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評をいただきありがとうございます。
現実の社会では器用で要領のいいYさんのような人が会社で出世するのだと思います。
ただ、世の中にはSさんのような不器用で要領が悪くても明るく努力を怠らない人が出世するケースはあるのではないか。
そのような思いからこの詩を書きました。
詩的純度が足りなかったとのご指摘は耳が痛いです。
二人の異なるタイプの人間を描きたいという思いに捉われたからかもしれません。
詩的な表現を意識するようにしたいです。
ちなみに私はSさんに近いタイプだと思います。出世はしていないですが(笑)。
ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
「undo」の感想を頂き誠にありがとうございます。
「なりきって」詩を書く楽しさを感じました。なりきることって大切な要素なのですね。
「別れてしまえばいいのに……」おっしゃる通りです!
現実の私でもそうしているかもしれませんが、この詩の主人公はそうではなく破滅を選んでしまいました。
ペンを刺した対象が「わたし」であっても「あなた」であっても、もう後戻りは出来ません。確かにペンの一刺しで致命傷になるかまでは定かではなく、その点が詰めの甘さになってしまったなと感じております。
背後にある事情の表現の幅をより意識して、詩作に活かしていきたいです。
また次作以降もどうぞ宜しくお願いいたします。
1 こすもすさん 「二人の部下」 5/2
実話かフィクションかは、ともかくとして、人間のふたつの類型提出として、重く感じたいわけです。
こういった話柄は世間のエピソード、処世訓、人生訓として割と出やすいです。比喩として「剃刀と大鉈(おおなた)」などになぞらえられるものですね。文中、YさんとSさんは少し定型的ではありますが、話をわかりやすくする為にはこういった色分けも効果的かもしれません。実際、そういう人間は歴史上の人物にもいて、現代においてもいて、私たちに教えてくれています。評者ミウラは別に才走ってないので、Sさんにシンパシーを感じるのですよ(笑)。Yさんは怜悧で才に走り策に溺れて、やや自壊した感じ。いっぽうのSさんは、やや抜けてて剽げていて、人間的大度がある。それが人を集める、そういった構図の詩と理解しております。世の中、これが全てではないですが、頭に留めておいていい人間現象でしょう。ありがちなことを描いてくれた詩ですね。多少、定型化し過ぎるきらいはあるものの、類型自体は大変興味深いものがあります。ただ詩的方法、詩的純度からすると、ちょっと、の部分もあるわけで……、佳作一歩前です。
アフターアワーズ。
自分がどちらのタイプか?考えてみるのも一興?そんな側面もある詩でした。
2 小林大鬼さん 「雨の千葉寺」 5/2
まずは千葉寺と中原中也について調べて、この詩に臨みました。もちろん、この形でも良いのですが、タイトルと初連がダブッています。僕の場合だと省略したい。あくまで参考として、アレンジしてみます。
千葉寺
中学時代の写生以来
記憶も何も残っていない
雨だった
折り畳み傘も役立たない
ずぶ濡れながらお参りした
(以下、同文)
それと終連ですが、「花曇り」と「風雨」が同時というのは、ちょっと変な気がします。
要検討でしょう。もし「花曇り」を残す場合は―、(参考)
本来 花曇りが似合いそうな古寺に
今日は
咲き始めた桜並木が
風雨に耐えて揺れていた
かかる荒天の中、中也に思いを馳せる大鬼さんの心の在り処を思うと、どこか名状しがたいものがあります。このあたりの事情がこの詩の核になるでしょう。 佳作一歩前で。
アフターアワーズ。
そのものズバリの名の寺があるとは、全く知りませんでした。しかも中原中也ゆかりの寺というのも興味深い。つかの間でしたが、中也の後半生を思っていました。大変、勉強になり、ありがとうございました。
3 上原有栖さん 「undo(アンドゥ)」 5/2
コメントに従い、感想のみ書きます。ここに書かれた心情、事情、事態は、この通りに読んでいいと思います。感じるのは告白体にして(なりきって書いているな)という点です。「解決策、最善策」に注目します。最も重要な部分だからです。恐ろしく第三者的に言ってしまうと(さっさと別れちゃえばいいのに……)なんですが、主人公の心情はどうも、もっと根が深い絶望らしい。そこでコメントとも絡めて、問題の終連です。自ら命を絶つことを匂わせているし、読み手もそう感じるのが自然でしょう。ただ、変なことを書きますが、ペンで物理的に本当に死に至るかどうか、疑問は残るわけです。ただ、主人公はそこまでの覚悟はなく、単に発作的にそんな行為に及んだのかもしれない。
もし、そうならば、そのあたりの事情は表現してもいいでしょう。
4 津田古星さん 「みどりご」 5/4
この詩は単に「嬉しい、おめでとう」だけの詩ではない点が実にいいんです。
調べると新生児標準体重は男子2980g、女子2910g、とあります。お子さんは2524gですから、ぎりぎり正常児になります。
こら 隣の子
わたしの子の指を吸うんじゃない
これはケッサクです! 実にいい! おかあさんは産んだ後も大変なものです。それを充分理解しているのか、実に聞き分けの良い子。“おかあさんに優しい子”ですね。終わり2連は実にユニークで微笑ましい考えとフレーズです。ひと味違う、ひとひねりある誕生詩でした。お祝いに佳作を。
アフターアワーズ。
ちょっと、揚げ足取りのようなことを書いて申し訳ないですが、調べたところ―。
「あかご」……生まれて間もない子供。体が赤みがかっている為、このように言う。
「みどりご」……3歳くらいまでの乳幼児のこと。新芽のように若々しい意味。
―とありました。まあ、あまり気にせずに。頭の隅にでも置いとけばいいと思います。
5 相野零次さん 「愛の部品」 5/5
パソコン故障から始まる愛の詩。意外なところから来てますね。しかもペンネームともかけている。
日常、何気ない風景から愛を考える。いろいろのことが書かれていて、読ませますね。注目しておきたいところは5連でしょう。自分周辺に戻してくる、そして愛を考える。重要なことだと思います。
それを経由して、「愛=みんなの努力そのもの」といった結論に至ります。これは面白い発想と言えます。愛の精神が物質にまで及ぶ。すなわち、冒頭のパソコンにも、です。こうして詩は愛の循環を成しています。非常に正直、素直な詩。「つまりそういうこと」―この終わり方も、どこか、カッコイイ。タイトルのミキシングもユニーク。こんな精神が真に全世界に行き渡れば、戦争なんてなくなるのに―。佳作です。
6 静間安夫さん 「美」 5/5
この詩は、相手が「おまえ」なので、主人公の人称も「わたし」より、思い切って「おれ」で行っちゃいましょうか。「オレ」でも可。その方が雰囲気に合う気がします。たぶんフィクションでしょうから、
なりきっちゃいましょう。この美人との逸話は読んでいて凄く面白い。詩としての、物語としての、誇張はあるにせよ、基本、男とはこんな生きもののようです。
身上つぶすほど/愛してしまうっていうのも/決して悪くない…
―と文中にありますが、そう、愛する女のために、一生を棒に振る。多分に修辞的ではありますが、
そんな生き方も、ある意味、立派で凄いものがあります。
このセリフもいいじゃありませんか!
「もう、会うこともないと思うけど
でも
あんたのこと、
忘れないよ!」
ハスッパな物言いながら、だからこそ真実はある。涙腺崩壊。これはもう映画のワンシーンですよ。
ところで、この詩は「こんなわたしの」以降、話の行方がガラッと変わります。静間さんとしては、
人物も詩も「美」に関しては向き合い方は同列である、という主旨と思われます。ただ、ちょっと別の詩がついたような印象を僕は受けました。それはともかく、僕は、この詩のパーツの部分から、ちょっと別のことを考えていました。文学にしろ、音楽にしろ、絵画にしろ、美や芸術の持つ魔性ということです。それらは人を夢中にさせる。正常発展もさせるが、没落もさせる。人は喜んで、その奴隷のような者になる。そんな凄みも怖さもある。文中から、そんなことも感じたしだいです。前記した接続感の為、甘め佳作を。
7 白猫の夜さん 「新月の踊り子」 5/5
調べたところによると、本作はアンデルセン童話「赤い靴」が下敷きになっているようです。
が、本作はそれとは別の創造世界を作り上げています。この詩に見る幻想性は作者さんのペンネームとも密かに繋がっているように感じられます。装束も細やかに書かれ、前半の美しい場面と「くぅるり~ふぅわり~るる るらら」といったオノマトペの可憐さなど、幻想に満ちて魅力の多い作品です。映像的です。冒頭に書いたアンデルセンの件で5連目「アンデルセンのカーレン」の引用ですが、単に次の句を修飾する物なので、読み手はまずまずわかります。ところが「行儀にうるさいお祖母さま~足を斬る木こり」とくると、読み手はその突然さに驚くわけです。(足を斬る木こりィ~?なんのこと?) これは「赤い靴」のストーリーに沿ったものと思われます。全ての人が「赤い靴」を知っているとは限りません。そこで必要になるのが注釈というもので、2つの考え方があると思います。
A……興味あれば読み手も調べるだろう→注釈なし。
B……本文の邪魔にならない範囲で注釈は付けるべき。
程度問題、内容次第ですが、僕はAもアリだと思っていますが、やはり、A<B。あるに越したことはないわけです。ところが、上記部分は筋に沿って長々と説明しなければならない。注釈には不向きなんです。従って、この2行は汎用性あるフレーズに換えたほうがいい、というのが僕の意見になります。大丈夫 だいじょうぶ。安心して踊れるような(前半のような)美しい風景で満たせばいいのです。う~ん、メルヘンのようで良い詩なんですがねー。実に惜しい。佳作一歩前になります。
評のおわりに。
今回、書いていて思い出したのですが、自分に課している方法がありました。
「一度、詩の世界に入ったら、恥ずかしがらず“なりきって”書く。キザなことでも、恥ずかしいことでも、なりきったが勝ち!」
―そんな思いはありますね。 では、また。
お忙しいところ、いつも丁寧なご感想と評をどうもありがとうございます。
名作&代表作入りとのお言葉、とても嬉しいです。
ご指摘いただいた部分につきましてはよく見直し推敲することにいたします。
4連5行目の「誰かによって命あるものに刻みつけられ」は、終連の最後で述べたどこか高みにひそむもの、高次元の存在によるはかりごとといった意味合いで考えて書いたのですが、無理があったかもしれません。
今後ともご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
島 秀生さま 評ありがとうございます。
あえて明確に人物を分けなかったというか、
全部一人語りなんですよね。
僕も君も同じ人物で一人がさまよいながら
一人でしゃべっているという感じなんですけど、
説明をつけるべきでした。
アダムとイブも僕と君は同一人物でひとりなんですけど、
無理やりオチをつけた部分もあります。
雰囲気だけで書いてしまった部分が、
わかりにくさに繋がっているんだと思います。
妥協せずにもっと推敲を重ねようと思います。
ご指導、感想いたします。
ご指摘の通り、私の詩は、詩ではなく論であると気付きました。
既に投稿済みであった、5月3日、5月10月の2詩は削除しています。(何か問題があれば、申し訳ないです)
短ければ良い訳ではない、心の情景を描くものである、等、島先生のお言葉が心に刺さりました。
出直したいと思います。
初心者向け掲示版の方で、腕を磨いてから、こちらの本掲示版に再挑戦したいと思います
ありがとうございました。
感想と評を頂きましてありがとうございます。
秀作を頂きとても嬉しいです!
私はタバコを全く吸わないのでマルボロは無骨なイメージがありそうだ、ということで選びました。(マルボロにそのような印象を抱いていました)
歳を経るごとに会える友人は減っていきます。歳を重ねても続く友情は、大切にせねばと強く感じるこの頃でございます。
タイトルと注釈の件、ご指摘ありがとうございます。読み手に誤解を与えぬよう、細かい箇所までの心配りを気を付けてこれからも書いていきます。
生きていると
様々な人に出会う
人と関わる中で
負の思いに襲われることがある
妬み
憎しみ
嘲り
怒り
不安
惨めさ
悔しさ……
数えだすと
ほんとうにきりがない
これらの負の思いが
塵となって心に積もってゆく
思考は後ろ向きになり
自由が失われる
負の思いをなくすには
どうすればいいのか
そうだ
灰色になった
心を洗濯しよう
洗剤や漂白剤で
汚れたシャツが
すっきり白くなるように
心の塵を落としたい
そして
青空の下で乾かすと
洗ったシャツが
ふんわり柔らかくなるように
暖かい気持ちで満たしたい
心を洗濯したら
新たな思いで
明日を迎えることができる
前へ進むことができる
自由を取り戻せる
この雨が終わると、いよいよ暑くなってきそうですね。
この夏も、無事に乗り越えられますように……。
●白猫の夜さん「花筏の恋」
湖面に落ちたたくさんの桜の花びら、花筏の美しさ・はかなさに寄せる想いを、擬人化して、恋人同士のひとひらの恋と重ねて、表現してくれています。
女性の魅力も匂わせながら、とても上手に描いてくれていますね。
概ねいいと思うんですが、ラストの3連が、それはそれで魅力的ではあるのですけど、このあたりは全部「春」との絡みで行ってしまってて、「桜」とのダブルイメージが切れてしまっているので、終連あたり、何か桜に因むものを入れたいですね。「一輪」でも「花びら」でもいいので、なんか入れたいですね。
後ろ2連の案ですが、たとえば、
春を
この暖かな春を
あなたに渡してあげる
ねぇ その手のひらいっぱいの春をおもって
いつかこの春に帰ってきてね
こんなのはどうでしょう?
いっぱいの花びらを渡した感じにしてみましたが・・・。
あと細かいところ。
・初連2行目
「見つめるのだから」 → 「見つめるものだから」
でしょうね。
・2連3行目の「向日葵」なんですが、桜の話をしてるだけに、他の花は避けたい。
無難には「太陽のような」でしょうけど、他に案があれば、それでも。
とにかく「向日葵」は避けたい。
以上のところ、ちょっと一考してみて下さい。
でも概ねOK。魅力的に書けてましたよ。秀作プラスを。
●温泉郷さん「オレンジの帯」
たぶん・・・ですが、辞書のことは以前から記憶にあったんでしょうけど、
開いたページには
ところどころ
鉛筆の書き込み
そのころ わたしは
書き込みのあるページを
探しては 繰っていた……
ここの部分を初めて思い出したんじゃないでしょうかね。辞書の記憶から、さらに一段深く入らないと出てこない記憶ですからね。
あれ、ここ、どこかで見たぞというデジャブーに出会った時のような、電気が走るような感覚じゃなかったですかね。想像ですが。
あるいは、これ全部を一気に思い出したんだったら、凄いな。
それだったら自分で故意に押し込めてた記憶かもしれません。詩行にある「ひどく長い空白が続く」の感覚は、それを暗示するものかもしれません。
「ビニールカバーの下のオレンジ色」がキーなのか、辞書を手に持った感覚が似ていたのか、あるいはお父さんに何か聞きたいことがあったのか。逆に、お父さんに何事かあったのか(いわゆる虫の知らせ)。
いろいろ要因が想像されますが、ともあれ、大切なことを思い出したのは良かったことだと思える。「いいことがあった」で、いいんじゃないでしょうか。
社宅や、辞書の転がり方がリアルだったので、多少はあっても、概ねは本当のことなんだろうなあと思って、読みました。
皆それぞれ、いろいろありますね。
ちょっと不思議な話ですが、オレンジの帯をきっかけに、大切な想い出を思い出した、というお話でした。繋がってますよね、ちゃんと。
名作を。
●雪柳(S. Matsumoto)さん「問い」
ふむ、いいですね。よーーく練られてます。完成度が高いです。
若い時は、歳を経るほどに穏やかになれるもんだと思ってましたが、なかなかそうはいかないもんですね。
重いものも積み重なってきますし、寝覚めも悪くなったりですね。あらためて人生ってなんだろ?と思ったり、生命や人類の営みとは?という謎は謎のままだったりです。
各連、すごく気合いが入っています。それぞれに読み応えあり。とりわけ終連はいいですね。思考も情感も深いですし、ラストもとても美しいです。
「最初に陸に上がった太古の生き物」も、うまく再登場させました。
テーマがかなり大きいところに行っちゃったので、ホントは着地させるのがすごく難しいんですが、終始、自身に照らしながら進め、遊離することなく、上手にまとめてくれました。
名作&代表作入りを。
こまかーいところだけ言いますね。
・2連初行、「目覚めの時は」にすると、もっと別の大きな意味に取られかねないので、ここは素直に「目覚めの時間は」にしておいて方が、意味がズレないと思います。
・3連初行、これはタッチミスでしょうけど、「遠く」の後ろに「に」が抜けてます。
・3連終行は、
失くしたもののゆえなのか 新しく得たもののゆえなのか
の方がいいと思います。
・4連5行目ですが、
誰かによって命あるものに刻み付けられ は、
→ 命あるものによって刻み付けられ
で、いいような気がします。
あとはOKです。以上の点、一考してみて下さい。
●相野零次さん「出会い」
これね、人物Aと人物Bを、どちらが言ってる部分か、連ごとに自分で「A」か「B」か振っていってみて欲しいんだけど、これ、かなりややこしいよ。
一つの考え方が、荒い口調(A)か、おとなしい口調(B)か、で人物を分けるやり方だけど、末尾「なんだい?」の口調でくくると、1~3連まで全部「なんだい?」があるので、全部Aということになります。
で、4連がB。問題は次で、5連はAに見えるが、もしかして6連もAではないのかな?
だとしたら、ここは、ややこしくするので、連分けしちゃダメですね。
また、
僕は気に入らないなあ
君のこと さっきから何でもわかってるみたいなこと言って
なんだか神さまみたい
と、ありますが、さっきからしゃべってるのはAの方だし、わかったふうに非難してるのもAなので、神さまみたいなのは=むしろAだと思うんですが、
Bはうずくまったり(2連)、ひざをすりむいたり(3連)してるので、その様はとても神様には見えない。
こうして分けて考えていくと、この詩、連ごとにどっちがどっちなんだってところで凄く迷うので、確信もって読めない、というのが正直なところです。
キャラがちゃんと区分できてない感じがする。
1~3連を読んでもらうと、自分と自分が自己問答してると読めるのだけど、自己問答してる段階で、登場人物はすでに2人いるので、もしかしてそこにもう一人登場させてるのだとしたら、登場人物は3人になってしまい、(ちゃんとキャラをかき分けられる技量がないと)3人が交錯して、たいへんややこしいことになってしまう。
私の意見としては、この詩は自己問答の2キャラだけで着地させたほうがいいと思う。
アダムとイブはおもしろいけど、現状ではちょっと無理があると思います。
大作なので、もうちょっと推敲してみて下さい。
全体の話と切り離して、1~3連に関しては、とてもいいと思う。
驚くほど強烈に責めているのが印象的。そこに関しては会話調もしっかり書けているし、とりわけ選択肢を並べたててるところが、すごくいい。
とりあえず、そこをもって秀作としておきます。
本作は大作なので、もうちょっと推敲してもらったら、まだ良くなれる作です。
●aristotles200さん「集団意識と個人の尊厳」
うーーん、誠に申し訳ないんですけど、これは詩というより論述文ですね。 論説をやっているところか、もしくは倫理・哲学の世界で読んでもらった方がいいと思います。そっちがこれを出すべき正当な場所だと考えます。論じたいのであれば、論じる場に出されるべきです。
短く切りさえすれば、なんでも「詩」だというのは、悪いんですけど大いなる誤解です。詩は「人間」を書くところなので、生きている人間(もしくは生きていた人間)が、詩の中で具体的に動いていなければいけません(五感の動作を含む)。詩は「論」ではなく、概ねのところで「感情」や「情感」を書く側のものです。逆です。具体的な場で、且つ感情の延長線として思考に入ることはありますが、そこを抜きにして終始「論じるだけ」というのは、ちょっと「詩」の場のものではないですね。出される舞台を間違えておられる(良い・悪い、ということでなくて、提出先の間違いがある)と感じます。
例えば図書館においても、大きな書店おいても、内容によってジャンル分けや棚の区分がされてると思いますが、その区分で考えてもらって、適したジャンルで評価してもらって下さい。短いから、という形態の話ではありません。
もしも、論が3分の1以下で、個人の具体的な出来事や情感が書かれてる作がありましたら、またご投稿下さい。
●上原有栖さん「ブラザーフッド」
兄のようであったとはいえ、実の兄弟ではないようですから、「友情」という呼び方でいいのかな?と思いますが、
何があったんでしょうねえー??? 金銭トラブルがあって巻き込みたくなかったか、人生を変えなきゃいけないと思い違う世界へ行ったか、それなりの年齢の方であれば、入院するとか、介護のために田舎に帰るということもあります。また逆にこちらが気がつかないところで相手に迷惑がかかるようなことをしてしまっていたか、等々いろいろなことを考えてしまう消え方ですね。
事情は不明のままですが、いなくなった今も、また現われるのをずっと待っている作者(もしくは主人公)の、大切な親友を思う気持ちがひしひしと感じられる詩です。
いいですね。ステキな情感です。
どっと歳を食ってから、また再会できるといいですね。何事もなかったかのように、お互いけろっとして、また話せるといいですね。
今は、相手が幸せであれと、祈るばかりです。
(おっと、マルボロ吸うなんて、すでにいいトシかもしれん。本作はもしかしたら創作なのかもしれませんが)
秀作を。
ところで気になるのが「ブラザーフッド」というタイトルです。
たぶん英語のもともとの意で使われてるんだと思いますが、なにしろ有名な映画ありますのでね。映画と混同して見られるのは、避けたいところなんです。
案ですが、詩の最後に注釈で、
*ブラザーフッド・・・・・・「brotherhood」。兄弟愛、もしくは兄弟のごとく親密な連帯を意味する。
こんな感じでつけとくと、映画に因んでないことが明らかになって、いいかなと思います。
不毛の町で
鳥の羽の形をした
毛布にくるまり
身動きできないふりをした
うわべの空に輝く太陽は
差別を秘めた希望の光
黒塗りマスク越しには
ありふれた日常に紛れる悪意
虚無の景色に紛れる匿名性
マスクを外して
本当のなまえ 言霊にして
生の言葉 頬張り鳴けば
ほおほおと羽ばたく
フクロウになり
夜の街に飛び出し
兎やイタチを狩るのだな
生のことばを喰うのだな
生のことばを喰らうということ
それは声を育てながら
何かを壊してしまうことなのだな