◆ここは「MY DEAR掲示板」です。
詩をある程度の期間書いている方、詩に意欲的に取り組みたい方、詩人に向け成長を目指す方はこの掲示板をご利用下さい。
あなたの詩をしっかりと読み、評や感想を、しっかりと書かせて頂きます。
ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。
(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
あきらめてしまう前にMY DEARに来ませんか?
MY DEARは投稿された作品全部に評をお返しします。
本来、こつこつ実力をつけてから、賞などに挑戦するのが、スジだと思いませんか?
MY DEARはあなたの詩の成長を、こつこつ支援するところです。)
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ベールを捲ると夜だった
生身の体から、皮膚をはぎ取り、悶えた
暗澹たる鬱屈の巣窟で 私は横たえる
内から音が漏れだして 空気となって消えていく
あ、とか う、とか それだけが全て
「苦しい」は形容詞 本当の苦しさは品詞以下
母音こそが本当の苦しみ
街が街に恋をした
私は何処にいたらいい?
お邪魔にならないように
どいていたらいいのかな?
気まずくさせないように
口笛とか鳴らさぬように
少しドキドキしながら
ビルの影から見てる
教えてあげられることはないけど
愛することなら少しだけ
講釈たれて
先輩ぶって
あとは、あとは
呪文のように
トカゲが尻尾をのぞかせて
陽だまりも予感も立ち止まる
街が街に恋したら
それは街中お花畑で
素敵な匂いにむせ返る
何処にも逃げ場がないから
住んでる人はパニックよ
消防車の音が次第にハミングに
私は長袖セーターで
素敵なことを探しに出掛ける
ル、ル、ル
道草くってる羊雲
誰も責めてはいけないの
ねえあたしちゃんとまてたよ
しずかにしてたよ
ちょっぴりさみしかったけど!
ひさしぶりのおひさまはとてもとおくて
もうこえなんてとどかないかも。
ちょっとあしにあたってるおおきなみずたまりは、しょっぱいあじがした
あたしほんとにたのしいのに、うれしいのに、なんでぬれてるの?
あたしはしあわせなのに、なんであやまるの?
夢の中は生暖かい羊水で満たされた胎児のようにやらかくて、苦しい。
夢の境界は空から解けて、カーテンの向こう岸を灯す、太陽の恋人になる。
遠くから聞こえるさざ波の音は少しだけの塩を料理に加えた。
私は苦しいし悲しい。だから泣いているの。
あなたは笑って、私に幸せを沈めてくるのに、私は何も出来ないまま。
探せ探せ
デュシャンを探せ!
パイプに目を奪われるな
どのみちコレはパイプではない
顔のない紳士に挨拶
おっと失礼急がねば
探せ探せ
デュシャンを探せ!
溶けた時計を流し見て
ミューズが与えた不安は的中
途方に暮れる眦の
例のガラスの涙のように
切に切に
デュシャンよ切に!
世界はなんて無慈悲なのだ
道標などまるでナンセンス
順路は須く守るべしと
あゝ泉は遥か遠く…
親愛なるマルセル・デュシャン
果てなき回廊
焦燥の波
表題は差詰め
「あの!トイレはどこですか!!」
カーテンを開けて
窓から見下ろすと山茶花の花が
地面に散らばっていて
もう秋はここにはないのだと
教えてくれた
目を見張るような鮮やかな花びらが
癒してくれたのに
短い秋はもう僕を通り越してしまったようだ
厚手のセーターを探しながら
ため息をつく
冬はやってくる
青白い早朝と共に
吐く息が白くなって
肌が痛くなるほどに
日毎に凍えていく
そのうちに雪も降るだろうから
マフラーも探しておこう
初めて貰った手編みのマフラーは
今でも僕のお気に入りだ
二人で煌びやかな
クリスマスのイルミネーションを
観にいった時に写真を撮るのに夢中になって
寒さも気にならないでいると
風邪ひいちゃうよと
後ろからそっとかけてくれた
雪の中の散歩で
繋いだ君の手が暖かかった事も
来年もよろしくねと笑った
可愛らしい笑顔も
まだそんなに前の事ではないのに
思い出に変わっていきそうで
山茶花の花が散って
君からの返事が来なくなっても
君が戻って来るまで
寒くて凍えそうな夜も
僕は一人で過ごすだろう
川面を走る女を見たのは
一昨日の朝のことだ
たぶん
誰も
信じてくれまいと
今朝は
いつでも
撮れるように
構えている
年齢は
分からず
思い返せば
髪が長かっただけで
男だったかもしれない
待ち構えると
現れない
か
ぼくは
川に近づき
スマホを
尻ポケットに入れ
大きく深呼吸する
一回、二回、三回と
心が決まり
向こう岸を
目指して
川面を
走り出す
一歩目から
浮かばず
ランニングシューズは
ずぶ濡れになる
川幅
十メートルほどの
浅瀬
髪の長い人が
追い越していく
年齢も
性別も
分からないが
川面を
走り抜けていく
向こう岸に
着いたら
消えた
あれくらい
髪が伸びるまで
続けたら
ぼくも
川面を
走れるように
なるだろうか
夜になると
歌が聞こえた
それは隣の部屋から聞こえた
夜になると
歌は泣き声に変わった
それは隣の部屋から聞こえた
夜になると、あなたは
悲しみをフランス人形の様に抱き
明日のために涙を出し切った
夜になると、あなたの姿を
小指が入るくらい襖を開け
ただじっと見ていた
幸せとは何かと
問う自分と
幸せに形はないと
思う自分と
その人が幸せであって欲しいと
願う自分と
早く夜よ明けてくれて
胸が窮屈になる自分と
今、あなたは幸せなのですか?
と
夜になると尋ねたくなるのです。
ゆっくりと 静かに 並木道を歩いていると
道の 向こうから 木々の間から
おおきな青い空の 向こうから 流れる白い雲の 間から
時間と 空間の 隙間から
時間と空間の声が 聞こえてくる
静かに かそけく 聞こえてくる
それは 秋の 気配というものでしょうか
いいえ そうでは ありません
公園では 木々が たくさんあって
紅葉していて 秋の気配 は あるけれど
時間と 空間の 隙間から
聞こえてくる
時間と 空間の 声は
聞こえて きません
時間と 空間の 声が
聞こえて くるのは
あの 並木道 だけです
私が 並木道で 立ち止まると
時間が 止まり 空間が 止まります
驚いて 見上げると
緑色に光る だいだいの実が 成(な)っている
美しい 樹が 立っていて
私は 息を 呑んで います
世界は 美しく 立ち止まって います
私が また 歩き出すと
時間と 空間は ゆっくりと
また 動き始めます
私は 時間と 空間の この声を
もっと 昔から 知っていたのかも
知れません
いいや やっぱり そうでは
ありません
時間と 空間の 声は
静かに ゆっくり 世界の中を
歩いて いる ときしか 聞こえないのです
いまになって 時間と 空間が
たくさん 豊富に あるので
私が 美しいと思う世界のなかで
静かに ゆっくり 歩き始めたので
時間と 空間の 声が
聞こえるように なったのです
私は 時間と 空間の かそけさの声を
美しい 世界の なかの 並木道を
静かに ゆっくりと 歩きながら
楽しんで います
僕の住むこの高層マンションには
市井の人々の生活が
ぎゅうぎゅうに詰められている
それにしてはあまりに静かだ
このマンションでは
市井の人々の想いが
膨らんでいるはず
その想いは気配をもって
夜の静寂に溶け込んでいる
夜 ベランダのカーテンを開けると
いたずら小僧が駐車場で
遊びまわってはいないかと
僕は眼光を光らせる
「いや、誰もいない」
ベランダに出て
風のかたちを見るために
わざとタバコの煙を吹かした
ようやく姿なきものが
そのかたちを表した
誰も干渉し合わない
このマンションでは
様々な想いが今も
音なき音をたてて
渦巻いているはず
ここにも
そこにも
あそこにも
どこにも
僕はいない
昨日にも
今日にも
明日にも
いつにも
僕はいない
どの空間、時間にも
僕はまだ
存在できてはいない