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井嶋様 詩の評をありがとうございます。
何か足りない詩だなと思いながら提出したのですが、井嶋様がご指摘された所、「夕立」の時間経過確かにおかしいですね。
今回これらを学びとしたと思います。余裕があってまた詩が出来たら井嶋様にもまた見ていただきたいと思います。
本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
クシュン ハクション
あさおきたらさむいさむい
きゅうにさむくなった
あきのそら
きゅうにあきがきたら
そらのカラスやスズメも
そらのうえで
かぜひいちゃうね
わたしはながそできるけど
カラスやスズメやどうぶつたちは
さむくないのかな
みんなかぜをひかなきゃいいね
あわてんぼのあきさん
そんなにいそいできたら
みんながかぜをひいちゃうよ
ゆっくりゆっくりおねがいね
いつも温かな言葉を頂き、ありがとうございます。
「これは散文詩ではありません」と言われるかもしれないな、と思いつつ投稿しました。
散文ではあるけれど「詩」なのかどうか、自分では正直分かっていません。
昨日も今日も明日も、休み返上で出社になったものでヘトヘトですが、井嶋さんの評を読んで頑張れそうです。
引き続き、よろしくお願いします。
コスモスの
花びらが一枚
落ちてしまっただけで
この世界の調和は
崩れてしまうのでしょうか
薄く儚い
花びらのひとひらにも
喜びや
悲しみや
怒りや
いとおしさの
遥かな記憶が
しまわれていて
そのひとひらが
一枚
また一枚と
落ちて朽ちゆくたび
世界を織り成す
無数の
見えない結び目が
一つ
また一つと
ほつれてゆき
僅かずつではあっても
この世界は
調和を崩してゆくように
感じるのです
なぜなら
コスモスの花は
それを咲かせているものの
願いに
染められているのですから
もしあなたが
生きることすべてに
疲れきったまなこで
微風にゆれる
コスモスの花をみたときに
ほんの少しだけでも
やすらぎを
感じたならば
そのときあなたは
その花に映し出された
願いを
聴き取ったのでしょう
その願いを
仄かにでも感じたとき
コスモスの
薄く儚い
花びら一枚ぶんの調和を
その感覚の導くままに
結びなおしてみてください
そうしてあなたは
世界と再び
結びつくのですから
あいしてるの
太陽に当たるとキラキラ反射する黒い髪の毛だとか
ポニーテールの時に見えるしっとりとした項だとか
すっきりした輪郭を流れる甘そうな汗だとか
どうしかなっちゃいそうなほど愛しているの
おかしいでしょ?
マフラーからはみ出る赤い鼻だとか
寒いねと笑って下がる目尻だとか
指先のまるで雪かのような冷たさ だとか。
もう少しだねと目を伏せて
電車のホームに立ちすくんで
線路表示の看板に寄りかかって
涙を流すあなたは!
コンクリートに吸われていくように見えて
手を伸ばしたって
どこか絵空事のようで
まるで薄い 薄い液晶が膜を張って
わたしと あなたを とおざけるんだ
紫陽花さん。
ご参考のものがこちらでした。
申し訳ございませんでした。
*****
薬が効いてない
ここ2年くらい続いているみちこちゃんの
朝の挨拶
ただ 今日はいつもより深刻そうで
どんよりとした目でベッドに横たわったまま
動かない
みちこちゃんは
暗い声で 続ける
何回もトイレに起きるし全く眠れないのよ
しばらく沈黙があった後
少し力のこもった目で彼女は宣言した
今日のデイサービスに行って先生に薬をやめて下さい それとデイもつまらないから辞めさせて下さいって言ってくる 私人参の皮むきの仕事を紹介されているし 仕事しようと思うの
ああ、近頃私が掃除してると床にB型作業所のお知らせが落ちてたり コソコソ電話で誰かとアルバイトの話をしていると思ったらそうだったのね
私ときたらみちこちゃんがご機嫌にテレビを見て ウトウトしておやつを食べてを繰り返してると思ってた ごめんなさい 策士だったのね みちこちゃん
でもね訪問看護師さんも心配してるよ
デイサービスでもらう薬を止めたら血圧も上がるししんどいよ
なんて猫なで声で私は恐る恐る彼女の様子を伺う
私とみちこちゃんは六畳間でつきあいたての恋人のように
次に相手がどう出るか探ってる
見つめ合う老女2人
どこまでも真剣な私達
そんな今日は木曜日朝8時30分
ピンポーン
デイサービスのお迎えが来たようだ
もう今日でデイは最後にするから
みちこちゃんは静かに呟いた
みちこちゃんの乱が始まった
すみません。参考までに書いたものが、画面上うまく出来ていませんでした。申し訳ございません。
訂正させていただきます。
のちほどお伝えさせていただきます。
9/27〜9/29までのご投稿分の評と感想です。
*****
「秋の扉」エイジさん
エイジさんこんばんは。
「夏の扉」とは有名な小説や名曲などで馴染みがありましたが、「秋の扉」もなかなか良いタイトルですね。この詩は、たとえば公園のベンチなどに座りながら夏の思い出に浸っていて、ふっと我に帰ると目の前に広がる世界は秋だった、みたいな印象を持つ詩だったんです。一連目と二連目が脳内の世界で、三連目と四連目が現在の場所(外出先)にいるような感じを受けました。記憶が夏の扉で、今が秋の扉であるようなイメージでした。エイジさんはだいぶお上手になられましたので、そのまま読み進んでしまいそうになるんですが、夏の終わりの夕立と秋の始まりの夕立の間には、確かに時間経過があるはずで、二連目でどのように途方にくれているのかをもう少しふくらませていただけると三連目と四連目の穏やかさがより際立つように感じました。ラストなどは、枯れ葉が舞っている感じを想像できて、全体的にムードのある作品でとても良かったです。佳作一歩前ですね。
*****
「その一行」cofumiさん
cofumiさんこんばんは。
ああ、わかりますねぇ。私もある本の中盤を読み飛ばしてしまったことがあるんですよ。おかげで意味がわからなくなって、また戻るのも大変で、たぶんあのへんだとあたりをつけるんですが、なかなか見つからず諦める、という経験がありました。とほほでした。どうしてそんなことになったのかと振り返ってみると、あの時確かに一瞬だけ興味を失っていた、と思いだして自己嫌悪に陥りました。
私のことはさておき、この詩は本の読み飛ばし経験をふまえて、人間関係にもそれは起こり得るのだと書いていますね。本当にその通りだと私も思います。あの時お相手はどんな心情であったのか、そのほんの一行に戻ることが出来たのなら、今頃は違う結末を迎えていたかもしれない、と思う後悔。その思いを抱えながら進むしかない日常の中で、もしかしたらもう一度くらいなら読み飛ばした一行に相当する一行に出会うチャンスが巡ってくるかもしれない、もし巡ってきたら人生のエピローグは確かに変わるのだと言っているかのようなラストは、とても切なく響いて良かったです。ただ、ラストの2行に向かうまでをもう少し書いてもよかったかもしれませんね。しゅっと終わってしまった感がありましたもので。今回も発想がとても良かったと思います。おまけの佳作とさせていただきます。
*****
「みちこちゃんの乱」紫陽花さん
紫陽花さんこんばんは。
まず、タイトルが良いですね!以前読ませていただいたみちこちゃんがシリーズになりましたね。楽しみです。
今回はなんだか雲行きがあやしい雰囲気で始まりました。みちこちゃんは、夜も眠れないしデイサービスもつまらない、デイサービスに行くのをやめたい、と言い始めたんですね。さあ困った!なかなかお元気なみちこちゃんですので、きっと説得はきかないでしょう、策士のようでもありますので、まさに「みちこちゃんの乱」が始まりましたね。こんなにわくわくしながら読んでは本来はだめなんでしょうけれど、みちこちゃんのお元気さにこちらも元気がでるのですよ不思議ですね。関係者のかたは大変なんですよね、おつかれさまです。「つきあいたての恋人のように次に相手がどう出るか探ってる」という表現がいいですね。緊迫感も伝わってきて、両者一歩も譲らず、のようなニュアンスも感じられました。良いですね、展開としてはこれが始まりの詩。さて、今後どうなっていくのでしょうか?乞うご期待、といった感じでしょうかね。佳作とさせていただきます。
はい、今回は書き方を少し整理してみましょうかね。読み違えたりするのを防ぐためのものですね。一行を独立させたり、改行してるところを繋げたり逆に離したり、などなど、言葉で伝えるのは難しいので全文移してみますね。これはあくまで私の呼吸ですので。良かったらご参考までに読んでみてください。
薬が効いてない
ここ2年くらい続いているみちこちゃんの
朝の挨拶
ただ 今日はいつもより深刻そうで
どんよりとした目でベッドに横たわったまま動かない
みちこちゃんは暗い声で 続ける
何回もトイレに起きるし全く眠れないのよ
しばらく沈黙があった後
少し力のこもった目で彼女は宣言した
今日のデイサービスに行って先生に薬をやめて下さい それとデイもつまらないから辞めさせて下さいって言ってくる 私人参の皮むきの仕事を紹介されているし 仕事しようと思うの
ああ、近頃私が掃除してると床にB型作業所のお知らせが落ちてたり コソコソ電話で誰かとアルバイトの話をしていると思ったらそうだったのね 私ときたらみちこちゃんがご機嫌にテレビを見てウトウトしておやつを食べてを繰り返してると思ってた ごめんなさい 策士だったのね みちこちゃん
でもね訪問看護師さんも心配してるよ
デイサービスでもらう薬を止めたら血圧も上がるししんどいよ
なんて猫なで声で私は恐る恐る彼女の様子を伺う
私とみちこちゃんは六畳間でつきあいたての恋人のように
次に相手がどう出るか探ってる
見つめ合う老女2人
どこまでも真剣な私達
そんな今日は木曜日朝8時30分
ピンポーン
デイサービスのお迎えが来たようだ
もう今日でデイは最後にするから
みちこちゃんは静かに呟いた
みちこちゃんの乱が始まった
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「魔法の絨毯」麻月更紗さん
麻月更紗さんこんばんは。
ああこれは逆説なんだなあ、と思いました。弾けるような若さを羨ましいと感じ、出来ればあの頃に戻りたいと思うかた、たくさんいらっしゃると思いますが、若さというのはとても不安定で若いからこそまかり通った出来事は寿命が短いことがほとんどで、でもそれに気づきもしないで笑っていて、ようやく作者はその若さというものから解放されたところ。いいですね。とてもいいことが書かれていました。大袈裟にいえば、若さというものを憎んですらいるようなニュアンスが、表現のところどころから感じられて、もしかしたら若かったがために失ったもの、あるいは得られなかったものが作者の背景にあるようにも感じられました。そのへんのことが一行、二行程度あったらますます良かったかもしれませんね。とても良い詩でした。佳作一歩前ですね。
*****
「傘」hikikoさん
hikikoさんこんばんは。
道行く人々は傘を持たず
代わりに手を繋いでいるのに
6連目のこちらの部分がとっても良かったです。
自分だけに振り続ける雨。君がくれた傘、どんなに傘をさしたって、もうボロボロの傘では強く冷たい雨をしのげやしない。この心情を、最初は本当に雨が降っているものと思って読んでいましたが、6連以降で雨は本当は降っていないということがわかり、頭上の雨雲がさらに増したように感じました。9連目の「雨雲の上にいる君を思って」ここをどう読むか?と思いました。別々の道へ進んでしまってもしくは別れてしまって昔みたいに会えなくなったと読むか、あるいは天上へのぼってしまった人と読むか?私は後者のほうで読ませていただいたのですが、そのように読むとなおさら寂しいようなやりきれないような、明日も明後日も雨は止みそうにない心情を思って、ボロボロになった傘を想像します。今日もひたすら雨が降っていますね。佳作一歩前でした。
*****
「真面目な二人」秋冬さん
秋冬さんこんばんは。
今回は散文詩を持ってきてくださいましたね。
はい、これは最高に良いです。花丸の佳作でした。秋冬さんは、散文詩がお上手ですね。
「真面目」という意味を、会話を交えてきちんと掘り下げられていて、うなりながら読み、途中からわくわくしてきて楽しくて、僕がプロポーズをした際に、実はずっと僕をからかっていた君もはるかに真面目であったというオチも「真面目な二人」というタイトルにきちんと落ちていました。これはすごく良かったですよ!本当に良かったです!何のアドバイスもありません。実に良く書けていました。はい、花丸の佳作です。
*****
「虜(とりこ)」まんまるの森さん
まんまるの森さんこんばんは。初めまして、でしょうかね。井嶋りゅうと申します。どうぞ宜しくお願いします。
この詩はひとことで申し上げますと、したたかですよね。時には魚、時には小鳥として、あなたの好きなようにわたしをあやつって、と。どんなルールでもって接してこようとも必ずやわたしはそれを受け入れる、そうすることで、あなたはわたしの虜になるのだ、と。もはやわたしなしではあなたは生きられないとでも言っているかのような詩。この詩は女性が書いた詩ではないでしょうか。男性だとちょっと思いつかないかもしれません。面白い詩ですね。ぞくっとするようなラストの一行。この一行でそれまでがくるっと反転して、したたかな女の素顔がかいまみれる仕掛けになっていました。良かったですね。面白いです。もう少し読んでみたい詩人さんですね。
*****
以上ですね。
ご投稿ありがとうございました。
木曜あたりから急に寒くなってきて、暖房をつけてしまいました。
でもまた不意に残暑が戻ってくるのではないかとおびえています。
みなさん、体調管理にご注意ください。
僕は夢の中で
仲のいい女友達と
公園を歩いていた
二人で美術の話に
花を咲かせていた
ピカソが46歳の時
マリー・テレーズという
十代の女性をナンパしたんだ
ピカソは彼女にどう話しかけたの?
彼は「貴女は面白い顔をしてますね」って
話しかけたんだって
あはは!ピカソは面白いこと言う
そうでしょ?面白いねぇ
こんな具合の気軽な話だった
公園の池の端に
可愛い仔猫が二匹戯れていた
その池の端の道に
僕らは綺麗な花の蕾を見つけた
珍しい虹色だった
ああ!綺麗な虹の蕾
僕たちが駆け寄るや否や
蕾がたちまち花開いて
虹色の花を咲かした!
五枚の花弁の一重咲き
イエローの雄しべ 雌しべが
中央に立っている
そこで僕は目が覚めた
夢の中でしか
咲かない花があるという
僕はその花を見た
それは気候のいい季節の
夜に見た夢だった
せめて
ビールを
まもなく
日付が変わる
とにかく
祝杯を
一本飲んだら
日付が変わった
今年は
間に合わなかった
いつもの
晩酌に変わる
誕生日は
終わったのだ
ビールの後は
第三のビールに変える
新しい
一日が始まった
見下ろす
ビール腹が
年輪に見える
誕生日の
再会は
果たせず
残業疲れなのか
一気に
酔いが回る
亡き
父と母が
現れる
日付が変わり
諦めていたので
嬉しさと
恥ずかしさが
既に
二人を
超えて生きる
図々しい息子は
また
ひとつ
年上になった
どう見ても
二人の方が
若いのだから
嫌になる
それでも
俺は
いつものように
誕生日プレゼントをねだる
父の運転で
どこか
景色の良いところへ
誕生日は
昨日だから
また来年ね
懐かしい
笑い顔で
二人は
薄くなる
なによりの
プレゼントが
消えていく
やはり
誕生日でなければ
叶わないのだ
一気に
酔いが醒め
濃い目のハイボールに
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