互選結果発表
8月句会の結果を発表します。8月のトップはダイアナさんの「広島忌」の句で10点を集めました。続いて尾花さんの「風鈴」の句で7点、にゃんこさんの「原爆忌」の句、アイビーの「端居」の句、弥生さんの「新涼」の句が6点で並びました。以下、5点句には7句が並ぶ激戦でした。
10点句 10 小六の語り部ガイド広島忌 (ダイアナ)
7点句 87 風鈴にふれてにこにこ抱つこの子 (尾花)
6点句 4 サイレンへ風止まる街原爆忌 (にゃんこ)
6点句 42 端居して世の喧騒と距離を置く (アイビー)
6点句 64 新涼や新作パンの並ぶ店 (弥生)
個人別総合ではにゃんこさんが20点でトップでした。
8月度みんなのネット俳句会・清記一覧 特選2点、並選1点で計算。 7・8・14
1 止まらないポテトチップス秋涼し
2 八十路来て良き汗かける幸せを (てつを) 2 ラガー、茶々、
3 迎え火の吠え出す犬と男の子
4 サイレンへ風止まる街原爆忌 (にゃんこ) 6 ◎えっちゃ、◎ちとせ、かをり、アイビ、
5 鷺の首白き紋様青田原 (和談) 2 ◎ヨヨ、
6 しんがりの船鉾雨に悠悠と (尾花) 2 ちとせ、和談、
7 緑蔭へ漢孤独な翳を曳く (ナチーサン)
8 腹当は明日の元気を約束す (コビトカバ) 1 弥生、
9 夫運転私助手席雲の峰
10 小六の語り部ガイド広島忌 (ダイアナ) 10 ふうり、えっちゃ、尾花、ちとせ、コビト、◎ヨシ、森野、茶々、ナチー、
11 好きな夢選べる未来水中花 (ヨシ) 1 玉虫、
12 平幕は元気はつらつ名古屋場所 (ラガーシャツ) 3 ◎ふうり、比延、
13 流星や幾人残る同級生 (玉虫) 2 ちとせ、ABC、
14 鉢植えに灯る夕菅ひと夜花 (森野) 1 みにょ、
15 しかけたりしかけられたり水鉄砲 (ABCヒロ) 1 比延、
16 極暑日に線香燻り香り立つ
17 つかの間の生とも知らで蝉鳴けり (みにょん) 4 ふうり、えっちゃ、茶々、ヨヨ、
18 水の日に記録的雨皮肉かな
19 鶏も卵を産まぬ極暑かな (ふうりん) 2 ちとせ、ヨシ、
20 更衣逢ひたき奴は何処やら
21 青芦の風を呼びたりあひびきし (かをり) 1 えっちゃ、
22 向日葵や凛と老人寄せ付けず (和談) 1 ヨヨ、
23
24 ほおずきやほの口をして吹き鳴らす (弥生) 2 ◎にゃん、
25 夕菅や湖に暮れゆく比良比叡 (てつを) 3 みにょ、森野、比延、
26 向日葵や人と違ふと吸えぬ息 (コビトカバ) 1 玉虫、
27 夕暮れへ秋は密かに紛れ込む (にゃんこ) 5 ◎てつを、森野、和談、弥生、
28 水着着て昭和モダンの砂スキー (アイビー) 1 和談、
29 鉾の輪に噛ませたる梃子木屑とぶ (尾花) 2 ダイア、アイビ、
30 立つ秋や季節は歪み飛来せず
31 暑くなる予感小石に躓けり (ナチーサン) 4 尾花、ヨシ、玉虫、アイビ、
32 闇深き夫の故郷や天の川 (玉虫) 2 ラガー、ダイア、
33 今朝の秋雨は田畑を潤さず
34 夏草は胸の丈までここ空き家 (ABCヒロ) 3 みにょ、てつを、ラガー、
35 運転は夫におまかせ雲の峰
36 夢心地推しコンサート夏の夜 (みにょん) 1 えっちゃ、
37 玄関を出れば秋津の群るる空 (森野) 2 てつを、にやん、
38 熱風浴ぶ木々も疲るる40度 (ヨヨ) 5 ちとせ、◎みにょ、ヨシ、和談、
39 新盆の供物の礼の昔めく (比延) 1 森野、
40 長崎の鐘の復元盆供養 (茶々) 5 ふうり、えっちゃ、ABC、◎ナチー、
41 みんみんやとく眼帯のもどかしさ (かをり) 5 ちとせ、コビト、てつを、ヨシ、にゃん、
42 端居して世の喧騒と距離を置く (アイビー) 6 ダイア、◎ABC、◎比延、弥生、
43 蝉時雨背に一刀浴びにけり (和談) 2 玉虫、ヨヨ、
44 目を剥いて暑いと言ふや仁王像 (尾花) 3 ラガー、和談、比延、
45 今朝の秋ひこうき雲は茜色
46 八月の悼みごころの靴並ぶ (えっちゃんあら) 3 コビト、かをり、ナチー、
47 句集編む時の流れや梅雨湿り
48 炎天や悲鳴を上げる室外機 (てつを) 1 ヨヨ、
49 炎暑果てほっと一息夕日観る
50 無人駅風は青田を渡り来る (にゃんこ) 5 ふうり、みにょ、てつを、森野、比延、
51 炎暑なり荒れに荒れてる名古屋場所 (ラガーシャツ) 1 茶々、
52 寝室に蟷螂全身に寒気
53 老犬の座り込みたる秋暑し
54
55 語り部の白髪三千丈原爆忌
56 このセット取れば優勝蝉時雨 (ヨシ) 2 コビト、ダイア、
57 猛暑日も牌で鍛える古き脳 (みにょん) 3 えっちゃ、尾花、コビト、
58 迷い道して出会いたる花鬱金 (森野) 1 尾花、
59 母と見るプレバト俳句蚊遣香
60 師の病快癒願ひて笹飾る
61 原爆忌さらけ伝えよ世界中
62 踏み上る崩れ石段花は葉に
63 初めての町に既視感百日紅 (アイビー) 4 みにょ、ヨシ、ABC、玉虫、
64 新涼や新作パンの並ぶ店 (弥生) 6 てつを、ラガー、ダイア、◎アイビ、
65 すれ違ひざまに見上ぐる百日紅
66 向日葵は今太陽に挑みたり
67 雨の京都地につくほどに夏柳 (尾花) 3 ◎茶々、玉虫、
68 冷奴何も吸収したくない
69 ペン胼胝の名残かすかに桜桃忌 (てつを) 2 ヨシ、弥生、
70 孫を待つアロハで変身米寿なり (和談) 1 ヨヨ、
71 蚊遣香持ちつつ移動庭仕事
72 夢に入ることもできずに明易し
73 憧れて届かぬ遠さ夏茜 (ヨシ) 3 にゃん、◎玉虫、
74 面痩せの何処に立ちても夕立かな (かをり) 1 ナチー、
75 溜息を繰り返しつつ夜の秋
76 美しく儚きものに揚花火
77
78 森更けてなほ蜩の鳴き止まず (森野) 1 にゃん、
79 みちをしへ遥か先行く父の背ナ (玉虫) 4 ◎尾花、てつを、アイビ、
80 あれこれと歳時記片手に熱帯夜 (みにょん) 1 ラガー、
81 昼日向ビール三昧蝉時雨
82 マスカット一房囲む甘さかな (ふうりん) 3 かをり、茶々、弥生、
83 愛猫も興奮夏の甲子園 (茶々) 1 ABC、
84 手花火のじじと弾けてみな終る (かをり) 2 にゃん、玉虫、
85
86 表札はローマ字表記秋の薔薇 (弥生) 2 かをり、比延、
87 風鈴にふれてにこにこ抱つこの子 (尾花) 7 ちとせ、コビト、ヨシ、茶々、和談、◎弥生、
88 太陽のコロナ閉じ込めスイカ玉 (てつを) 4 コビト、かをり、ナチー、和談、
89 生き過ぎたといふ義父逝きし初の盆 (えっちゃ) 3 みにょ、◎コビト、
90 日を浴びて畑に向日葵凛と立つ
91 なまくらなこの身を嗤へ蝉時雨 (にゃんこ) 4 ◎ラガー、ダイア、ABC、
92 寝室を出たらあちらに蝉王国
93 蛍の点滅闇を争はず (ナチーサン) 2 にゃん、茶々、
94 御所東膳を揃えて生身魂 (ラガーシャツ) 1 かをり、
95 豊漁の鰯クレーンの網開く (ダイアナ) 5 えっちゃ、尾花、ABC、アイビ、弥生、
96 秋簾昭和の会話聞こえそう (ABCヒロ) 2 てつを、ナチー、
97 今の子に貧乏話終戦日 (アイビー) 1 弥生、
98 名は名古屋朝顔とあり江戸の鉢 (森野) 1 ふうり、
99 旅先で席譲られし冷房車
100 盆唄や炭坑節を繰り返し
101 熱波の水桶で伸びてる蛙の子
102 古本の書き込み侘し夜の秋 (比延) 3 ◎森野、アイビ、
103 茄子馬で迎え火求め先祖来る (ヨヨ) 2 ◎和談、
104 ひまわりも俳句も好き麻雀も (みにょん) 1 ラガー、
105 万博リングそぞろ歩めば風涼し (ふうりん) 2 尾花、ダイア、
106 夏場所や光る土俵に巨人舞ふ (和談) 1 ヨヨ、
107 ちはやぶる一生懸命蝉の声 (ラガーシャツ) 1 ふうり、
108 初穂の田雨渇望す地割れかな (ダイアナ) 2 ふうり、みにょ、
109 朝戸開く外に暑熱が横たふる (ちとせ) 2 ◎ダイア、
110
111 やわらかき野に膝をりて今朝の秋 (かをり) 3 尾花、森野、ヨヨ、
112 奪衣婆の乳房あらはに黴の堂 (アイビー) 3 かをり、ABC、ナチー、
113 唖蝉の不意に翔ちたる翅音かな
114 藍浴衣男嫌ひをとほすかな (えっちゃんあら) 5 かをり、にゃん、ナチー、比延、アイビ、
115 雷鳴に居間を離れて長電話
投句者は、ヨヨ、和談、コビトカバ、えっちゃんあら、ラガーシャツ、弥生、にゃんこ、ABCヒロ、尾花、森野、ふうりん、ヨシ、ダイアナ、ちとせ、みにょん、てつを、ナチーサン、アイビー、玉虫、茶々、比延、かをりの22名。
間違いその他不都合をご連絡下さい。
30日の俳句三択クイズ
お遊びの俳句三択クイズです。次の句の伏字のところに当てはまる文言を三つの候補から選んでください。正解は明日の掲示板で。
第1問 五月雨や大河を前に【①】 蕪村
A捨小舟 B家二軒 Ⅽ松並木
第2問 五月雨の降り残してや【②】 芭蕉
A立石寺 B光堂 Ⅽ浮御堂
第3問 大の字に寝て涼しさよ【③】 一茶
A天下取る B嬉しさよ Ⅽ淋しさよ
第4問 負うた子に【④】暑さかな 園女
A髪なぶらるる B尿もらさるる Ⅽ愚図愚図泣かれ
ヒント ①人が住んでるのかな ②純金製 ③一抹の… ④女性ならでは
1- B
2- B
3- C
4- A
これでお願いします。
7月のみんなのネット俳句会は、管理人の白内障の手術と日程が重なるため、中止します。楽しみにしていた方には申し訳ありません。8月句会は8月5日開幕です。奮って投句願います。
6月句会の互選結果の記事のピン留を解除しました。ご覧になりたい方は、no,5695の記事までスクロールしてください。
9 若葉風けふもご機嫌古農機 (てつを) 5
農家の生活の一コマ。農機具に愛情が注がれている。中七の措辞が何とも言えない。擬人法を上手く取り入れている。季語を得て一句が輝いた。
10 解体をぢつと待つ家夕薄暑 (ヨシ)
築何年だろうか。昔の田舎の家は概して丈夫だ。我が家もそうだが築80年過ぎても人を住まわせている。人が住んでいるから持っているとも言えるのだが。この句解体が決まり過去が詰まった家を眺めながら追憶に浸っている作者。季語が切ない。
14 草引くや屈む背中に青時雨 (ヨヨ) 2
中七が全て。この中に性別、年齢等が潜んでいる。青時雨の季語が一句を引き締めている。
67 尺取りや老の脳味噌掻き回す (玉虫) 1
中七下五は思い切った表現だ。ここに至った経緯は語られていないが季語の尺取虫からいろいろ想像できる。老いの胸中は他人の忖度を許さない。尺取りに訊くしかない。
69 推敲の末は昼寝の大鼾 (水尾) 6
推敲に推敲を重ねたのだろう。大鼾からきっと満足を得られたのだろう。いい夢を見ているかも。
86 蛇口からじゃかじゃか水が立夏かな (ちとせ) 1
中七がユーモアたっぷり。じゃかじゃかは擬音ともとれるが作者の心の動きだろう。
87 夏旅や卓球台は洒落た黒 (コビトカバ) 1
昔から家族で卓球に親しんだ我が家、私にとって卓球台は特別な存在だ。黄色のピンポン玉の出現に驚いた記憶がある。台も折り畳み式になり扱いやすくなった。ただ台の黒色と外枠の白は変わらない。旅先で卓球に興じている家族。作者のこだわりはここでも卓球台、洒落た黒とは言いえて妙。言われてみると確かに、納得。
90 緑蔭や洪鐘(おおがね)までのをとこ坂 (尾花) 3
洪鐘(おおがね)の所在は関知しないが恐らく古刹の鐘だろう。ミソは下七のをとこ坂だ。少なくとも平坦なはずがない。老境の身には試練だ。目的に向かっての挑戦が続く。緑蔭が雰囲気を和らげてくれる。なお、をとこ坂と「を」を使ったのは旧仮名遣いに徹したからか。
82 いきさつを聞かむ古茶の葉開きけり (にゃんこ) 6
選句鑑賞に抜けてしまいました。古茶が夏の季語とは知りませんでした。この季語が「いきさつを聞かむ」の日常生活に関わりを持った時詩が生まれました。上五、中七の絶妙な措辞と座五の受け止め、人間関係を自然な形でさらりと表現した佳句と思います。
48 梅雨入りやダメライフなもレットイットビー
この句無点句ですが中七、下五の意味が皆目わかりません。多分外国語と思われますが作者のコメントを頂ければ幸いです。
ナチーサン様
蚊遣火や老いを受け入れ然を生く
の句の鑑賞ありがとうございました この句はご指摘の通り下五の表現にとても悩みました 老いを自然に、なすがままに受け入れていこうという気持ちをどんな言葉で表現したらよいのか、自分の気持ちにぴったりな言葉は字余りになったり字足らずになったりで辞書を引きながら随分推敲しました 自然を 然 という言葉一文字で表現するのにかなりの葛藤がありました 今もってこの言葉で良かったのかどうか悩むところです そんな中特選に選んでいただいたこと、飛び上がるほど嬉しかったです
空梅雨や己が道ゆく三男坊
の句の鑑賞もうれしいです この句は季語の空梅雨が果たして詠み人にどのようにとらえられるのかなあという不安でいっぱいでした ユーモラスな雰囲気でとらえていただいたこと、この季語にして良かったと安堵した次第です ありがとうございました
8 うつ病のうつ捨てるため山登る
「そこに山があるから」とは 「何故山に登るか」に対するある登山家の答え。作者は「鬱捨てるため」と言っているがそこまで深刻でなくとも「憂さ晴らし」でも。いずれにしても自然に接して命の洗濯をすることは現代人に必要なことだ。
29 若竹や母国知らずにパンダの子
パンダは中国との友好の証といて19722年カンカン、ランランが上野動物園へ 、我が国にパンダブームを巻き起こした。
爾来何組かのパンダが来日し子どもも生まれたが現存するのは和歌山県白浜の4頭と上野動物園の2頭のみ。ところがパンダは貸与性で
時期が来れば返還しなくてはならない。白浜のアドベンチャーワールドのパンダにつづき上野動物園の2頭も来年2月が期限。我が国からパンダが居なくなるそうだ。中国は国策としてパンダ外交を推進しており各国にパンダを貸与、貸出料は1億円を超えることもあるという。この句帰国寸前のパンダのことを詠んでいる。母国を知らないパンダの子。何とも劇的な。季語がよく効いていると思う。帰国するパンダに幸あれ!
41 薔薇園の少女も婆もプリンセス
この句中七が絶妙。薔薇園に溶け込んで入る少女と老婆、正に主役プリンセスです。婆はひょっとして作者。
51 クレマチス咲いて老舗の若女将
クレマチスは鉄線花。六弁の大花を咲かせる中国渡来のつる性の花木。八弁のをかざぐるまというとある。老舗の若女将そのものである。季語が活かされて引き締まった句になった。
56 畦道は暮らしの道よ行々子
ヨシキリの生息する環境、周りは田園地帯、通常の道路はあるのだろうが日常生活は畦道が便利。畦道は四季折々の生活の息吹に満ちているのであろう。時は初夏、季語が一句を引き締めている。
62 蚊遣火や老いを受け入れ然を生く
特選に戴いたが「然」で戸惑った。辞書に「そのまま」とあった。「そのとおり」「そうだ」とも。読み直しているうちに「蚊遣火」が動き出した。気が付いたら◎印を付けていた。
9 若葉風けふもご機嫌古農機
農家の生活の一コマ。農機具に愛情が注がれている。中七の措辞が何とも言えない。擬人法を上手く取り入れている。季語を得て一句が輝いた。
14 草引くや屈む背中に青時雨
中七が全て。この中に性別、年齢等が潜んでいる。青時雨の季語が一句を引き締めている。佳句と思う。
67 尺取りや老の脳味噌掻き回す
中七下五は思い切った表現だ。ここに至った経緯は語られていないが季語の尺取虫からいろいろ想像できる。老いの胸中は他人の忖度を許さない。尺取りに訊くしかない。
69 推敲の末は昼寝の大鼾
推敲に推敲を重ねたのだろう。大鼾からきっと満足を得られたのだろう。いい夢を見ているのかもしれない。
86 蛇口からじゃかじゃか水が立夏かな
中七がユーモアたっぷり。じゃかじゃかは擬音ともとれるが作者の心の動きだろう。季語が一句を引き締めている。
87 夏旅や卓球台は洒落た黒
昔から家族で卓球に親しんだ我が家、私にとって卓球台は特別な存在だ。黄色のピンポン玉の出現に驚いた記憶がある。卓球台も折り畳み式になり扱いやすくなった。ただ台の黒いろと外枠の白は変わらない。旅先で卓球に興じている家族。作者のこだわりはここでも卓球台、洒落た黒とは言いえて妙。言われてみると確かに、
納得。
90 緑蔭や洪鐘(おおがね)までのをとこ坂
洪鐘(おおがね)の所在は関知しないが恐らく古刹の鐘だろう。ミソは下七のをとこ坂だ。少なくとも平坦なはずがない。老境の身には試練だ。目的に向かっての挑戦が続く。緑蔭が雰囲気を和らげてくれる。なお、をとこ坂と「を」を使ったのは旧仮名遣いに徹したからか。口語、文語体交じりの句が多い中見習うべき作句姿勢。
選句作品に40が抜けていました。
40 空梅雨や己が道行く三男坊 (圓人) 2
三男坊の気楽さ、空梅雨ですか。何となくユーモラスな雰囲気がぴったりですね。最近は三男坊でなくても我が道を行く時代。
未婚の子供に悩まされている親御さんの気苦労は如何に?
★なお、9.19,67.69.86.87.90は選句候補作品でした。
訂正
29・・・19722⇒1972
貸与性⇒貸与制
白内障の手術のスケジュールの許す範囲で「俳句三択クイズ」を行いたいと思いますが、ナチーサンさんの俳句鑑賞がまだですので待っています。催促がましくて申し訳ありません。
アイビーの俳句鑑賞 その4
今月も点が入らなかったが、見るべき句が沢山あった。ではどこをどうしたら良かったのか、一緒に考えてみたい。皆さんのお考えを、是非ともお聞かせください。
半夏生最後尾っに来て米を待つ
消し忘れと思われる表記があり、そのまま投句してしまったのが惜しまれる。正しくは「半夏生最後尾に来て米を待つ」となる筈だったか。折角なので少し語順を入れ替えてみたい。「最後尾に待って米買う半夏生」
病む父や遠くでニュース梅雨入りと
梅雨入りが北上して、当地の梅雨入りも間近だ。病身の父親にとって一番いやな季節だ。この句の中七「遠くでニュース」が、少しまだるっこい気がする。一案として「梅雨近し病の父を案じつつ」としてみたがどうだろう。
不機嫌な空地上には梅雨茸
じめじめと鬱陶しい空模様。不気味と言えば不気味な梅雨茸。この句が何故無点句となったのか。もののはずみとしか言いようがないが、強いて言えばもっと、おどろおどろさ、妖しさを前面にだすとか…。
ザーザーと洗車する夫半ズボン
「ザーザー」とオノマトペを駆使し、季語に半ズボンを持ってきた。狙いは分かるが、結果としてやや消化不良というところか。一つのアイデアに拘泥することなく、また別の方向で挑戦して欲しい。同じ材料を使って「洗車する夫の額に玉の汗」。
ひと月の健診終へて早苗道
「ひと月」ということは、検診が1か月に及んだということだろう。その間、不安な気持ちを抱えていたが、「やれやれ終わった」気持ち前面に出るようにしてみてはどうか。ただ、座五が「早苗道」だと、帰り道の描写にとどまってしまう。むしろ二句一章にした方がこの句には合っているような気がする。一案として「ひと月に及ぶ健診花ざくろ」。
山登る三度もこけてこりゃいかん
多趣味な作者は登山も好きだ。ただ表現の仕方が荒っぽすぎると思うのだが。「二度三度転ぶを自戒登山道」。ちょっと説教臭いかな。
同志寄り閉ざす旧会梅雨走り
同年とか同好者の集まりも、高齢化でだんだん運営が困難になってきた。そのあたりの消息を句にしたものか。どういう会なのかを説明するに、細部に拘り過ぎて、却って分かりにくくしてしまった感がある。ここはザクっとした表現「存続のための相談走り梅雨」ぐらいでどうか。
五月雨に軒下で丸く猫も待つ
梅雨だから猫が無聊にしているというのは、少しやり過ぎと思う。話にリアリティが無くなるから。対処法として上五に切れを入れ、二句一章のスタイルにしてはどうか。「五月雨や猫軒下に丸くなり」
短夜の夢の数々ただ悲し
どんな夢だったのかを説明する必要はないが、読者に判断材料がないから、「ただ悲し」と言われても共感できなかったのだろう。「短夜の悲しき夢は終はりたり」
シルバーのアクセ選べば夏来る
アクセはアクセサリーを縮めた言い方だろうが、若い人はともかく、あまり一般的ではない。字数の関係からやむなくの措置と思うが、ほかに言い換えが出来なかったか。「純銀のブローチ選び夏来る」
糖尿のぎりぎりライン走り梅雨
糖尿の患者も、その予備軍もおびただしい数に上る。きっと会社の定期健診で、糖尿病まではいかないが、その可能性がある数値が出たのであろう。私も身につまされるが、当人よりも奥さんがまず騒ぎ出す。とばっちりで晩酌の数が減らされ、炭水化物の摂取が厳しく制限される。無点句となったが、内容的にはよくわかる。
川に沿ひ沢蟹崖を上り下り
夏の風物詩・沢蟹をうまくまとめたが、やや平板な印象は拭えない。状況説明に言葉を費やし過ぎてしまったような気がする.上五の「川に沿ひ」は無くても良いのでは。「沢蟹の崖を上りてまた下がる」
アイビーの俳句鑑賞・完
ちとせさんへ
あくまで一案とし「こういう方法もある」と申し上げたので、その通りにすることは全くありません。アイビー案と考えて下さい。
アイビーさんへ
ザーザーと洗車する夫半ズボン
取りあげて頂き有難う御座います
私自身もしっくりいかないなと。
半ズボンでザーザーと水を流している様、夏だなーと。
洗車する夫の額に玉の汗
とてもいいふうに直してくださり有難う御座います。私もあの時を思い出して再度推敲
洗車する夫びしょびしょの半ズボン
同じ穴のむじなかな😁
アイビーさん山登るの句鑑賞ありがとうございます。
私も少々荒っぽいかなと思いましたが6月2日に山登りをして
現実の自分を詠んでみたくて投稿しました。
体力の衰えを感じた一日でした。もう少し工夫して作句する
必要がありましたねありがとうございました!
コビトカバさん、ダイアナさん、えっちゃんあらさん、早速にリプライありがとうございます。
若い人は言葉を縮めて言うのがトレンドのようです。「ミスド」が「ミスタードーナツ」、「スタバ」が「スターバックス」ぐらいなら私でも分かりますが、「アクセ」が「アクセサリー」となるとお手上げです。
アイビーさん。最後尾に待って米買う半夏生。鑑賞と添削ありがとうございます。どうしても米と半夏生を詠みたかったのですが推敲は大事ですね。アイビーさん来月はゆっくり休養されてまたネット俳句でお会いできるの待ってます
アイビーさん、
ひと月の健診~と句、鑑賞ありがとうございます❗️
表現が足りませんでしたね😅
赤ん坊の1ヶ月健診の句だったのです。
ひと月の嬰の健診早苗道
これで伝わりますかね❓️🤔
問題なくすくすくと育っている事を早苗道で表したかったのです。
アイビーさんへ
シルバーのアクセの句、鑑賞ありがとうございます!
アクセサリーって長くて言わないんですよね。実際アクセって言っちゃうのでそのまま使いました。
しかし多くの人に伝わらなければならないので、そこもしっかり考えないとなと思いました!
ありがとうございました^o^