい? 技術は習得だ
トマトの道は険しいぜ
本物になりたけりゃ、ウマく出来ても
ヘタだと言うんだぜ
だってヘタなんだから
誰が何と言ったって
ヘタクソなんだから
おっと「クソ」は余計だな

トマトは秋とすれ違う
世界はとっても狭いから
ヘタがジャマだと言ってたね
キスする時は少しジャマ
膝枕だとうんとジャマ
宿命なのさと開き直って
あそこのナスよりはマシ
パイナップルよりはうんとマシ

赤くなれなかった実を片付ける
さびしくなるねと誰かの声がする

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8月の終わり 大杉 司

風鈴の音とともに
樹木は揺らぎ
小鳥は囀り
子供たちは遊んでいる

それは一つの音楽で
とても心地良く
とても柔らかく
僕らを癒やしている

しかしその声も次第に消え
今あるのは風の音のみ
なんだか寂しい気にもなったが
皆明日に向けての準備をしているのだろう
仕方ない

夏の終わりは日に日に増し
遠出をしている人も
遠吠えをしている犬も
皆居場所へ帰っている

その風景を見ていると
夏の終わりを強く感じ
心機一転しようと言う気持ちが
強く湧いてくる

長いようで短いこの8月に
僕はいろいろな声を聞き
ゆったりまったりして
過ごしていた

それもしばらく聞くことはない
子供たちの声も何もかも
夏が終わると勢いをなくし
やがて風の音だけが残る

それだけ夏は特別で
どこか不思議な雰囲気に包まれており
魅了する何かがある

やがて夜になると
スズムシが鳴きだした
物悲しく鳴いている

僕はその鳴き声に耳を澄ませ
この8月を振り返る
有意義に過ごせて
とても充実した日々だった

風鈴の音もやがて
聞こえなくなった

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