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求めるものが天にあるなら
空を仰いで手を出すがよい
雨も陽射しも恵みのものよ
祈り焦がれてひれ伏すがよい
要らぬものが天からくるなら
空を仰いで願うがよい
嵐も虫も災いのものよ
祈り倒してひれ伏すがよい
求めるものが地にあるのなら
手間隙惜しまず手を入れるがよい
手塩にかけた産物なれど
感謝忘れずひれ伏すがよい
要らぬものが地からくるなら
土地を鎮めて願うがよい
堤築いて災い阻め
そして祈りひれ伏すがよい
わたし的には、
ツクツクボウシ → 虫の声が聞こえ始める → 秋
というステップなんですけどね。
そういえば、夜になってもまだ虫の声が聞こえない。
(耳鳴りは聞こえてるけど)
長いですよね、夏。
来週後半になったら、ちょっと季節が進むのかなあー
一時、誤情報とされましたが、数々の良い詩集を出された書肆山田は、本当に廃業した由です。
書肆山田の既刊本も、もう書店ルートで取り扱いされていません。
創業者のお一人が亡くなれた影響が、やはり大であったようです。
●司 龍之介さん「輝く泡」
いい詩ですね。しかも、あったかい。これ、司さんの最高傑作ではないでしょうか。
2つの話が同時進行していて、最初は、両者かけ離れているかに見える、「私とあなた」(奇数連)対「迷子の子猫さんと犬のお巡りさん」(偶数連)なのですが、連を追うごとに両者は近づいていきます。終盤では、「迷子の子猫さんと犬のお巡りさん」が翻って「私とあなた」の比喩であったことがわかるとともに、両者は一体のものとなっていきます。
同時に人生観が語られ、人生の短さは泡のようであること、しかしながら二人の温もりの元に過ごせば、その泡は金色の輝く泡となれることを説いています。
5~6連の体言止めの連続のあとの、7連「あらなんと」の切り替えも鮮やかでしたね。いいリズム感で、はまりました。
また、3連の「感謝だけは忘れずに/生きていこうと思います」の言葉もいいね。人間はすぐ慢心しがちなのだけど、一人だった時の孤独感を忘れずにずっといれば、自然と相手に感謝の念は湧いてくるというものです。
司さんの人生観や思考といったものにも、賛同したいものがありますね。
名作&代表作入りを。
些細なこと1点。
ここの場では( )付き記載となり、ルビは振れないんですが、初連3行目の「何時」は、(なんどき)のルビを振った方がいいでしょうね。たぶん、「いつ」ではなく、そっちで読ませたいはず。
●温泉郷さん「サボテンと秋を待つ」
文体はもう完全にできてますね。内容をおいても、まずもって全文を読むだけで文学の香りを味わえます。
とりわけ前半、とてもいいですね。朝鮮半島からの引き揚げ。途中亡くなる人、殺される人も多い中で、命からがら引き揚げてこられたのがわかる。と同時に、冒頭の「手記」の内容が、この時の話が書かれたものだとわかります。
また、4連のほかの植物がなんなのかはわかりませんが、このシャコバサボテンだけは、自分の人生の手記に絡んで頂いたものだけに、自分の人生を知ってくれてる肉親の作者に託したかったんでしょうね。(加えて言えば、ほとんど手間のかからないこのシャコバサボテンであれば、あまり面倒をみない作者でもなんとかなるだろうと思われていた部分もあるかも、ですが。)
施設に入るにあたり、大切に育てていた植物を整理されたのも、家との別れの覚悟と言いますか、もの悲しいものがありますね。この詩は、お母さんの人物像がとてもよく察せられる形に書かれていると思います。そこが、この詩の一番いいとこですね。
ただ、この詩の印象については、一つぼやけるものがあるのです。
11連で、サボテンのしなっとした様子が後ろめたさとして書かれていますが、
ここがね、ちょっと引っ掛かるんです。8月に訪れた、この日が一番ひどいことになってた。とか、いつもなら戻るのに戻らなくなってたという最悪な状態を隠してる、と言ってもらった方が、11連の意味はわかりやすかったのですが、
7連の「毎週の儀式」の言葉が結構ジャマをしていて、5~6連の様子が、「毎回こんな感じ」みたいに読めてしまう。そこで、そう読んでしまうと、11連で隠しているものも、毎回そんな調子の常態化したものを隠してる、ということになって、ちょっと意味が変わってくるんですよね。
正直なところ、そもそも「毎週の儀式」という言葉がなかった方が、この詩はスルッと読めたんですけどね。この言葉があるために、5~6連の様子が、8月に行ったらとびきり状態が悪かったの意か、いつもこんな感じが常態化してる意か、メリハリをつける必要が出てきた、ということです。
そこでメリハリがついてないと、11連で「隠してるもの」がぼやけてしまって、11連のインパクトがなくなるんですよね。
なので、この点だけ改善を図って下さい。
現状でも名作ですが、ここの改善を図ってもらったら、代表作入りも可能。
●こすもすさん「時間という川」
うむ、こすもすさんは、途中のプロセス部分をきちんと書かれるのが、いいとこですよね。そこの丁寧な書きぶりが、詩全体の豊かさにも繋がります。
また、基本の起承転結の構造をきちんと守って書かれてるのだと思う。そこも良いとこですが、ラストだけ、もう少しインパクトを持ちましょうかね?
終連に行くまでに、「速く」「遅く」はすでに3回使われているので、4回目はもういいと思うんです。また、「流れ」という言葉も都度都度使ってこられてますから、伏線は充分といいますか、「流れ」という言葉も、もう抜いて大丈夫な状態です。
ついてはラストでは、そこを踏まえて、もう一段ステップアップした表現にしませんか?
ひとつ前の連から行きます。
決して
流れが止まることはない
時間という川
そんな川の中を
私は今日も漂っている
ラストはこれでいいと思うんです。一考してみて下さい。
いいとこまで来てますけどねー。秀作半歩前としましょう。
●相野零次さん「鍋」
抽象の鍋。その鍋に放り込まれるものは何か? 放り込むべきものは何か? そこを突き詰めるドロドロ感がいいですね。発想も語彙力も豊かに、粘り強く書き込まれているのがいい。秀作プラスあげましょう。
1点、どうしても気になるのが、
1行目がね。2行目の形容ではなくて、1行目だけでワンセンテンスの終止形に見えるのですよ。特に、「ぐつぐつ、ぐつぐつと煮えたぎる」という言葉のせいもあって、鍋の映像が浮かぶのです。もっと言えば、もう具材が入ったあとの、煮えている鍋の図が浮かぶのです。
ところがね、2行目以降が、これから切り刻んで入れていく様子が描かれているので、結果と工程の図が、逆転して見えるのです。順序が逆転して見えるのですよ。(書いてる本人にはわからないかな? 推敲時には頭を一回クリアにして、客観的に見る必要があるのだけど・・・。)私はこのギャップを残したまま、ずっと続けない方がいいと思う。解消してから次に行った方がいいと思う。
それで、1行目を主行とした逆転を、4行目までで一度切って、冒頭4行をプロローグ的にしてはどうか? という案を提案しておきます。「最終的には僕自身が具の一部となるのだろう」という、詩の終盤で出るべき言葉が先に出てきてるのも、これで同時に解消できます。こんな感じです。
ぐつぐつ、ぐつぐつと煮えたぎる生命の音がする
愛とか蝶とか、春とか光る朝とか
生命そのものを味わうための具を選ぶ
最終的には僕自身が具の一部となるのだろう
闇のナイフで切り刻む
腐ったキャベツや熟れ過ぎたトマトを
生命そのものを脅かすような輩を全て切り刻む
そうして煮込んでいる鍋にぶちまける
生命そのものの疑問全てをぶちまける
(以下同文)
この方が、全体構成が見える形ではあります。ご一考下さい。
(午前二時)
蛇口を捻って
ペットボトルに水を満たしていく
容器が嘘偽りなく一杯になると
水滴を綺麗に拭き取ってから
丁寧に日付を書きつけた
冷蔵庫には透明なボトルが
棺桶のように十本並んで 静かに眠っている
新しいボトルを仕舞い込み
十日前の冷えきった記憶を取り出すと
流し台に向き合った
排水口を流れていく水には
もう要らない透明な感情が
最期まで寄り添って渦巻いている
終始無言を貫くのは
静寂の王が夜を支配しているから
水を貯めてそれから捨てる
この単純な行為が
私にとって一種の『儀式』となっていた
安心の内に潜む一抹の不安
理性では突き止められない
深層心理の現れか
あるいは
この状況こそ、普通かも知れない
幸いにしろ忘却できるから生きている
しかし
表層は忘却していても
深層は忘れていない、かも知れない
ぼんやりとした不安とは
真の自分の一部、かも知れない
恨みと辛み、悲しみと哀しみ
そして怒り
これら全て、記憶から消えない
日々、月々繰り返される
地獄の底で泣き喚いていると等しい
これも、自分である
これこそ、本体なのかも知れない
忘却の薄い層の中心には
全ての記憶を忘れられない自分がいる
人間とは、かろうじて正気を保っている
シン・人間の本質とは
この世の中への絶望にある、絶念にある
一抹の不安とは、氷山の一角に過ぎない
私は、自分自身に絶望しようと思う
私は、世の中に悲観しようと思う
しかし、私の本体はこれだけではない
父母から授かりし、諸々の肉の塊
鈍く、欲望に満ちた入れ物
心が、器を通れば鈍くなる
諸々の肉が、素の感情を和らげる
そうして、忘却がその中心を消し去る
心と記憶が、肉と忘却により抑えられている
これが世の中に生きる人間たち
どろどろとした憎悪から、正気を保っている
巨大な大口を開けた
伝説の妖怪、饕餮(とうてつ)の上で
普通の生活をしている
人間とは紙一重で生きている
半歩、踏み外せば奈落の胃袋へ落ちていく
人間と饕餮
どちらも似たようなもの
救い、そのものが存在しない世界に生きている
否
ここで、苦しむのが救いなのだ
地獄の底へようこそ
青空が好きだ
そう書くのを躊躇う
だって家の窓から覗いた青空は
空に張り付いているだけだから
外じゃなきゃいけない
外で見上げるんだ
通り抜けてく風を受けて
それでようやく青空を感じるから
でもそれだけでもない
ビルの狭間で風を受けても仕方ないから
青空があるのはそんな景色の中じゃない
四方の遠方に山を添えて
広がる田んぼのど真ん中の畦道で
そこで僕は両手を広げたい
それでようやく青空になるから
やっぱり青空が好きとは書けない
青空自体を好いちゃいないから
好きだと言って懐かしむのは
あの場所の青空だから
ん?でも、そっか
だとするとやっぱり青空が好きなのかもしれない
何処で見つけても
その時の事を思い出させてくれるんだから
言葉を飾り 華やかに
その響きに
酔いしれることもあるけれど
痛みを包み込む
柔らかな布のように
脆く傷ついた心を守るための
詩が纏う光もある
孤独の闇を照らす月のように
言葉は仄かな輝きを放ち
誰かの傍らに寄り添って
詩は密やかな祈りに似ている
捧げることで その意味が宿る
想いの欠片を温めると
世界はほんの少しだけやさしくなる
たとえそれが
ひとり虚しく響いても
届かぬと思った声が
自分の胸に沁みて
沈黙を溶かすのなら
私は信じて書き続けよう
月影に隠した心を
鏡の水面に映すように
今日の夕空もうつくしかった
カナカナが鳴いて
ヤマバトが鳴いて
よいものはすべてそろっていた
ただ まだ少しだるい体と
よその家はより四角く見えるという妬み
涙ではれぼったい目と
明日からまた世界の授業を受ける物憂さ
それらを感じる以外は まことによい夕方だった
何か書いてと点滅しているカーソルのように
痛みは左のこめかみで 自分の仕事に忠実だった
そのために私は仕事に行けず
家事もできず おいしいものも食べられず
光も音もさえぎって この日は
世界とすこし距離をとる
薬ものむ 何もかもに鈍感になるように
でもいちばんの味方は氷
カーソルの点滅を遅らせて
打たれる文字を曖昧にしてくれる
そのすきに眠りへ逃げ込むのだ
眠りからぬるりと這い出すと
カーテンが受け止めている光は淡い
今日の夕空はどんなだろう
わたしはいつもの場所にいないけれど
誰もこないこの部屋に
光だけは わずかなすき間から
カーテンの繊維の間から
じわりと入り込んで空気とまざる
まざり合ってできたその色に
わたしはまだ名前をつけることができなくて
ひとりで寝てひとりで目覚めた今日
世界はみんなからどんな質問をされていたか
それさえもわからないから
惰性でよれたシーツの皺の間でもう一度眠る
(そして 世界の授業に遅刻する夢をみた)
(夢は予行演習という)
(わたしは明日は)
(世界と相対する気持ちでいっぱいらしい)
ここは通行止めです
その先で工事をしておりまして
クレーンで
ものを運んでいますので
いったん
そこの横断歩道で
あちら側にわたってください
交通誘導員の
赤い誘導棒
やわらかな遮断
男性
顔をしかめ
何も言わずに
横断歩道に行き
赤で待つ
女性
「クレーン?なによ」
といいながら
横断歩道に行き
赤で待つ
誘導棒の揺れ
いざなわれ
いざなわれ
記憶がいざなわれ…
そういえば
揺れていた
あのエフェソスの
金属の長い腕
石畳と円柱
太古の図書館
広大な円形劇場
静寂の
青い空を遮断する
修復用の
黄色いクレーン
わたしも
一緒に赤で待つ
男性と女性の
表情は影の中
信号のヒト型が青になり
信号音に導かれ
みなが横断歩道を
わたっていく
わたり終わると
ふと みな
もと来た通りを
振り返る
静かな青い空
きれぎれの雲
朝のまぶしい太陽
クレーンは一体どこにある?
クレーンは一体どこにある?
建物にそれはなく
空にそれはなく
乾いた石畳
あちら側で揺れる
顔のない赤い誘導棒
かげろうのように揺れる
太古の石柱の影
青信号のヒト型が
点滅を始める
あなたたち
なぜ
踏み越えた?
ヒト型が赤に
直立の姿勢
超えたもの
超えたとき
行きなさい…
もう
あちら側に
戻ることはない
今回も読んでいただき、誠に有難う御座います。
今回も的確に感じるアドバイスをいただき、とても感謝しています。自分の中の一つの殻を破る事に目を向けて、創作に努力していきたいです。ありがとうございました。
夜道を亡霊のように歩いていると、
片足をぐわっと引きずった犬が、
皮膚が焼きごてを押されたようにただれた犬が、
死神のようについてくるのが見えた。
私はどこへ向かっているのか。
蛍光灯がじっとり照らす舗道は、
存在を誰にも知られない草を浮かび上がらせ、
じゅくじゅくした死臭をただよわせ、
知らないどこかへ続いている。
この先は闇だ。
それは、わかっている。
獰猛な獣のような月が、
目をぎりぎりと充血させながら、
私の行く先をふさいでいる。
その先には闇、後ろには病んだ犬。
ぶわぶわ震える声で、
強大な月に自身のアイデンティティをかけて、
腐敗し始めた歯を向けながら、
犬は吠え続けている。
これが、勇気というものか。
犬の小さく萎れたしっぽが、
私の震える足先に触れたとき、
この犬といっしょにどこまでも闇の中を進もうと思った。
たとえこの月と、全世界と戦うことになったとしても。