長い間貸してあげていた句集など三冊を返してくれるというので、句友宅を訪れる。いつも通りリビングに案内してくれるのかと思っていたら、庭の向こうの離れへどうぞと。あれぇ~離れがカフェになっていた。去年来たとき、娘さんが珈琲の淹れ方をじっくり教えてくれたのは、なるほど、伏線敷いてくれていたんだ♪
句友は、野の花を活けることと掃除が仕事だそう。雑草好きのお吟にはたまらない。しかも、縁側席の机は、お母さんの遺品の和裁用のへら台ときている。横には家業で使っていた工業用ミシンがどんと置かれ、母を思い出すではないか(笑)。
いまのところ土曜日だけの営業。うーん、常連になりそう。。。
ラスカルさん、カフェを始めた娘さんは、お貸ししていた、『シーグラス』を繰り返し読んでいたそうで、ついには、俳句も始めたそうです。
黄落やパン屋に焼きたて時刻表 ラスカル
早朝6時半に和裁仲間が集合できたうえにお天気も今日だけいいみたいで、ラッキーだった。小豆島は海と山がとても美しかった。食べ物に限って記すれば、、、
朝食代わりの生そうめんの腰の強さが素晴らしかった。醤油づくりの盛んな小豆島だけに、つけ汁も味が深い。狭い路地の先の先に店があるので、運転の男前の銀蠅がいなけりゃとても行けていない。道の駅では、しょうゆ豆の羊羹とオリーブのグラッセを買う。
遅い昼食は、酒蔵カフェにて、「杜氏のまかない飯」を注文。粕汁、鯛の南蛮漬け、奈良漬、胡麻豆腐、新米を昔々は佃煮蔵だった木造建築をを愛でながらいただく。若い人たちが、小豆島に途絶えていた造り酒屋を復活させたのだ。お土産に、酒造りの工程で削った後の酒米を余すことなく米粉にしてつくったコッペパンなど買う。「ミモザの香る島」という、白ワインのような清酒も買う。夕飯にさっそく飲んでみた。おなかいっぱいで食べられなくて持ち帰った、酒粕のチーズケーキが合うこと(笑)。
酒蔵に酒米届く鵙日和 根岸善雄
図書館遊びの日。ベートーベンの「月光」を聴いた日、本好きの好々爺からプレゼントされていた、田中優子著『布のちから』朝日新聞出版、を少し読んだ。教育者の田中氏は仕事着が着物。「布」という生き物の感触が好きなのだと言う。
田中氏の机の上には「チャルカ」があるという。チャルカとは、インドの紡ぎ車のこと。このチャルカは折りたたみ式で、ガンディーがインドとヨーロッパを往復する船の中や、旅の途中で使っていたのと同じ型だという。えっ、なんであのインド独立の父、「非暴力」と「不服従」の精神で150年にもわたるイギリスの植民地支配に抵抗しインドの独立を勝ちとったガンディーがチャルカを持って旅したの?
ここは図書館。司書さんに訊ねると、子ども向けの伝記を数冊探して持って来てくれる(笑)。
服ひとつとっても、イギリスの工場でできたものを買っているインド人を憂いて、ガンディーは、みずからチャルカを回してインド製の綿糸を作り、インド綿でできた布をからだに巻いて活動した。旅では三等車に乗り、旅先では糸を紡いだ。チャルカの運動は、病気がちだったガンディーを健康にした。人は時間短縮と大量生産のために産業革命を実現させたが、実際には多くの失業者と病人を出現させた。手仕事が人間の健康回復に与える影響は無視できない、、、、、
↓インド綿のブラウスを持っている。着道楽の人から「袖口が窮屈なので、、、」といただいたもの。お吟はその袖口あたりをばっさり切り落として、七分袖に直して着ている。インド綿ほど薄くてしなやかで涼しい布を、お吟は他に知らない。
サリーの娘蝿追ひながら糸紡ぐ 浦本悦女
友禅染の訪問着をきれいに洗い張りしたものを仕立てている。170㎝の方なので、袖巾に割り(継ぎ足し布)を入れないと裄が出ない。検討したけれど、衿からも縫い代からも、割を捻出することができないので、そのことを伝えると、「下前のおくみを使ってください」と、とてもよく勉強されているお客さんだ。
↓つくった袖を見ると、細かい地模様があるおかげで、継ぎ足しが目立たないのでほっとした。
じゃ、無くなった下前のおくみはどうするのかと言えば、手持ちに、菊の地紋のある黒ちりめんがあったので、それを代用する。お吟の美学(笑)。
猫髭さんは、少しずつ回復されているでしょうか?お得意の料理は出来ていますか?案じております。
掛軸を替へむと菊の風通す 品川鈴子
和裁の集まりの日。大根の間引き菜を抜いてすぐ持って来てくださるSさん。洗って泥を落としてくれている。主婦の鏡のようなSさんは、パーキンソン病で徐々に身体が不自由になるご主人を献身的に介護しておられる。「お忙しいのにすいません、有難いです」と申すと、「畑に出ることは、一番楽しい息抜きなんです」と仰る。
売りに来た豆腐屋さんで買ったがんもどきと炊こう。金蠅銀蠅瑠璃蠅も、じゃこと炒ってふりかけにしようとか、菜飯にしようとか、言いながら帰った。
間髪を容れず燗酒がんもどき 深川正一郎
