下津井電鉄の廃線跡を歩く。鷲羽山あたりは何度も歩いたが、今日は住宅地の中を歩く。沿線の家々の庭の延長のような小道だ。枯芙蓉・草紅葉・梔子の実・鉄線の帰り花も♪
句友の娘さんが古民家カフェを始めているので、歩き疲れたころ寄る。正座が好きなので、庭を向く席、和裁のへら台に座る。ものすごく落ち着く。<エチオピアジマG1>という豆、生まれて初めて味わう香り高さがあった。スペインのチーズケーキもこんがり焦げていて、それなのに軽やかな風味。カフェを始めたものだから、弓道の練習に行けていないと、日課として通っている夫にぼやいておられた。「弓道はしばらく置いておいて、よろしかったら倉敷の句会へどうぞ」と、お吟が誘うと、「私は一度も誘ってくれないのに、いきなり娘?」と句友(笑)。
横顔のさみしきに似て返り花 檜紀代
ぴのこさん、素晴らしき隠れ達人でしょう♪
今日は倉敷の茶房にてお針の会。長老さんをお迎えに行くと、庭の炉開き椿と冬菊を手折ってくれた。花瓶ではなく、煎茶に使う湯こぼしにホイと炉開き椿(茶の花ほどの小ささ)の一枝を入れておしまい。あまりにも決まっているので感心する。
ランチは、そうめん瓜の甘酢和え・里芋団子のこんがり炒めのえのき添え・ぎんなんご飯・冬瓜と鶏肉とはるさめのうしお汁。涙が出るほどありがたい旬のものたちよ。
夫のシャツの衿の擦り切れたところを、久留米絣の端切れで覆った。これであと5年は着られるだろう。こんなシャツが数枚ある。本人はとても気に入っている(笑)。
うつし世の冬瓜を煮て透きとほる 辻美奈子
小筆遊びの後、40年ぶりにつきあいの再会したW宅へ、ランチ仲間をお連れする。家の前は、冬田が広がっている。大ぶりの枝をざっくり活けるのがうまいW、床の間の大壺に、常緑の馬酔木の大枝をたっぷりと入れ、裾に柿の実のひとつだけついた小枝をのぞかせている。テーブルセッティングはプロ級なので、シンプルで清々しい。
つくね・コロッケ・冬野菜の素揚げ・鯖の和え物・縦長ガラスコップには、お洒落な味のサラダ・薔薇の形の千枚漬、、、は料理好きさんの仕業。この後、蕎麦打ち名人が、茨木の蕎麦粉での打ちたての笊蕎麦、胡桃だれと醤油だれを出してくれる。糖尿病の、小筆の師匠と我らがお茶人はお代わりをする(笑)。最後は、パティシエによる、これを食べたら他のスイーツが食べられなくなる、グラス入り凝ったシフォンケーキ。
この三名人は、近々お店を出したいので、試行錯誤しているそう。だからなるべく、いろんな方を連れて来てあげたい。ほとんど病気のお吟は、今日も即吟して小筆の師匠に染筆してもらって、俳画を押し売りして帰った♪
一茶忌の蕎麦を雀のごとく食ふ 青柳志解樹
金蠅銀蠅瑠璃蠅をさそって王子ヶ岳の山頂を散策。雑木紅葉がとても美しい。地元の人しか歩かない、海を真下に見る巨石だらけの小道の、さらに海へ突き出た巨石沿いに案内すると、お吟もびっくり。岩に丸太を渡したり、日除けをぶらさげたりして、風狂人が酌み交わしながら句会でもしそうな空間が出来ている。見ちゃったぞ(笑)。
充分歩いたので、レストハウスで、悪くないと聞いていたカレーを注文。このレストハウス、民営化されてから、誰かがオープンしてはすぐに撤退、、、を繰り返していたので、期待していなかったが、本格インドカレーだったので二度目のびっくり。店主の男性も、インドで修業してきたような、髪をうしろで束ね、ほっそりすっきりした風貌だった。
鹿肉でありしカレーや避寒宿 榎本 享
和裁の集まりの日。二十代の茶道好きさんから頼まれていた羽織が仕立てあがった。洗い張りの訪問着を、バランスを見ながら羽織に仕立て直したもの。170㎝の長身さんなので、ゆきはいっぱいいっぱいだが、はんなりと可愛らしい。
羽織紐も共布で作ってほしいと頼まれたので、銀蠅にお願いする。花柄部分を使って、房も横糸を抜いて(指先が荒れたとやかましい(笑))こさえてくれた。やかんに湯気を立てて、房をきれいに整えてもくれた。羽織の乳に通す部分は、絹の穴糸を鎖に編んで縫いつけたらうまくいったようだ。器用で頼もしい人だ。
顔見世に行く羽織とて縫ひ急ぐ 岩本 千代
