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初めまして 成城すそと申します。新参者ですがよろしくお願いします!
この詩は「好き」の持つ力と温度を意識して書きました。
マグマのように熱い感情を閉じ込めようとしているけれど煙は出てきてしまう……といった感じです。
綺麗に読み取って頂き嬉しいです。
これからも精進して参ります!今回の詩のご評定、ありがとうございました!
鍵をかけて 黒い木さん 12/6
初めまして黒い木さん。齋藤と申します。何卒、よろしくお願いします。今回は感想を書かせていただきます。
冬の朝はなかなか起き上がることができませんよね。目覚ましが鳴り、スリープにして、また目覚ましがな鳴り、またスリープにして……。語り部は自分の好きな音楽を目覚ましにセットしているのでしょうか、日中に聞く時にはたぶんノリノリの曲だが、冷え込み覚醒しきれず出来れば学校、もしくは会社に行くことから逃げてしまいたいという気持ちを「鍵をかける」という表現を使いこちらの作品は描かれているのでしょうか。
ケータイのロック解除への鍵、ドアの鍵、そして今日一日をスタートするための鍵、と「鍵」を上手く使いバランスの良い作品に仕上がっています。朝のどんよりとした気持ちを上手に伝えていますね。家を出る時の「蝶番を泣かせて地獄の外へ這い上がる」という表現も個性豊かです。外の世界が地獄ということではなく、今の弱気になっている心情が地獄という、一歩出てしまえばたぶん勢いで今日一日もやり切るという確信がきっとあるはずさ、という気持ちが隠れているのかな、とも思い拝読しました。
そして自分の心身にかかった鍵の解除に「ココア」という鍵。ユニークな感覚がこちらの作品をなお引き立てています。喉に鍵をかけて、ココアを流し込む、なのでタイトルは鍵をかけることよりも、ココアが鍵となる的(てき)な方が良かったかな、と個人的には思いました。温かいココアを手にしてはっきりと覚醒し始めてもいますので。
とても冬の朝にあるこころ模様が上手に表現された素晴らしい作品でした。
またの黒い木さんのご投稿を楽しみにお待ちしております。
僕は まっとう だよ 森山 遼さん 12/6
初めまして森山 遼さん。齋藤と申します。何卒、よろしくお願いします。今回は感想を書かせていただきます。
夜に自問自答している感じなのでしょうか。自身が客観視した「あなた」も登場して、あなたへ話しかけている構成の作品は、流れがよく読者に伝わってきます。あなたからすると私は、ちょっと怪しいところがあるかもしれないが、意外と僕はそんなに外れた道徳心もないし、けっこうまともだよ、と自らアピール、発信しているところがピュアな感じがしますね。正直というか。作品の全体からは、自身をちゃんと見つめることが出来てるし、僕は毎日ちゃんと生きているのだからもう少し優しい目で見て欲しいな、という気持ちがあることが察知できます。そうです、「僕は まっとう だよ」と言いたいのです。そのメッセージは読者にきちんと伝わる作品になっていまして、上手に書かれています。
僕の怪しげに思われるところもちらりと作品中に書かれていたのなら、もっと説得力が増す作品になるのではと思いました。二連に「私」とありますが、「僕」と「私」が同じ人物なら統一した方がよいですね。「僕的には」でいいかもしれませんね。
最終連にある「狂気の系譜」の著作は森山さんにとってインパクトのある作品のようですが、こちらの作品では「僕は まっとう だよ」で終わらせた方がまとまると思います。最終連が唐突な感じがしました。
森山さんは柔らかく読者に話しかけつつ、場面と心情を上手に伝えることのできる詩人さんですね。他の作品もまたご拝読したいです。またのご投稿をお待ちしております。
イゾルデ 猫目倫理さん 12/6
喪服を纏い葬列をなしているのだろうか。そして闇夜に黒々とした列はさらに暗い球体に吸収されてしまうという、なんだか悪夢で不吉な風景が目に浮かんでくるインパクトのある作品になっていますね。
イデラル、という語彙の解釈はできませんでしたが、もう抵抗出来ない絶対絶命って感じは伝わってきます。黒い帆の白い歌声、そして彼女は手が黒く笑っているという、もう吸収されてしまうしかなく、さらにそれでも安息は得られないというのですから、恐怖が消えることがない世界の様ですね。
読者としてはこちらの作品からメッセージを探るわけですが、語り部自身の話ではなく、第三者である彼等と彼女が存在するストーリーを話しています。優しく彼等を連れてゆくというシメからすると、最後は優しく葬ってあげよう、という慈悲ではなく人を吸収を効率よく吸収するための仕草なんでしょう。暗さ冷たさがエグく伝わってくる作品にゾクっとしますね。すごい表現力にアメージングって感じです。
「誰が為の葬列」葬列している者たちは何か過ちを犯してきたのだろうか。ああ、怖い思いをしないために、自分はしっかりとひとに恨みを持たれないように生きなくちゃ、なんて思いながら拝読してました(小市民なので)。
正直、メッセージは分かりませんでしたが、そんなことよりこのような光景を描写、表現したかった作品なのかもしれませんね。黒々な表現は成功していると思います。むむっ、心に引っかかる作品ですね。
内容としては話が始まったところで終わってしまっている感じがしました。そこがちょっと物足りなかったかな。
評価は「佳作一歩前」です。
愛が数値化されるのがとても心配 紫陽花さん 12/7
なぬっ、これは大変だ。愛が数値化されてしまう未来が来たのなら……。さて、その時は数値をどのように自分は捉えるのだろう。たぶん数値が低ければ「ふざけんなよ」と、怒ってしまうでしょう。数値が高ければ「だろっ、これが俺の愛だよ」なんて浮かれてしまうでしょう。
なかなかユニークな内容になっていますね。
数値化、最近で言うとコロナに感染して、家庭で酸素濃度を測定して数値化できるようになったことにより、入院が促され命が救われるケースなどもありますが、愛の数値化はちょっと待ってという感じでしょうか。こちらの作品では出だしにコンビニでの身長が測定されるとあり、背伸びしてあげよう、そんなお茶目な雰囲気で読者を上手につかんでいますね。
そして、私の愛はそんな数値では測れていない、100も超えてるし、と頑張るがあなたと世間は数値に縛られ、けっきょく自身も愛測定値にひれ伏してしまうという流れに読み入ってしまいましたね。とても綴りに才能を感じますね。素晴らしい。自分の愛数値が低く焦ったり、中盤の女優さんのCMによる洗脳的な内容も、ありそうだな、と見事に描いていますね。「ブラボー!」(ちょっと世間にのってしまいましたが、ブラボーでしょう)。
ユニークに描かれた作品でしたが、なんだかあり得そうな内容なのでちょっぴり怖い感じもしてきて、そこがいい塩梅になり完成度も高く、その数値は「100」でしょうか。ああこの数値化はダメですね。と、いうことで「佳作」(島さんがつける名作級でしょう)です!
表面張力 成城すそ さん 12/7
初めまして成城すそさん。齋藤と申します。何卒、よろしくお願いします。今回は感想を書かせていただきます。
とても「好き」のエネルギーが凄いことになっていますね。この気持ちを噴火させれないのは、やはり相手あってのことだから躊躇してしまうのでしょうか。もしこの好きな気持ちが上手く伝わらなかったらどうしよう、と不安も大きく膨らんでいるのかもしれませんね。
「爪先まで好きに支配される。」と言った表現からも思いの強さがとても伝わってきます。そしてさらには「まるで自分じゃないみたいね/耐えられない」と、もう胸の思いが限界に達しているようですね。
そして99回目の「」とあり鍵カッコの中はやはり「好き」が入るのでしょうか。ずいぶん前に放送していた「101回目のプロポーズ」というドラマを思い出したりしましたね。こちらのドラマも主人公の身体の中を好きマグマがふつふつとしていましたね。
今はなんとか表面張力で好きの爆発を抑えている状態というのを、作品に熱く熱く語られていまして、読者にその思いを伝えることに成功しています。気持ちと火山の風景が重なりながら拝読できるパワフルな作品は見事でした。そして、表面が破れた続編も覗いてみたいなあ、という気分にさせられましたね。
またの成城さんのご投稿を楽しみにお待ちしております。
聖地巡礼 埼玉のさっちゃん さん 12/7
窓辺に座り本を開いたのでしょうか、雲の流れ追いながら本を開く感じがいいイントロになっていますね。こころが少し曇っているのだろうか、冷たくなっているのだろうか、これから始まる物語にこころがどのような化学変化が起こるのだろうかと、楽しみになりました。
物語はさまざまな場所に連れて行ってくれたり、登場人物の思いを探りながら気持ちがゆらゆらと旅をさせてくれて、有意義な時間を与えてくれますね。こちらの物語で主人公の気持ちに浸っているうちに、繋いだ手の温もりを疑似的に感じたり、笑顔になり鼻歌が出てりして、至福の時となりこころが温かくなったのですね。心地よい話しの流れと拝読前より晴れやかな気持ちになっていまして、すっと読者にこちらの作品が落ちてきます。
好きな小説だったのですね。夜明けまで読書されていたのでしょうか。寒くなってきましたので、温かくお過ごしください。
評価は「佳作」です。
くしゃみ 秋冬さん 12/7
こちらの親子の様子がめちゃ動画として目に浮かびます。上手い、面白い、テンポ・流れよし、オチもベタだが最高に楽しませていただきましたよ。
親子っていうのは性格も体質もやはり似るんですね。まあ、親子でわかり合っているノリっていうのもあるとは思いますが、親子だからこそ言いたいことを遠慮なく言えるという家族の様子を伺うことができ、読書もほっこりな気持ちになるでしょう。
出だしでは、公共の場での話かなと思いなんだか激しい喧嘩になるのかとドキッとしたところもなかなかいい構成になっています。作品の雰囲気を上手に詩にまとめ、伝えることに成功しているこちらの作品、もちろん「佳作」です。最高っ!
キミに何してあげられるだろう まるまる さん 12/8
可愛い子には旅をさせよ、と言いますがこちらの作品では過保護にして子を育ててしまったお話しですね。子どもの可愛さに何から何まで手を出し、大きくなって、家事も何も出来ずにいることに気づき将来のことを考えると母として心配になってきたようですね。やはり現在は男は仕事、女は家事って時代じゃないので、男でも家事を全般しなければ上手く家庭生活はできないと思います。男も女も仕事をするし家事もする。
そこでこれからは息子に「何してあげられるだろう」となるのですね。アパートを見つけて息子を家から出そう、ということも書かれていますので、すでに息子は成人しているのかもしれませんね。
私にも息子たちがいるのですが、やはり家を出てからは自分で稼ぎ家事をして、家計を考えながら生活するようになり、独立して生活する大変さが身に染みたのでしょうか、そこで大人として成長することがあったように感じます。
こちらの作品の母は、「また手は出ようとしている」とあり、これじゃ息子も自分も変われないという気付きが、これからのこの親子の第一歩になっているんじゃないかなあ、なんて思いながら拝読していました。
「大きくなったキミに何してあげられるだろう」母親の愛の形の転換期なのでしょうか、深く考えさせられるテーマになっていまして読み応えのある作品に仕上がっていました。
評価は「佳作」です。
トイレにて 樺里ゆう さん 12/8
女性は生理がありたいへんだと思いますが、なかなか男性にはその苦痛がわかってあげられないですよね。でも、どうやら最近では生理を疑似体験できる装置があるようで、男性の体験者は「まるで拷問だ」と痛みを感じる方もいらっしゃるようです。女性の厳しい現実をわかってあげようとする気持ちを持たないといけない、とこちらの作品を通し、ネットで調べながら拝読して考えるきっかけになりました。生理ではないですが、妊娠やお産も女性にとってはとっても苦痛を伴う過程があると思います。私は二度ほど出産に立ち会ってのですが、男は本当に無力でどうにもならない存在と痛感しました。妻に「助けて」と言われ「赤ちゃんも頑張っているから…」なんて力になっているかどうかもわからないことしか言えないのですから。女性には頭が上がらないです。女性は強いなあ、と。
作品では身体がスケルトンになっていれば、血の色が変わる原因もわかるのにというくだりは、なるほどと頷いてしまいますね。レントゲンなどの透視やMRIもそのような発想で造られたのかな。最近の医療ではナビゲーションシステムで3Dによる体内を映像化できたりして、こちらのスケルトンシステム(勝手な名称)に近い医療技術は発展していますね。もしかするとスケルトンシステムが開発され、簡単に血の色の変化がわかる時代が来るかもしれません。症状ですぐに原因がわかれば対処が早くなるとは思いますが、どんどん進化していくと診察するドクターもいらなくなり、スケルトンシステムで治療方が特定されもうドラミちゃんの世界ですね。すみません、ずいぶん脱線してしまいました。
生理一日目の夜。逃避したい気持ちがこちらの作品の発想に繋がったのかな、と思いながら拝読させていただきました。
うーん、評価は難しいですね。うーん「佳作」にしましょう。
言い訳 朔音さん 12/8
初めまして朔音さん。齋藤と申します。何卒、よろしくお願いします。今回は感想を書かせていただきます。
泣かない言い訳。泣く言い訳。泣くということに対して理由を持とうとしつつ、場面によって泣くか泣かないかと自身の求める姿を固持しようとするかのようですね。どんな大人になればいいのだろう、という自問もあるのかなと感じつつ作品を拝読させていただきました。
悲しい時に泣けないというのはもっと悲しい、というくだりに頷くとともにすごい表現力を持った詩人さんだなと思いました。
「泣く」こと以外にもひとつひとつの事柄に言い訳を考えたくなっているようですね。そして、この先三十代、四十代になったらもっと言い訳をつけなくてはいけない自分がいるのかな、と不安がよぎっているのでしょうか。そしてそれらの思考がこちらの作品となり、自身の内側を掲示板で発信することにより、この先に折り合いが少しずつでもつくきっかけになるといいですね。いろいろと考えたことや思ったことを作品としてご投稿してください。評者は各々反応してくれますし、作品を拝読し共感される方もいらっしゃると思いますので。
ちなみに五十代半ばの私は、最近めちゃ涙もろくなりました。こんなことで泣くか、と自分にツッコミながら涙がポロりん、と赤子のように。もう恥ずかしいとかない年齢になりました。だんだん言い訳を追わなくなるんじゃないかな、とも思いますよ。
またの朔音さんのご投稿を楽しみにお待ちしております。
秋の祟り 暗沢さん 12/8
柿の祟り、柿が俺たちのことを食い過ぎやがって、という祟りかもしれませんね。水もあまり飲み過ぎると水中毒で死に至ることもあるので、なんでも「過ぎる」というのは、良くない方へ転じてしまうようです。私も最近は字を追いすぎて、極端に右目だけ視力が落ちたりしたのですが、これは詩の祟りでしょうか、いやいやただの老化現象でしょう。そんな話しはいらないですね。
さて、こちらの作品ではもう柿を食べることが止まらなかった語り部が、胃に結晶化された物質ができてしまったのでしょうか、医師に診断をつけられ、こりゃ柿の祟りだ、ということになったのでしょう。実際に痛みが伴えば大変なことになりますが、こちらの作品ではなんとなくほっこりした感じが出ていまして、楽しく拝読させていただきました。また、懲りずに今度は蜜柑にハマってしまいそうなシメも、おいおいツッコミを入れながらクスッと笑ってしまいました。蜜柑の食べ過ぎにも柑皮症という祟りがあるみたいなので、お気をつけてくださいね!
きちんと読者に柿を食べ過ぎたことで起きた現象を上手に伝えながら、逼迫感はそこそこにユーモアもある作品に仕上がっていると思います。
終盤がちょっとかけ足気味だったかな、と。そこをもう少し丁寧に描かれているとなお良かったでしょう。
評価は「佳作一歩前」です。
。。。。。つぶやき。。。。。
今回もたくさんのご投稿をありがとうございます。
私にとって初めての方もいらっしゃりまして、
新鮮かつ刺激的な体験となりました。
楽しませていただきました。
寒くなってきましたので、
温もりを与えてくださる作品たちに癒されました。
ありがとうございました!
みなさん温かくお過ごしくださいませ。
少しずつサイクルが早くなる
何にも興味がないからか
何にも希望がないからか
とにかくこの季節がやってきた
キラキラ輝いたことがあったのだろうか
押し付けるような幸せは残酷ね
ついこの間のことのようだね
あの時も一人だったっけ、
誰かが隣にいても
固まったような笑顔で綺麗だねと言ってみる
あの人は気付いていたのかな
きっとバレてただろうな
少しも揺らがぬ声色で
少しずつサイクルが早くなる
明日行くレストランの予約でもしてるのか
夏の旅行の話でもしてるのか
とにかくこの季節がやってきた
キラキラ輝いたことがあったのだろう
あの人もその人も素敵だね
とりあえずきみがいてくれるからいいのさ
とにかく自分勝手かも知れないけど
同じことを繰り返すかもしれないけど
うまくいけばまた
同じ季節を迎えてるかも知れないからね
軌跡など残らない
先人たちがそうと示した道を
私は性懲りも無く踏み続けている
大人という手から逃れるため
進む度に広がる波紋を
すぐに消え去る水面を
追いかけて
追いかけて
……でも
一歩違えれば
私は……
その歩みももう止めようとしている
……あ。
それは束の間の息苦しさだった
不安 焦燥 葛藤 陶酔
それら全てが無くなっていく
お前らのせいだと自ら切りつけた
未だに流れ出る血液だったその全てに
瞬間 かさぶたができてしまっている
さあ、身をゆだねて
口汚くののしってきた奴等になろう
私はやっぱり駄目だった
深海という未来が近づいて
あたりは眩しいばかりの真っ暗闇
目を閉じるしか残された道はないようで。.
……私は鬼ごっこが苦手だから
もしかしたら逃がしてあげられるかも
私がほんの少しでも
残っているならの話だけれど……
逆らうことなく力を抜く
未来はすぐそこにあるらしい
もう何も聞こえない
もう何も欲せない
もう何も喋れない
もう何も……見たくない
……ほらほら。
なにもなくなった
そこにあるのは仮面人
涙もこぼせなくなってしまった
かなしきかなしき仮面人
かりそめだらけのこの世の中で
幸せになりたくて生きている
それがかなしき仮面人
それが虚ろの成れの果て
わたしはずっとまっています
あのひすててったあなたのことを
わたしはずっとまっています
いつかみらいからぬけだすことを
登りかけた山を途中で引き返すと
言い訳で、頭の中がいっぱいになる
だから、登りかけた山中で見た光景は
口にすることができない
白い牝鹿の登って行った、さびしい山道のこと
山雀たちの涼やかなお喋りや
蜂蜜色の木漏れ日のこと
しかし、私の口は石のように重くなる
私は頂上にたどり着けなかったのだから
そして、それらを見たことすら私は
いつしか忘れようとしている
三浦様、このたびも丁寧な評をいただき、ありがとうございます。
面白おかしく書くことを意識したので、楽しんで読んでいただけたようで嬉しかったです。ただ、少し盛り上がりに欠ける詩であったと反省しています。たくさん改善例を出してくださってとても分かりやすかったです。困らせてしまったようですみませんでした。
鍵についてです。探していたものは見つかりませんでしたが、スペアがクローゼットに入っていたのを思い出し、それで開けました。自分では全く想像しなかった結末でした。それも書けばよかったかなあと思っています。
前回の評のお礼にもコメントしてくださりありがとうございます。詩を通して繋がりあるものを連想するという体験は、おそらく初めてだと思います。また、「お礼もちゃんと読んでいただけてるんだ!」という手ごたえを感じ、嬉しかったです。
これからもよろしくお願いいたします。
気付くのが遅れ、感想が遅くなりました。はじめまして、もずです。
感想の書きにくい詩だったと思います。私だったら何と書けばいいか悩むと思います。
とても好意的に書いていただき感謝します。
遅筆で、なかなか投稿できないと思いますが
今度ともよろしくお願いします。
深く沈む
暗い緑の葉の陰で
微かな吐息のように
膨らみ始めた椿の蕾
この世界に出でることを
躊躇うように
己の姿を顕すことを
恐れるかのように
未だ閉じられている
その萼片の
僅かな隙間より
鮮やかな紅い花弁の色を
そっと覗かせている
暗い緑の葉の陰に
隠れる蕾よ
何も恐れることはない
太古より受け継いだ
その内に息づく
力を信じて
迷うことなく
己の華を咲かしめよ
僅かに膨らみ始めた
小さな蕾よ
何も躊躇うことはない
お前は
この広大な宇宙に
余すところなく遍在する
悠久なる時の流れの
ひとしずく
お前が膨らみ
華開き
散りゆく中に
この世界の意味が宿り
この宇宙に満ちている
使命のひとつが
果たされるのだから
路往く人々は
永久にめぐる
生命の輪を想わせる
お前の秘めたる荘厳さに
思わず
足を止めるだろう
ベンチに腰掛ける老人
隣の落ち葉をはらい僕は腰掛ける
老人は澄んだ青空を眺めている
「あなたの人生に価値はありましたか?」
唐突な質問にも動じる事は無く
空を眺めたまま老人は答える
「終わりの時に 少しでも笑えれば
それで満足じゃないのかね?」
老人は続けた
「名を残したいのかい?
それとも死が怖いのかい?」
僕も空を眺めた
初冬の空はどこまでも青く澄んでいて
寒ささえも季節の肌触りと感じる
笑顔で終わりを迎えられたら......
その為に何を為すべきか考えてみよう
老人は心を読んでいたかのように
「人生に振り回される事なくだよ」と
僕の顔を見て言った
「ハイ」と答える
老人は空に視線を戻し
僕はベンチを去った
初めて書いたので、ドキドキしながら評を待っていました。
ネットの投稿はなんだか怖かったのですが、今回温かい評を頂き、勇気が出ました。
伝えたいことを余すところなく読み取ってもらえたのがうれしく思います
今回はありがとうございました