Q0370
私たちが勉強すべきお勧めの方法は何でしょうか?嘘やまやかしのないものはありますか?
A0370
前と後ろは全然違うと思うんですけど。とにかく自分から積極的に教材を探さないと勉強ってできないと思う。学校って、向こうから教材が来るし、向こうから授業が飛んできますから、ボーッと座っていても賢くなるんですが、学校を出たら、自分から積極的に教材を探して、自分から勉強しないとしょうがない。どんなものがいいかというのは、わかりません。実際に自分で教科書を探さないとわからない。本屋さんへ行って、それに関係する、自分が勉強したい領域の本を見てみることではないですか。
みんな、与えられたものが本当だと思う癖がある。例えば、新聞とかテレビとかが本当のことを言っていると思い込んでいる。新聞とかテレビとかは、嘘は言いませんけど、ほんとのことも言いません。一応マスコミは、嘘はつかないようにはしている。彼らの最低限の倫理基準で、嘘のニュースを流してはいけません。昔は、「大本営発表」とか言って、ミッドウェー海戦大勝利とか流していた。あれの反省もあって、あんな大嘘はつかないことにしたんですが、かといって、全部本当のことを言っているかというと、それは言ってないので、国会を通った法律の条文を新聞が載せない。インターネットを探しまくって、やっと条文が見つかる。政府が積極的に隠しているわけではない。政府は国会を通した条文を発表する責任がありますから、しますけど、それはとても専門的な場所に乗っかっていて、それについて、専門の法学者や経済学者が解説しているものが、やっと見つかる。こっちが積極的に探すから見つかる。マスコミは積極的に隠している。積極的に隠しているものがいっぱいあります。メタンハイドレートがそうです。書くと、石油資本との関係が具合が悪いからでしょう。中国に莫大な援助をしていることもマスコミは書きません。マスコミと中国との妙な関係が裏にありますから。マスコミはわれわれに嘘は言いませんが、ほんとのことも言いません。ほんとのことを知りたかったら、自分で探しに行かないとしょうがないです。インターネットは玉石混淆です。ものすごく無責任なことを書きますから。良い情報もありますし、悪い情報もあります。インターネットで情報を得たら、裏をとることです。それが本当なのかどうかを、別の場所で確かめられるかどうかを調べることです。ただの噂話か悪意の嘘かがいっぱいありますから。そうやって積極的に情報を探せば、そのうち必ず得られるべきものは得られるでしょう。
後半の、嘘やまやかしのないもの、それはないです。アドラー心理学は、「すべては仮想だ、fictionだ」と言います。全部嘘なんです、何もかも。人間は本当のことを知らない。本当ってだいたい何かわからない。ただ、世のため人のためになる情報とならない情報がある。有益な情報と無益な情報がある。だから、有益な情報を集めたい。ほんとかどうかが問題ではなくて、役に立つか立たないかが問題なんです。われわれが幸福になれるかなれないかが問題なんです。だから、われわれの幸福につながる情報を見つけたい。それが隠されていると思っています。最近隠されたのではない。大昔からずっと隠されている。政治家や大マスコミは、いっぺんも情報を全部公開したことはありません。ただ一生懸命自分で探して見つけ出した人がいる。(回答・野田俊作先生)
8,子夏曰く、小人の過(あやま)つときは必ず文(かざ)る。
子夏が言った。「小人〔つまらない人間〕が過ちを犯したときには、必ず装飾的な言い訳をしてごまかそうとする」。
※浩→「過てば則ち改むるに憚ることなかれ」〔学而篇)や「過ちて改めざす、これを過ちと謂う」(衛霊公篇)に対応します。君子は過ちを認め、これを改めますが、小人は過ちを認めず、隠そうとします。わがアドラー心理学では、過ちを犯したときの責任の取り方は次の3つです。①与えた損害の原状復帰(弁償等)、②再発防止策、③感情を害していたら謝罪(「ごめんなさい」を言う)。「俺は悪くねえ。悪いのはあいつで、俺は被害者だ」というのを“悪いあの人、かわいそうな私”と言います。相手も同じことを言うでしょうからこれでは押し問答が続くだけです。実際に人とのトラブルではこうなっていることが多いです。打開策は、それをやめて「私にできることは何か」を見つけて実行することです。「悪いコロナ、かわいそうな私」だったかもしれません。あのコロナ騒動はどこへ行ったのかと思えるほど、このお正月からコロナは消えたみたいです。でも、スポーツジムへ行くと多くの人がマスクを着用していますし、スーパーマーケットではほとんどの人が着用しています。このおかげでインフルエンザの感染は防げているかもしれません。今年もやはり「すべきこと」をきちんと実行し、「すべきでないことをしない」を励行していきます。
Q0369
アドラー心理学では心理テストは必要ですか?
A0369
必要ありません。心理テストを信じていません。いませんけれども、ライフスタイルを診断する5つの方法の中に心理テストを入れてあります。5つ全部言いますと、「子ども時代の家族関係」「子ども時代の思い出」「夢」「特殊診断質問」「心理テスト」です。
なんで心理テストを入れているかというと、実は、経済的なというか、社会制度上の理由なんです。アメリカやヨーロッパでは、臨床心理士に当たる「クリニカルサイコロジスト」という職種がありますが、それの独占業務が心理テストなんです。クリニカルサイコロジスト以外の例えば精神科医は心理テストやってはいけない。やってはダメどころか、結果を読んでもダメなんです。読むのも全部クリニカルサイコロジストの独占業務で、全部お願いしてやってもらわないといけない。日本でもそうしたほうがいい。日本には残念なことに、“そういう”臨床心理士の資格がありません。なんでないかというと、臨床心理士会が「相談を独占業務にする」と言ったからです。相談を独占業務にされたらみんな困ります。医者も弁護士も看護師も相談業務です。ケースワーカーもそうですし、化粧品売り場のおねえさんもそうです。相談を業務としている人はゴマンといる。それを心理職だけの独占業務にするなんて、有名無実で絶対に不可能な法律です。そんなバカなことはないので、みんな反対しました。いろいろ調整してやっと法律が国会にあがったときに、郵政改革が起こりました。小泉郵政改革です。で、そんなのはぶっ飛んで、郵政会社ができて、その法律は夢と消えました。今またちょうどあがっている。臨床心理士に関する法律があがっているんですが、これも飛びますね。消費税値上げで。なんでこんなにタイミング悪く国会へあがるんでしょう。まあ、仏様のおはからいなんでしょうね。次にあげるのに、10年くらいかかりますね。国会は法律目白押しなんです。ものすごい量の新しい法律があがる。世の中がどんどん変わっていくから。臨床心理士みたいなヒマなものに関わっている暇がない。ずっと順番待ちして、やっと順番が来ましたというところで、運が良ければ通る、運が悪ければ通らない。今回も運が悪かった。
西洋でアドラー心理学を講習するとき、心理テストを入れておかないと臨床心理の人たちが来ないんです。入れておきますけれど、誰も信じていません。心理テストというものは当たらないと思います。少なくともライフスタイル分析以外の方法で精密に人間の性格がわかるものじゃないと思っています。ま、そんなことを言ってはいけませんね。心理テストを信じていてもらわないと臨床心理さんが困ります。保険点数も一応請求しますから、信じておいてください。(回答・野田俊作先生)
7,子夏曰わく、百工(ひゃっこう)は肆(しorみせ)に居て以てその事を成す。君子、学びて以てその道を致す。
子夏が言った。「職人は店に居て、その仕事を完成させる。君子は学問を行って、道を究極的に窮める」。
※浩→社会に必要な道具・商品を製作する職人は「労働者階級」として店で働かなければならないが、国家の政治に携わる君子は「知識人階級(読書人階級」として学問の道を誠実に修めていかなければならない。孔子の孫弟子のころになると、知識階級つまり「士」の身分が確定してきたことを反映していると、貝塚先生。吉川先生は、もう少し詳しく、いくつかの説を述べられます。先生は、多様な道具もしくは多様な製品があればこそ商売ができるように、君子も学問をし多様な実証を知ればこそ、道徳の生活を完成できる、と解釈されました。朱子は、職人は店にいなければ他のことに心を奪われて仕事に精が出ない。そのように君子も学問しなければダメになる、と解釈。伊藤仁斎は、百工には百工の仕事、君子には君子の仕事と、江戸時代のヒエラルキーを反映した解釈をしています。今の時代に読むと、どことなく「ホワイトカラー」重視で、「ブルーカラー」軽視のようにも受け取れます。古代ギリシャで、生産には奴隷がたずさわり、貴族の最高の生活が「観想的生活」だったのとは雰囲気が違うように感じられるのは、私が東洋人で、東洋贔屓のためかもしれません。そういえば、もと清心女子大学理事長の渡辺和子先生は、「置かれた場所で花を咲かせなさい」とおっしゃっていました。アドラーは、「重要なことは何を持っているかではなく、与えられたものをいかに使うかということである」と言っています。野田先生も、「ないものについて不満を言ってもしょうがない」とアドラーと同じことをおっしゃいました。アドラー心理学をきちんと学ぶために大事なことは「読・思・修」の3つです。書物や講義で学び、自分で考え、そして実践する。令和6年のお正月を迎えて、今年もこのことを忘れず精進していく一念です。
Q0368
大人の裁判では心理テストをしませんが、どうして少年鑑別所や児童相談所では心理テストをするんですか?
A0368
あれは刑罰じゃないからです。少年鑑別所とか少年院とか児童相談所とかは、刑法ではなく少年法の取り扱いです。少年法は犯罪に対して刑罰を与えるという考え方をしていなくて、非行に対して矯正をする、教育をしようとしている。非行した子どもというのは、普通の学校の教育では社会人として育てられないから、普通の教育じゃない特別のその子たち用の教育システムを作って、そこへ乗せようとしている。だから、「行為」の問題としてではなく「性格」の問題として捉える。性格の矯正を少年院とか少年鑑別所でやろうとしている。だから、カウンセラーがいてバリバリの心理の専門家がいっぱいいる。刑務所と少年院とは性質が全然違う。
学校の先生は、「少年法」の入門書を読んでおいたほうがいい。意外とみんな知らない。少年院は刑務所の子ども版だと思っている。日本は刑務所もわりと教育刑で、職業訓練をしたりして、社会に出て仕事につけるようにという刑罰です。意味のない重労働刑ではなくて、教育刑にしている。少年院は教育する場所だと、はっきり捉えられている。(回答・野田俊作先生)