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(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
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「その日見たのは」に評をありがとうございました。
佳作半歩前をいただきました。「半歩前」でしたが、(かっこ)で二度も共感していただけるのが楽しく、ニヤニヤしてしまいました。
啄木にも面白く登場してもらえたなら、よかったです!(酷い人だったこと、聞いたこともあるような・・・)
ところで、肌は眠っているときに回復すると聞いたことがあります。「ニ〇ア」もたまにはお休み前に使用されるのもお勧めします!
今回もありがとうございました。
はじめまして。紅桃有栖と申します。
宜しくお願い致します。
「言葉の選び方、配置の仕方」は、私が音律と呼んでもっとも大切にしていることです。そこを評価していただけたことを嬉しく思います。
どうもありがとうございました。
微細な馬が通り過ぎた
薄墨色の影をまとって
敵が来るわけでもない
味方は二人だけ
男は
城の警備につく
雪の日には
美しい女を追い回し
つまずいて
白にまみれて微笑み
雨の日には
死んじまった兵士たちの
旗のように揺れている
葬列をみまもる
退屈な月曜日
大きな欠伸をしていたら
男は
巨大なガマガエルになっちまった
絶望するどころか
陽気な労働者の唄を
があがあ
口ずさみ
ついには
銃なんかほったらかして
城下町の連中と
真夜中のジャズを
演奏したりする
ブルブル震えるトランペット
グルグル回る
カエルの目玉
夜を走るドラムの雄叫び
警備はそっちのけ
ある日の午後
いつのまにか
荘厳な城は消えてしまった
夢から覚めたように
そうして
ペンキ塗り立てみたいな
ガマガエルの体は
醤油で煮詰めた
岩波文庫みたいな色に
なっちまって
すっかり美味そうになった
ついには
酒に酔った
通りすがりの
そこいらの猫に
ガブッ、と頭から
食われちまったのさ
猫は満足
尻をふって帰宅する
春の雨のなかの出来事
薄墨色の空の下
蒲公英だけが
凝視していた
読んでいただき、ありがとうございました。一人でただただ詩作するのも悪くないけれど、誰かに読んでもらい、しかも感想までいただけると今後のやる気に繋がりますね。引き続き、詩作頑張りたいと思います。
重ね重ね、読んでいただきありがとうございました。
この度は私の詩の「篝火の花」に丁寧な評をいただき、ありがとうございます。
佳作との評をいただき、たいへん嬉しく思います。
この詩のタイトルが「篝火の花」ですので、改めて考えてみると、仰るとおり、篝火のほうにもっと比重を置いた方がよかったようです。
いろいろな要素を、詰め込みすぎたかもしれません。
今後とも宜しくお願い致します。
お待たせいたしました。
2023年1月10日から1月12日までのご投稿分の感想と評です。
「マーマレードを作りましょう」 紫陽花さん
紫陽花さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「マーマレードを作りましょう」の評を送らせていただきます。
みかんを煮て、マーマレードを作る。その行為がなんともあたたかく
「おかあさんもそのまたおかあさんも大好きだった味を作りましょ」
と、心の中、あるいは声に出して歌っているところがいいですね!
受け継がれる味というのは、心の回復のためにあるような気がして。
特に何かあったわけではなくても、その料理を作ること、味わうことによって
癒えていく、救われる心があるのではないかと。
三連目から四連目の作る過程は煮られるみかんの香りと温度、作る手の動き、表情まで
目に見えるようで、誰かのために(自分のためでも)心を込めて作る様子はまさに詩的だなと思いました。
心があたたかく、軽やかに楽しくなれる一篇でした。
御作、佳作とさせていだだきます。
「さよなら さよなら かこの わたし」 森川 遼さん
森川 遼さん、初めまして!ご投稿くださりありがとうございます。
初めての方は感想のみとさせていただきます。ご了承ください。
僭越ながら御作「さよなら さよなら かこの わたし」の感想を送らせていただきます。
すべてひらがなで書かれた作品は、少し読みにくい場合がありますが、森川さんの作品は読みやすく、すっと言葉が入ってきました。かこのわたしへ別れを告げていますが、その時、その時に動いた心を、感じたことをそのまま丁寧に掬いあげて、愛でながら手をふる「わたし」を見届けています。
捨てる、忘れるとは違った健気な「別れ」がこの詩の中にありました。
「みんな すきです かこの わたし」と自分を嫌いにならないで、かこのわたしを自分のこどものように思っているようなあたたかさを感じました。
さよならの中に感謝と労いがこめられた、あたたかい一篇でした。
「休日の午後の昼下がり」 ネガテブさん
ネガテブさん、初めまして!
ご投稿くださりありがとうございます。
初めての方は感想のみとさせていただきます。ご了承ください。
僭越ながら御作「休日の午後の昼下がり」の感想を送らせていただきます。
主人公が時間を持て余しながら、過去に思いを馳せます。少し寂しい気持ちになった後、
「あの人」の顔が浮かびます。そこから少しずつ主人公の気持ちが前向きに元気になっていく様子は読んでいるこちらも、相手も同じような気持ちであったらいいな、再会できるといいな、と思って、懐かしい心の動きがありました。
最後に初めより幾分、心が明るくなった流れはよかったです。
誰かを思う、忘れない気持ちが日々を明るくすることを思い出させてくれた一篇でした。
「立ち眩みの朝」 秋冬さん
秋冬さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「立ち眩みの朝」の評を送らせていただきます。
更年期というと女性がかかりやすいという印象が強いですが、男性にも更年期は
もちろんあって。この詩の主人公のようなめまい、立ち眩みもあるそうです。
精神的にも怒りっぽくなったり、不眠になってしまったり。
成長期のように身体が大きく変化する時期で。生活に支障が出るほど重い症状の人もいます。性別だけでなく個人差もあるので、理解されないところもあるかもしれません。
私もプレ更年期にさしかかっているので、「ああ、わかるなぁ…つらいんだよなぁ」と頷きながら読み進めました。苦しみをわかってもらえないというのは、本当につらいです。大袈裟に騒いでる、考えすぎだ、心配し過ぎ、気にし過ぎ、と言われてしまうと「もういいよ」と自暴自棄な気持ちになることも。
結局、自分を助けるのは自分なのですが。と、御作を我が事と感じて自分だけではないんだ、と、どうか少しでも良くなりますようにと願わずにはいられなくなりました。
御作佳作とさせていただきます。
「崩れた世界の音がする」猫目屋倫理さん
猫目屋倫理さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「崩れた世界の音がする」の評を送らせていただきます。
きな臭いことが大きく報道されるようになって。恐ろしい世界が、時代がやってくるのではないか、という不安が広がっています。
その不穏、絶望感をひとつの音楽として描いています。歌え、と強要されているようにも
自分自身に強いているようにも見えて、心の崩壊が起こっているようにも見える。
主人公に恐れはなく、繰り返される再生と破壊をただ見つめる目だけがあって。
思考も心も停止してしまった主人公の声が静かに鋭く響く一篇でした。
御作佳作とさせていただきます。
「悪い恋人」 紅桃有栖さん
紅桃有栖さん、はじめまして!ご投稿くださりありがとうございます!
初めての方は感想のみとさせていただきます。ご了承ください。
僭越ながら御作「悪い恋人」の感想を送らせていただきます。
お互いの心情を語る形は劇的でふっと惹きこまれました。
エロいという言葉が下世話ではなく、彼の素直な気持ちの吐露のようで
よかったです。言葉の選び方、配置の仕方が上手な方だなと思いました。
「悪い恋人」はどちらなのか。気持ちの温度は幾分、彼の方が高いように感じました。
今より過去、未来の想像をしてしまう。現実逃避なのか、今を「想像」するということは
言葉や思考で安易に記録しないためか。二人の言葉からにじみ出るさみしさを感じました。
着地点がまだ先にあるような不安定さが、不思議な魅力となって心に残った一篇でした。
「水」 山雀詩人さん
山雀詩人さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「水」の評を送らせていただきます。
ぽたぽた、で、水の存在が、水漏れの状態がわかります。
水漏れは困りごとのはずが、詩の主人公は「水はずごい」と感嘆の声をあげます。
ここからぐっと読み手を引っ張っていきます。力強いです。
水の壮大な行方に思いを馳せ、水もひとつの生命であると感じる。
水から生命が誕生した軌跡が頭に浮かびます。想像していくうちに水はもとの
場所に戻り、窓のすきまから漏れます。
瞼と瞼のすきまから漏った水はぽたぽた、ではなく、ぽろ ぽろ ぽろで。
主人公の心の中であふれたものがこみ上がったような、切なさがやさしく響きました。
御作佳作とさせていただきます。
「寄る辺ない寄る辺には音しない音を」 maut joeさん
maut joeさん、初めまして!
(お名前の読み方は「マウトジョー」さんでよろしいでしょうか?)
ご投稿くださりありがとうございます。
初めての方は感想のみとさせていただきます。ご了承ください。
僭越ながら御作「寄る辺ない寄る辺には音しない音を」の感想を送らせていただきます。
「音しないから音しない 音しないなら音しない」と不思議な言葉の繰り返しから
はじまって、リズムよく言葉が展開されます。音しない、が、お歳しないになって
お歳しないから脅しないになる、この流れ、面白いですね。なんだろう、なんだろうと
ワクワクしながら展開を追う楽しさもあります。どこに行きつくのか、次の言葉は何か。
最後に「脅しないなら脅しない」と、これは取引きだった!?と驚きました。
面白くて、ちょっとだけこわい。面白いこわさが良いです。
リズムとテンポが魅力的な一篇でした。
「向かう場所」大杉司さん
大杉司さん、初めまして!
ご投稿くださりありがとうございます。
初めての方は感想のみとさせていただきます。ご了承ください。
僭越ながら御作「向かう場所」の感想を送らせていただきます。
ギターを背負った若者の視点から街の風景や人々の動きが描かれていて。
よく見る風景、よくある光景、それでも惹きつけられるのはなぜか。
主人公は孤独を抱えながら、サラリーマン、学生、と、ひとつのカテゴリーに属する人を
目で追います。ギターを背負っているのは自分だけ、というのは「不安定な自分」と
いっているようで、それを卑下しているわけではないけれど、どこか気にしている。
心情が語られない分、読み手に言葉の端や雰囲気から想像させます。
皆同じ時間に乗り
同じ時間に帰る
僕は奇遇と思った
ここ、面白いですね。同じことが繰り返されることを、奇遇と思うのはなぜか。
当たり前のように同じことを繰りかえすことが出来る人が、主人公の周囲にいないか、
主人公が成せなかったことか。羨望ではなくひとつの流れとして見ている。
最終連で今日は遅くまで街にいすぎた、とあります。ここにサラリーマンや学生に向けた眼差しの意味がこめられているように感じました。感情のうねりが静かにたしかにあったのだと。
読み方が違っていたらすみません。
主人公の心の中をいろいろ想像することが出来る一篇でした。
この度も評をいただきまして誠にありがとうございました。
詩を書いて外に出せるということは、押し寄せてくる波の間隔は以前より空いてきているのかもしれません。
いつも「私は」というところから出てより広いというか遠い視点で書いてみたいと思いながらも、書けるほど遠くからは対象を眺められていないこと、
また今回では「私の孤独」と「人間の孤独」がうまく繋げられていないことに、評をいただいて気づきました。
命題に対しての思考の経路を書いて、答えの端っこも掴めていない段階で書いてしまった感があるのかと思いました。
直していただいた箇所を参考にもう一度考え直してみます。
情景で感情を描写することは、以前よりも取り組めていると思うのでつづけていきたいと思います。
いつも的確にコメントをくださいまして本当にありがとうございます。
自分の中でもうまく整理されていなかった部分を客観的に説明してもらっていると感じることが多く、それがとても有難いです。
また投稿すると思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
島様
こんにちは。
詩の評、お礼です。
子供向け詩を主にしているのですが、基本たちかえりで高校生年齢層で書いてみました。
秀作有難うございます。
男性の気持ちが不足してますね。
反省です。しめももう少し。
まだまだ勉強です。
これからも宜しくお願い致します。
この度も温かな言葉を頂き、ありがとうございます。自分でもクドいかな、と思いながら、今回はクドいを続けてみようと思いました。色々と試してみたいと思っています。引き続き、よろしくお願いします。
お先に失礼致します。
1 妻咲邦香さん 「雪の日の朝」 1/13
まず視点がブレてないところがいいです。そのブレない背景に作者は想像力を駆使して、様々な叙述が代入できる。読み手も安心して自分の想像世界に遊べる、そんな印象を持ちました。
前者はもちろん妻咲さんらしさ、ということです。2連・終連に見る事ができます。とりわけ終連。
物理的には「小さな足跡」だったようですが、「恥ずかしい~大きな」とする。ここにこの詩の神髄としての修辞があり、隠喩があり、謎があり、華がありそうです。「交わることのない誰かの営み」も極めて重要なフレーズです。 佳作です。
アフターアワーズ。
自分勝手な想像を書きます。僕はこれを恐怖心をもって読みました。(誰が訪れたのか?)
自分(ミウラ)の家の裏庭―第三者が入らないような立地―に足跡。普通だったら、警察の鑑識などでないとわからないところなのに、雪の日の朝、まっさらな雪に足跡のみ、一目瞭然です。恐いですねー。ヘンな想像ですいません。でも想像でよかったです。
2 理蝶さん 「偲ぶ」 1/13
「あなたがいない=不在=死去」と「僕がまだ幼かった」を時の起点とすると、この詩の「現在」はかなりの歳月が経っていると見ます。死去1~2年後では「僕」はまだ幼くて、この詩のような思考は出て来ないだろう、からです。あの当時を思い出しながら、死の意味を考え故人を偲んでいる。これはその歳月を充分味わい、丁寧に読んで行きたい詩。時間意識が巧みに描かれています。少し角度を変えて話すと、この詩の考え方は大変オーソドックスで、極論するとオーソドックスしか書かれていないと言ってもいいほどです。ここまで書くと、一見、批判のようですが、どっこい、そうではない。そういったものを極めて詩的純度の高い詩行で包んでいる点です。そこを見ておきたい。
「煙も骨もその人の物質的証拠ではあるが、それが心の平静や癒しになることはけっしてない」
↓
「人は煙や骨にあなたを重ねるけど/それは証であって薬ではないと」
「○○さんは亡くなったけど、いつもあなたの心の中にいる」などとよく言われるが、
所詮は修辞であって慰めでしかない
↓
「そばにいると諭されても見えないのなら仕方ない」
こういった書き方を評価しておきたいのです。ところで、僕がこの詩に時の流れを感じるのは、ひとつには7連があるからです。終行も趣深い。極楽浄土は西方にあるとされています。佳作を。
3 荻座利守さん 「篝火の花」 1/15
冒頭佳作。
花に疎い僕でもシクラメンは知ってましたが、名前の由来はとても勉強になりました。しかも和洋両方の由来があって興味深い。詩も概ねこの両説によって展開するのが基本方針でしょう。
冒頭から3連までがその感じ。4連では実際的な生態に少し触れ、微妙に変化が出ました。
後は、いつも通りの思考が入って、すでに「荻座スタイル」というものができているように思いますね。両説的なことが混在してしまうかな?といった危惧もあったんですが、無事クリアーです。
英名由来のほうは欄外に任せて、むしろ篝火の方に比重を置いて書かれたほうがテーマ的に良かったです。すなわち冬の厳しい時を、篝火のように人を照らし、和ませ、導く。そんな主旨にかなっています。英名、和名、どちらも麗しい。「篝火花(かがりびばな)」とした日本人の感性も見事です。「冬の良心」といったところ。
対象の選び方、名前エピソードの扱い方、それにふさわしい詩の叙述と方向性も大変良かったです。サイズもジャストです。
4 エイジさん 「太陽の軌跡」 1/15
冒頭佳作。
最近、なんかいいですねえ。なんか心境の変化でもありましたか?
この詩は恋する二人を登場させたのが圧倒的にいいのです。圧倒的に成功しています。プラス「僕」を添えたこと。これも左記に同じく。
別に悪趣味とか、人の恋路を邪魔する、というのでは全然なく、あくまで「愛を伴った二人との邂逅・その偶然」と位置付けたい。どこか短編小説の美しい一場面を読むかのように、うっとりしてしまいます。ロマンあり、文学的香気あり。「エイジ・コレクション」屈指と言っていいでしょう。人物を包む事物、光景も柔らかくも美しい。こういうのを書くと、「さらに上を」みたいな使命感、目標感が出て妙に緊張したり硬くなったりしちゃうんですが、長く書いていくうちには当然、好調・不調あり、派手・地味あり、強弱あり、雨の日もあり、晴れる日もあり、なもの。そんな風に構えて平常心でいるのが一番良いように思います。
アフターアワーズ。
大勢に影響ないので欄外に書きます、この詩の文学的横顔からすると「僕」ではなく「私」でしょ。
5 香月さん 「めかくし」 1/15 初めてのかたなので、今回は感想のみ書かせて頂きます。
よろしくお願い致します。あるPOPSの歌詞に「目かくしで 森の中~♪」というのがあって、なかなかシュールでかっこいいのですが、ちょっとそんなことが浮かびました。この詩のフィーリングもそんな気がしないでもない。内容とタイトルのギャップが―是非を措いて―興味深いのです。額面通りに受け取れば、金平糖をひとつずつ噛んで砕いて飲み下す行為なんですが、「ホント分かってない」(意味不明)と「君」の存在によって、セリフからすると「君」は女性。金平糖を口に入れてるのは男性という推測ができるのですが、タイトルがどう関わるのかは不明のままです。終わり2行がいいですね。「毒と蜜」が利いています。恋人同士のちょっとした戯れのようにも印象されました。また書いてみてください。
6 まるまるさん 「その日見たのは」 1/16
石川啄木 「はたらけど はたらけど なお わがくらし楽にならざり じっと手を見る」
毎日の家事と仕事に重さを感じ、うんざりしてきた矢先。(あります、あります)そこから石川啄木を思い起こすことはあるでしょう。(あります、あります)詩の半分は啄木絡みで展開されます。ここでやや面白いのは、どちらかと言うと手の平を見るのが自然なのですが、ここでは手の甲を重く見ている。料理中だから自然に甲が見えたのでしょうが、これは詩の個性となり得るかもしれない。ここで援護的に書くと、冬の手の荒れを気にするのはむしろ甲のような気がするのです。僕は手荒れがひどいので毎朝「ニ〇ア」を塗りますが、甲の方を意識しますね。これは啄木の登場が面白く読みどころでもあるでしょう。佳作半歩前を。
アフターアワーズ。
その石川啄木ですが、上記名作を読むと、勤勉で清貧で健気で可哀そうな人物がイメージされますが、「作品と人物は別」の典型のような人……ということが判明しました。職を転々、遅刻欠勤当たり前、借金だらけ、女遊び、奥さん質屋通い。とんでもない。
作品はどうであれ、内面はどうであれ、人間性はちょっと尊敬はできない。
7 ゆーたさん 「雷鳴と白鳥」 1/16 初めてのかたなので、今回は感想のみ書かせて頂きます。
よろしくお願い致します。なかなか書ける人といった印象を持ちました。最初なので、どの位の詩キャリアがあるかはわからないので、基本的なことを書くと、まずタイトルに沿って、タイトルを追いかける事が、基本であり常套手段だと思います(勿論、そうでない物も、それ以上にあるのですが)。今回、その定石を意識して読んで行くと、1蓮。いいと思います。タイトルを意識した自然的叙景と精神が語られます。続く2~3連ですが、僕はどう読んでも別の詩が入ってきたように読めるのです。これらはちょっとテーマが違うと思う。このパートは別の機会に別の詩として作るのが自然に思えるのです。幸い4連はややタイトル主旨に近いので、ここをアレンジして1連と繋げて、タイトル的に受け継いだほうがいいように思うのです。参考までに、僕ならどうするかをちょっとやってみたいと思います。フレーズが変わる事をご了承ください。
(4連のみ。1連から続く)
ときどき、あの日に戻ることがある
白鳥を見たあの日
少しの雨と
淡い雷鳴の中で
白すぎる白鳥の翼を
瞳が捉えた時
あの柔らかい水滴は
わたしの涙だったのではないのかと
思うことがある
鳥の白さに
何かが哀しいわけではありません
こころが動いたのです
ただ 遠くへ行くだけの話です
白鳥と共に 白鳥のように
白い翼を携えて
大海を越えて
たとえ雷鳴が聞こえようとも
遠くへ、 ただ遠くへ
上記はあくまで参考です。こんな感じで1連と繋げて(心情も若干入れながら)自然メインのテーマで締め括ったほうが、この詩らしいと思えるのです。 また、書いてみてください。
8 朝霧綾めさん 「白菜の甘酢漬け」 1/16
前作に続いて、お料理詩。今回は素材が具体的。タイトルの食物、おいしいですよねえ~。ごま油、味を引き立てそうです。「しゃくしゃく」音も味のうちか? 4連からなにやら世界が壮大になってきます。白菜の漬物によって世界の、人類の、邪悪全てを駆逐、退治する。これはもう技術論・是非論・具体論・抽象論全てを突き抜けるパワーが与えられています。とりわけ5、6連は読みごたえがあり、何か勇気をもらった気がします。おそらく白菜を視覚・味覚・聴覚から捉え、それを極限まで押し上げたの感があります。
奇観・偉観であります。隠し味として白菜に沁み込んだユーモア味も魅力です。佳作半歩前で。
アフターアワーズ。
ここで真摯なお詫びを。冒頭、嘘八百並べました。すみません。僕は白菜が嫌いです。食べたことありません。味も食感も知りません(ついでに大根、ナスも)。漬物も一切食べられません。逆に(なんで日本人は食べるんだろ?)と不思議なほどです。せっかく書いて頂き申し訳ないです。当然のように、これは朝霧さんの責任では全くありません。僕が変人なだけです(あとはノーマル! 笑)。
評のおわりに。
上記に続いて食べ物の話。食パンです。 関東では6枚切:8枚切=6:4 又は 7:3位の比率で
利用だと思うんですが(ウチは6:4くらい)、関西では8枚切は食べないとか、店に置いてないとか。
ネットでそこそこ調べたんですが、関西はド~ンと「厚切り指向」? 興味深いことです。では、また。