Q
楽しみに来させていただいています。あまり賢くなったように思いませんが、どうにかこれからもやっていこうと思います。先生のご健康とご活躍をお祈りします。(ありがとうございます。極めて健康です。)頭がやりたがることと頭がイヤがることより、体がやりたがることと体がイヤがることに注意することと、前の「オープン(カウンセリング)」で聞いたのですが、どうしたら「カラダさん」のご意見が聞こえてくるのでしょうか?
A
どうしたら聞こえてくるんでしょうね?あることをしようとイメージするじゃないですか。体がこわばったらやりたくないんですよ。体がリラックスしたらやりたいんです。これはアドラーがやり残したんじゃないかと思う。あの人は何度も体のことを書くんですけど、最終的にきちっと整理しないままで死んじゃったと思うんです。姿勢とか筋肉のこわばりとかを注目して研究していたんです。何かしようと思うときの体全体の筋肉の感じ、「やろう!」という感じ、「やらないでおこう」という感じを、そんなに難しくなくわかるように思うんです。
Q
人になめられないような威厳のある話し方はどうしたらできるようになるでしょうか?
A
わからんなあ、そういうことは。私はなめられない話し方をしているのか威厳のある話し方をしているのかわからないけど、話をするときにいくらかの注意はしています。早口になりやすいので、あまり早口にならないでおこうと思っていること。それから、しゃべり方のコツが1個だけあって、それはめったにみんな気がつかないんですけど、これが結構めんどくさいんですよ。ある話をしている。何の話にしましょう。「アドラー心理学というのは、世間の常識とちょっと違うところがあるんですよ。例えば…」と喩え話を1つするんです。「例えばアドラー心理学では目的とか言うでしょう。世間ではみんな原因って言うでしょう。原因ってまあ…」とまた喩え話です。「原因って後ろから叩いて走らせるみたいなこんな感じでしょう」と言うんです。「アドラー心理学では原因の側じゃなくて目的を見まして、目的というのは前のほうにプラスの目標があって、そっちのほうへ行くということなんですよね。こんな考え方って世間の常識と違うでしょ」ってこんなふうにしゃべるんです。ある話題を言っていて、喩え話へ入ったら、「ここで切れたぞ」と出だしを覚えておいて、それから別の喩えに入ったらここでもまた出だしを覚えておいて、そこへ戻って、次の喩えに入ったらまたそこへ戻って、最初のところへ戻るというふうにしてしゃべるのは絶対に心がけているんです。これは私の先生に習ったんです。心理療法の。それをやらなないと話は無限にどこまでも飛んでいくんですよ。どこまでも飛んで行かないためにそういうことをしています。
Q
Are you saying?というのは、いわゆる「明確化」と同じことと思っていいでしょうか?またこれはゲーム的な練習をしたほうがいいでしょうか?
A
Are you saying?というのは、もともとゲームなんです。短い困ったことを言ってもらって、例えば「猫がいてね、毛の長い猫がいるんです。で、困っちゃうんです」と言うと、相手は、その言葉になっていないけどその意味するところがいっぱいあるのを、「それはひょっとしたらこういうことですか?Are you saying?」と訊くんです。「毛が長いから家の中がゴミがいっぱいなんですか?」「はい」で当たり。「ひょっとしてその猫が可愛くないってことですか?」「いいえ、可愛いです」ならはずれで「ブー」。こうして3つ「ピンポーン」をもらうまで当たるまで繰り返すゲームです。特に夫婦間で使うんですけど、夫婦はある言葉を言ったときに、残りのはっきり言葉にしてないことも当然相手に伝わっていると思いがちなんです。それが伝わらないとトラブルのもとになるんです。それも学んでほしいけど、逆に夫婦なんだから「この人がこう言ったときはたぶんこういうことなんだ」という思いやり、推測が当たったほうが楽なんです。少ない言葉でつきあえるから。だから両方の言葉の使い方、「こういうふうに言ったときはこういうことなんだ」とお互いどうしにわからせ合うために使うゲームです。
明けましておめでとうございます。本年も引き続きよろしくお願いいたします。
Q
アドラーネットの過去ログに「見なしの原理」という言葉がありましたが、意味を教えてください。
A
子どもに、「この子は小さいから何にもできないんだ」と思ってそんなふうにつきあうと、何もできないようになるんです。「この子は十分何でもできるんだ」と思ってつきあうと、十分何でもできるんです。「うちの旦那は家事が上手なんだ、きっと」と思ってつきあうと、家事をやってくれるかもしれない。「あの人は絶対身のまわりのことできない」と思ってつきあうとそうなるんです。コミュニケーションが自然に全部そっちの側に行くじゃない。「あんたはどうせ何もできないから代わりにやってあげよう」とか「そんなことなさらなくても私がしますよ」のほうへ行ったり、「あなたほんとに上手ね。すまないわね。私よりもほんとに上手にできるわね」というほうへ意識しないでもなるでしょう。だから「相手がどんな人か」というのを、こっちが先入観として決めたら相手がほんとにそんな人になっていくことを言います。
Q
百貨店のレジで働いています。何と2日に1日は5時間を詰め所で待機する暇な時間があります。(何と美しい職場だろう)。41歳から55歳まで女20人、当然陰口などもあるのですが、私は変に引いていまい、1人で本を読みほとんど輪に入りません。たぶん人間関係でクヨクヨするタイプなので、BかCタイプの自分です。それを考えるとやはり輪に入ったほうがいいのかとも思います。
A
そうなんですか、わかりません。お好きなように。「すべての決断には必ずコストがかかる」と誰かが言いました。輪に入らないと輪に入らないコストがかかって、輪に入ったら輪に入ったコストがかかるんです。だからいつもメリットとデメリット、「これやるといいことと悪いことが起こる」を考えておく。当たるかどうかわからないけど。だから、輪に入らないと輪に入らない良いことと悪いこと、入ったら入ったで良いことと悪いことがあるから、どっちにしょうかなと思ってください。