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http://www2.oninet.ne.jp/kaidaiji/dai1keiji-11-3.html
Q0294
アメリカにおけるアドラー心理学の発展はどのように行われたのですか?アメリカの心理学会でどのような地位にありますか?
A0294
アメリカの心理学会の中では無視されています。日本でもそうです。ドイツは学問の世界の中で無視されないでおこうという方向で動いたので無視されていないが、その代わりに莫大な量の妥協をしました。
日本アドラー心理学会はいわゆる学術会議に入れないんです。心理学や医学を専攻した大学卒業生の集会ではないから、学会じゃないんです。普通のおじさんやおばさんが入っているから。その普通のおじさんやおばんを全部退会処分にして、大学卒だけで固めると学術会議と認めてくれる。それをやりたくない。アメリカもイギリスもそうです。そのため、学問の世界からは完全に無視される。そこの選択は、アメリカのアドラー心理学の歴史は長いから、たくさんの論争もあり葛藤もあり憎しみ合いもあり罵り合いもあって決まってきた。最終的に見るとね。
日本のアドラー心理学会とアメリカのアドラー心理学は全然体質が違う。日本のアドラー心理学会は、地域の活動グループの積み上げからできた学会で、徳島も福岡もそこからアドラー心理学会にルートが通じている。アメリカにはそんな地域の活動を重視する雰囲気がないから、もっと規制力の弱い方向性のない、ただの連絡議会としてある。あまり参考にならない。あれはアメリカという国の1つの気風ですね。アメリカという国は、アメリカという統一国家として動くよりも、個人の独立や州単位の独立を大事にする国民性だからあんなふうな学会ができたんだと思う。(回答・野田俊作先生)
36,子曰く、仁に当たりては、師にも譲らず。
先生が言われた。「仁徳を行うに当たっては、先生にも遠慮してはならない」。
※浩→吉川先生は、「他の事柄では先生に対して譲歩しても、仁に関しては、先生にさえも譲歩しない」と読まれています。貝塚先生は、上のように読まれます。微妙な違いに思えますが、師弟関係を非常に重く考えたこの時代に、仁徳を実行するには、先生に気兼ねする必要はないというこの提言は、大変重要です。師弟の情義が薄れてしまった現代では、この提言は訴える力が弱いかもしれませんが、孔子が弟子たちがあまりに自分の言うことを「はいはい」と聞いているのに愛想を尽かして、仁に関することなら、もっと反論するほどの元気を出せと鼓舞したのではないかという、貝塚先生の解説に納得しました。
でも、今は亡き恩師・野田先生には、とてもじゃないけど、こういう態度はとれませんでした。ただ1点、先生に背いたことがあります。それは、教師でありながらカウンセラー資格を修得したことです。私が、アドラー心理学の「基礎講座」を受けて、カウンセラーに挑戦したいと言ったら、当初、先生は反対されました。理由は、教師は学校に雇われている身であるため、真に生徒や保護者の「弁護士役」をできないからということでした。それでもしつこく粘って、ついに「カウンセラー養成講座」を受講できて、めでたくカウンセラー資格をいただくことができました。当時は、「特例」だと自認して喜びました。その後、何人かの先生がカウンセラーになられましたから、もしかしたら、私が草分けになったのかもしれません。おかげで、わが相棒K先生もカウンセラーになれました。「養成講座」への参加希望をされたとき、「大森先生に勧められて」とひと言おっしゃったら、即OKだったそうです。おかげで、今日があります。野田先生が亡くなられてから、日本アドラー心理学会との間で何やら不一致があったらしく、総会でも次第に野田先生の話題が消えていっているように感じられます。私の偏見かもしれません。一方、野田先生の会社「アドラーギルド」が解散されたあと、昨年(令和4年)奥様によって「野田俊作顕彰財団」」が設立されて講座や研修会がアドラーギルドの雰囲気を残した形で運営されています。最近、このグループの会員(会友)に加えていただきました。カウンセラー資格は学会でいただいていて、研修会はこちらでと二股かけることになりました。ほんとは2つの団体が対立しないで、共存共栄していってほしいのですが。
Q0293
実の母が最近鬱病になり、一緒に暮らし始めました。今は夜のみ抗鬱剤を飲み、一見普通に見えます。私自身一緒になるのがイヤなのと、気を使うのとで、疲れています。「この人、鬱病だ」と思って接するほうがよいのでしょうか?楽なつきあい方を教えてください。
A0293
一見普通に見えたら鬱病と違うんじゃない。われわれは病気とつきあうわけじゃない。人間とつきあう。だから、病気のことなどお忘れになったほうがいいと思う。特に、心の病気についてみんな偏見を持っている。私は「体の病気だと思ってください」と患者さん本人にも家族にも言っている。腎臓が悪いとか肝臓が悪いと一緒です。お薬飲んで養生すれば治るわけで、精神的に何か問題があるわけじゃないと思っていますから、普通に人間関係の工夫をしてください。(回答・野田俊作先生)