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互選結果発表

12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表
12月句会のトップは10点を集めたダイアナさんの「冬うらら」の句でした。次いであんのんさんの「除夜の鐘」の句で、1点差の9点でした。以下、ABCヒロさんの「寒紅」の句が7点、弥生さんの「十二月」の句が6点と続きました。
10点句 42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ)
 9点句  5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん)
 7点句 52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ)
 6点句 19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生)
個人別総合では、ダイアナさんが16点でトップでした。

12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表             特選2点、並選1点で計算。
1 早咲きの山茶花一輪短冊に (みにょん) 2 ◎えっちゃ、
2 よろよろと歩む姿は狂ひ花 
3 畝間では白き肌魅せおでん酒 (和談) 1 ヨヨ、
4 亜米利加は未だ銃社会開戦日 (ABCヒロ) 2 ◎ちとせ、
5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん) 9 ダイア、◎尾花、◎ラガー、◎森野、ふうり、アイビ、
6 片手ずつ手袋外し手を繋ぐ (玉虫) 4 茶々、にゃん、かをり、コビト、
7 冬日射す水飲み台に小鳥の像 
8 初雪や音なく過る鳥の影 (馬渡谷) 2 えっちゃ、アイビ、
9 人は人吾は吾だと冬将軍 (コビトカバ) 2 ラガー、えっちゃ、
10 ほどほどの二年連用日記買ふ (ナチーサン) 4 ◎ヨシ、◎みにょ、
11 雪催ひしいんと生きる村の知恵 (かをり) 2 ダイア、森野、
12 枯草を束ねて結ぶ通学路 (尾花) 2 ナチー、森野、
13 未来とは後のことぞ日記買ふ 
14 大阿蘇の枯れて尾花の風となる (森野) 4 ナチー、馬渡谷、◎にゃん、
15 炬燵中先に籠るや熊よりも (ヨヨ) 1 和談、
16 県境を超えれば一面冬紅葉 (ふうりん) 1 ヨヨ、
17 炬燵猫寄せる寒気に薄目開け (茶々) 1 えっちゃ、
18 蜜柑食べ掌談義始まりぬ (ヨシ) 2 玉虫、かをり、
19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生) 6 ちとせ、馬渡谷、◎ABC、◎コビト、
20 掃いたあと掃いたあとへと落葉かな (アイビー) 5 ちとせ、和談、弥生、ABC、みにょ、
21 冬の朝烏らは鳴き芥を出す 
22 一日を炬燵を出ては戻る猫 (にゃんこ) 1 茶々、
23 ポトフ煮る厨の外は虎落笛 (ダイアナ) 2 尾花、ふうり、
24 電線に音符の響く寒雀 (茶々) 1 ヨヨ、
25 暮れ際のポインセチアの並ぶ店 (みにょん) 1 弥生、
26 しがみつき耐えて残る葉落葉風 
27 寒いよーJapanの家は地獄かな (ラガーシャツ) 1 ふうり、
28 パリパリと音する夜道聖夜ミサ 
29 先生の前いきなりの大くさめ (ABCヒロ) 3 尾花、玉虫、にゃん、
30 白駒の根上がりに苔雪化粧 
31 埋火やあいまいに生くこれよりは (あんのん) 5 ナチー、玉虫、森野、かをり、ヨシ、
32 年の瀬や歌姫昭和の歌を吐く (ナチーサン) 1 和談、
33 陸奥の湯宿初雪にして根雪 (馬渡谷) 1 てつを、
34 当主にて終ふ湯やどの冬構 (かをり) 3 ◎馬渡谷、アイビ、
35 早朝のバス凩と共に待つ (コビトカバ) 1 ダイア、
36 枕木も朽ちて廃線冬ざるる (森野) 5 ◎ダイア、ヨヨ、ABC、アイビ、
37 葉ぼたんや日時計我の腹時計 (尾花) 1 弥生、
38 最後には玉子で〆るおでんかな (ふうりん) 3 弥生、ラガー、ABC、
39 小春日やまたひとり来て畦談義 (てつを) 3 あんの、コビト、みにょ、
40 群と呼ぶ数には満たず鴨の池 (弥生) 2 あんの、にゃん、
41 池鏡もみじ葉映す東山 
42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ)  10 ちとせ、ナチー、◎てつを、◎弥生、ラガー、にゃん、ヨシ、アイビ、
43 コンビニのおでんと言へど侮れず (アイビー) 1 てつを、
44 真夜中に猫の入り来る蒲団かな 
45 雪降ればちちははの声雪積もり  
46 突つつけば海鼠のつそり復元す (アイビー) 4 ちとせ、尾花、玉虫、馬渡谷、
47 貫けずとても虚子には初昔 (ラガーシャツ) 2 ◎かをり、
48 大根の皮は剥かぬと諭されて (玉虫) 1 えっちゃ、
49 苔庭の日暮れ寂しき冬紅葉 (みにょん) 2 ダイア、和談、
50 初冬の夜道へ誘う電飾衣 
51 補助具付け杖つく人や冬日燦 (ちとせ) 2 馬渡谷、アイビ、
52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ) 7 てつを、◎あんの、ラガー、コビト、ヨシ、アイビ、
53 暗闇を燃やす晦日の熱気かな (コビトカバ) 1 みにょ、
54 長生きのめでたきことと言ふ冬日 
55 綿虫や逢うて語るも易からず (かをり) 4 ◎玉虫、あんの、コビト、
56 襖絵の虎の眼や山月忌 (馬渡谷) 2 ◎ナチー、
57 日当たりて鴨一列に堰の上 (てつを) 4 ヨヨ、茶々、かをり、ふうり、
58 屑籠に師走の芥放り込む (ナチーサン) 1 尾花、
59 佇めば風吹き抜ける松手入 (ヨヨ) 3 ◎和談、森野、
60 冬晴の天守見惚るる竜吐水 
61 百均で探すあれこれ年用意 (弥生) 1 ABC、
62 枯蔦や異人屋敷の跡と聞く 
63 電飾の街や二人のクリスマス 
64 着物着て外つ国人も紅葉狩 (ふうりん) 3 茶々、ヨシ、みにょ、
65 寒烏逢引きですか見つめ合ふ 
66 豆炭の埋れて赤き火鉢かな 
67 父の癖思ひだして冬至柚湯 (えっちゃんあら) 1 アイビ、
68 足音に日々の疲れや年詰まる (ヨシ) 2 ◎ふうり、
69 吾子の名の縫い取りありぬ吾の手套 (ダイアナ) 4 てつを、◎茶々、あんの、

*投句者は森野、えっちゃんあら、ラガーシャツ、ABCヒロ、弥生、コビトカバ、馬渡谷、ヨヨ、ちとせ、和談、玉虫、あんのん、ナチーサン、ふうりん、尾花、アイビー、ヨシ、てつを、にゃんこ、みにょん、茶々、ダイアナ、かをりの23名。

*間違い、その他不都合な点をご連絡下さい。

編集・削除(編集済: 2025年12月14日 13:15)

g)4kxyqhへr@

第1問 B
第2問 A
第3問 A
第4問 B

引用して返信編集・削除(未編集)

選句の感想

再訪はひとり秋麗上高地 (尾花さん)
以前この地(上高地)に来た時には、二人もしくはグループだったのでしょう。ひとりに淋しさよりも清清しさを感じるのは、秋麗という季語のせいでしょうか。

秋彼岸木魚の漏るる森の寺 (和談さん)
静かな森の中の小さなお寺の風景がみえてくるようです。

ifといふ別の人生鰯雲 (アイビー)
特選にいただきました。英語を使っていてもそれほど違和感なく読めるのは、if(イフ)といふ、という韻?を踏んだ表記の効果だと思います。季語の「鰯雲」といい、隙のない上手い句と思いました。

モノクロの雨降り止まず破蓮(やれはちす) (ヨシさん)
しずかに冬に向かっていく色のない池の風景を思いました。

菊の香の拡がる雨後の地蔵堂 (弥生さん)
雨後の土の香よりも強い菊の香りに、供花の絶えない地域の人にとても大切にされている地蔵堂を思いました。

包帯のはらりとほどけ剥く林檎 (かをりさん)
剥いている林檎の皮が、包帯がほどけていくように長くなっていく様子を思いました。「包帯のはらりとほどけ」と「剥く」の間に(主語の?)捻れがあることで、何度も読み返してしまいます。

高架下ブルーシートの小屋の秋 (ダイアナさん)
社会詠として読みました。小屋を眺めるだけで何もできない私…間もなく厳しい冬がやってきます。

秋が来てゐる鉱山の百葉箱 (かをりさん)
山の紅葉と百葉箱の白の鮮やかな対比をまず思いました。でも、すでに廃坑になった鉱山なのかもしれません。朽ちかけた百葉箱のくすんだ白に無常観を感じます。

引用して返信編集・削除(編集済: 2025年10月18日 22:12)

かをりさん
廃墟、廃道に行かれるのですね。私はなんだか怖い気がして現地にはとても行けません。かをりさんの「また、そんな句」を楽しみにしています。

ヨシさん
雨に打たれるままの蓮…。「やれはちす」という音の響きも素敵です。

ありがとうございました。

引用して返信編集・削除(未編集)

こんにちは。
にゃんこさん、破蓮の句を採って頂きありがとうございました。雨水を玉に弾く勢いのある時期を過ぎ雨に打たれるままの破れ傘のような蓮にセンチメンタルな気分になり詠みました。

引用して返信編集・削除(未編集)

にゃんこさん、二句も採っていただき、うれしいです。
今月は出句しないつもりでしたので、なおさら。。
包帯の句は、そうです。私は先にくるくる皮を剥いてから四つ割にします。
そこが知らずしらずシンクロしていたようです。
百葉箱の句,私は廃墟、廃道マニアです。特に廃園になったレジャーランドの乗り物、遊具はいいですね。
またそんな句を詠んでみたいです。

引用して返信編集・削除(編集済: 2025年10月26日 14:13)

アイビーさん
掲示板の管理、いつもありがとうございます。
結果発表でアイビーさんの句とわかり、納得です。
これからもよろしくお願いいたします。

弥生さん
野菊はよく香るのですね~。おうかがいしたことで、景の輪郭がより鮮明になりました。ますます弥生さんの句が好きになりました。

尾花さん
コメントを読ませていただいて、季語のすばらしさを感じました。同時に(初心者としては)季語の難しさも…。

引用して返信編集・削除(未編集)

にゃんこさん
秋麗の句の感想をありがとうございました。
〝ひとり″をいれるとどうしても淋しさを感じてしまうので季語に迷いました。
〝秋麗″として清清しさを感じていただき良かったです。

引用して返信編集・削除(未編集)

にゃんこさん、菊の句の感想ありがとうございます。
お地蔵様に野菊がお供えされているのを見かけました。
野菊って儚げですが意外と香りは主張するんですよね。

弥生

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拙句を取り上げていただきありがとうございます。その上、特選の栄に浴し、身の置き場がありません。まあ、あまり掲示板の勧進元がでしゃばると碌なことがありませんので、このぐらいに。

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新王座誕生!!

 将棋王座戦5番勝負第5局は97手で先手番挑戦者伊藤匠九段が勝ち王座を獲得、叡王との二冠となった。この将棋両者秒読みに突入見ごたえのある一番となった。これでタイトル8を藤井6、伊藤2と分け合う形になった。
伊藤叡王はこの王座戦予選で山崎九段、永瀬九段、広瀬九段、羽生九段など実力者を破っての挑戦、今後のタイトル防衛に期待がかかる。
一方藤井は敗れはしたが紙一重、来期はシードされるので返り咲きを期待したい。このことで将棋界に群雄割拠の兆しが・・・いや、まだまだ。

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王座戦明日開幕!

 全棋士と女流棋士4名で行われる将棋王座戦。一次予選、二次予選のトーナメント戦を行い、二次予選を勝ち抜いた棋士とシード棋士の16名によって、挑戦者決定トーナメントを行い挑戦者となった伊藤匠八段。 5番勝負はお互い譲らず2対2に。いよいよ決戦は明日28日山梨県甲府市で行われます。藤井聡太王座が勝って王座を守るか、挑戦者が勝って叡王との2冠となるか。興味が尽きません。明日夕刻には決着がつく予定です。

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伊藤王座誕生
  藤井さんついに負けて伊藤叡王に二冠奪われました!
  二強時代の幕開けですねー若い二人の同年対決たのしみです。

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俳句クイズは明日から

10月句会の互選結果の記事のピン留を解除しました。ご覧になりたい方は、No.6238の記事までスクロールして下さい。

俳句三択クイズは明日、29日から再開します。

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選句鑑賞

16 一葉落つ母の豊かなふくらはぎ (かをり) 1
私のみの選。かをりさんでしたか。上五の季語と下五のふくらはぎの関係に悩みましたが一見離れ過ぎのようで母の豊かなを得て何とも言えない微妙な関係に思えてきました。かをりさんの魔術に惑わされたのかも。付け句がありそうですね。

25 流れ雲満月放つ虹の環(かん) (ダイアナ) 2
下五、環という固い言葉を使っていますがこの場合気になりませんでした。中七から昔の句友に「兎月」改め「吐月」を推薦したことを思い出しました。推薦が少なかったのは上五と虹の関連に原因があるのでは。それとも下五に違和感があったのかも。

31 弓張月ラップの端の消えにけり (コビトカバ) 1
ラップの扱いに何度悩まされたことか。端が一度消えてしまうと透明なラップの端ははなかなか見つからず匙を投げたくなります。弓張り月は弓型の上弦または下弦の月、此処への発想の豊かさに虚を突かれました。脱帽です。

42 ifといふ別の人生鰯雲 (アイビー) 11 ◎ダイア、◎にゃん
正直なところ横文字は余り馴染みませんがこの場合「もしも」と付けたらどうなるか。勝負事でも「たら」、「れば」は付きものですがきっと別の現象がおこるでしょう。それにしても下五の季語が心憎いですね。

61 包帯のはらりとほどけ剥く林檎 (かをり) 3 ◎ナチー、
またまたかおりさんの句を特選に。てっきり女性の句と思っていました。「身近な句材を素直な言葉で表現する」「季語は内容を活かすもので付き過ぎない」モットーにしている私の手本のような句に出会い特選に戴きました。上五に対する季語林檎の斡旋は絶妙と思いました。

69 ウエストン碑美男蔓の真つ赤な実 (尾花) 1
ウエストンは日本を愛し特に上高地を愛した異邦人の登山家で穂高に碑があるようです。130年にわたり近代登山の父として讃えられているとか。この句ウエストンを讃えるとともに中七下五でさらに印象を深めています。写真で見るとなかなかの美男子ですね。
それにしても尾花さん、今回は梓川など穂高の句を詠まれました。再訪とか。他の句もぜひ!

91 僧の手にゼンリンの地図秋彼岸 (アイビー) 6
中七に意表を突かれました。しかも僧の手と。彼岸の法要での一コマでしょうか。ITの時代僧たるものも時代の流れに遅れることは許されません。それにしても僧の手にお経本ならぬゼンリン地図とは。脱帽です。

107 秋うらら縮緬皺の神戸港 (北条) 2
一読縮緬皺に目が行きました。しかも神戸港。縮緬は絹織物で生糸を横糸に使い縮ませた布のことで縮緬雑魚を思いつきます。
いづれにしても神戸港は開かれた商業の港で多くの船舶が犇めいているものと思われます。その光景を俯瞰した作者、時しも秋。
麗かな雲、海鳥も縮緬皺の港をのんびり眺めていることでしょう。楽しい句ですね。

引用して返信編集・削除(未編集)

ナチーさん、二句もそして特選も採っていただいてありがとうございます。
おかげさまで8月に続いて出句5句にすべて点が入りました。
変な前衛にならない程度に、季語と離した句は好きなのです。
あと、私は。女です。しばらく出句、感想も休みます。
九9のと金の忘れ薄紅葉

引用して返信編集・削除(編集済: 2025年10月29日 22:12)

ナチーさん
ウエストン碑美男蔓の真っ赤な実
この句の鑑賞をありがとうございました。 ウエストン碑のことを詠みたいと思った時季語をアレコレ考えました。 美男蔓の赤い実は食べたら甘そうな(食べられません)綺麗な実で好きでしたので季語にしてみたのですが……! 選句して下さってとても嬉しかったです。ありがとうございました。

引用して返信編集・削除(未編集)

弓張月の句を選んで頂きありがとうございます!

ラップの端が一度消えたらなかなか出て来ない事と弓張月の頼りない感じ…私の中でぴったりでした。

感じて頂けて嬉しいです。

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アイビーの俳句鑑賞 その3

アイビーの俳句鑑賞 その3
役満だワクワクマックス秋晴れや (みにょん)
最近、熟年者の間で麻雀がブームだという。多くは地区の公民館等が音頭をとってのことだ。麻雀と言っても、かつてのように、賭麻雀とか煙草の煙が部屋に充満とかの悪い印象は無い。いたって健康的な麻雀なのだ。役満が出そうになった時の、ワクワクする場面を上手く切り取った。ただ、座五に切れ字「や」を使うのは一考を要する。

ついてくる月よひとりは寂しいか (にゃんこ)
月を詠んだ句は多いが、月に語りかけるスタイルは珍しい。俳句表現の限界に挑戦する意気込みは多とすべきだ。往々にしてこの種の句は、内容的に甘くなるので注意を要する。しかし、あくなき挑戦は、この句に関しては成功した。あとは精度を高めていって貰いたいと切に願う。

咳き込まば猫の眼差し憂う秋 (茶々)
激しく咳き込んで、そばにいる猫が驚いた。猫好きな作者には猫までが心配していると思い、その様子を俳句に詠んだのだろう。しかし、猫可愛さのあまり、描写に甘さが出てしまった。座五の「憂う秋」は言い過ぎだろう。これを「秋深む」「暮の秋」ぐらいに留めておけば、読み手の印象もずっと変わる。「咳き込めば猫の飛び退く暮の秋」

整うて卵の如き良夜かな (北条)
ミステリアスな句。中七の「卵の如き」が難解だ。「卵の如き」とは、どういう良夜なのか。生卵か茹卵なのか、そこから分からない。作者は例によって何も説明しないから、読み手の方で想像するより仕方あるまい。難解な句ではあるが、逆に読み手の印象に残る。あとに尾を引く俳句だ。

寝坊の子いちじく捥ぎて登校す (玉虫)
「いちじく捥ぎて」というのが可笑しみを誘う。きっとこの子は遅刻常習犯と睨んだ。寝坊したが、慌てず騒がず悠然と身支度をする、行きがけの駄賃とばかり路傍のいちじくを失敬して、意気揚々と登校する。おおらかな良き時代の子ども像が目に浮かぶようだ。

狛犬を雨叩くなり白芙蓉 (かをり)
「叩く」というからには激しい雨だろう。狛犬、雨、白芙蓉を登場させて、俳句の道具立てが揃った。中で、動きのあるものは激しく叩く「雨」、ほかの二つは動かない。動かないものに動くものを配したことにより、俳句に動きが出た。これが三つとも動いたのではいけない。「静」と「動」の使い方に妙味がある。

以下次号、不定期掲載。

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アイビーさん大変立派な為になるコメントをありがとうございます。
「静」と「動」の使い方、なんだか立派な句に思えてきてしまいました。
激しく降れば降るほど芙蓉の白さが目に染みました。

引用して返信編集・削除(未編集)

北条さん、リプライありがとうございます。読んだ通り解釈すればよいわけですね。文字通「卵のやうな」月が出ている「良夜」と。

引用して返信編集・削除(未編集)

ラガーシャツさんには拾っていただいてありがとうございます。アイビーさんには取り上げていただいてありがとうございます。
整うて卵の如き良夜かな  整うてはお月さんが山の端からきれいに上がって雲も棚引いて木々の影もくっきり、見る方の女房殿も一緒で今日は喧嘩もせずに穏やかに気持ちも整っている。栄養も整っている剥きたてのゆで卵がさらに乗っているようだ。良夜とはお月様のほうが整っているだけではなく見る方もそれなりで合わせて良夜と思っている。悲惨な良夜はない。そんなところでどうでしょう。

引用して返信編集・削除(未編集)

咳き込まば猫の眼差し憂う秋 (茶々)
この句にアイビーさんのコメントを頂きました。有難うございました。全く私は猫ちゃんにのめり込んでいたので、風邪でせき込んだ時、日向で寝そべっていた愛猫が振り向いて私を眺めた。その視線が、、、ぐっときた。この状況を俳句にしょうと思った。
 愛猫は生後まもなく我が家に飛び込んできた。その後は私が専ら面倒をみた。愛猫は私の傍によって来ることが多い。(よく雛鳥が動く風船を親鳥と思い込み風船を追っていく現象を「刷り込み(インプリンチング)現象」と言いますが、この原理に似ているのではないかと思うほどです。)
 ですが、俳句は自分だけが分かっていても駄目ですね。

引用して返信編集・削除(未編集)

おんこの実
一位の木に成ってる実です。
オレンジ色の綺麗な実。美味しいんですよ!
でも他の人が食べているのをあんまり覚えてません。
因みに現在住んでいる町でもおんこの実を見掛けました。
ホント、食いしん坊なんだなーと我ながら呆れます。
一位の木は笏の材料としたので云々。と辞書に有ります。
とにかく美味しい。と思います。

引用して返信編集・削除(未編集)

やっぱり予想通り、玉虫さんご自身の少女時代のことでしたか。自然児だったのですね。「オンコ」なるものを私は知らないのですが、一体何物なんですか。?
ちとせさんの「ズック足袋」も私は知らなかったですね。ま、想像はつきますけど。

引用して返信編集・削除(編集済: 2025年10月21日 16:13)

アイビーさん、無花果の句を取り上げていただきました。
眠い!とにかく眠い!のこの頃は、お腹も直ぐにすいてしまう年頃でした。
最近は小食の我が家ですが、少年少女時代の話です。ギリギリ迄寝てすっ飛んで学校に。
家の庭にも通学路にも食べ物は何かしら有ったのです。よき時代です。
イチジクやら。私はオンコの実。食べた思い出を語らいつつ、句作をしました。

引用して返信編集・削除(未編集)

アイビーさん
鑑賞(というかもうこれは句評ですね)していただき、ありがとうございます。
俳句表現がまだ身についていない私に、俳句表現に挑戦するというような大それたものはありません。
推敲が足らず、川柳のような表現になってしまいました。
俳句はやはり難しい~~

引用して返信編集・削除(未編集)

選句観賞のつづき

7 青蜜柑姉二人抜く成長期  (コビトカバ)
抜くで、身長のことだとわかります。お子さんのことか、御自分のことか。
いずれにせよ青蜜柑がアクセントとなって、思春期の甘酸っぱい思い出も感じられます。

34 黄落や自閉児の持つ竹箒 (ナチーサン)
寂しいような光景ですが、私は美しい黄落に感じ入ってる子供の句とし、ポジティブな句としていただきました。
自閉症のお子さんは気持ちが向けば非常にコツコツとなしとげます。掃き清められた庭も見えてまいります。

39 毒と言ひ薬と言ふも彼岸花  (てつを)
このように詠まれると、彼岸花の毒も薬のように思えてしまうから不思議です。
それだけ花の幽玄な佇まいを句にした異色作。

53 走る事嫌いなんです秋うらら (コビトカバ)
スポーツの秋といわれていますが、わかります、私も走るの苦手ですと大声で叫びたい。
この句を思い出しながらスポーツ観戦です。

80 やんわりとかわす揉めごと秋桜 (弥生)
今年のコスモスは長持ちですね。さて擬人法かとおもいきや、体言止めで切っておられる。
自分を秋桜に投影したのではなく、秋桜を自分に取り込んだのがとてもよかったです。

91 僧の手にゼンリンの地図秋彼岸 (アイビー)
お彼岸のお坊様のまごつきが素敵かつほほえましい。
手にですから、スマホ版でしょうか。分厚いゼンリンの住宅地図が現代に甦りました。

111 独りごと言ひて夜寒の戸を立てる (あんのん)
長居の来客でもありましたでしょうか。夜寒という厳しい季語からそうおもいました。そこが朧の戸とはちがいますもん。
何と言っても「戸を立てる」がいいですね。これで夜寒が引き立った。

引用して返信編集・削除(未編集)

特選句鑑賞

60 寝坊の子いちじくもぎて登校す
なんていい風景でしょうか。皆様にもぽっかりとした寝坊の記憶があるでしょう。絵本にしたいです。
起きてはちょっと恥じ、しかし登校の途中で子供らしさが出たのでしょう。
そんな寝坊の子がとても可愛いのです。こんな子が欲しいw、特選でいただきました。

もう眠いので明日以降に鑑賞文、書きます。

引用して返信編集・削除(未編集)

かをりさんへ
イチジクの句を特選に取って頂きました。
ありがとうございました。
よき時代でした。腹ぺこと対で思い出してしまいます。
あんなに睡眠を取ったのに背は余り伸びませんでした。
寝る子は・・・はどうなってるんでしょうか?
食いしん坊の玉虫は食べ物俳句が好きです。

引用して返信編集・削除(未編集)

アイビーの俳句鑑賞 その4

アイビーの俳句鑑賞 その4
今月も無点句が少なからず出てしまった。中には「この句がどうして無点だったんだろう」と首を傾げるような句もあった。不遇な句としか言いようがない。こうした句も含めて、どこをどう直したらよかったのか考えてみたい。ただし、これはアイビーの独断に基づくものであり、違う意見や見方も当然あるべきだ。「何を見当はずれなことばかり書いているんだ」とのお叱りは覚悟の上である。活発な書き込みを期待してやまない。

秋の朝しゃれたお店のラテアート 
ラテアートに馴染みが無いことが無点の最大の理由。では、どうすれば良かったのかと聞かれても、返答に窮すが。自分の知らないことは、スルーしがちなのは止むを得ない。「爽やかな目覚めのコーヒーラテアート」ぐらいか。

デパートや鮭弁当にまつしぐら 
デパートの北海道フェアの様子を詠んだものか。若干、状況が分かりにくかったかも知れない。しかし、そのことが決定的な瑕疵とも思えないのだが…。

闇の道とぎれとぎれの虫時雨 
「闇の道」が具体的にどの時間帯なのかをはっきりさせたい。「とぎれとぎれの虫時雨」というのが形容矛盾で、ひっきりなしに虫が鳴くのを虫時雨と言う。それと虫の種類を出す方が良いように思う。「早暁の間遠にたたく鉦叩」 

走り過ぐ始発列車や露時雨 
「露時雨」は露が一面、おりている状態で、雨が降ったわけではない。作者の建ち位置が分からない。いっそ、作者自身を始発列車の乗客にしたら面白い。『露時雨始発電車のいま発車』

純真な作風好み水澄めり
季語「水澄む」は、必ずしも川や池と言った水に関係のあるものに使われるとは限らない。むしろ水に関係ない事象に使った方が、俳句に深みが出る。この句のように幅広く使える利点がある。ただ、絵画なのか陶芸なのか、はたまた俳句なのか、ジャンルが不分明なのが難点。「純真な児童の絵画水澄めり」

新米や卵かけにて二膳なり 
上五で切れ字「や」を使い、座五を「なり」と強く切るのはいかがなものか。上五は意味の上からも繋がっており、敢えて切る必要がない。「新米に卵をかけてお替りす」

総裁は突撃ラッパで秋もなし 
初めての女性宰相・高市早苗新首相の誕生で、なにかと話題の多い最近の政界。その政治の世界を早速に詠んだ。座五の「秋もなし」というのは如何なものか。「総裁の突撃ラッパ天高し」

学びとは省みること道をしへ 
「道をしへ」は斑猫の異名で、人が近づくと先に飛び、まるで道案内をするようだということからついた名。
上五と中七で人生の教訓を言っており、座五の「道をしへ」では即きすぎと感じた。ここは思いっきり離して「学びとは省みること小鳥来る」あたりでどうか。

雷鳥や俺を見つめて秋惜しむ 
雷鳥と目と目が合った、こういうことはよくあることだ。上五の切れ字「や」は不要ではないか。「雷鳥と顔見合わせて秋惜しむ」

バス停の友見送るや萩ゆるる 
助詞の使い方に一考を要する。それと「萩ゆるる」も良いが、友との別れる場面を詠んだのだから「零れ萩」はどうであろうか。「バス停に友見送るや零れ萩」

栗剥くや黒きかたまり虫いたり 
表現をできるだけ簡素化し「虫食ひも構はず栗を剥きにけり」

ねこじゃらし空き地でじゃれし夕まぐれ 
「じゃらし」が一句の中に2回出てきて煩わしく感じた。「猫じゃらし」は「えのころ」とも言うから、「ゑのころの戯れをりし夕間暮」

野路菊や誰からとなく始む歌 
野路菊は菊の一種。座五の「始む歌」が窮屈で、字数の関係から止むを得なかったが文法的にも間違っている。語彙を少し工夫してみたい。語順を「野路菊や誰か歌へばみな歌ふ」

露草の挙る瞳に鳥翔てり 
上五で切って二句一章のスタイルにしたい。「露草や眼上げれば鳥翔つて」

アイビーの俳句鑑賞:完

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アイビーさんありがとうございます!
 我が無点句鑑賞添削ありがとうございます。
 やはりご意見いただくとあーそうだなーと
 感心しています勉強足りないですね!

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