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★★ << 2つの掲示板のご案内 >> ★★

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(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

お詫びとご案内。 三浦志郎 4/12

申し訳ありません。下記の作品を把握しておりませんでした。

4/4 天さん 「晴天行進」
4/4 上原有栖さん 「じゃないパパ」
4/4 森山 遼さん 「春がきた」
4/7 白猫の夜さん 「またね」

4/19までにはUP致します。皆様にはご迷惑をおかけして、
申し訳ありませんが、今しばらくお待ちくださいませ。

編集・削除(未編集)

感想と評 4/4~4/7 ご投稿分 三浦志郎 4/12

1 こすもすさん 「灰色の砂漠」 4/4

普通、人はこういった趣向を書く場合、次のように悩み、プランニングしていくものと思われます。
「イントロのきっかけを、どうセットするか?その背景の必然性やプロローグの良い有り方はないか?で考え悩む」―たとえば、そんなこと。前回もそうでしたが、今回も上記のようなパーツは一切無く、いきなり本題に入っていきます。これは僕自身が思うところでは、ひとつの勇気。これは皮肉でもなんでもなく、“褒め”の領域に属しそうです。個性と言ってもいいかもしれない。では、具体的に見ていきます。砂漠をさ迷い悪戦苦闘。砂の窪みに落ちてしまった。サラサラで登れない、上がれない。絶体絶命です。そこで雨。砂が雨で固まり危機を脱する。このあたり、考えましたね。
朝が来て、高い岩壁の出現。これはこの詩の場面にひとつの変化をもたらしていますね。良い方向に向かうきっかけとしてセットされているでしょう。必死に登って見えたものが緑の森と青い海。これらはオアシス。運が向いて来た感覚で詩は終わっています。今まで4作読んでいますが、どれも幻想やファンタジー的なものが主軸のようです。ただ、直近2作です。背景・場面・登場物・対象物は違えど、その傾向値は近似しています。僕はその点を、わずかに柔らかく危惧したいと思います。まだ初期ですので、今のうちにフィーリングや作風の広げ方、その微調整・微変針を頭の隅に入れといてみて下さい。なに、急ぐ話ではありませんよ、長い目で。
今回は佳作一歩前で。


2 上田一眞さん 「春の海」 4/5

今 思い出しているのは、
私の“幼い頃という場所”に浮かんだ
一隅の風景である

出だしは、上記のような感覚のほうがいいように思います。「幽体離脱~降り立った」というのは
ちょっと……。似たような感覚の一文を最後に入れ、締めてもいいでしょう。

春の海、干潟、渚。美しい風景描写も適宜入り、若き父と(お馴染み)従妹きみちゃんが様々な所作をする。彼らを想い出という世界で見つめる作者の眼差しが、とても優しいです。
「のすたるじっくな」は感覚・表記にやや違和があり、浮いちゃいそうです。
「こころ懐かしい浜辺」みたいな感覚でお願いします。しかし、この詩の持つ風景といい、人物といい、心情といい、大変麗しいです。ちょっと古い言葉に「駘蕩」といのがありますが、その形容が実に相応しいのです。上田さんの詩文体には、独特の風合い、風姿があります。すでに確立されています。もちろん、文の正統を踏まえてのことです。どこから来るのでしょうね。おそらく年齢的な安定性が大きいと思います。あとは親族を非常に大事にする。これからも、それらを活かして書き続けられますようー。
佳作をお送り致します。

アフターアワーズ。
この度は免許皆伝、おめでとうございます。いよいよ本誌「新作紹介」に登場ですね。頑張ってください。僕は此処のライブ感が好きで掲示板に書いていますが、同人であること、変わりありません。これからは同僚であります。よろしくお願い致します。


3 松本福広さん 「思い出がいっぱい」 4/5

楽曲の前に、まずは詩本位で考えます。「飴玉」が思い出の象徴ですね。冒頭3行まで、そうですね、思い出の本質とはこういったものでしょう。苦い味、悲しい時の味。はたまた、宝箱にしまって、いつでも鍵を開けて眺めていたい、そんな味の飴玉もある。悲喜こもごも、といったところでしょうか。そんな飴玉を夜空に散りばめる。ここは想像の翼を広げてユニークでした。「もう会えない人」が、ちょっぴり切なく思い出に残っています。印象的です。終連のまとめもいいですね。「まあ、いろいろあったけど、飴玉は明日にも続くよ」のフィーリング。終わり2行はとても爽やかでした。飴玉にちなんで、ほんのり甘い佳作を。

アフターアワーズ。
楽曲との絡みはこちらで―。曲にインスパイアーされて(刺激されて)詩を作るケースは(ミウラ含め)、割とありますね。インスト(器楽)曲はイメージが自由ですが、むしろ難しいのは歌詞曲です。イメージ的に歌詞の制約を受ける。それと“パクリ”と思われる、これは絶対に避けねばならない。いきおい、①エッセンスは底流させながらも、②趣向は別方向を探すことになります。幸い、本作は「飴玉」といった対象を出すことによって②をクリアーしています。本作に見るカジュアルで正直な綴り方は、楽曲の少女への語り掛け詞に通じるものがあります。こちらは①のことです。松本さんも、この①②は考えていただろうと想像できます。
「大人の階段登るぅ~~」、メロディ―も歌詞もすてきですよね。

「少女だったと懐かしく
 振り向く日があるのさ」

―そのとおりですね。

(余談。イントロ長め設定、4分音符換算で、しっかり9小節! 笑)


4 荒木章太郎さん 「かたつむり」 4/6

「~かしら」といった語尾使用は、荒木さんにとっては、やや異例と言えそうです。
この詩は何でしょうね。よくわからないですね。手懸りとしてタイトルと「生き方かしら」×3、を考えてみます。つまり、かたつむりに仮託した生き様のようなもの?ただし、そこで問題になるのは5連までのくだりです。

1~3連……かたつむりとはあまり関係ない「蛹」という生き方。
4~5連……僕には、この部分は”他人依存型“の生き方に思える。それを「希望」としている点。

そして、これらは―あくまで推測ですが―様々な生態=生き方のふたつの提示と見ます。
そして、それ以降のかたつむり。後半部を評者独白風に書きます。

「童謡にもあるように、はやしたてられ、少し小馬鹿にされ、少し愛される。そんな生き方。地味で鈍重で、ひ弱。でも、どこかユーモラスで可愛い。守りに敏感。背負って往くものあり。その生き方にはまだ謎も多い。いっぽうで、人間には有益・害毒両方をなす。害毒については一種の凄みあり(体内寄生虫が原因のよう)」
けっこう、いろんな羅列ができるわけで、その属性、我ら人間に、さも似たり、か?

まあ、以上のようなことを感じたしだいです。勝手な推測・解釈ばかりなので、すいませんが、評価は割愛させてください。


5 静間安夫さん 「古書」 4/7

まずは調べました、「元禄快挙禄」 福本日南著 岩波文庫(上・中・下) 成立は明治41年(1908)新聞連載からだそうです。岩波所収は1940年頃とありました。記録的要素もあり、現在の忠臣蔵像の原形とも言えそうです。

気に入った文章に線を引こうとして、ふと気づいた嬉しい偶然。話はそこから始まります。
古書を介して未知の同好の士と出会います。「どうして手放したのだろう?」そうですね、その疑問から、さまざまな推測が詩中出て来ました。この詩の本領は後半「いや、こうは考えられないだろうか?」以降にあるでしょう。なるほど、これはちょっと変わった考えながら、とても感動的な心理ですね。「不思議な縁で結びつけられた人々」「深く共感し合っている」が印象を代表します。とりわけ、「本を旅立たせた」が、この詩の結論です。そこには静間さんの感謝の念も読み取ることができます。
この詩はー失礼ながら―詩的技巧やその純度から言うと、それほどでもないのですが、後半、差し出された有意義な推測、その気高さ、感動の度合いが技巧を凌駕したと言えるでしょう。無類の本好きならではの本作。佳作で行きましょう。

アフターアワーズ。
あの~……余計なお世話かもしれませんが、「数々渡り歩いたかもしれないこの本を、此処で終の棲家にしてやろう」もアリか? 
と愚考したりもするわけです。僕にも一生かけて読んでゆく、そんな本がありますが、けっして手放しません。ごめんなさい。


評のおわりに。

新年度早々、くれさんの受賞、三人のかたの皆伝選出がありました。
あらためて、お祝い申し上げます。
これから、まだまだある?そんな予感もする春です。 では、また。

編集・削除(編集済: 2025年04月12日 14:45)

白い月  こすもす

空を見上げると白い月が見えることがある
夜に見る月とは明らかに違う
朝の月は白くて淡い
青い空が透けて見える

街路樹の下で雀たちがさえずり
何かをついばんでいる

駅に向かう道には出勤する人たちの姿があった
誰も空を見上げることなく黙々と駅へ歩いている
中には駅に近づく電車を見て走り出す人もいる

かつての私も彼らと同じだった
目の前のことに追われ
立ち止まることなく
空を見上げることもなく
黙々と歩いていた

月はそんな人たちを静かに見守る

雀たちが空へ飛んでゆく

朝の空に浮かぶ月
月を見ていると
心にかかった霧が晴れてゆく
心が透き通ってゆく

今日も私は空を見上げる
淡く白い月を探す

編集・削除(未編集)

科学者の誤算 上原有栖

一人の科学者が命を絶った
動物を愛した彼は
ある発明品を遺して逝った

『アニマルトランスレータ(動物の翻訳機)』
それは動物と人間の架け橋になるはずだった
後に残されたのは記録映像と
装置に貼られた「廃棄せよ」というメモ

助手は記録映像を再生する
映っていたのは科学者の調査風景だった
まずはケージの中のマウス
次に動物園の檻の中で暮らす動物たち
更に空に飛び去る渡り鳥の映像が流れた
科学者はそれぞれ声を採取していったようだ

この世から去った科学者の声がする
「次に採取した動物たち鳴き声の翻訳を流す」
先程の映像に合わせて翻訳音声が流れてきた
その内容は━━━━━
動物たちから人への痛烈な罵倒だった
誹謗中傷に続き 罵り声 悪口 嘲り 皮肉
映像は真っ黒な悪意に彩られていた
画面が替わり科学者の顔が映る
目には涙
動物を愛した男の涙
「この発明は間違いだったのだ」
「動物の言葉を人間が理解できると動物たちに気付かれてはならない」
「私はもう耐えられない後の事は君に任せる」

映像は終了した
助手は放心して俯く 信じたくない
先程の映像と音声を思い返してみる
実験で傷付いたケージのマウスを
群衆にからかわれる檻の中の動物たちを
油や捨てられたゴミで汚れた渡り鳥の姿を
私は見てしまった
映像に見え隠れする人間の罪を
私は知ってしまった

研究所の隅のケージ
そこには━━━━━
こちらに向かってキーキー喚くマウスがいた
助手はこれから何を為すべきか
マウスの紅く血走った目をじっと見つめて考えている

編集・削除(未編集)

おめでとうございます  タルコンティ

秋さやか様
まるまる様
上田一眞様

免許皆伝おめでとうございます!
時々掲示板を覗くだけの者ですが心よりお祝い申し上げます。
また掲示板に戻ってこれたならば御指導をいただくこともあるかと思います。
その時はどうぞ宜しくお願い致します。

編集・削除(未編集)

ありがとうございました。  まるまる

この度はたくさんの皆様にお祝いいただきました。
とてもありがたくて、嬉しさを噛みしめております。
皆様、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。

編集・削除(未編集)

絶望の夜に……  相野零次

何もできない夜があった
孤独で無力感に苛まれ
一遍の詩すら書けない夜

ただ茫然とするしかなかった
自分の人生を振り返り
何も残せていないことに心から涙する夜

こんな夜でも時間の持つ重みは変わらない
背中にずっしりと感じる黒い翼は決して開かない
髪は伸びていき
爪は生えかわり
年をとっていくことを
実感する夜

眠りに身を委ねてしまえば
緩慢に朝は訪れる
何も得ることのなかった一日が過ぎていく

年をとることは
確実に死へ向かっていること
線香の煙がほのかに漂い
匂わない鼻に香り
見えない眼に染み入る

先祖の霊が嘆いている
お前は今に何か残せないのか
私たちが受けついできたものを
感じ取れないのか
受け取れないのか
今の私にまだ受け継げないのだろうか
背中の翼は黒いばかりで
両手はからっぽなのだ

闇は私を蝕むばかりで
光が私を癒すことはない
絶望が支配する夜
希望はどこへ置き忘れてしまったのか
今夜のうちに少しでも見つけたい
一片のかすかな光を

年経ることを私は恨む
どうして若返ることができようか
鏡を見れば
瞼はたるみ
深くなったほうれい線が
増えてきた白髪が
無常な現実を映している

明日への光はどこにある?
この一遍の詩のなかから
それを見出すのだ
それが今の私にできようか?

スマートフォンから曲を流して
胸の内で口ずさむことで
私は元気づけられる
私は無感情ではない
私にはちゃんと喜怒哀楽がある
心が揺れ動くのを感じ取ることができる
胸の奥からかすかな光が生まれる

私は歌を習っている
先生のライブを先日
聴きにいった
素晴らしいライブだった
今思いだしても心が揺り動かされる
演奏も素晴らしかったが
ユニークなMCもよかった
拍手と笑顔の二対の感動があった

私は歌が好きだ
それは確実なことだ
ちゃんと言葉にして形にできる
背中の羽根がほのかに白く光るのを感じる
私は天使でもあり
  悪魔でもある
日々その合間を彷徨っている
いずれどちらかの魂となって選ばれ
天へ昇っていくのだと思う
人間でいるあいだにその準備をしているのだ

こんな絶望の夜は悪魔に近づく
でも私は恐れない
今 私はちゃんと好きなものがあるから
歌自体が好きなのはもちろん
歌をうたう人たちも
歌をうたう自分も好きだ

そこには確かに愛がある
先日のライブでは
LOVEが歌詞となって
みんなで合唱することができた
一人一人はささやかな光でも
多くの人が集まれば大きな光となる

今 私の心を楽しい思い出が包んだ
それは絶望の奥底から
確かに希望という喜びを生み出した
それはまだ小さな蛹で
蝶となって羽搏くにはまだ何年もかかるだろう
途中で息絶えるかもしれない
そして
不安もある
心も身体も確実に衰えていくからだ
果たしてそうだろうか
私よりずっと年上の方の
素晴らしいコーラスが私を励ます
同世代の人たちの素晴らしい演奏が私を潤す
私は衰えるだけじゃない
努力を続けることで
成長して若返る一面も見えてくるはずだ
それは大きな希望へと育つかもしれない

絶望の夜は哀しみに包まれている
私は胸の内でくちずさんだ
数か月後に発表会がある
その為に練習している歌を
するとどうだろう
また私の胸の内から小さな希望という
命が生まれたのだ

神よ
私は無力な人間の一人です
でも仲間がいるから力を借りることができるのです
共に歌を愛し
共に歌を唄う仲間がいるのです
だから一人 絶望の夜も
乗り越えることができるのです
ありがとう神様
ありがとう仲間たち

絶望の夜は
もう少しで終わりそうです
もうすぐ12時をすぎるのです
そして私は蛹となって眠りにつくのです
明日は希望が見いだせる日となるでしょう
これが歌の 人の力であり
神が私に与えた詩を書くという
ささやかな才能なのです

アンコール
もう一度 感謝の言葉を
ありがとう神様
ありがとう仲間たち
ありがとう私の心

そして
おやすみ絶望の夜
おはよう希望の朝

編集・削除(編集済: 2025年04月10日 22:07)

モノクロ  温泉郷

その写真は白黒で
斜め上から夕陽が差し
若い男がうつむき加減で
ペンを握り
考えながら
何かを書こうとしている

まだ若い男だ
職業という言葉を
硬い抽象的な響きとして
無邪気に喜ぶことができる
恰好を付けた
そんな若い男だ

そんな若い男だが
この写真の中の表情はどうだ
自分の未来を
取りあえずは脇において
目の前のメモ用紙に
何かを必死に
書きつけようとしている

刻み込んだ文字が
自分の歴史になるとでも
思っているのだろうか

職業という言葉を
硬い抽象的な響きとして
無邪気に熱中することができる
おめでたい
そんな若い男だ

そんな若い男が
写真に閉じ込められて
未来を脇に置いたまま
もう 随分な年月が過ぎた

その男は
写真から抜け出た今
職業という言葉の
抽象的な響きを懐かしむ

その後の職業人生は
かくも具体的な
苦労と責任と
わずかばかりの歓喜と満足の
ごった煮のような
詰め合わせであったとは……

写真の若い男は
視線をあげて
こちらをチラッと見る
くたびれた男を見上げて
自分の未来の
摩耗と憔悴のモノクロに
一瞬 驚いたようだ

しかし その若い男は
そんな驚きを
あっさり振り切って
また メモに向う

恰好を付けた
おめでたい
若い男のままで
頰には赤みまで差し
不敵な笑みを浮かべて
ペンを走らせる

編集・削除(未編集)

僕は君のしなやかなギブスでいたい  荒木章太郎

病棟の面会室の窓から
遠くの霞む満開の桜並木
桃源郷との程よい距離感は
引きで眺めるくらいが丁度良い

君の体は集中治療室で
骨に刻まれたトラウマと闘っていた
桜を愛でる頃はいつも孤独だ
去年は父を失くした
コロナ禍で友を失くした

音声が出ないテレビから流れる情報
トランプが世界各国に関税を課した
アメリカは孤独を目指すのだろうか

そのおかげで、
世界は協調するかもしれない
これから社会実験が始まる
人体実験よりはましかと
引きで眺めるくらいが丁度良いのだろうか
もはや世界はクラブチームのように繋がっているのに
ローカルは未だに壁を作って
その中で自由と平等を増幅させた
フェイクニュースを響かせていた
ドローン、ドローン、ドローン
世界は盗撮されている

世界の民族で編まれたチームが
君の命を繋ぐために戦っていた
宗教の壁を超えて、価値観の壁を超えて
医療という共通言語で
僕の国の平和を目指してくれた

手術は成功した。
迫害的な思考で砕かれた骨を
ワイヤーで丁寧に固定する
折れた鎖骨が癒えれば、抑うつも静かに成長する
君は神経質な空を
手のひらを返し横切る
直線する極端な思想と
接触事故を起こした
僅かな声の大きな人達は
尖鋭化してブレーキをかけない
骨は折れて世界観から突き出す
手術して固定して優しさのギブス?
恋人と同じように隣人を愛せよ
何か捉え違いをしていないか
君の意識は酸素マスクの下で夢をみていた

僕の国はすぐに圧力をかけてしまうから
君を壊したくなかったので
指先にそっと触れるだけで面会をやめた

近隣の国とは随分長い間
貿易や文化交流をしてきたではないか
なのに共産主義とか民主主義とか
新自由主義とか訳の分からない思想に
囲まれたが、鉄のようだけど
しなやかな哲学で君を守りたい
希望の灯りを小さくとも残す形に

編集・削除(編集済: 2025年04月30日 03:34)

免許皆伝ありがとうございます  秋さやか

お祝いのお言葉、ありがとうございます。
月1投稿するのがやっとで、皆様のような語彙力も創作力もないため、免許皆伝など遠いところにあると思っておりました。
これからも詩との向き合い方は変わらないかもしれませんが、少しずつ変わっていくものもあれば良いなと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

編集・削除(未編集)
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