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編集・削除(編集済: 2024年09月10日 18:37)

評、1/6~1/9、ご投稿分、その1。  島 秀生

お待たせしてます。
残り6作は、日曜夕方に。


●妻咲邦香さん「レシート」

項垂れてたのは、怒りを堪えていたのかなあー その人、よくプッチン切れんかったなあと、感心する。プッチン切れたら切れたで、今後、店に来づらくなるしなあー 来るのは来れるだろうけど、いつもの買い物が楽しくなくなってしまうしなあー もしそのあたりにそこしか店がないのだとしたら、来ないわけにもいかないだろうから、うっかり喧嘩するわけにもいかん。
あるいは、あまり責めるのも店の人に気の毒かと、相手を気遣ったか???
あるいは体の問題として、一度脳梗塞やってる人は、うっかり血圧上げるわけにもいかんということがある。血圧上がりそうなのを上げんように、ぐっと自分の体調をコントロールしてたかな? 体の問題抱えてる人は、そっちの方が大事で、命に関わるからな。
まあ、一瞬で、そこまで考えが駆け巡ったかどうかわからないけど、冷静な対応したなあと、その人のお人柄に感心する。今後もその店を同じように利用するつもりなら、その対応が一番大人だ。見た目はどうでも、紳士だね。

3連の叙景から4連に入るところもステキで、この詩、1~4連が、すごくいいです。

後半、6連ですが、まあ性善説やなあと思ってしまうところもあるけど・・・。なにしろ世の中には、想像の内にある悪い人と、想像の外にある悪い人(到底想像もつかないような)がいるからなあー そういう意味で、「誰も」とか、「みんな」という言い方に飛躍しなくても、「自分はこう思う」、あるいは皿からこぼれ落ちる人がいるように、「こういう人たちもいる」的なスタンスで書けばいいと思うのだけど。
「自分はこう思う」スタンスで書いても、共感する人は共感してくれるので、「みんな」とか「誰も」という言葉は、無理に引っ張り出さなくてもいいのです。
逆に「誰も」とか「みんな」とか書くことで、当然ながら私は違うという人もいて、語弊が生じてしまうことが、ままありますので。

7連と9連(終連)については、自分として書いていますが、世の中の人はこんなものだというアイロニーにも解釈可能なので、7連と9連についてはアリです。

8連については、レシートのことだけでなく、なにか比喩的に書こうとしてる匂いがする。また、書かれてる詩行からは到底読み取り得ない不可能なことを、作者が勝手に考えてる匂いがするので、8連は敢えて無視します。

ということで、一部を除いて、あらかた良かったし、なにしろ1~4連が凄くいいから、全体の印象としても凄くいい。名作にしときましょう。


●cofumiさん「ひとつづつ、いっぽづつ」

あ、そうだっけ? そんなに若かったんだっけな? ともあれ、この詩は、詩の趣旨に沿って、「大人になる前」の感覚で読ませてもらいます。
何かと引き換えに大人になっていく感覚。この年代だとこの感覚あるかもしれませんね。そういうこと、私も昔、書いてた記憶があります。
ホームポジションがどこにあるかによって、人生観て変わっていきますが、それは一概に、磨かれるほどに良いものとは言い切れず、自分のホームポジションがどこにあるかで、その時その時の重大事が異なるわけだから、「その時に有効な人生観」というものが、存在していいと思うわけです。
これは、そういう意味で、この年代に必要な人生観かもしれないと思える。

この詩はちょっと、雨音さん風のタッチですよね。このカタチでに、よく推敲された形跡が見られます。そこも評価しましょう。

一点言うと、「みっつの哀しみ」を、初連の、

 ひとつ何かを知って
 ひとつ何かに気づいて
 ひとつ涙をこぼす

と、読むには無理があります。そこが引っ掛かったのですが、
見方を変えて、各連のマイナス言葉を拾っていくと、

 ひとつ涙をこぼす

 失うこと

 大人にはなりたくない

と、なるほど3つの哀しみがあります。
私はこれの3つ、という理解で、OKとしておきます。
秀作を。


●褸さん「Face the Music」  

小説の書き出しみたいですが、これはこれで読めますね。

 「わたしの居場所はここだけ」
 
 そう写真に綴って、
 誰も見ないInstagramに投稿した

ここ、モダンで味があっていいと思うし、

 11月最後の週をグレーの毛布に絡まって
 タバコの煙と、コーヒーの湯気が混ざり合っているのを見ているうちに

ここのアイテムの複合図も、キレイに書きました。

後半、

 「死んでもいい」「生きていてもいい」

は、こういう自然体の受けとめ方もあるのかな、と思ったし、
次のフレーズで言ってるのは、「面倒」で物事を決めてはいけないという意かな、と思った。

一つ言いたいことは言えているし、キレイなフレーズもあったので、マルかなと思う。まあ「小説の出だし風」がやや気になるところではありますが。

褸さんは、私は初めてですので、今回感想のみになります。また書いて下さい。


●猫目屋倫理さん「会話」

 女の子って何でできてる?

 男の子って何でできてる?

のセリフは、ものすごくおもしろいですね。
もう、この問いかけそのものが、理想を追っかけてますもんね。
で、問われた方は、これにツッコミを入れたくなるし、問いかけた方を揶揄したくさえなる。
まずもって、このセリフに着目したこと自体、詩の発見があっていいと思います。
また、冒頭から、

 女の子って何でできてる?

で、ダイレクトに始めてることがナイスで、笑えるし、その先を読みたくなって、引き込まれます。よいスタートの切り方でした。

もうこのヒラメキでもって、勝ったみたいな詩なので、あとはソツなくまとめてくれたら良かったんですが、
この詩、ひとつ怪訝なのは、誰と誰が話してるんだ???ってことです。

 女の子って何でできてる?

は、男の方が聞くセリフに思える。知らないから聞くわけですよね。
で、それに答えてるんですから、相手は女性です。
つまり、男と女のペアの会話と思って読みます。
1~3連と、6~7連(終連)で、それで理解できます。

問題は4~5連で、

 じゃぁ
 男の子って何でできてる?
 男の子って何でできてる?
 
 馬鹿ねそんなの決まってるじゃない
 あんたの理想でできてんのよ

これはどう読んでも、女二人の会話に見えます。

両者はペアが異なる状況なんですが、一緒くたに書いてるとこに違和感があります。

逆に6~7連がなければ、一方は男の方からの問いかけを書き、もう一方は、女性の方からの問いかけを、対峙的に書いている。ということで、それはそれで構成が成り立ったんですよ。

ところが6~7連を付け足したことで、また男と女のペアに戻してしまった。これがいけない。このことで、4~5連が浮いてしまいました。対峙的に置いていた構成を、自分で潰してしまいました。

結論、私は6~7連はいらない案です。欲をいえば、3連の中ももうちょっと整理した方がいい。なんか個人的恨みまで入ってる気がします。

せっかく書いた6~7連については、また別の詩で使って下さい、という感じです。

猫目屋倫理さんは、私は初めてですね。今回感想のみになりますが、概要としては良かったので、マルの作品ではあります。


●江里川  丘砥さん「孤独」

うーーん、トラウマじゃないけど。子供の時や、成長期にツライ経験があると、それがなにかの拍子にひょいと出てきてしまうので、それはそう簡単には抜けないんだよね。それは波のように、時々寄せてくるので、波の間隔が、だんだんとあいてくるのを待つしかないんだよね。

作品ですが、やっぱり個の孤独の話と、人間存在の孤独の話が、テーマ的に少し違う話に思う。少なくとも、この詩において、両者の話は繋げられていない。
3連の「八十億人の孤独」の話は、この詩の中でどこにも繋がらず、浮いているので、やっぱり削除の方がいいと思いますよ。

なので、1~3連は、こんな感じをオススメします。

 どうして
 人には
 孤独があるのでしょうか 
 
 楽しさも笑みも
 おおい隠してしまう孤独に
 どうして陥るのでしょうか
 
 命をやめてしまうほどに
 ふかく蝕まれて

で、4連以降は「わたし」の話に深く入っていくので、ある意味「わたし」以外のことには読めない感じの話が続くので、エンディングは序盤の趣旨に基づいて、「わたし」から少し距離を置く感じに終わりましょう。ラスト2連は、

 悲しみのなかに漂いながら
 けれど
 ぼんやりと
 ひとすじの星が
 流れてゆくのだけが見えた
 
 わたしは
 星もまた
 孤独なのだと知った

この方がいいかな?と思います。
まあ、世界の人口、八十億人は巻き込みませんが、星だけは巻き込んでおきましょう。という終わり方です。参考にして下さい。

パーツで良かったのは、

 雪の夜には
 花が咲く季節を思い出せず
 雨の降る日には
 心ごと雨に打たれるまま

ここの映像を伴う、哀しみ表現。

 叫んでもだれからも返事のない虚空に
 浮かんだまま
 
 悲しみのなかに漂いながら

ここも、映像を伴う哀しみ表現で、良かったです。

今回の詩はたぶんね、

 どうして
 人には
 孤独があるのでしょうか 

これを命題にしていて、「人」にまで話を広げようとしたんだけど、そこまで話を広げることができなかったんだと思う。結局、江里川さん流に、「わたしプラス」で、人への広がりを考える方が良かった感でした。

うむ、ちょっとおまけの秀作プラスで。


●秋さやかさん「きよらかに」  

うーーん、いいとこ、てんこ盛りなのに、ちょこちょこと気になるんだよなあー
で、ゴメン、ちょこちょこ直してみました。


かすかな光を
睫毛が絡めとる

カーテンの隙間から
朝のさざめきの予感

いつもより
足裏が火照っているのは
甘酒のとろりとした湯に浸かる
夢を見たから

バスタオルで体を拭く
夢の続きのように
布団を剥ぎ取って
カーテンに手を伸ばす

数秒前から
気づいている

いつもより高い鳥の声に
夜の一切を忘れた空気に
痛みと明るさを分け合ったような

雪の匂いに

静けさを割いて
カーテンをひらけば
そこはもう見知らぬ世界

輪郭すべてが手を繋ぎ
大地の広さを讃えている

白く覆われ
剥き出しになっている
出来たての朝

新しいいのちに
生まれ変わった気分
まるではじめてのことのように
朝のルーチンをこなし
出がけの靴の
靴紐を結び直す

いつもの日常が
また繰り返されるだけなのだとしても
いまはただ
この真っ白な道を
きよらかに突き進んでいきたい

靴も
雪も
汚しながら

それでも前に


この方が良くないですか? 
それと、秋さんがやる長い距離の仕掛けは、最初の仕掛けのインパクトが薄いのか、「作者のみ知る」になりがち(たいていの人はそこが仕掛けだったということに気づいていない)なので、その手法よりも、少しずつだんだんと匂いを濃くしていくというカタチを取ったほうがいいと思う。そこのやり方も変えてみてますので、これでちょっと検討してみて下さい。

あらためてこの詩のいいとこですが、
まず初連の繊細さから、もうぐっときますねー
初連でもうこの詩に引き込まれます。
こういう繊細な叙景表現は、秋さんならではのところです。

甘酒の風呂に浸かってる夢も、おもしろい。この詩は、なにより全体の叙景のすばらしさで読む詩なんですが、加えてこの夢のおもしろさは、プラスαの妙味になっています。

また、
 輪郭すべてが手を繋ぎ
 大地の広さを讃えている

一面の雪を、この角度で捉えた表現も初めて見ました。良かったです。

そして後ろから3連目、
雪の日の真新しく見える風景に感化され、繰りかえす日常も、新しい気持ちでのぞもうとする作者の前向きがステキです。ぐっと情感が増し、いいクライマックスになりました。

うむ、秀作プラスを。

余談ですが、私は雪の日は、いつもの靴でなく、靴を履き替えますよ。靴裏のゴムがまっ平らなものは滑りやすいので、凹凸が多いものに。


●成城すそさん「グロタンディーク」

割り切れない気持ちを、何かに喩えてみようとしたところは、思考回路としてまず良しですね。ただ、大事なことは、まさにそのことを忘れないで書くことです。肝心なのは、割り切れない気持ちの方だということです。

この詩は、グロタンディーク素数ってアイデアが浮かんだ途端に、そっちの方にずいぶんと振られてしまいましたねー。
後ろの3連、「割り切れない心は」という言葉だけは置いてあるものの、情感は薄く、アイデアの方に踊らされてしまった感が強いです。

一方、この詩の前の4連はきちんと書けていて、とても良いので、もうちょっと続けて欲しかったですね。でもって、そこから、グロタンディーク素数の話に移る、話の転換点になる部分を作って、そのステップを経てから、後ろ3連に移ると、全体がいいバランスになったんじゃないかなと思います。

まあ、いいアイデアが浮かんだなあーと思っても、そこで走らないことですよ。走ると失敗します。アイデアを携えながらも、じっくりと攻めることです。
私は逆に、この詩の前4連を見て、安心しました。この前4連が書けてるなら、いい詩が書けるようになりますよ。焦らず、取り組んで下さい。

成城さんは、私は初めてですので、今回は感想のみになります。

編集・削除(未編集)

なつといえば  鯖詰缶太郎

りんご飴を落としてしまい
君の目がただ、ただ泳いでいた
僕は、遠くから君の狼狽する姿を見てた
境内は今夜、電気を使わずとも
ネオンじみているな
不夜城を名乗るには
見回りの教員が多すぎた
すいかが割れる音
蝉が落ちていく音
どちらの音を
君は今
聴いているんだろう?
君は風鈴の音に
耳を傾けるような
嘘つきとは
違う
だから
いまだに
僕は
夏服で
汗ばんだ
サクスフォーンの音を懐かしむ
あたりもしないくじ引き屋の前で
君とすれちがう
君は
嬉しそうに
りんご飴を舐めていた

編集・削除(未編集)

篭城 成城すそ

部屋に篭城して
外から分断

映画のような空に
許しを乞う

ふらふらする雲に
希望を見た

影を落とした霧の中
何かを拾って
心に貯めておく

零れた夜はすぐに気化して
とける

バリアのその先に
誰かがいるのなら

少しだけ
出てもいいのかも

編集・削除(未編集)

嫌われ者  エイジ

どんより沈んだ
冬の曇り空を舞う
真っ黒な鳥と言えば鴉
嫌われ者の鴉

人間たちのゴミを漁ろうか
人間たちを空からからかってやろうか
今日も悪企みをしながら
電線で奴らを観察してるさ

俺たちは人間と一緒に暮らすと決めたんだ
ゴミの散乱するこの下町で
餌に困ることがないしな
しょうがないさ 人間が森を壊したからだろう
ほらっ 俺らに餌をよこせよ

南に行けば公園がある
大きな木のある俺たちのねぐら
雛たちを育てる俺たちの棲み処
時々人間が入ってきて脅かしてくる
俺たち意外と臆病だから
びっくりするけどな

この町で唯一落ち着ける場所さ
さあ 日も暮れかかっている
今日もねぐらへ還るかな
雛たちは無事にやってるかな

どんより沈んだ
冬の曇り空を
バッサバッサと舞う
俺は真っ黒の鴉
嫌われ者の鴉

電線に鎮座して
今日も辺りを観察してる
池の噴水

雌鴉

人知れず暮らしているのさ
ひっそりとね

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萎れる  理蝶

古財布のしとけなさ
家庭菜園の寂しさ
断水の時の楽しさ
夜干しの後ろめたさ
小籠包の情けなさ
田舎のバスの優しさ
ブルーライトの艶やかさ
シャンデリアの愚かさ

寝不足の日には
それらが混ざっては一つになり
憂鬱として現れる

寝不足の日の悲しい気持ちは
いつかの僕が追いやった気持ち
くたびれてしまったら
追いやる力が弱くなるから

こんな日にはどんな問いにも
出す答えは決まって
曇り空のナイフのように
僕を刺すもので
考えては足がもつれて
涙をこらえる

こんな日にはどんな物にも
思う事は決まって
抽象画の朝陽のように
輪郭のない苛立ちで
道端の花に唾を吐いて
やるせなくなる

早く1人になろう
早く1人になろう
そして眠ろう
微笑みが痛く無くなるまで
ゆっくり眠ろう
少しずつ疲れていたのかも知れない
泥のような眠りに後は任せることにして
とにかく家へと僕は足を早めた

編集・削除(編集済: 2023年01月19日 13:07)

私のはじまり  cofumi

ひとつ 膨らみのある
薔薇の蕾を口に含む

ほのかな香りは
私の細胞ひとつひとつを
編み込むように広がり
私の遠い記憶の先まで
香りをほどこしてゆく

初めてこの世界で
呼吸をした時のように
初めて目覚めた朝のように
そして
初めて朝日が
海を照らした瞬間のように

全てが光に包まれ
全てが受け入れられ
私は私としてはじまる

編集・削除(未編集)

棺桶  喜太郎

棺桶

どうしたものか
不安でしかない

閉所恐怖症

死んだ後まで
嫌な思いをしなきゃならないなんて
花とか詰め込まれて
鼻の穴まで塞がれて
息もできなきゃ
身動き一つとれやしない
想像しただけで死にそうになる

編集・削除(未編集)

三日月  山雀詩人

ふわふわのスリッパを買った
真っ白なファーのスリッパ
さっそく家で履いてみると
予想以上のふわふわだった

足が床からふわっと浮いて
まるで雲の上のよう
脱いでそろえると
まるで二羽のうさぎのよう

夜 玄関のドアを開ければ
ちゃんと待っていてくれる
朝から微動だにせず
一心に僕の帰りを

なんてかわいいうさぎだろう
こんなにも僕のことを
しかも疲れた足を通せば
そこはもう雲の上

暗い夜空をサーフィンだ
ふわふわうさぎの背に乗って
星の波間をサーフィンだ
今宵は三日月のヨットも出て

なんてすてきな夜だろう
僕はすっかり満ち足りて
うさぎたちに言う
これからもずうっと一緒だよ

その瞬間 目が覚めた
うさぎはもういなかった
いったいどこへ
探しても見つからない

そもそもすべては夢だったのか
三日月に尋ねるけれど
月はぷいっと横向いて
やがて雲の中にかくれた
 

編集・削除(編集済: 2023年01月20日 17:52)

焼き芋  秋冬

カラカラに乾いた落ち葉をゴミ袋へ捨てながら 子供の頃は焚き火をしたのに、と息苦しさを感じる 火の用心 煙りが上がると通報されるらしい 火の粉だけでなく臭いを嫌がる人もいるようだ あれもだめ、これもだめ 先回りして何もできないようにすれば 市役所も楽なのだろう 焚き火の温もりもアルミホイルにくるんだ焼き芋の楽しみも知らず スーパーで健康スイーツみたいな扱いを受けるハズレのない焼き芋を買う人々は 僕を古い人に分類する お茶や水を買うなんてありえない、と一緒に暮らしていた祖父母が口にするのを聞いて笑った僕が 気づけば笑われている 祖父は焚き火が好きで 落ち葉を集めては 毎日のように自分で育てたサツマイモを放り投げた アタリもあればハズレもあったが いつもニコニコしていた 時代は変わったのだ カラカラに乾いた落ち葉は僕で 僕は僕をゴミ袋へ捨てている 昔なら焚き火となって誰かを温められたのに 今では嵩張るだけのゴミでしかない 手間を楽しみたいのに あれもだめ、これもだめ 欲しければお金をどうぞなんて 風情に欠けると嘆く僕は スーパーで焼き芋を買う老人を見ると 時代への適応力では負けていると白旗を上げる そろそろ四の五の言わずに買ってみてはどうだろうか? 本当はスーパーの焼き芋が食べたくて仕方ないのに つまらない意地を張っているだけなのだ 紅天使 紅あずま 紅はるか 紅優甘 シルクスイート スーパーによって品種が違うらしい 下調べは万全だ あとは食べるだけ 焚き火は温もりより焼き芋が目当てだったと素直に認めて いざ、スーパーへ 急がないと旬が終わってしまう

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うごかす  じじいじじい

がっこうでせんせいにならった
むかしのはつめいかがひとをうごかす3つのはつめいをしたんだ

ひとつめはくるまだよ
くるまはだいちでひとをとおくまでうごかしてくれる

ふたつめはひこうきだよ
ひこうきはそらでひとをとおくまでうごかしてくれる

みっつめはえいがだよ
「え〜?えいがはうごかないよ〜」
みんなのこえがする
わたしもえいがはうごかないとおもう

せんせいはこたえをいった
「みんな えいがはひとをうごかすよ」
みんなはシーンとしずまりかえり
せんせいのつぎのこえをまった

せんせい
「えいがはひとのこころをうごかすよ」
「みんなはえいがをみているときよろこんだりこわがったりないたりたのしんだりするよね」

せんせい
「えいがはみんなのこころをたくさんたくさんうごかしてくれるんだ
えいがをはつめいしたひとすごいよね」

せんせいのこたえをきいていたら
なんかわからないけどむねがあつくなった なんかわからないけどなみだがでた
かなしいんじゃないんだいたいんじゃないんだ ただむねがあつくなってなみだがでた

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