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井嶋様、こんばんは。じっくり読んでいただきありがとうございます。
そうですね、8割への憧れ、そしてそこに入ったところで私は幸せなのかを問い続けております。しつこく。
ところで、寒くなると痛みがある部分がより痛いようですね。お大事になさって下さい。
井嶋様 詩の評をありがとうございます。
今回井嶋様からアドバイスなしの佳作を頂くことが出来、大変嬉しく思います。
金井雄一さんが詩集の中で「見えないものを描く画家」について書いた詩行がありまして、自分も見えないものなんかを言葉にしてみたいと思い、真っ先に思い浮かんだのが自分の住居でした。
また詩が出来ましたら井嶋様にお願いしたいと思います。本当にありがとうございます。
御批評ありがとうございます。
自分で言うのもですが今回はかなりストレートな抒情詩でした。
読み直したあとも性急な部分が多いのではないか?もっと掘り込んで良かったのでは?という疑問が付いて回りました。
豹紋蝶も姿を見せなくなり冬になりましたが、詩を書くとなると秋はハードな季節でした。それが終わり次は冬という季節の到来の中、どのように展開出来るか休む暇もない感があります。
改めまして御批評感謝申し上げます。
哲学的と言っていただけて嬉しいです。
現状では、そのようなところが自分の持ち味のように感じていまして。
そこにおっしゃられていた、風景がうまく入れられるようになれば、ステップアップにつながるように感じました。
アドバイスを踏まえ、自分なりに、また進んでいきたいと思います。
この度は評をいただきありがとうございました。
2022年11月15日から11月17日のご投稿分の感想と評です。
大変お待たせいたしました。遅くなりまして、申し訳ございません。
理蝶さん「失火」
理蝶さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「失火」の評を送らせていただきます。
若い頃の恋の記憶が、良いものではなく苦いものとして残っている。
閉ざしてしまった、逃げてしまったことの後悔が静かに燃えていく。
当時の自分や相手の心に向き合わなかった悔いが、今、静かに燻ぶった状態で
主人公の心にあって。どうせなら、思いきり傷ついてしまえばよかった、という思いが
「お前は正しく傷つくべきだったのだ」という言葉の中に込められているように感じました。
記憶と空想のさかのぼりから見える景色を主人公は涙を浮かべながら、眺めます。
その心の揺れが、動きが読み手に伝わってきて、切なさがこみあがるのを感じました。
声に出して読みますと、風景の連続が加速されて迫力が増しました。
黙読と朗読で違った印象になる、魅力的な一篇でした。
御作佳作とさせていただきます。
紫陽花さん 「夕焼けリサイクルがあれば」
紫陽花さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「夕焼けにリサイクルがあれば」の評を書かせていただきます。
不穏な初連がどんな流れに変わるのか気になって、惹きつけられました。
忌まわしい思い出が怨念となって一枚の紙になる。形となるところに思いの強さを感じました。存在と記録、証を残すために紙になったと解釈しながら読み進めました。
夕焼けが怨念をリサイクルする、という発想、いいですね。どんな風にリサイクルされるのかと思ったら、紙飛行機にして飛ばして、夕焼けに燃やす。透明で綺麗な情念に生まれ変わる。主人公の失恋の怨念は、彼の家の風鈴を鳴らして青空に消えた、という流れ、
お見事でした。思わずため息がもれました。めでたし、めでたし、の冷めた響きもどこかユーモラスで印象的でした。
淀んだ空気が一気に浄化され、晴れやかになってさわやかな風が吹いた、清々しい読後感を楽しめる一篇でした。
御作秀作とさせていただきます。
妻咲邦香さん 「私」
妻咲邦香さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「私」の評を送らせていただきます。
バスルームという設定から、言葉が心地よく響いて聴こえて。
初連の風景描写から惹きこまれます。
探してたものとは限らない
でも追いかける
美しいものとは限らない
でも見たいから
ここ、いいですね。衝動に理屈はなくて、無理に止めることもしない
ありのままの自分を感情だけで見ないで、受け入れています。
三連目の言葉の弾み。楽しいようなかなしいような、言葉の流れを
朗読しますと、その弾みがさらに盛り上がります。
最終連で流れが戻り。心地よいバスルームでのひととき。一日が終わる
瞬間の音が聴こえたような気がしました。
黙読でも言葉の響き、流れが聴こえてくる魅力的な一篇でした。
御作佳作とさせていただきます。
さくたともみさん 「冬の知らせ」
さくたともみさん、はじめまして!
ご投稿くださりありがとうございます!
初めての方は感想のみとさせていただきすので、ご了承ください。
僭越ながら御作「冬の知らせ」の感想を送らせていただきます。
北国の冬支度。人間以外の生き物は寒さを凌ぐために、いち早くあたたかい場所を準備するか、生涯を終えて次の生命を繋ぐ。人は積雪の被害を抑えるために準備をする。
その様子を見下ろすナナカマドの実が勢いよく冬を知らせます。厳しい季節の到来を警鐘のように告げながら、力強く存在を示しています。
ナナカマドは丈夫な植物だそうで、縁起物にも重宝されているそうですね。
一粒に真っ赤な元気がつまっているのでしょう。
季節の移り変わりの中で、生き物の営みの変化、植物の変化を鮮やかに活写したような一篇
でした。
樺里ゆうさん 「ちがい」
樺里ゆうさん、はじめまして!
ご投稿くださりありがとうございます!
初めての方は感想のみとさせていただきますので、ご了承ください。
僭越ながら御作「ちがい」の感想を送らせていただきます。
希死念慮の経験がない親を、羨ましくも恨めしくも思いながら
どこか憐れむような眼差しがあって。自分の中であらゆる解釈をして
納得しようとする。こどもが親を超えた瞬間を見たような気がしました。
どうしてわからないの、と、責めたり嘆くのではなく
親子だってこんなにも
違うんだから
わかりあえんくたって
別にいいや
と、割り切る。わかりあえなくて当たり前と思えれば、絶望しなくて済む。
親子でもちがう人間なんだ、と、わかるまで長い時間がかかった跡が
垣間見えるところも、この詩の魅力だと感じました。
人間関係の難しさに囚われたとき、ふっと救ってくれる一篇でした。
猫目屋倫理さん 「私的な営み」
猫屋倫理さん、はじめまして!
ご投稿くださりありがとうございます!
初めての方は感想のみとさせていただきますので、ご了承ください。
僭越ながら御作「私的な営み」の感想を送らせていただきます。
はじめは、幻想的な夜空に惹かれながら、その美しさを詩に昇華した作品だと思いました。
繰り返し読んでみますと、それだけではないと感じたのは三連目で。
透き通った温度の色に
息を震わせたことがあるか
吸い込んだ深夜の緑に
揺蕩う薄紅の水音に
身体の奥が
心臓が
震えるか
魂が
この問いかけから、夜空の、宇宙の無限の美しさの欠片を感受出来ているか。気づかないまま過ごしていないか、自問自答しました。美しいと感じたその先を表現できなければ、と。
夜空の美しさを描きながら、感性の鋭さを、それに合った言葉を探しあてる力を
ひとつひとつ確かめているように感じられた一篇でした。
松宮定家さん 「移ろう季節の輝き」
松宮定家さん、初めまして!
ご投稿下さりありがとうございます!
初めての方は感想のみとさせていただきますので、ご了承ください。
僭越ながら御作「移ろう季節の輝き」の感想を送らせていただきます。
心と対照的な風景を見ながら、移ろう季節を感じる。主人公に何があったかは
わからないのに、共感をおぼえて主人公の目線を追う。見上げますと、
円熟味漂う黄みを纏った 緑
最後の晴れ舞台を熱望する 黄金
猛々しくも終局へと向かう 紅
遠い異国の国旗にも似た
イチョウ並木のグラデーション
が、見えて、その輝きの眩しさも感じました。
ひとつの風景そのものの変化や美しさなど
言葉を尽くして表現された御作は、映像よりも鮮明な
色彩を放っていました。
最終連で、イチョウ並木の風景を穏やかで、温かく、美しいと感じられた主人公の心が救われたようで、晴れやかな気持ちになれた一篇でした。
もずさん 「陽気なあいさつ」
もずさん、初めまして!
ご投稿くださりありがとうございます!
初めての方は感想のみとさせていただきますので、ご了承ください。
僭越ながら御作「陽気なあいさつ」の感想を送らせていただきます。
朗読しますと、勢いが増して、声が大きくなりました。
世に出ることが叶わなかった詩人たちへの励ましのようなレクイエムといった
印象がありました。
自虐的のようで、暗い影を持った詩人を受け入れる懐の深さがあって。
この先はきっと希望に満ちた、報われる道が…というような陽気さではなく
冷たいコンクリート、埃のたまった底辺から出発する、ぼくらの新しい地獄めぐりへ!
と、さらなる厳しい状況を指し示しながら、その表情は笑顔といったある種の不気味さが
面白かったです。潔さを感じました。誰の目にも触れなかった不幸を掬い取って、昇華していく。その眼差しの鋭さと掬った手のあたたかさの対比も見えたような気がしました。
歌うように叫ぶように読みたくなる一篇でした。
ピンボケに気づいた大人 さん 「部品」
ピンボケに気づいた大人さん、初めまして!
ご投稿下さりありがとうございます!
初めての方は感想のみとさせていただきますので、ご了承ください。
僭越ながら御作「部品」の感想を送らせていただきます。
傷ついた「機械仕掛けで動く身体」は知り合った「似たようなやつ」と出会って「部品」を
取り付けてもらったところから話は始まります。
機械仕掛けで動く身体は何を意味するのか。部品とは何かなど考えながら読める面白さ。
人体も脳が発する電気信号で動いているという話を思い出し、「機械仕掛けで動く身体」は
こわれやすい生身の人間そのもののような気がして。「部品」は心のことで、少しでも分けてもたえれば、分けることが出来たら、自分の心を動かすことが出来る。
その繰り返しの中で、「ただ側にいてほしい」といってくれる人が現れて、この作品全体に光が差し込んだような、あたたかい気持ちになりました。
詩としても物語としても楽しめる一篇でした。
この度も温かな言葉をありがとうございました。
いつも遠回りして橋を渡る…けど…川面を走って渡れたら…みたいな。でも、それは井嶋さんが書いて頂いたように「内面」の比喩です。川面を走り抜ける人は、ある意味「達人」で「憧れ」なのですが、投稿作ではやはり書き足りないな、と思いました。
私も腰痛持ちで、寒くなると不意に動けなくなることもあります。だからといって、じっとしていると余計に動けなくなるので、難しいところですよね。私は足首が固く、その反動で腰痛が起きる体質なので、足首を回したり、足を温めたりしています。井嶋さんもお気をつけて下さい。
井嶋りゅう様、「街」に評をいただきありがとうございました。
イルミネーションという発想はなかったのですが、素敵なイメージだと思います。そうやって詩は膨らんでいくのですね。
今回はちょっと手癖っぽいかなと思ったのですが、それなりに筋が通った気がしたので投稿してみました。いつも本当はこんな感じのばかり書いてて、らし過ぎて私の読者には怒られるかもしれませんが、初めて読まれる方には新鮮に映るのかもしれません。時々無性に原点に帰りたくなるのです。敢えて自分の芯の在り処を再確認出来ましたた。ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
色は黒いが蝿ほどは大きくはない
主菜の皿の傍らで翅を休め
じっとしている
我が家はドアも窓も締め切ってはいるが
何処かの隙間から匂いに釣られ
入ってしまったのかもしれない
もしくはきっと見えない所で
羽化でもしたのだろう
箪笥の裏に糸切り鋏が落ちて
そのまま忘れた
今思い出す
思い出すけど、明日取ろうと思っているうちに
また忘れる
虫は逃げない
生きてるくせに大人しい
糸切り鋏は生きてはいない
それなのに逃げる
私の記憶から
そそくさと逃げていく
ティッシュで虫をそっとくるむ
勝手口からぽいっと外に出す
乾いてはいるが固いとも柔らかいとも言い難い
小さいながらもその分の生命のかさは十分にある
そんな感触が指先に伝わって
私は世界が怖くなる
もう思い出さないものが
いつか私を訪ねてやって来る
長過ぎて持て余してる時間が
扉の外で待っていた
私が顔を出すのを
此処が貴方の食卓だとは知らなかった
薄明かりの空
低く立ち込める雲に握り潰されそうになっても
忘れないでいてくれたその人に
私は何と挨拶しよう
貴方にとって私は
大人しい虫なのかもしれない
静寂が手を伸ばす
私はそっとくるまれる
そしてぽいっと外に出される
外は暗いだろうか
それとも寒いだろうか
私はまたこの世界に潜り込む
空きを見て何度でも
飽きるまで
そして大人しく居座るのだろう
箪笥の裏で埃にまみれた糸切り鋏の
その傍らから覗いた食卓が
甘く豊かな香りを放つ限りは
11/22〜11/24までにご投稿分の評と感想です。
*****
「似ている」樺里ゆうさん
樺里ゆうさん、こんばんは。
年齢を重ねると年々似てくるという現象、とてもよくわかります。7連目「誰もが〜生きている」、本当にそうだと思います。昔は感じなかったことが、ふと鏡をみたときにどきっとするほどに似ていてびっくりする。しばらく会っていなかった家族と会って、母は祖母にそっくりになっていていつのまに、と思ったことありました。私もきっとそうなっていくのだろう気づかない間に、と思います。細部が似てくるのだろうか?とも、思ったりしますね。受け継がれていくのでしょうね。良いところも良くないところも。この詩では最後に嬉しいとおっしゃっています。良かったと思いました。素敵な詩でした。佳作一歩前ですね。
*****
「慈愛」黒い木さん
黒い木さん、こんばんは。
不吉な連続ってありますよね。こちらのように、雀の死骸をみつけたり、銀杏の葉がまとめて落ちてきたり。ただの偶然なんですが、必然として意味を見出したりしがちですよね、よくわかります。あと、ふたつみっつくらい、この不吉な連続が書かれてあると、それはそれで面白いし、いかに必然の出来事であるかの証明になって、良いかもしれませんね。もう少し読んでみたい詩人さんですね。
*****
「規格に填まれなかった私たちへ」紫陽花さん
紫陽花さん、こんばんは。
とっても大切な詩をご投稿くださってありがとうございます。今回は、みちこちゃんも登場しましたが、みちこちゃんを通して紫陽花さんの生きてきた人生を振り返って詩にしてくださいましたね。4連目の「普通でないと〜はじかれてしまう」ここが、するりと心に入ってきて、痛かった。それまでのコンビニでのやりとりもあったのでとても良かったです。私もよく、8割という例えで話をするんですが、8割という数字はわかりやすいのでしょうね。こちらの詩にも「世間の8割の行動規格」とありました。8割入りってそんなに良いことなの?と世間に問いたくなりますが、問い続けて紫陽花さんは生きてきたのかもしれません。最後の「そういうことにした」というのがほどほどに距離をとっている様子がうかがえて、とても良かったですね。記念硬貨との比較で表現してくださったところも素敵でした。佳作プラスでした。
*****
「僕はいない」水野耕助さん
水野耕助さん、こんばんは。
この詩はとてもシンプルですがとても深くて、哲学的思考を表現したもののように感じました。本当は心情のようなものを書かれているのかも知れませんが、自分というものはいまここにしか居なくて過去にも未来にも存在しない、というふうにも読めます。水野さんの詩は、ふと考え込ませるような力を持っているように感じます。言葉だけで表していますけれど、そこに風景などがプラスされますと、また違った印象の詩が出来上がると思います。宜しかったら試してみてください。またお待ちしていますね。
*****
「見えないもの」エイジさん
エイジさん、こんばんは。
はい、いいですね〜。しっとりと、かわいているような詩ですね。静かで、騒々しいような、タイトルにもありますが見えないもの、聞こえないものが輪郭としてわかるような、研ぎ澄まされている詩だと思います。じっくりとこちらが思いを馳せることができる空間がある詩ですね。特にアドバイスはありませんね。とても良かったです。佳作です。
*****
「時間と空間の声が聞こえる」森山 遼さん
森山 遼さん、こんばんは。
秋ですね。紅葉が綺麗な道です。この詩には秋が目一杯入っていますね。お散歩しながら、哲学?といいますか自然科学?といいますか何でしょう?少しかたいことを考えていらっしゃるように感じますが、なんだかそういうところが可愛らしくもありました。時間と空間の声が、静かにゆっくりと歩き始めた自分の耳に届く。それは素敵な気づきですよね。世界が美しいのは秋だからではなく、そう感じる自身の心が美しいのでしょう。私にも時間と空間の声が聞こえますでしょうか。
終連の「かそけさの声」ですが、「かそけき声」ですかね?
素敵な詩でした。
*****
「夜になると」cofumiさん
cofumiさん、こんばんは。
「隣の部屋」と書かれてあって、襖も開けてますので、一つ屋根の下の「隣の部屋」なんですよね。ですが何となく、隣の家、つまり顔も名前も知らない隣人、隣の住人、のように感じてしまうのです。そこがちょっと不思議だったんですね。これは、シェアハウスみたいなイメージですか?家族というような感じも薄いんですよねぇ。もしかしたらもうひとりの自分かしら?心の部屋を書いてらっしゃるのかしら?ごめんなさいね、なんだか漠然としていて、幸せとは何か、という問いも、うまくはまっていない感じを受けてしまいました。暗闇にぽっと浮かぶ映像みたいなイメージといいますか。もう少しヒントがほしいところでしたね。読み込めなくてごめんなさいね、また次回読ませてくださいね。
*****
「川面」秋冬さん
秋冬さん、こんばんは。
面白い詩ですねぇ。川面を走る女。幽霊なのか妖怪なのか、あるいは忍者?などと、自分の目で見なければにわかには信じられませんよね。一体どういうことでしょうか?現れないとなるや急に「ぼく」は川面を走る女を演じ始めますね。ここが少し唐突であったのです。なぜそういう突飛な行動に出たのか、ワンアクションほしいところでしたね。ランニングシューズをずぶ濡れにしながら走るぼく(正しくは川の中に入って向こう岸まで渡る図)を追い越していく髪の長い女。「ぼく」につられて現れた川面を走る女。この登場の仕方がいいですね。この正体不明の女になぜか親しみや尊敬を感じている様子も伝わってきます。川面を走れるようになりたいと本気で思っている様子も感じられます。これは比喩で、本当は日常の中にある何かを変化させたいのではないだろうか、とも考えました。面白い詩なのに切なさが滲んでいる詩でもあって、秋冬さんの詩だなあ、と思いました。おまけの佳作です。
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「山茶花」ゆきさん
ゆきさん、こんばんは。
秋から冬に変わるこの季節にぴったりな詩でしたね。読み進めていくと、この順番で思い出に辿り着くのがとても自然でリアルだったんです。枯れた山茶花から厚手のセーター、冬、マフラーへと移行していって思い出のクリスマスに辿り着いて居なくなった君を想う。淡々と描かれているので妙に寂しさが際立ちますね。後半で可愛らしい笑顔が出てくるものだからなおさらでした。最後に「君が戻って来るまで」とあって、切なさもプラスされていました。寂しい詩ですがとても良かったです。
*****
「デュシャンよ切に」猫目屋倫理さん
猫目屋倫理さん、初めまして。
井嶋りゅうと申します。どうぞ宜しくお願いします。
マルセルデュシャンを知っているととても楽しめる詩になっていますね。トイレに行きたくなってデュシャンの「泉」を思い出したのか、「泉」を思い出している間にトイレに行きたくなったのか、順番はわかりませんが面白い詩でした。トイレに行きたいのになかなか見つからない、あるいは辿り着けない時の焦る気持ちが、デュシャンを交えて真面目な切なさのように描かれていて、最後の「表題」が笑えていいですね。とても面白い詩でしたね。また読ませてください。
*****
「乖離」成城すそさん
成城すそさん、初めまして。
井嶋りゅうと申します。どうぞ宜しくお願いします。
雨上がりの太陽と会話をしているような様子に感じました。自身の心の中では、まだまだ雨が土砂降りのように降っていて苦しいけれど、一方の現実ではぐんぐんと太陽がのぼって世界を照らしている、その落差のことを書かれたものなのかな、と、思いました。立ち上がりたいけど、太陽みたいに眩しい存在には太刀打ち出来なくて立ち上がれない、というような感じも受けました。タイトルの「乖離」というのが、詩の雰囲気に合っていたように思いました。また読ませてくださいね。
*****
「街」妻咲邦香さん
妻咲邦香さん、こんばんは。
街が街に恋するなんて、素敵な発想でしたね。ファンタジックが描かれているのに、何だか身近な気もして。それは、とてもわかりやすく書かれてあったのと、あともしかしたら、クリスマスのイルミネーションを私がイメージしたからなのかも知れません。特に4連目が好きでした。住んでる人がパニックというのが良いですね。嬉しい迷惑というか。この大袈裟感が良いですね。あと、2連目の口笛を鳴らさないようにする気遣いも良いですね。描写が細かくて面白いです。妻咲さんは少し書き方を変えられてから、雰囲気も変わって、落ち着いた雰囲気の良い詩が出来上がっているなと感じます。佳作とさせていただきます。
*****
「ひん死」可行さん
可行さん、はじめまして。
井嶋りゅうと申します。どうぞ宜しくお願いします。
なるほど、と思いました。3行目までは、とても近い場所から部位をアップしている感じで、暗くてよく見えない印象を受けたんですが、4行目から徐々にカメラが離れていって「母音こそが本当の苦しみ」という着地に妙に納得しました。そうですよね、本当に苦しい時って、それが心でも体でも、ああ、とか、うう、とか、言葉に出来ないように思います。ずっと前からそうだったのに、目の前にずっとあったのに、見落としていたというか、盲点であったと気付かされるような詩でした。納得して嬉しくなりました。良かったです。
*****
「豹紋よ」暗沢さん
暗沢さん、こんばんは。
この詩、とても素敵ですね。芋虫と枯葉って、私の中ではあまり繋がっていなかったんですが、この詩を読んで違う角度を得ることが出来ました。とても丁寧に表現されていて、暗沢さんの呼吸が伝わってくる詩になっていました。6連目の「私は書物へと栞として〜豹紋よ」ここがとても良かったですね。素敵です。不純な想念にすぎないというのも、かっこいいです。秋の日の一瞬が素敵に描かれた詩でしたね。もう冬に入ったような気温になってしまいましたが、私も秋を堪能させていただきました。佳作といたします。
*****
以上、14作品でした。ご投稿ありがとうございました。
最近腰痛がひどくて、出来る体勢に限りがあり、不自由な毎日です。そのため今回はいつもに増して時間をかけられずにすみませんでした。とんちんかんな感じを受けた方はスルーしていただけるとありがたいです。
私の大好きな秋がまもなく終わりを迎えていますが、大好きな冬がやってきますので楽しみです。
黒いクレータ 身を投げた
そこで見える 星よ星
かつての夢が散り光る
指で繋ぐ 星座は何だ
忘れ去った想いは浮かぶ
オリオン オリオン
彼の背中が道しるべ
それ君でない 戻らい戻れ
恒常性が嘯く 嘯く
疑念はよぎり 言い訳
つくり 立ち止まり
恐れとは克てぬもの
オリオン オリオン
巨人の背中に頼ろう
一度だけの人生
月より古い言葉
未だ使い廃れず
幾度囁かれた
もう 歩こう立ち向かおう
今はまだ三歩
明日はまた 一歩かな