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編集・削除(編集済: 2024年09月10日 18:37)

感想と評 1/13~1/16 ご投稿分  三浦志郎  1/22

お先に失礼致します。


1 妻咲邦香さん 「雪の日の朝」 1/13

まず視点がブレてないところがいいです。そのブレない背景に作者は想像力を駆使して、様々な叙述が代入できる。読み手も安心して自分の想像世界に遊べる、そんな印象を持ちました。
前者はもちろん妻咲さんらしさ、ということです。2連・終連に見る事ができます。とりわけ終連。
物理的には「小さな足跡」だったようですが、「恥ずかしい~大きな」とする。ここにこの詩の神髄としての修辞があり、隠喩があり、謎があり、華がありそうです。「交わることのない誰かの営み」も極めて重要なフレーズです。 佳作です。

アフターアワーズ。
自分勝手な想像を書きます。僕はこれを恐怖心をもって読みました。(誰が訪れたのか?)
自分(ミウラ)の家の裏庭―第三者が入らないような立地―に足跡。普通だったら、警察の鑑識などでないとわからないところなのに、雪の日の朝、まっさらな雪に足跡のみ、一目瞭然です。恐いですねー。ヘンな想像ですいません。でも想像でよかったです。


2 理蝶さん 「偲ぶ」 1/13

「あなたがいない=不在=死去」と「僕がまだ幼かった」を時の起点とすると、この詩の「現在」はかなりの歳月が経っていると見ます。死去1~2年後では「僕」はまだ幼くて、この詩のような思考は出て来ないだろう、からです。あの当時を思い出しながら、死の意味を考え故人を偲んでいる。これはその歳月を充分味わい、丁寧に読んで行きたい詩。時間意識が巧みに描かれています。少し角度を変えて話すと、この詩の考え方は大変オーソドックスで、極論するとオーソドックスしか書かれていないと言ってもいいほどです。ここまで書くと、一見、批判のようですが、どっこい、そうではない。そういったものを極めて詩的純度の高い詩行で包んでいる点です。そこを見ておきたい。

「煙も骨もその人の物質的証拠ではあるが、それが心の平静や癒しになることはけっしてない」
                        ↓
「人は煙や骨にあなたを重ねるけど/それは証であって薬ではないと」

「○○さんは亡くなったけど、いつもあなたの心の中にいる」などとよく言われるが、
所詮は修辞であって慰めでしかない
         ↓
「そばにいると諭されても見えないのなら仕方ない」

こういった書き方を評価しておきたいのです。ところで、僕がこの詩に時の流れを感じるのは、ひとつには7連があるからです。終行も趣深い。極楽浄土は西方にあるとされています。佳作を。


3 荻座利守さん 「篝火の花」 1/15

冒頭佳作。
花に疎い僕でもシクラメンは知ってましたが、名前の由来はとても勉強になりました。しかも和洋両方の由来があって興味深い。詩も概ねこの両説によって展開するのが基本方針でしょう。
冒頭から3連までがその感じ。4連では実際的な生態に少し触れ、微妙に変化が出ました。
後は、いつも通りの思考が入って、すでに「荻座スタイル」というものができているように思いますね。両説的なことが混在してしまうかな?といった危惧もあったんですが、無事クリアーです。
英名由来のほうは欄外に任せて、むしろ篝火の方に比重を置いて書かれたほうがテーマ的に良かったです。すなわち冬の厳しい時を、篝火のように人を照らし、和ませ、導く。そんな主旨にかなっています。英名、和名、どちらも麗しい。「篝火花(かがりびばな)」とした日本人の感性も見事です。「冬の良心」といったところ。
対象の選び方、名前エピソードの扱い方、それにふさわしい詩の叙述と方向性も大変良かったです。サイズもジャストです。


4 エイジさん 「太陽の軌跡」 1/15

冒頭佳作。
最近、なんかいいですねえ。なんか心境の変化でもありましたか?
この詩は恋する二人を登場させたのが圧倒的にいいのです。圧倒的に成功しています。プラス「僕」を添えたこと。これも左記に同じく。
別に悪趣味とか、人の恋路を邪魔する、というのでは全然なく、あくまで「愛を伴った二人との邂逅・その偶然」と位置付けたい。どこか短編小説の美しい一場面を読むかのように、うっとりしてしまいます。ロマンあり、文学的香気あり。「エイジ・コレクション」屈指と言っていいでしょう。人物を包む事物、光景も柔らかくも美しい。こういうのを書くと、「さらに上を」みたいな使命感、目標感が出て妙に緊張したり硬くなったりしちゃうんですが、長く書いていくうちには当然、好調・不調あり、派手・地味あり、強弱あり、雨の日もあり、晴れる日もあり、なもの。そんな風に構えて平常心でいるのが一番良いように思います。

アフターアワーズ。
大勢に影響ないので欄外に書きます、この詩の文学的横顔からすると「僕」ではなく「私」でしょ。


5 香月さん 「めかくし」 1/15 初めてのかたなので、今回は感想のみ書かせて頂きます。

よろしくお願い致します。あるPOPSの歌詞に「目かくしで 森の中~♪」というのがあって、なかなかシュールでかっこいいのですが、ちょっとそんなことが浮かびました。この詩のフィーリングもそんな気がしないでもない。内容とタイトルのギャップが―是非を措いて―興味深いのです。額面通りに受け取れば、金平糖をひとつずつ噛んで砕いて飲み下す行為なんですが、「ホント分かってない」(意味不明)と「君」の存在によって、セリフからすると「君」は女性。金平糖を口に入れてるのは男性という推測ができるのですが、タイトルがどう関わるのかは不明のままです。終わり2行がいいですね。「毒と蜜」が利いています。恋人同士のちょっとした戯れのようにも印象されました。また書いてみてください。


6 まるまるさん 「その日見たのは」 1/16

石川啄木 「はたらけど はたらけど なお わがくらし楽にならざり じっと手を見る」

毎日の家事と仕事に重さを感じ、うんざりしてきた矢先。(あります、あります)そこから石川啄木を思い起こすことはあるでしょう。(あります、あります)詩の半分は啄木絡みで展開されます。ここでやや面白いのは、どちらかと言うと手の平を見るのが自然なのですが、ここでは手の甲を重く見ている。料理中だから自然に甲が見えたのでしょうが、これは詩の個性となり得るかもしれない。ここで援護的に書くと、冬の手の荒れを気にするのはむしろ甲のような気がするのです。僕は手荒れがひどいので毎朝「ニ〇ア」を塗りますが、甲の方を意識しますね。これは啄木の登場が面白く読みどころでもあるでしょう。佳作半歩前を。

アフターアワーズ。
その石川啄木ですが、上記名作を読むと、勤勉で清貧で健気で可哀そうな人物がイメージされますが、「作品と人物は別」の典型のような人……ということが判明しました。職を転々、遅刻欠勤当たり前、借金だらけ、女遊び、奥さん質屋通い。とんでもない。
作品はどうであれ、内面はどうであれ、人間性はちょっと尊敬はできない。



7 ゆーたさん 「雷鳴と白鳥」 1/16 初めてのかたなので、今回は感想のみ書かせて頂きます。

よろしくお願い致します。なかなか書ける人といった印象を持ちました。最初なので、どの位の詩キャリアがあるかはわからないので、基本的なことを書くと、まずタイトルに沿って、タイトルを追いかける事が、基本であり常套手段だと思います(勿論、そうでない物も、それ以上にあるのですが)。今回、その定石を意識して読んで行くと、1蓮。いいと思います。タイトルを意識した自然的叙景と精神が語られます。続く2~3連ですが、僕はどう読んでも別の詩が入ってきたように読めるのです。これらはちょっとテーマが違うと思う。このパートは別の機会に別の詩として作るのが自然に思えるのです。幸い4連はややタイトル主旨に近いので、ここをアレンジして1連と繋げて、タイトル的に受け継いだほうがいいように思うのです。参考までに、僕ならどうするかをちょっとやってみたいと思います。フレーズが変わる事をご了承ください。
(4連のみ。1連から続く)

ときどき、あの日に戻ることがある
白鳥を見たあの日
少しの雨と
淡い雷鳴の中で
白すぎる白鳥の翼を
瞳が捉えた時
あの柔らかい水滴は
わたしの涙だったのではないのかと
思うことがある
鳥の白さに
何かが哀しいわけではありません
こころが動いたのです
ただ 遠くへ行くだけの話です
白鳥と共に 白鳥のように
白い翼を携えて
大海を越えて
たとえ雷鳴が聞こえようとも
遠くへ、 ただ遠くへ

上記はあくまで参考です。こんな感じで1連と繋げて(心情も若干入れながら)自然メインのテーマで締め括ったほうが、この詩らしいと思えるのです。 また、書いてみてください。


8 朝霧綾めさん 「白菜の甘酢漬け」 1/16

前作に続いて、お料理詩。今回は素材が具体的。タイトルの食物、おいしいですよねえ~。ごま油、味を引き立てそうです。「しゃくしゃく」音も味のうちか? 4連からなにやら世界が壮大になってきます。白菜の漬物によって世界の、人類の、邪悪全てを駆逐、退治する。これはもう技術論・是非論・具体論・抽象論全てを突き抜けるパワーが与えられています。とりわけ5、6連は読みごたえがあり、何か勇気をもらった気がします。おそらく白菜を視覚・味覚・聴覚から捉え、それを極限まで押し上げたの感があります。
奇観・偉観であります。隠し味として白菜に沁み込んだユーモア味も魅力です。佳作半歩前で。

アフターアワーズ。
ここで真摯なお詫びを。冒頭、嘘八百並べました。すみません。僕は白菜が嫌いです。食べたことありません。味も食感も知りません(ついでに大根、ナスも)。漬物も一切食べられません。逆に(なんで日本人は食べるんだろ?)と不思議なほどです。せっかく書いて頂き申し訳ないです。当然のように、これは朝霧さんの責任では全くありません。僕が変人なだけです(あとはノーマル! 笑)。


評のおわりに。

上記に続いて食べ物の話。食パンです。 関東では6枚切:8枚切=6:4 又は 7:3位の比率で
利用だと思うんですが(ウチは6:4くらい)、関西では8枚切は食べないとか、店に置いてないとか。
ネットでそこそこ調べたんですが、関西はド~ンと「厚切り指向」? 興味深いことです。では、また。

編集・削除(編集済: 2023年01月22日 11:11)

島様 評への御礼  cofumi

島様、「ひとつづつ、いっぽづつ」への評をありがとうございました。
いつも丁寧な評に感謝します。
いえいえ、決して若くはありませんが、詩を書いているときは何歳にでもなれるんです。
で、今回は。。。という感じでした。
ちょっと雨音さん風のタッチということで、光栄です。今一度作品を拝読したいと思いました。
ご指摘いただいた部分について、再度読みながら推敲していきたいと思います。
本当にお忙しい中、ありがとうございました!!
今年もどうぞ宜しくお願い致します。

編集・削除(未編集)

島様 評のお礼  荻座利守

この度は私の詩の「微かな光芒を頼りに」に丁寧な評をいただき、ありがとうございます。
名作との評をいただき、たいへん嬉しく思います。

仰るとおり、確かに楽屋落ち的でした。
主観的な感情に入り込み過ぎていたようです。
今後はこのような詩は例外的とし、詩を書いていない人がどう感じるか、ということをよく考慮して、書いてゆきたいと思います。

今後とも宜しくお願い致します。

編集・削除(未編集)

雨音の夜  荻座利守

雨音が忍び込み
心沈む夜が更けて

夢うつつの狭間
薄暮の如き朧な空間に

月下美人の白い花が
ゆっくりと開き始める

その故郷より
時と場所を越えて
今ここに
音もなく開く
蝋細工のような大輪が
似合わぬ雨音に
覆われるとき

雨雲に遮られた
月光の魂は
月の如く白くも
一夜のみにしか開かぬ
儚い花に宿り

花の魂は
降りしきる雨を
刹那に静止させて
その雨粒ひとつひとつ
すべてに宿り

中空に留まった
雨粒の魂は
その銀色の輝きを
微かに震わせて
夜の大気の中へと
溶けだしてゆく

心沈む夜
夢うつつの狭間に
染み込むような雨音が
引き継がれゆく
魂の旋律を
しめやかに奏でてゆく

編集・削除(未編集)

評、1/6~1/9、ご投稿分、残り。

次のMY DEAR 321号のお勧め詩集は、井戸川射子さんの「遠景」(第2詩集)で書こうと用意してました。2022年度で若手詩人で一番目に留まった詩集だったからですが、しかしながら、芥川賞作家ということになっちゃったので、うっかり書けなくなりました。
仕方がない・・・、別の人にしよう。
まあ、私の見立ても、そう間違ってなかったということで・・・。



●エイジさん「一抹の寂しさ」

ありますねー
私も出張してた時は、普段と違う、朝5時台の電車に乗ってたんですけど、5時台の電車が意外といっぱいなのには驚いてました。みんな朝から働いてるよなーって思った。自分の会社の中だけを見て、こんな時間から電車に乗るのは自分だけかあとつい思ってしまうんですが、世の中、その時間でも働いてる人はいっぱいいて、こいつはうぬぼれだったなあと、何度か自分を戒めたことがありました。見ず知らずの乗客たちに対しても、何かを思うことってありますね。

とりわけ普段の自分の行動時間帯と違う時間帯をたまに行くと、ものごとを新鮮に見れるのか、発見がありますね。そのあたりのこと、とてもよくわかります。この詩のカナメとなっているところも、たぶんそういうことなんだと思います。とりわけ1月2日だと、まだ仕事が始まってないとこがほとんどのはずですから、いつもと違う人の風景だったことでしょう。

それにしても、透析は正月関係なしですから、つらいとこですね。そこが「一抹の寂しさ」の由縁なのでしょう。

また、いつもと時間帯が違うから特に気になって書かれたんでしょうけど、行きのバスから帰りのバスまでのタイムスケジュールを、全部通しで見せてもらったのは初めてな気がします。いつも断片、断片でしたからね。時間帯は違うけど、順番やそれぞれの所要時間、ここで喫煙所利用など、順を追って書いてもらって、やっと全容を把握できたような気がします。その意味でもこの詩は良かったです。今後の詩を読む上でも役に立ちます。
なので、1回こうやって、通しで書いてくれたのも好感でした。

うむ、しっかり書きましたね。ちょい甘だけど、名作あげましょう。

2点あります。
3連4行目の「文句を言わず」は、その後は文句を言わず、の意か、病院には直接文句を言わず、の意なんでしょうね。詩の上ではその前にさんざん文句言ってますからね。その処理は必要です。

 そう言い捨てて3時半に家を出ると決めた
 3時半までは待ちくたびれた
 待っているうちに1日が終わるじゃないか
 さんざん文句を言ったあと
 黙って3時半に家を出た
 バスで駅前まで15分かけて行った

2連目が、心の声ないし独り言とわかるように書いてくれてますから、その後の3連の1~3行目も、同様のものとわかります。病院に文句言ったわけではないのは、書かずともわかりますから、こんな感じでいいと思います。

もう1箇所は、8連2行目ですね。

 僕はライターに火を点けた

それ、爆発燃焼するので、やめましょう。
「ライターの火を点けた」あるいは「タバコに火を点けた」の間違いかと思います。


●おおたにあかりさん「拝啓 コピー機様」

リースでなく、買い取りの機械のようです。壊れるまでとことん使い倒そうという感じで、長い長いおつきあいをしてる友のようです。
力を入れて拭いているところからして、機械の大きさとしては、ふつうに複合機のサイズか、ハーフのサイズくらいあるような感じがしますが、製造中止はもちろんこと、そのサイズで中古価格44,000円は、かなり安い。想像以上に古いものかもしれません。

ああ、なんか、昔よく一人で残業してた時に、コピー機詰まって、深夜のオフィスで一人で直していたのを思い出しますねー それ、コピー機としゃべるのは、周りに誰もいないからなんですよ。残業中かどうかはわかりませんけど、今オフィスに自分一人という状態なのでしょう。そういうオフィス内の図も、ちょっと入れたらいいと思いますね。

 おざなりでしかない
 危機管理を詫びる

の詩行は、おおたにさん独特のユーモアで、わざと大袈裟な書き方をしてるのでしょうけど、たしかにオフィスに1台しかないプリンターが止まっちゃうと、いろんな業務が止まっちゃいますから、この「危機管理」の言葉もまんざらジョークでもないと言えます。
7連の、

 わたしたちは支え合っている

は、この詩における、究極の一言かもしれません。
コピー機って、壊れた時に、壊れた箇所しか見ないからなあ。そんな調子でずっとやっていると、たまにドカンと、しっぺ返しを食らうって教訓ですね。たまにはきちんと隅々までメンテナンスしてあげましょうってことですね。
たぶん心臓部に当たるところが、腐食を始めてるんでしょう。そういう状態のようです。
少しわかりにくいんですが、これ、トナーの付着をずっと放置してると、腐食を始めるってことなんですかね? 「日々の積み重ねのところ」、そこまで書くといいですね。
激しく後悔してる、その理由にもなっているところですから。

ちなみに5連3行目は、

 これは罪重ね → これは罪重ねね

とした方が、前の行からの流れがいいと思います。

7連3行目。
オフィスですから当然、複合機だろうと思って読んでますから、「プリント機」って書かなくても、俗称としての「コピー機」で、ここはずっと通せばいいと思います。

終連ですが、

 できるかぎりの掃除を終えて
 コピー機のフタを閉める
 身勝手な人間なのは重々承知
 「これからはもっとキチンと掃除するよ」
 と誓って
 小指でそっと
 テストプリントのボタンを押す

こんな感じの方が良くないですか?
場面が変わる時の動作というのは必ず入れた方がいいですね。その方が読んでる方がビジュアルを思い浮かべやすいのです。当たり前の動作と思っても、ちゃんと書いた方が有効な場合がままありますよ。

一人でコピー機と格闘してるところは、誰しも身に覚えがあるところで共感できる着眼ですね。
秀作プラスあげましょう。


●喜太郎さん「タブー」

母親が我が子の子を身籠る、は物凄く極端な事例に思いますよ。
まあ仲が良くなりがちなのは、私も聞いたことあります。ある意味、理性が足りてない人も中にはいるので。
通常、施設やホームでは男女でフロアを分けて、夜は立ち入り禁止にしますね。個々の家庭でのことは、私はちょっと存じ上げません。

語り口としては、上手に書けてると思うんですが、極端な事例だけ置いていくというのは、ちょっと違うかなと思います。もうちょっと範囲の広い話、あるいは体系的な話の中で、その事例も置くというならいいけど、この事例だけ置く書き方だと誤解を招きますね。社会派の詩の書く場合、全体に対する考えを持ちつつ、事例を語るというスタンスが必要です。そういう意味で、もうちょっと考えを深めてほしいです。

これは一歩前にしましょう。


●秋冬さん「或る休日の昼下がり」

読み始めた時は、まさか最後まで続けると思わなかったという意味で、意外性ありました。正直、後半になって、ちょっとしつこいなって気持ちになってきたんですが、エンディングに、これを最後まで続けた理由が待っていました。
つまるところ、真っ正直に書けんところのハニカミのために、すべてはそのための伏線であったかと、納得いきました。

各連初行の反対重ねが邪魔をするので、前から読むと全く気づかないんだけど、逆読みすると、そこに至るまでに、だんだんとムードが高まっていってる様子もわかります。

(それにしても、なんてシシャモが食べたくなる詩なんだろう・・・)

うむ、2度使えない手だけど、これはこれで、いい休日で、いい夫婦の日だったということで、OKにしましょう。
ただ、内容的には小品の域内なので、秀作プラス止まりで。


●荻座利守さん「微かな光芒を頼りに」

「アート・テイタムにはなれなくとも、トミー・フラナガンはトミー・フラナガンになりました。」
と、いう訳の分からない例をいきなり口走ってしまいましたが、昔、アート・テイタムという超絶テクのピアニストがいて、他のJAZZピアニストたちで、「自分はアート・テイタムにはなれない」と絶望した人たちが結構いるのです。でも彼らもそれぞれに、ちゃんとのちにJAZZジャイアンツになりました。
ピアノテクだけがJAZZじゃねーよって話でもありますし、結局のところ、それぞれの道を行くしかないし、それが正解だったという話でもあります。
いささかわかりにくい例で、どうもスミマセン。

加えていうと、美しいものを、まさしく美しいものだとわかるところに、すでに荻座さんの力量の高さがあります。なんていうか、本当に美しいものって、まず外見でもって誰しもが美しいと感じるものの、さらにその奥に真の美しさが隠れています。いや、隠れてはないんだけど、そこまでは、わかる人にしかわからんのです。荻座さん、それが見えているということは、翻って、荻座さんにはそれがわかるだけの力量があるってことです。
だから、光芒は、そんなに微かでもないんじゃないかな。

作品ですが、これは荻座さんの詩の姿勢、詩論の一つとして、受け取っておきます。
詩人さんの中にも、詩集の中に、詩の悩みや詩の姿勢、詩人論みたいなことを書いてる詩を載っけてる人がいるけど、そういう詩って、詩を書いてる仲間内しか読まんネタなのです。楽屋落ち的というか、題材的に、他への広がりがない題材なんです。詩を書いてない人には、まったく興味がない題材なんですよ。そういう詩を平気で載っけてる詩人もいるけど、私は感心してません。
詩人なら当然考えることですから、ごくたまに1作くらいあってもいいと思うけど、積極的に書くような題材ではないですね。詩集の中に、なくていいし、あっても1作までですよ。それ以上は不要。
そもそも詩人が詩を書くのに苦しむのは、当たり前のことじゃないですか。
(て、荻座利守さんのことは、もうすっかり詩人扱いしてますので、ちょっとキビシク)

そういう注意をつけた上で、この詩は7連から始まる3つの比喩と、そこから13連までが見事なので、これ1作に限って、例外的に名作としておきます。「ごくたまに」の1作として。


●じじいじじいさん「冬の温かさ」

わああ、何故これが書ける??? 初々しい感覚ですねえー
ステキな瞬間です。とうの昔に忘れたものを、胸騒ぎのように思い出させてくれます。
女性のほう、よく書けてますよねー 男の方の描き方はちょっと作為的ですけど。
まあ、リアルな話をすれば、男の方にこの度胸があるなら、もっと前からアクションしてるだろうと思われ、いきなりこれができるなら、むしろプレイボーイかの感がありますけど。

それと単に学校帰りということだと、みんな下校してますから、みんなの前でいきなり手はつなげない。シチュエーションとして部活で遅くなって、たまたまその時、その道には二人だけとか。学校帰りでも、最寄り駅まで戻ってきて降りたら、彼と一緒の電車(汽車)だったとか。休日に繁華街をうろうろしてたらバッタリとか。もう1個、シチュエーションの付加がいるように思います。
また、そうしたシチュエーションの付加があれば、男性側が大胆すぎて作為的に見える部分も、他に誰もいなかったからということで辻褄が合うというか、緩和されると思います。

それと、この短い物語のシメとしては、やっぱり叙景なので、終行1行で終わってるところを、3行くらい、しっかりと叙景を書きましょう。

という注文をつけた上で、肝心の部分は書けてるから、秀作にしましょう。

編集・削除(編集済: 2023年01月23日 03:09)

花を食べる  妻咲邦香

花を食べる
恋を食べる
むしゃむしゃ食べる
もぐもぐ食べる
ごくりと飲み込む
喉を通る
お腹に入る
こなれてそして
栄養になる
それから後のことは知らない
何処へ行ったか、わからない
良いところか
素適な場所か
幸せにしてるならいいよ

花を食べる
まだまだ食べる
虚ろな目をして
ひたすら食べる
それは恋かと尋ねても
答えず口はもぐもぐ動く
これからこの先
どうしていいのか
胸も心もいっぱいなのに
誰かのために生きようとして
唇は動く
明日を探してる

編集・削除(未編集)

あした天気に  U.

60ワットの電燈
枯れた光の零れ落ちる中
タバコの煙の向こう側に
私を通り過ぎて行った人の顔が、浮かぶ
思い出すこともできなくなった人の顔が、浮かぶ
紫の煙が目に沁みる

行きて帰らぬ想いを
凍えて滑る冬の風に乗せて
遠へ吹き飛ばす
小さな吐息が身を震わせ
存在への不安と懐疑が
私の手を捉える

まわりの空気は
張り詰めたガラス
何処か遠く
コトンと落ちた溜息に震える
そのとき
私の心臓は瑠璃の珠
流れる血は水銀
薄い瑠璃の珠は見る間に
裂けて砕けて、そして散る

硝子の夢は
粉々に砕けた
大事にこの手の中で暖めてきた
小さな硝子の夢は
この手の中で粉々に砕けてしまった
手は傷だらけ
血が赤い
あの時は、あの笑いは、・・・全て幻
みんな忘れてしまった
みんな置いて来てしまった
独り、甘い光の中
硝子の夢は、粉々に砕けて、風の中

そんな瑠璃色の想いの中で
独り呟く
何かおもしろいこと、あるといいね
独歩独吟
でもね・・・

砕けた夢を紡ぎ直すために
何をすべきか分からない
嘗て、時がくれば全て分かると思っていた
でもね・・・

それは嘘
何をなすべきか、分かったら最高
そして、それができたら

相変わらず、暗い穴の中
遠くを見つめる目
遠くが見えない


溶けるといいね
明日こそ
天気になれ

編集・削除(未編集)

余香 maut joe

残らない湯
戻らない具
氷らない無
底哀しく

どこや果肉
桃はマイム
言葉が征く
痴がましく

横は妻(ワイフ)
祖母は経管栄養(パイプ)
届かない (voi) ce
解かない hand (s)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

図鑑とにらめっこする医者

人体のこと
雲のうごき
あの世とこの世

座り心地はどうですか
妻と毎晩話し込んでいるその椅子は

電話は毎日掛けますか
耳に残るあの話は焼きまわしですか

ページの合間を縫うように
忙しない往診や
看護師長からの報告や
意味のない会議や

その身体を守り抜くために
図鑑はそのためにあるのでしょう

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

甘く儚い部分を削り落とすと
苦みのある部分が
露わになる。

不定形なものとして
人を慰めるものとして
古くから
往来し続けている

風に乗って
声に乗って

やがてどこからか昇ってゆく
柔らかい気配がある。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

妻は言う。
中心に心があって、それ自体、
心には形があるの、と
それだけで心は存在するし、
それで十分満足なのよ、と
私を慰めるかのように

整頓された衣類は
私の前にちん、と正座している

昔、祖母はこうして
よく私を叱ったものだ

私はいまや
へこたれた祖母を
叱ってやることさえ出来ない

私が抱きしめたものは何だったか
私を抱きしめたものは何だったか
心はあったのかなかったのか

わからないまま

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

編集・削除(編集済: 2023年01月21日 17:17)

島様へ 詩への御礼 成城すそ

今回は私の「グロタンディーク」を評定して頂き誠にありがとうございました。
前までの詩の形から少し変えてみようとしてみましたが まだ定まっていなかったのに無理してしまいましたね……
アイデアが突然降ってきてもそのまま詩に移さずにゆっくり暖めて考えることを今後の課題にしようと思います
再度になりますが 詩の評定をして頂きありがとうございました。

編集・削除(未編集)

島様へ、評の御礼

島様、お忙しいなか、評をいただき有難うございます。

部分部分直していただいたところを見直して、なるほどと納得です!読みやすく伝わりやすくなりました。情景や思いは汲まれつつ。

そうなんです、たぶん気づかれないことの方が多いです。でも昔からつい隠すように書いてしまいます。。
そこに気づいていただき、ご指摘いただき、尊敬と感謝の気持ちです。
少しずつ匂いを濃くという方法を、今年は意識してみようと思います!

甘酒の湯は、夢と現実を少しだけリンクさせたいと思いつけ加えてみたので、プラスに評価していただき良かったです。

靴を履きかえる、たしかに主人はそうしていました!私は靴をあまり持たない&冬はほぼずっとブーツなのでそのことを考慮に入れ忘れました(汗)
まだ初雪を待ちながら、句は兼題となっている「春の雪」を考え中です。。

また宜しくお願いいたします。
ありがとうございました。

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