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編集・削除(編集済: 2023年10月25日 04:10)

紅色のすみれ  上田一眞

柔らかな陽光が零(こぼ)れる
麗らかな春
山あいに咲く
紅色のすみれに会いたくて
滑(なめら)峡*まで足を運んだ

峡谷周りの照葉樹林を
逍遥すると
シイやコナラの若葉が

 しゃらしゃら
 しゃらしゃら と

擦れ囁き 春風が心地よい
小一時間 樹林下を彷徨う
蔦に足を捕られ 藪漕ぎに苦闘して
汗を拭っていると
出会いは突然訪れた

森に佇む
一朶(いちだ)の紅色のすみれ
細い杣道に沿って

 ぽつぽつ と

ひらく 花くれないの群れ
綻びる蕾
葉先まで紅紫に染まり
可憐に咲く小花が愛おしい

そっとすみれの花弁に触れた 
すると私の内部にぞくりと戦慄が奔った
散りどきを悟って咲く花
滅びの美
僅か五日の命なのだ

放散される香りにいざなわれて
一匹のハナバチがやって来た

 ぶんぶん
 ぶんぶん と

孤独な羽音をたてる
魅入られたように飛び廻り
花の虜となった
はぐれ蜂

私も対の蜂となって
花の精の虜となる
紅一点を見つめていると
くれないのすみれは

 そより と

一瞬の風に応えた


日陰を好む紅色のすみれ 
春の懈怠を捨て去り
緩やかな時の流れに逆らって咲き急ぐ
野の花だ






*滑峡(なめらきょう)山口県中央部に位置
 し 国有林で名高い

編集・削除(未編集)

神は細部に宿る 三浦志郎 3/8

フランスの小説家 ギュスターヴ・フローベール
あるいは
ドイツの建築家 ミース・ファン・デル・ローエ

私にとっては 
その言葉を
誰が言ったか などは
実はどうでもいい
不明でもよかった

その言葉のみ
「神は――」
全てを睥睨しつつ
この言葉こそが人を動かし得る
芸術王国の創造点に
舞い下りる
着地を遂げる

私にとっては
ヒントとして
「神は――」
実に
アマチュアリズムと
プロフェッショナルの
分岐点となって現れる

名ある言葉も絵画も音楽も
細やかに押さえつつ
やがて大きな世界へ旅立った
あるいは
大局を鷲づかみして
細部を差配して降ろしていった

どちらも又
神が与え給うた任意であるだろう

一般には
気づかれることは少ない
それこそが分かれ道
一握りの人々が
その部分を追い求め 
発汗(パースピレーション)している
細部への汗は
歴史を刻むであろう産物の中に
確かに流れ込んでいく

編集・削除(未編集)

北の庭には黒猫が歌う 紫陽花

陽の射さぬ北の庭を好むのは
孤独な私とクリスマスローズだけ
世のすべてを呪いながら
この花は私にやさしく語りかける
幸せになれると思った 
あなたを神だと信じていた時は
今宵もそんな声が聞こえた気がした
そんな時 私は庭を想う

月の無い闇夜は本当に寂しい
でもどこか安心感もあり
私は眠れぬ夜に庭を眺める
そこにはただクリスマスローズだけが
白く浮き上がるように咲いている
そしてその花のもとには
いつも痩せた黒猫がいた

痩せた黒猫は白い花びらをちぎる
限りなく透明な雫が流れ
その滴りに唇をつけてすする
黒猫は歌い始める 一晩中 
時折こちらを見ながら
低く低く 時にかすれた声で
ときに白い花びらをちぎり
滴りで喉を濡らす
私はそれをいつもただ見ている

やがて月が昇ってくると
クリスマスローズの白さは闇に溶け
黒猫のいた場所には
ただ黒い土が盛り上がっている

編集・削除(編集済: 2024年03月07日 21:40)

眠れない夜について語ること  荒木章太郎

真夜中に目を覚ますと
決まって最終電車の音が風に吹かれて打ち寄せてくるのだ
頭の中の遥か遠くの片隅でラッパの音が鳴っているのだ
かの軍隊行進曲だ
あの駅前のパチンコ屋から鳴り響く威勢の良い高揚感

死の恐怖を無意識の井戸に沈める
貧しい方へと
若い方へと
弱い方へと
もうへとへとになってしまった

原始的な欲望は雪だるま式の戦車となる
一夜漬けの投資家達は
魅力的な課金制度で
疲れを真っ赤な火の玉に解釈して
雪を溶かして高感度な欲望へといざなう

肉体は猥褻な雑踏を避け朝の公園へと逃れたが
街中の老廃物がアバターとなって集まり
同じ方向を向いてラジオ体操をしているではないか
ならば駅前に行くしかないか

駅前はカンカンとうるさい匂いを放ち
区役所庁舎ビル建設工事が始まっていた
(今何時だと思っているのか)
コンクリートで固められた超自我が
東口と西口の間で佇む古井戸に圧力をかけていた

カンカンと遮断機の目が日の丸の旗
"右・右・左・右・右・右・左・右
全体止まれ ・前へならえ・やすめ
そして考えるな! "

(支配者も陰謀論者も特定の個人ではない)

語れない夢の中では
いつも最終電車に間に合わない
乗れなくもよい
感じて泣いて
吐き出して
考えて良い

どうか戦争をしない
子供達に育ててください
お願いです車掌さん
見上げると彼には頭がなかった
(思考すら音声案内なのか)
夢すらも支配して伏線を回収し
世界中の皆様に承認されたいと思っている
現実には戦争が起こっているというのに
自己愛だけが脳天気に翼擦って歯軋りして歌をうたう

1・2・3・4・1・2・3・4・1・2・3・4
(シアワセハ・アルイテコナイ・ダカラアルイテユクノダネ)
昭和歌謡がサンプリングされループする
汗かきべそかき歩こうよ
前を向いて歩こうよ

体を起こしカタカタと背中まるめて検索を駆使する
鬱蒼とした無力感に感染せぬよう最新の注意を払う

考えて・考えろ・考えろ・考えろ・考えろ・考えろ
もう臍の緒はとうの昔
祖先が大気圏を飛び出した時に断ち切っているのだ
絆という鎖の重さに頼るな
最初から無重力なのだから
空っぽな自己の軽さを恐れるな

考えるだけではだめだ行動しろ
決してたどり着けないと悟りながら
現実に触れる旅に出るのだ
他者と対話するのだ
決して一つにはまとまらないと悟りながら
統合を目指すのだ
どうせ最後は自我は溶けて
黒い闇へと混ざるのだから
なにも始発電車に乗る必要はないが

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「ぼくはこんなに手を振ります」


いいのです
いいのです
こんな私でいいのです
夜に独りで座っているのです
黙狂かもしれないのです
明日はべらべら
しゃべるのでしょうか
いいえ
明日もやはり黙狂なのです
言葉を教えられてないのです
生まれてから
ずっと
教えられれてないのです
黙狂を通すのです
秋の
舞い散る枯れ葉のように
悲しいのです
だけど
泣かないのです
泣けないのです
もう若くないのです
死に絶えるのです
黙狂なのです
みなさん
さようなら
よくしてくださいましたね
ぼくはあんなに手をふります
ありがとう
こんにちは
言葉を
かけてくださって
うれしかったです
さようなら
さようなら
ぼくはこんなに手を振ります

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紗野様 評のお礼です 喜太郎

読んで頂き、ありがとうございます。
そしてアドバイスまで頂き、誠にありがとうございます。
アドバイスを活かして、今後も創作していきたいと思います。

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眼差し 喜太郎

時折見せる あなたの寂しげな眼差し
何を見てるの?
視線の先には何が見えてるの?
一緒に笑っても
一緒に楽しんでも
重ねた唇 そっと目を開けたら
あなたは目を閉じたまま
その暗闇の中何が見える?
私だけだよね?
私だけだよね?
あなたの過去は変えられない
あなたの未来は私と共にある
それでも今はどこにいるの?
心の隅に何かを隠したまま
あなたは私を愛おしんでくれる
全てが欲しいのに
全てをあげたいのに
それは無理だと分かっている
それでも時折見せる
あなたの寂しげな眼差し
私と重なるの?私と比べるの?
聞きたいけれど 怖くて聞けない
私の過去もあなたに上書きして欲しい
あなたの過去も私で包み込みたい
愛してるの あなたを
だから私を見つめてて

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夜明けに立つ  理蝶

太陽のアウラが
水平線を揺らし始めるまで
あと数分

冷気は硬度を上げ
体の微細な隙間に詰まり
関節を軋ませる

俺達はダウンのポケットに手を突っ込んで
交互に白い息を吐いている

言葉もなくじっと夜明けを待つ
新しい炎が水平線を越え
空を底から燃やしてゆくのを
俺達は見に来たのだ

孤独な海鳥は
大きな団旗が振られるように
高く弧を描いて飛んでいる

海面が心なしかざわめいている
小さな頭が出ては
俺達を覗いて消えてゆき
水面の下でひそひそと噂する

風は止み音が消える
深く息を吸う

時計を見る
予報の時間だ

水平線の極点から
光の切先が飛んでくる
思わず目を細める

大きな力が新しい炎を押し上げて
強い光が一斉に放射される
海は煌めいてそれに応える
青い絨毯の上に
光の礫が無数に散らばっている

空と海の境から
赤く赤く色づき始める
細かな血管が走るように
龍が火を吹くように
藍の空が赤く染められてゆく

火球はとうとう浮かび上がり
俺達とまっすぐ向かっていた
眠れる世界を叩き起こし
万象を動かす強い力がそこにはあった
俺達はその力を一心に浴びていた

萎れていた内側の何かが
再び熱を帯び始めていた
止まっていた風が動き出し
二人の頬を撫でていった

生きてゆける
何故か そう思った

そこに言葉はなかった
互いの瞳を見て
その思いは確かになった
瞳の中には新しい炎が
いつまでも燃えていた

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三浦志郎様 『花粉よ』の評の御礼 ベル

三浦様、『花粉よ』の評をありがとうございました。今回の作品は、毎年この時期に訪れる春のワクワク感と花粉という、どうにもこうにも逃れられない、もはや季節限定の友だちのような存在を書きました。また、次の三浦様の期間に投稿します。よろしくお願いします。

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しらむ  鯖詰缶太郎

なにも しらない と
あさが かいだんから
おりてくる

きのうの よいも
しょうすい も
しりません と
うまれる まえのような
かおを ぶらさげて

きのうを ひきずりながら
まだ おれは
なにかを うたがっているのか

おれの なかに
うつる あさだけが
しらじらしく うごめく

それいじょう
  としをとらないでくれ
それいじょう
  かなしくなる
ひつようは ないだろうに

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