◆ここは「MY DEAR掲示板」です。
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ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。
(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
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本来、こつこつ実力をつけてから、賞などに挑戦するのが、スジだと思いませんか?
MY DEARはあなたのこつこつを、支援するところです。)
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拝啓 息子よ 元気で過ごしているか
この手紙を書いた日には 数日前から降り続いていた雨がやっと止んだ 寒さも幾分和らいできたから
早朝久しぶりに近所を散歩してみたのだよ
覚えているか 昔よく遊んだ公園のことを
そこの隅に生えている蜜柑の木の枝に
揚羽蝶の蛹を見つけた 揚羽蝶は蜜柑の葉っぱが好きだからな
蛹はいつ見ても不思議な形をしている 調べてみたら被蛹(ひよう)※という名称らしい お前が小学生の頃に虫かごで幼虫から育てていたのを覚えているぞ
枝に糸で固定されている蛹は もうすぐ羽化が始まりそうだった 蛹の表面が透明で翅の色が透けていたからあと少しで成虫になると分かったのだ
私は蜜柑の木の横にある鉄棒に寄り掛かりながら
羽化の瞬間を待った その間に 空を覆っていた灰色の雲が頭上をするすると通り過ぎていく
どのくらい経っただろうか その時は訪れた
もぞりもぞりと ゆっくり羽化が始まったのだ
蛹の上部が割れて成虫となった揚羽蝶が出てくる
羽化したての蝶はまだ弱々しい 硬い蛹の中に仕舞われていた翅は皺くちゃでまだ頼りなく湿っている
揚羽蝶の全身が蛹の外に出てきた 冬を越した蛹は春型の蝶になる 夏に羽化する夏型の蝶と比べて小柄だけれど 翅の黄色が春を待つ灰色の街によく映えていた
これから飛び立つために翅を乾かすのだろう 綺麗なまだら模様の翅が時間の経過と共に少しずつ伸びていく この模様を形成する鱗粉は幼虫時代に食した葉っぱ等の食べ滓で出来ていると本で読んで ほぅ と唸った記憶がある
とうとう翅が伸びきった 確認するように数回
ゆっくり前翅と後翅を動かす
それからふわりと揚羽蝶は空中に舞い上がった
これから何処に行くのだ?
花の蜜を求めて風に乗るのか?
揚羽蝶は私の周りをくるくると飛び回った後に公園から出ていった
蝶が羽化をしてからの寿命はだいたい二週間と言われている 長くても一ヶ月程度の命
もう会うこともないだろうと 揚羽蝶が飛び去った方向を見つめて私は少し悲しくなった
昆虫にとって羽化は大仕事だ
卵から孵化し成長して さあ蛹からの成虫だと羽化の瞬間を迎えたその時
途中で落下してしまったり 天敵に襲われたり 自然の中で無事に成虫になるのは数パーセントだという
しかもその一生の全てを己自身で成し遂げる必要がある
一方 人間には家族という繋がりがある 普段は気にしないかもしれないが これは大切な事だと思うぞ
息子よ
たまにはこっちに帰ってこないか 虫かごのように窮屈だと言って家から飛び出してから お前の体調を母さんはいつも心配している
家を出たがったお前を引き留める理由はない ただ少しくらいは連絡を寄越しておくれ この手紙を読んで返事をくれることを願っている
我が家はお前にとっては虫かごみたいなものかもしれないが 私たちは頼もしく成長したであろうお前の顔を久しぶりに見て 声が聞きたいのだ
時は有限でありお前が思っているよりもずっと儚いものだから
敬具 口下手な父より
※被蛹(ひよう):脚などの付属肢が身体と融合している蛹の名称となります。チョウ目や甲虫類のグループがこの蛹の形をとるようです。
秋の夜 部屋の温かさに誘われて
隙間からそっと身を入れて
天井に這い上る
そこへ女が裸で来て
大きな蓋を開けると
湯気が上がってきて
しまった!
ポトリと私は落ちた
真夏の日向の水のような中を
スーッと泳いだ
底に着いたら上に上がれず助けを待った
女が居たのだから何とかするだろう
しかし なかなか女は戻ってこない
このままここで死ぬのかなと思った頃
女と男が来た
男が桶で私を掬い出してくれた
その時チラと女を見ると服を着ていた
女は私の命の危険を予見できただろうに
上から下まで何枚も服を着てから
男を呼んできたものらしい
無事窓の外へ出してくれたので
私はしばし土の上で身体を休めた
女が
「今夜はシャワーだけで我慢しよう」と話していた
翌朝 日が昇ると
女が建物を回ってやってきて
私を探していたようだが
土の上に見えないとあっさり去った
私の死骸でも探していたのか
もう熱い水の中はこりごりだから
夜になると温かくなるあの窓には
近づかなかったが
春の夜 つい餌の匂いに油断して
隙間から暗い部屋に入って探検していると
突然 明りが点いて またもや女
サッと部屋の隅に隠れると
女はしばらく私を探していたが
諦めて部屋を暗くして出て行った
私は安心して小さい虫を食べたり
のびのびと過ごした
ところが 金属の箱の中に入ったら
滑って吸盤が利かない
明るくなって朝が来ても
脱出は叶わず
女がやって来て またもやじっと考えている
男を呼ぶのか?
と 上からいきなり水が流れてきて
私は穴の中に流され 籠の中に落ちた
女が籠ごと私を引き上げ 家の外に出て
私は庭の土の上に置かれた
やれやれ
この家と女は
私にとって災難か幸運か
この家と女に幸運を授けるべきか否か?
日陰に行って身体を休め
ゆっくり考えよう
君を それと 呼ぼう
僕が 歩いているとき
机に向かって 僕が タバコを
ふかしているとき
僕を見つめる
君を
それと 呼ぼう
君はいつも僕を憂鬱にさせる
君は悪魔ではないが
良心と呼ばれるものでもない
君は特に僕を狙っているようだ
君は宇宙の塵のように
つかみどころがなく
それでいて普遍に存在する
君は
僕が何か楽しいことをしようとすると
いつも僕をつつんでしまう
君は太陽が好きで
女の子が嫌いらしい
君はたぶん明るい人付き合いのいい それ なのだろうが
君は 僕の前では思い出したように
口をちょっと 歪めて 笑うのだ
僕は君から逃れたいが
そうすると僕もいなくなる
僕は知っているらしいのだが
君を使って
僕は
生きているようなのだ
でも 暗闇のなかでは僕は
君を見たことがない
君はおそらく
暗闇が嫌いなのだろうが
君にはもう一方の影ってものがないのだ
君は 宇宙のように 巨大だが
君には裏側がないのだ
そうして君は
ぼくの持ってるこの 裏側を 狙っている
君は 僕を 憎んでいるかも知れないが
本当は
きっと
僕が好きなのだ
荻座利守様、第4回川越文芸賞準賞受賞おめでとうございます。詩で、創作という表現で、確かな足跡を残すというのはどれほど励みになるものか。日々の忙しさに次第に詩から離れつつある私にとって襟を正されるが如き朗報でした。書き続けなければ。
荻座利守様
この度は第4回川越文芸賞準賞のご受賞誠におめでとうございます。嬉しいお知らせありがとうございます。
荻座さんの更なるご活躍をお祈り申し上げます!
荻座利守様 このたびは受賞おめでとうございます。
ネットで検索し、拝読させていただきました。
MY DEAR メンバーの受賞は、わがことのようにうれしく思われます。
これからのますますのご活躍を祈念しております。
第4回川越文芸賞 受賞おめでとうございます。
ようやく冬から少しずつ目覚め始めた季節、
温かな目出度いお知らせ有り難うございます。
僕も荻座さんを見習い精進してゆく所存です。
これからも益々のご活躍をお祈りしております。
荻座さん、第4回川越文芸賞準賞おめでとうございます。
先ほど読ませて頂きましたが、言葉のひとつひとつが美しい作品だと思いました。
静かな感動が波紋のように広がっています。