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青島様 おはようございます。読んでくださりありがとうございます。
やっぱりどこかに愛がありましたね。また、よろしくお願い致します。
三浦志郎様、「糸切り鋏」に評をいただきありがとうございました。
最終の連をどうしてこのようにしたのか、これは実は読み手に考えて欲しい部分であり、またそうして考えること自体がこの詩を読むということになっているわけなのです。往々にして私の作風はそんな感じなのですが、読み手に伝えたいことを与えるのではなく喚起させるような書き方をしています。そして今回の場合は、揺らぎ、という形をとっています。つまり、私と虫は別々の存在でありながら同化している、というわけです。人間ももっと大きな存在にとっては虫みたいなものかもしれないという。そしてその謎解きに至るキーポイントは、この詩のタイトルが主役の「虫」ではなくではどうして敢えて脇役の「糸切り鋏」になっているのか、ということなんですね。あまりこれ以上書くと興醒めですのでこのくらいにしておきます、すみません。三浦様の本質を得た鋭い突っ込みにいつも感嘆しております。勉強になります。佳作もありがとうございました。
またよろしくお願いいたします
11月29日(火)~12月1日(木) ご投稿分、評と感想です。
☆暴食 黒い木さん
通りがかりに見た木の下の光景。よく見つけましたね。
また、その光景を文字にして残しておこうなんて、詩や文章を書くことが好きではないとできないのではないかと思いました。
それにしても、団子虫一匹、一匹、それぞれに性格があるのですね。ジャムまみれになったり、寝転んだりしている子までいたのですね。
詩を書くって、何らかの気づきや発見が起点になったりすることが多いですよね。黒い木さん、これからも生活にいろんな色のアンテナを張って、自分の詩の世界の可能性を広げていってくださいね。
☆世界と私の始まり 森山 遼さん
夜明け前の風景を描いてくれていますね。色の移り変わりも丁寧に記されていますし、寒色使いがより一層の冬の冷たさを記していますし、暖色の赤の使い方は、夜明けの太陽のイメージを彷彿させてくれます。色だけではなく、最終的には小鳥の声を打ち出してきて、色と音を合わせているところがとても印象的でした。
ただ、この作品で気になったのは一点。
風景の景色に対して、有名な画家の絵画のイメージで説明しようとしていた点。そういう風にすることは、全然問題のないことなのですが、この作品に関しては、その例が多すぎるということでした。ルオー、ゴッホ、ブリューゲル、モネ・・・これはたとえが多すぎて、くどくなってしまっているような気がしました。個人的には、一つか二つに留めておいた方がよかったかなって思いました。なぜか。それは、今回の森山さんの作品の風景描写が、そのようなたとえに頼らずとも、充分に素敵なものとして表現されていたからです。読み手は、そのようなたとえがなくとも、想像の中の風景散歩を充分満喫させてもらえると思います。ただそこだけでした。今回は佳作半歩手前で。
☆淋しい人 秋冬さん
淋しいというのは、なんとなく、言葉にしなくてもわかる気がするのですが、実際、深いところまで追求するとなると、その奥底というものはどういうものかなんて、はっきりわからないと思います。このような思いを表現することは難しいと思います。ましてや、難しい言葉を使わず、誰にでもわかりそうな言葉でそれを伝えるとなると、いったん、足を踏み外してしまうと、書けなくなってしまうこともありそうです。
では、何が一番いいのか。書きやすく、スラスラとそのような思いを表現することができるのか。それは、何も考えずにありのままにしかないような気もします。
一歩間違えれば、理屈の世界になって面白くない作品に仕上がってしまいそうですが、この作品の根底には、そこはかとない淋しさがあります。好きな人に淋しいと言わせたくないという、愛情もあります。こちらがベースとなっていて、無口な世界の中にある、特別な淋しさを表現することに成功しているようにも思えました。なかなか面白いアプローチの仕方だと思いました。佳作を。
☆沸騰 猫目屋倫理さん
もの凄く殺気立った強い感情が伝わってきました。それが実際、どういうことが発端となって、こうなったのか、ということに関しては、一切知らされていません。個人的には、そのような詳細を、全部とは言いませんから、一部でも表現してくれると、より一層、猫目さんの今回の詩の世界の中に入ってゆけたような気がします。
「沸騰」・・・。
タイトルも大変迫力がありますね。最後の連の「煮詰まって」という部分を思うと、相当な温度を感じました。感情の表現について考えさせてくれる作品だと思いました。
☆ベルが鳴る 紫陽花さん 「評なし希望」
評なしということで、そのようにさせていただきますね。小さい感想だけおひとつ。ひとつの出来事に一区切りがつくということだけでも大変なことだと思います。「複雑な喪失感をのこしておきたくて」という言葉に、作者さんの愛情を感じました。詩にして残しておくということは、詩書きさんだからこそですね。紫陽花さんのこれからの益々のご健筆をお祈り申し上げます。
☆悲しき赤 cofumiさん
曼殊沙華の赤は強烈な赤ですよね。遠くからでもわかることがありそうです。
「マンションの10階から真っ赤な世界が見えた気がした」
この表現はとても印象深く、鮮烈なイメージがしました。
とてもいい立ち上がりだと思いますが、ちょっとはっきりさせた方がいいと思ったのは、二連目です。「あのカール」という表現もわかりにくいですし、「あの」が「どれ」としてしまうところも、読み手としてはどこにどう行き着けばよいのかという迷いも生じました。
ただ、三連目にいくと、これまた、いい表現にぶつかるのですよね。
二人過ごした日々は
子供の水遊びくらいに楽しくて
この表現、どれくらい二人でいて楽しかったかということがものすごく伝わってきます。ただ子供のように遊ぶというのではなくて、「水遊び」という設定にしたところが特にいいなと思いました。あなたとなら、どんな格好になっても忘れて、平気なくらい楽しいという風になっちゃいますから。
その人のことがどれくらい恋しいかということがものすごく伝わってくるのだけど、詩の全体を見ると、二連目がわかりづらくなっているので、本当にそこは残念です。
恋しい人との思い出の表現がとても印象深い作品になっていると思いました。今回は佳作一歩手前で。
☆さようなら ボク 山雀詩人さん
谷川俊太郎氏の「朝のリレー」を思い出します。そのようなことがベースになっているようにも思えました。自分の目の前にある夜。その裏側にはかならず朝がある。誰もが知っていることなのですが、地球の丸さを感じさせてくれる神秘を思わずにはいられません。こちらの作品は、主に、自身を見つめて、陽と陰の僕に焦点を当てられましたね。
夜の裏側にある朝の世界の表現は美しかったです。
地球の裏のどこかの国が
朝を迎えているだろう
そしてきっとその朝は
とびきりの明るい朝だ
分かるよ それくらい
行かなくたって分かる
特に、行かなくたってわかるという表現が胸に来ました。僕は何年も地球に住んでいる人間だという意味合いが感じられました。
だってここがその逆だから
こんなにもネガティブだから
この世はプラマイゼロでしょ
こちらの独特の思いも面白かったです。
地球に明るい時間とくらい時間があるように、地球の自然の一部の人間だって、同じじゃないだろうか。暗い時間の中に暗い僕がいて、明るい時間の中の僕がいるということ。そのようなことを感じさせてくれるし、そうかもしれないなと、思わせてくれるところも魅力的でした。「~だ!」「~しよう!」と叫んでいるわけでもなく、メッセージ性は感じられるのに、強い攻めてくるわけでもなく、ただただ「そうではないだろうか・・・」とぼんやりと問いかけてくるところに言葉に対するやわらかさも感じました。ものすごく信じられるというよりは、ほんのちょっと信じられる気がしてきたというのが、この作品の良いところだと思いました。そのように感じさせることで、嘘っぽさのないリアルな今を表現することができている作品になっていると思いました。佳作を。
☆静かな街の夜遅く 大杉 司さん
部屋の中で横たわったまま、街の様子を感じている作品でしょうか。外を感じる様子。想像する様子。わかりやすく書けていると思います。
また、街の静かさに対する思いも飾らず、自然に表現されていると思いました。賑やかな街は楽しく、静かな街は退屈。朝と夜の差のギャップ。色々な思いをはせつつ、夜の孤独を耐え忍ぶシーン。「それでいい。」「そのままでいい。」は、その孤独を浮かび上がらせる言葉として、最適だと思いました。
ひとつ気になったのは、最終連です。「午前0時頃何かが変わった気がした」となってはいるのですが、さかのぼってみると、三連目では「日が変わっても」となっているのに、何の変化もみえません。その点が引っかかるところ。三連と最終連がつながっていないところです。最終連を、もっと別な言い方にかえるか、三連目の一部で、少しでも何かが変わったことが感じられたという表現を加えるか、どちらかを採用して修正してみるのもありかと思いました。
夜の静かさが印章深い作品になっていると思いました。今回は佳作一歩手前で。
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十二月です。十二月になるとさすがに寒いな。紅葉の盛りもすぎて、いつのまにか
落ち葉の季節。いちょうの葉っぱの波がきれいな時期になりました。
かなり寒くなってきました。どうぞあったかく……。
みなさま、今日も一日、おつかれさまでした。
ご批評ありがとうございます。駆け足気味な点、少々慌てて書きすぎた感じのある軽めの詩でした。
ユーモア詩であれどもう一歩踏み込んで書き込む余地はあり、またこの手の詩の完成度の高め方という要素ではまだ甘い部分があるます。(寧ろこういう詩こそ難しい?)
色々な形の詩があります。全て物にしたいというのは欲張りでしか無いですが、研鑽の上で技量を上げていくなかでも端倪せずに勧めていきたいと思います。
少々軽すぎるものでしたが、ご丁寧な批評に感謝いたします。
齋藤様、こんばんは。
いつも、しっかり読んで頂いてありがとうございます!
なぬっ!ですよね。 愛が数字になるかもなんて。名作級なんて、心臓が止まりそうです笑 数字なしにして頂き、更に喜んでおります。
愛が数値化されてしまったら、Twitterでしばらく大騒ぎしようと思います。
この度は私の詩の「石蕗の季」に丁寧な評をいただき、ありがとうございます。
今回の詩は、読む人に訴える力がやや足りなかったようです。
光と影のコントラストということも、考慮に入れていませんでした。
勉強になりました。
今後とも宜しくお願い致します。
お待たせしてます。
「癇癪」理蝶さん
理蝶さん、こんにちは。お待たせしました。
作品拝見させていただきました。
タイトルがとてもよかったです。
ぴったりだと思いました。
読みながら「そんなの放っておいてよ!」って言いたくなるけど
あ!癇癪だったもんねと納得したりしたんです。
こういった生臭い気持ちというのは表には出さないけれど、
心に持っている方って多いんじゃないのかしら。
もちろん大小の差はあるけれど、言いたいけれど飲み込むものが
やっぱりあると思います。
自分の思いを包み隠さず率直に書かれる一方で、
いろいろなものに反映されて描かれた部分もいいですね。
次回も楽しみにしています。
「狂人の夢」U.さん
U.さん、こんにちは。
しっかり推敲されて書かれたようですね。
構成がくっきりと、真ん中に頑丈な柱が立っているような
そんな展開になりました。
細かいことを少しだけ。
狂っちまったに続く、失ってしまったママですが、
ここだけ口調が変わるんです。わざとなのかしら。
少し違和感を感じました。
その後、っちまったが連続していくので、ここだけ変えたのかな?
とはいえ、ちょっとだけ、重なり過ぎているような気もします。
この連はあと一息もふた息も見直してみてくださいね。
ママも多出し過ぎているかなという気もします。
それ以外のところはとてもよく書けていますね。
佳作一歩手前です。
「石蕗の季」荻座利守さん
荻座さん、お待たせしました。こんにちは。
ふと目にする花に寄せる気持ちってとてもよくわかります。
その姿の清廉さに身を正す思いというのでしょうか、
これは憧れの人に対するより、さらに手の届かないような
そんな形のもののような気がしますね。
石蕗の黄色い花と艶やかな葉をうつしながらの
作品となりました。とてもすてきに描かれているのですが
佳作一歩手前です。
実は取り立てて直したいところはないのですが、
もう一つ、読んでいる方の共感を強めていくためには
光と影、そのコントラストがあるといいように思います。
石蕗の悲しみや寂しさの部分を膨らませてみるのが
いいかなもしれませんね。
石蕗について私も調べる機会になりました。
花言葉は「謙虚」そして食べることもできるんですね。
荻座さん、いつもすてきな作品をありがとうございます。
「パーサーカー」ふわり座さん
ふわり座さん、こんにちは。お待たせしました。
実はわたし、パーサーカーを知らなくて、なんだろう?
どんな車なんだろう?ブルトーザーみたいなやつなのかな?
とかとぼけたことを考えておりました。
一応、調べたんです。北欧神話に出てくる戦士なのですね。
元々「怒り狂う」という言葉がもとになっているということで
作品の内容と一致して深く頷きました。
そしてこれはすっごくすてきな作品になりましたね。
推敲は必要ですが、内容として佳作です。
佳作、だけど、推敲してくださいって矛盾しているのですが、
これから先、ふわり座さんが詩人として進んでいく中で、
何度でも推敲していくうちに、代表作となるのではないでしょうか。
散文的に作られるのがいいかなと思うのですが、それでも、
ぜひ声に出して読んでみて、直してみてくださいね。
細かく指摘するより、声に出していく方が早い気がします。
ふわり座さん、次回も楽しみにしています。
終わりに::::
師走も十日を過ぎて、いよいよ年の瀬ですね。
みなさま、お忙しいと思いますが、良い一年の締めくくりになりますように。
日本に帰国しております。日本はあったかいです!
初めまして 成城すそと申します。新参者ですがよろしくお願いします!
この詩は「好き」の持つ力と温度を意識して書きました。
マグマのように熱い感情を閉じ込めようとしているけれど煙は出てきてしまう……といった感じです。
綺麗に読み取って頂き嬉しいです。
これからも精進して参ります!今回の詩のご評定、ありがとうございました!
鍵をかけて 黒い木さん 12/6
初めまして黒い木さん。齋藤と申します。何卒、よろしくお願いします。今回は感想を書かせていただきます。
冬の朝はなかなか起き上がることができませんよね。目覚ましが鳴り、スリープにして、また目覚ましがな鳴り、またスリープにして……。語り部は自分の好きな音楽を目覚ましにセットしているのでしょうか、日中に聞く時にはたぶんノリノリの曲だが、冷え込み覚醒しきれず出来れば学校、もしくは会社に行くことから逃げてしまいたいという気持ちを「鍵をかける」という表現を使いこちらの作品は描かれているのでしょうか。
ケータイのロック解除への鍵、ドアの鍵、そして今日一日をスタートするための鍵、と「鍵」を上手く使いバランスの良い作品に仕上がっています。朝のどんよりとした気持ちを上手に伝えていますね。家を出る時の「蝶番を泣かせて地獄の外へ這い上がる」という表現も個性豊かです。外の世界が地獄ということではなく、今の弱気になっている心情が地獄という、一歩出てしまえばたぶん勢いで今日一日もやり切るという確信がきっとあるはずさ、という気持ちが隠れているのかな、とも思い拝読しました。
そして自分の心身にかかった鍵の解除に「ココア」という鍵。ユニークな感覚がこちらの作品をなお引き立てています。喉に鍵をかけて、ココアを流し込む、なのでタイトルは鍵をかけることよりも、ココアが鍵となる的(てき)な方が良かったかな、と個人的には思いました。温かいココアを手にしてはっきりと覚醒し始めてもいますので。
とても冬の朝にあるこころ模様が上手に表現された素晴らしい作品でした。
またの黒い木さんのご投稿を楽しみにお待ちしております。
僕は まっとう だよ 森山 遼さん 12/6
初めまして森山 遼さん。齋藤と申します。何卒、よろしくお願いします。今回は感想を書かせていただきます。
夜に自問自答している感じなのでしょうか。自身が客観視した「あなた」も登場して、あなたへ話しかけている構成の作品は、流れがよく読者に伝わってきます。あなたからすると私は、ちょっと怪しいところがあるかもしれないが、意外と僕はそんなに外れた道徳心もないし、けっこうまともだよ、と自らアピール、発信しているところがピュアな感じがしますね。正直というか。作品の全体からは、自身をちゃんと見つめることが出来てるし、僕は毎日ちゃんと生きているのだからもう少し優しい目で見て欲しいな、という気持ちがあることが察知できます。そうです、「僕は まっとう だよ」と言いたいのです。そのメッセージは読者にきちんと伝わる作品になっていまして、上手に書かれています。
僕の怪しげに思われるところもちらりと作品中に書かれていたのなら、もっと説得力が増す作品になるのではと思いました。二連に「私」とありますが、「僕」と「私」が同じ人物なら統一した方がよいですね。「僕的には」でいいかもしれませんね。
最終連にある「狂気の系譜」の著作は森山さんにとってインパクトのある作品のようですが、こちらの作品では「僕は まっとう だよ」で終わらせた方がまとまると思います。最終連が唐突な感じがしました。
森山さんは柔らかく読者に話しかけつつ、場面と心情を上手に伝えることのできる詩人さんですね。他の作品もまたご拝読したいです。またのご投稿をお待ちしております。
イゾルデ 猫目倫理さん 12/6
喪服を纏い葬列をなしているのだろうか。そして闇夜に黒々とした列はさらに暗い球体に吸収されてしまうという、なんだか悪夢で不吉な風景が目に浮かんでくるインパクトのある作品になっていますね。
イデラル、という語彙の解釈はできませんでしたが、もう抵抗出来ない絶対絶命って感じは伝わってきます。黒い帆の白い歌声、そして彼女は手が黒く笑っているという、もう吸収されてしまうしかなく、さらにそれでも安息は得られないというのですから、恐怖が消えることがない世界の様ですね。
読者としてはこちらの作品からメッセージを探るわけですが、語り部自身の話ではなく、第三者である彼等と彼女が存在するストーリーを話しています。優しく彼等を連れてゆくというシメからすると、最後は優しく葬ってあげよう、という慈悲ではなく人を吸収を効率よく吸収するための仕草なんでしょう。暗さ冷たさがエグく伝わってくる作品にゾクっとしますね。すごい表現力にアメージングって感じです。
「誰が為の葬列」葬列している者たちは何か過ちを犯してきたのだろうか。ああ、怖い思いをしないために、自分はしっかりとひとに恨みを持たれないように生きなくちゃ、なんて思いながら拝読してました(小市民なので)。
正直、メッセージは分かりませんでしたが、そんなことよりこのような光景を描写、表現したかった作品なのかもしれませんね。黒々な表現は成功していると思います。むむっ、心に引っかかる作品ですね。
内容としては話が始まったところで終わってしまっている感じがしました。そこがちょっと物足りなかったかな。
評価は「佳作一歩前」です。
愛が数値化されるのがとても心配 紫陽花さん 12/7
なぬっ、これは大変だ。愛が数値化されてしまう未来が来たのなら……。さて、その時は数値をどのように自分は捉えるのだろう。たぶん数値が低ければ「ふざけんなよ」と、怒ってしまうでしょう。数値が高ければ「だろっ、これが俺の愛だよ」なんて浮かれてしまうでしょう。
なかなかユニークな内容になっていますね。
数値化、最近で言うとコロナに感染して、家庭で酸素濃度を測定して数値化できるようになったことにより、入院が促され命が救われるケースなどもありますが、愛の数値化はちょっと待ってという感じでしょうか。こちらの作品では出だしにコンビニでの身長が測定されるとあり、背伸びしてあげよう、そんなお茶目な雰囲気で読者を上手につかんでいますね。
そして、私の愛はそんな数値では測れていない、100も超えてるし、と頑張るがあなたと世間は数値に縛られ、けっきょく自身も愛測定値にひれ伏してしまうという流れに読み入ってしまいましたね。とても綴りに才能を感じますね。素晴らしい。自分の愛数値が低く焦ったり、中盤の女優さんのCMによる洗脳的な内容も、ありそうだな、と見事に描いていますね。「ブラボー!」(ちょっと世間にのってしまいましたが、ブラボーでしょう)。
ユニークに描かれた作品でしたが、なんだかあり得そうな内容なのでちょっぴり怖い感じもしてきて、そこがいい塩梅になり完成度も高く、その数値は「100」でしょうか。ああこの数値化はダメですね。と、いうことで「佳作」(島さんがつける名作級でしょう)です!
表面張力 成城すそ さん 12/7
初めまして成城すそさん。齋藤と申します。何卒、よろしくお願いします。今回は感想を書かせていただきます。
とても「好き」のエネルギーが凄いことになっていますね。この気持ちを噴火させれないのは、やはり相手あってのことだから躊躇してしまうのでしょうか。もしこの好きな気持ちが上手く伝わらなかったらどうしよう、と不安も大きく膨らんでいるのかもしれませんね。
「爪先まで好きに支配される。」と言った表現からも思いの強さがとても伝わってきます。そしてさらには「まるで自分じゃないみたいね/耐えられない」と、もう胸の思いが限界に達しているようですね。
そして99回目の「」とあり鍵カッコの中はやはり「好き」が入るのでしょうか。ずいぶん前に放送していた「101回目のプロポーズ」というドラマを思い出したりしましたね。こちらのドラマも主人公の身体の中を好きマグマがふつふつとしていましたね。
今はなんとか表面張力で好きの爆発を抑えている状態というのを、作品に熱く熱く語られていまして、読者にその思いを伝えることに成功しています。気持ちと火山の風景が重なりながら拝読できるパワフルな作品は見事でした。そして、表面が破れた続編も覗いてみたいなあ、という気分にさせられましたね。
またの成城さんのご投稿を楽しみにお待ちしております。
聖地巡礼 埼玉のさっちゃん さん 12/7
窓辺に座り本を開いたのでしょうか、雲の流れ追いながら本を開く感じがいいイントロになっていますね。こころが少し曇っているのだろうか、冷たくなっているのだろうか、これから始まる物語にこころがどのような化学変化が起こるのだろうかと、楽しみになりました。
物語はさまざまな場所に連れて行ってくれたり、登場人物の思いを探りながら気持ちがゆらゆらと旅をさせてくれて、有意義な時間を与えてくれますね。こちらの物語で主人公の気持ちに浸っているうちに、繋いだ手の温もりを疑似的に感じたり、笑顔になり鼻歌が出てりして、至福の時となりこころが温かくなったのですね。心地よい話しの流れと拝読前より晴れやかな気持ちになっていまして、すっと読者にこちらの作品が落ちてきます。
好きな小説だったのですね。夜明けまで読書されていたのでしょうか。寒くなってきましたので、温かくお過ごしください。
評価は「佳作」です。
くしゃみ 秋冬さん 12/7
こちらの親子の様子がめちゃ動画として目に浮かびます。上手い、面白い、テンポ・流れよし、オチもベタだが最高に楽しませていただきましたよ。
親子っていうのは性格も体質もやはり似るんですね。まあ、親子でわかり合っているノリっていうのもあるとは思いますが、親子だからこそ言いたいことを遠慮なく言えるという家族の様子を伺うことができ、読書もほっこりな気持ちになるでしょう。
出だしでは、公共の場での話かなと思いなんだか激しい喧嘩になるのかとドキッとしたところもなかなかいい構成になっています。作品の雰囲気を上手に詩にまとめ、伝えることに成功しているこちらの作品、もちろん「佳作」です。最高っ!
キミに何してあげられるだろう まるまる さん 12/8
可愛い子には旅をさせよ、と言いますがこちらの作品では過保護にして子を育ててしまったお話しですね。子どもの可愛さに何から何まで手を出し、大きくなって、家事も何も出来ずにいることに気づき将来のことを考えると母として心配になってきたようですね。やはり現在は男は仕事、女は家事って時代じゃないので、男でも家事を全般しなければ上手く家庭生活はできないと思います。男も女も仕事をするし家事もする。
そこでこれからは息子に「何してあげられるだろう」となるのですね。アパートを見つけて息子を家から出そう、ということも書かれていますので、すでに息子は成人しているのかもしれませんね。
私にも息子たちがいるのですが、やはり家を出てからは自分で稼ぎ家事をして、家計を考えながら生活するようになり、独立して生活する大変さが身に染みたのでしょうか、そこで大人として成長することがあったように感じます。
こちらの作品の母は、「また手は出ようとしている」とあり、これじゃ息子も自分も変われないという気付きが、これからのこの親子の第一歩になっているんじゃないかなあ、なんて思いながら拝読していました。
「大きくなったキミに何してあげられるだろう」母親の愛の形の転換期なのでしょうか、深く考えさせられるテーマになっていまして読み応えのある作品に仕上がっていました。
評価は「佳作」です。
トイレにて 樺里ゆう さん 12/8
女性は生理がありたいへんだと思いますが、なかなか男性にはその苦痛がわかってあげられないですよね。でも、どうやら最近では生理を疑似体験できる装置があるようで、男性の体験者は「まるで拷問だ」と痛みを感じる方もいらっしゃるようです。女性の厳しい現実をわかってあげようとする気持ちを持たないといけない、とこちらの作品を通し、ネットで調べながら拝読して考えるきっかけになりました。生理ではないですが、妊娠やお産も女性にとってはとっても苦痛を伴う過程があると思います。私は二度ほど出産に立ち会ってのですが、男は本当に無力でどうにもならない存在と痛感しました。妻に「助けて」と言われ「赤ちゃんも頑張っているから…」なんて力になっているかどうかもわからないことしか言えないのですから。女性には頭が上がらないです。女性は強いなあ、と。
作品では身体がスケルトンになっていれば、血の色が変わる原因もわかるのにというくだりは、なるほどと頷いてしまいますね。レントゲンなどの透視やMRIもそのような発想で造られたのかな。最近の医療ではナビゲーションシステムで3Dによる体内を映像化できたりして、こちらのスケルトンシステム(勝手な名称)に近い医療技術は発展していますね。もしかするとスケルトンシステムが開発され、簡単に血の色の変化がわかる時代が来るかもしれません。症状ですぐに原因がわかれば対処が早くなるとは思いますが、どんどん進化していくと診察するドクターもいらなくなり、スケルトンシステムで治療方が特定されもうドラミちゃんの世界ですね。すみません、ずいぶん脱線してしまいました。
生理一日目の夜。逃避したい気持ちがこちらの作品の発想に繋がったのかな、と思いながら拝読させていただきました。
うーん、評価は難しいですね。うーん「佳作」にしましょう。
言い訳 朔音さん 12/8
初めまして朔音さん。齋藤と申します。何卒、よろしくお願いします。今回は感想を書かせていただきます。
泣かない言い訳。泣く言い訳。泣くということに対して理由を持とうとしつつ、場面によって泣くか泣かないかと自身の求める姿を固持しようとするかのようですね。どんな大人になればいいのだろう、という自問もあるのかなと感じつつ作品を拝読させていただきました。
悲しい時に泣けないというのはもっと悲しい、というくだりに頷くとともにすごい表現力を持った詩人さんだなと思いました。
「泣く」こと以外にもひとつひとつの事柄に言い訳を考えたくなっているようですね。そして、この先三十代、四十代になったらもっと言い訳をつけなくてはいけない自分がいるのかな、と不安がよぎっているのでしょうか。そしてそれらの思考がこちらの作品となり、自身の内側を掲示板で発信することにより、この先に折り合いが少しずつでもつくきっかけになるといいですね。いろいろと考えたことや思ったことを作品としてご投稿してください。評者は各々反応してくれますし、作品を拝読し共感される方もいらっしゃると思いますので。
ちなみに五十代半ばの私は、最近めちゃ涙もろくなりました。こんなことで泣くか、と自分にツッコミながら涙がポロりん、と赤子のように。もう恥ずかしいとかない年齢になりました。だんだん言い訳を追わなくなるんじゃないかな、とも思いますよ。
またの朔音さんのご投稿を楽しみにお待ちしております。
秋の祟り 暗沢さん 12/8
柿の祟り、柿が俺たちのことを食い過ぎやがって、という祟りかもしれませんね。水もあまり飲み過ぎると水中毒で死に至ることもあるので、なんでも「過ぎる」というのは、良くない方へ転じてしまうようです。私も最近は字を追いすぎて、極端に右目だけ視力が落ちたりしたのですが、これは詩の祟りでしょうか、いやいやただの老化現象でしょう。そんな話しはいらないですね。
さて、こちらの作品ではもう柿を食べることが止まらなかった語り部が、胃に結晶化された物質ができてしまったのでしょうか、医師に診断をつけられ、こりゃ柿の祟りだ、ということになったのでしょう。実際に痛みが伴えば大変なことになりますが、こちらの作品ではなんとなくほっこりした感じが出ていまして、楽しく拝読させていただきました。また、懲りずに今度は蜜柑にハマってしまいそうなシメも、おいおいツッコミを入れながらクスッと笑ってしまいました。蜜柑の食べ過ぎにも柑皮症という祟りがあるみたいなので、お気をつけてくださいね!
きちんと読者に柿を食べ過ぎたことで起きた現象を上手に伝えながら、逼迫感はそこそこにユーモアもある作品に仕上がっていると思います。
終盤がちょっとかけ足気味だったかな、と。そこをもう少し丁寧に描かれているとなお良かったでしょう。
評価は「佳作一歩前」です。
。。。。。つぶやき。。。。。
今回もたくさんのご投稿をありがとうございます。
私にとって初めての方もいらっしゃりまして、
新鮮かつ刺激的な体験となりました。
楽しませていただきました。
寒くなってきましたので、
温もりを与えてくださる作品たちに癒されました。
ありがとうございました!
みなさん温かくお過ごしくださいませ。
少しずつサイクルが早くなる
何にも興味がないからか
何にも希望がないからか
とにかくこの季節がやってきた
キラキラ輝いたことがあったのだろうか
押し付けるような幸せは残酷ね
ついこの間のことのようだね
あの時も一人だったっけ、
誰かが隣にいても
固まったような笑顔で綺麗だねと言ってみる
あの人は気付いていたのかな
きっとバレてただろうな
少しも揺らがぬ声色で
少しずつサイクルが早くなる
明日行くレストランの予約でもしてるのか
夏の旅行の話でもしてるのか
とにかくこの季節がやってきた
キラキラ輝いたことがあったのだろう
あの人もその人も素敵だね
とりあえずきみがいてくれるからいいのさ
とにかく自分勝手かも知れないけど
同じことを繰り返すかもしれないけど
うまくいけばまた
同じ季節を迎えてるかも知れないからね