このロケット掲示板の『葵新吾"大好き大川橋蔵ファン広場”掲示板PARTⅡ』と
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今月の東映チャンネルは「新吾二十番勝負」と「新吾番外勝負」の放送が1回目の放送は今日までで終わりました。4日間続けての放送があと2回あります。
私は、「二十番勝負」は何回見ても、第一部と第二部の途中まで、そして完結篇のラスト、一真を一太刀で倒してお鯉の方との対面のところだけあれば、他のところはなくて結構と思うのです。「番外勝負」は私には本当に番外でなくて結構というところでしょうか。
ということで、「二十番勝負」の見せ場は、まずは新吾と多加が再会してのラブシーンでしょう。
そこで、撮影合間の橋蔵さまと丘さとみさんの対談にちょっとだけ耳を向けてみました。
「新吾二十番勝負」撮影時期の橋蔵さま(H)と丘さとみさん(S)の二人の雑誌での対談から一部抜粋で載せますので伝わりにくいかもしれませんが。
丘さとみさんは、この時期2ヶ月ぐらい絶食?して痩せたそうです。
H「僕は、丘ちゃんは太っていた方がすきだな。健康そうで」
S「橋蔵さんは少し太ったんじゃない?」
H「ほんの少々ね」
S「橋蔵さんの場合、今ぐらいがちょうどいいんじゃないかしら。前から太りたい太りたいと
いっていたから」
H「そう思ってもりもり食べていたら、そのうち太るのが止まらなくなったりして」
S「大丈夫、橋蔵さんて、そんなに太る体質じゃないと思うわ」
<ここから、新吾の話に入りますね>
S「橋蔵さんには、なんたってこういう美剣士役が一番いいものね。役柄主流派ってところかな。
H「主流派か、なるほど丘ちゃんも時々いいこというね。僕自身もこういった美剣士役は、文字通り僕の本番だと思ってやっています。でも、よく続いたものだと自分でも感心しているんですよ。これも一重にスタッフの皆様とファンの皆様のお蔭です」
S「私は第4作目の”新吾十番勝負・完結篇”で初めて出していただいたんだけど、5作目となると、第1作から見ると随分葵新吾も成長したんでしょうね」
H「そりゃあ、生まれたての子供でも2年経てば歩きますからね。随分剣の上でも、人間的にも成長しましたよ。僕の芸もこれくらい伸びるといいんだけれどね」
S「御謙遜でしょう。新吾と共に歩み、新吾と共に成長した橋蔵さんだもの」
H「そうありたいものだね。僕はいつも、人間的な幅が出来なければ、芸の幅も出て来ないと思ってるんですよ。そう言った意味で、葵新吾の生き方というものには、いろいろと教えられることが多かったと思っています」
S「剣一筋に打ち込む葵新吾って、私達女性からみると非常に魅力的だわ。何か一つのことに熱中している殿方ってとっても素敵」
H「それは男に限らないよ。その証拠に、女性は恋をすると美しくなるって云うでしょう」
S「それじゃ、私がそうよ。といっても、私がやっている由紀姫のことだけれど」
H「あーあ、驚いちゃった。役の話だってことを先に言ってくれなくちゃ」
S「私も驚かしてやろうと思って、そういったの」
H「そういえば、第4作では、ずいぶん由紀姫に悩まされたからね。老中酒井讃岐守の三女の由紀姫が、突然四国の多度津に現われて、人妻の多加だって言うんだものね。おまけに 胴巻まで持っていっちゃうんだから、ひどいよ。あれ以来、丘ちゃんが近くにいると、財布をしっかり押さえていることにしているんだ」
S「まあひどい。まるでスリ扱いね。でも、あれは愛する新吾を救いたいばっかりに仕方なくやったのよ。一生懸命だったのよ」
H「一生懸命胴巻を持っていかれたんじゃかなわない」
S「違うのよ。一生懸命愛するのよ」
H「それで新吾がひかれるわけだ。さっきも言ったように、恋をしている女性は美しいから」
S「何だかうまくごまかされちゃったみたい。でも、話のつじつまだけはあってるようね」
H「冗談はさておき、葵新吾の心を、これほど惹きつけた女性は、5作品を通じて、由紀姫が一番じゃないかな。実に神秘的で魅力ある女性だ」
S「それだけに責任重大よ。私は陽気でお転婆なほうでしょう。だからぐっと苦心します」
H「第4作から出てきて、これだけ新吾の心を捕えたっていうのは、やっぱり丘ちゃんの演技力だよ」
S「こういうことはいえると思うの。自分と正反対の役の場合、何とかこなそうといっそう努力するでしょう。だから、神経の行き届いた演技ができるんじゃないかしら」
H「なるほどいいこというね。さすがは丘ちゃんだ」
S「また冷やかす。もう橋蔵さんとは口をきかないから」
H「ごめんごめん、口を聞いてくれないと、対談会の記者の方が困っちゃうから謝るよ」
S「私の顔をみるとそんなにからかいたくなるのかしら」
H「そりゃあ、丘ちゃんの人徳ですよ。誰からもすぐ親しめる性格がそうさせるるんだろうな」
S「そんな人徳ならご免です」
H「丘ちゃんとはこうやって冗談を言える仲だけれど、案外一緒に仕事したってのは少ないね」
S「ほんと、数えるほどしかないわよ。それにしてもほんとに少ないと思いますわ」
H「でも、オールスターものでは、ずっと一緒だったはずだよ」
S「オールスターは別よ。何卒、丘さとみ、丘さとみをよろしく」
その後、ハワイ旅行の話や巡業の話など楽しく話していたお二人です。
新吾二十番勝負で終わった昭和35年、また36年もよろしくとなり終了しました。
画像は、話をしている時のお二人の様子です。ちょっと見にくいかもしれませんが、雰囲気を読み取っていただければ・・・。
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📍おしどり囃子」のラスト立回りから、私の気に入っている箇所3ポーズ載せますね。
橋蔵さまだからこのシーンが生きていると思うところです。ですから、まだ完全でない立回りも、私にはこの場面で帳消しになるのです。
皆様はどうですか。あまり気にしていなかった方は、この作品をご覧になるとき、ちょっと注意して見てください。橋蔵さまにもっともっと惹きつけられるようになりますよ。
👆(下記URLをクリックすると画像にリンクします)
https://sugi-nami.blog.jp/archives/14830803.html
🌷あたしたち二度と離れないのよ
菊次とおたねは京都に入ります。
志賀近江之が訪ねて行った二人を待っていたと言う。菊次が姿を現すのを今日か明日かと待っていた。菊次にさっそく引き合わせたい人がいる。
菊次おたねが連れていかれた別室には、師匠の総右衛門が待っていた。
菊次、こらえが聞かなく「師匠、・・・・・面目ない・・」
師匠「苦労したなぁ」
菊次「へっ・・」
師匠「でも、おたねさんに会えたのはよかったよ」
菊次「はい・・」
師匠「事情は聞いただろうな」
菊次「へっ・・」
能美三之丞の冤罪を申し立て大目付に訴えたところ取り上げてくれた。
菊次「えっ、しかし、大庭は健在、上洛の供に加わり大手を振って京都に来ています」
大庭の証拠がなかなかつかめないでいる。
証拠を残すような大庭ではない。御上では内々のお調べが進んでいる。
菊次「そんな手ぬるい順序は待っちゃおられません。私は一思いに・・」
気性からそんなこともあろうと、わざわざ京都まで来たのだ、ここで無分別をしでかしては、能美のお家再興も水の泡になってしまう、との師匠の言葉に、
菊次「私は我慢できやせん。出来やせん。師匠、許してください」と、立ち上がり部屋をでた時、
師匠「まて、証拠を掴むんだ。大庭の悪事の証拠さえつかめば、また思案はいくらでもある。早まってはいかん」
聞いていたおたね「証拠・・」 何か思いついたようです。
ある夜、おたねは小竹を呼び出し、一緒に歩いてゆくのをお巻は後をつけていきます。
料亭座敷で、おたはここへ来たのは死んだ気になってきたのだから、小竹にも死んでくれと・・・死んだつもりになって大庭の悪事の証拠を話して能美様の無実をはらしてほしいと。しかし小竹は首を振らない、調べたところで証拠はない・・おたねは能美様切腹の日、おたねに、あれは大庭の使い込みとはっきり言った事などを言い強引に小竹に迫るがいいい返事をしない。
隣の部屋で飲みながら様子をうかがっていたお巻が助けに入って来ます。。
お巻「おたねちゃん、悔しいけどあたしゃお前さんに一本参りましたよ。旦那、もうこうなればどっちに転んでも助かりっこないんですから、いっそ思い切って正しいものの見方と出ておく方が、後になって色々と都合がよろしいんじゃございません」
宴席な大庭がいる。本日のご祝儀に近江之丞の獅子舞を見せる・・都一番の神楽師で江戸の神楽師とはまた違うと・・獅子舞が始まった。
座敷を上がって大庭の前までやって来てた獅子舞が子頭を取った。
菊次 「やい、大庭、おいらの顔をよぉおく見ろ」
大庭 「下郎、何奴だ」
菊次 「おぅ、俺はおめえに詰腹切らされた、能美三之丞の忘れ形見、菊次郎と言うもんだ」
おたね「あたしの顔覚えておいでだろう・・」
能美三之丞は役目の落ち度でを恥じて自決した、その倅が何の用だ。
菊次 「侍ってぇやつは嘘つきだ、新御番の御用度金を使い込み、その罪を擦り付け、親父に腹を切らせたのは大庭、おめえだ」(①の画像)
根も葉もない言いがかりをつけ、証拠もないのにと大庭。
菊次 「証拠が見たくば見せてやろう。あれを見ろ」
小竹が出てきて、「人の正はこれ善なり。つい正義の味方をしたくなった」もうあきらめた方がいい。
大庭が、狼藉ものと小竹を斬れと言う。
かかってきた侍を押さえつけ、
菊次「おっと待った、お侍でも命は二つねえはずだ。粗末に扱っちゃばちが当たりますぜ」(➁の画像)
菊次に抑えられていた侍が「おのれ、芸人の分際で」と菊次に向って
菊次 「芸人だから弱いとはかぎらねえ。さあ、目指すは大庭ただ一人、うぬら邪魔をして怪我をするんじゃねえぞ」
抑えていた侍を話すと、菊次とおたねの立回りです。
🐦(この場面の橋蔵さまは決まっていますね、すごい。綺麗だし。目の使い方がだんだん橋蔵さまらしくなってきました。ここまでの目の使い方はなかなか出来るものではありません。橋蔵さま大分上手くなってきてはいますが、舞踊的刀の切り方の動きが強いので、流れ気味になっています。でも、おたねが詰め寄られたところを助けに行った所のあのキメの部分橋蔵さまの上手さが出ていて、惚れ惚れしてしまいます・・・別画像で載せます。)
大庭が逃げようとしたところへ、所司代登場。用度金の件、能美三之丞の件を調べたいということ。大庭逃げ道がなくなり、突然菊次に斬りかかるが、菊次の一太刀ではてた。
所司代「菊次郎とやら、追って沙汰をする。それまで合い待つように」
菊次郎「はい」
所司代「聞くところによれば、亡き父の無実が証明されたあかつきには、その方の舎弟を持って能見家の家督相続さし許されるよしであるぞ」
菊次郎「はっ、有難う存じます」
菊次郎とおたねは手を取りあって喜ぶ。
茶店で一休みの師匠と菊次郎とおたねがいる。
おたね「あなたを幸せにしてくれって言って、お巻さんは笑って何処かへ行ってしまったけど、私はあの人が泣いてたの知ってます」
菊次郎「許してくれ、おたねさん」
おたね「いいのよそんなこと。あたしたち、これから二度と離れないのよ」(③の画像)
菊次郎、首を「うん」と言うように。
(二人の仲の良い明るい笑顔がとても良いです。)
(主題歌「おしどり囃子」の歌が流れます・・・画像のところに歌も載せています。)
馬に揺られながら、江戸へ帰る三人の晴れ晴れとした姿でおしまい。
めでたしめでたし、心がハッピーになりました。
👆(下記URLをクリックすると画像にリンクします)
https://sugi-nami.blog.jp/archives/14830559.html
🌷京都へ行こう
喧嘩をしながらも世話をやくお巻と二人旅になります。
お巻は、京へ行けば師匠の友達が何とかしてくれるのではというが、
菊次「昔の俺な らいざ知らず、身を持ち崩した今の俺にゃ、どうして師匠のお仲間訪ねられるもんか」(①の画像)
将軍家御上洛ということで宿を断られていたおたねは、将軍家御上洛のお伴で来ていた小竹に偶然であった。
宿をかけやってやるという言葉について行った居酒屋。
小竹に大庭も来ていて京へ行くのか聞いた。小竹は、おたねが菊次を追ってきたこと、それからその神楽師は大庭に詰腹切らされた能美の息子だということをしっている。大庭の不正を知っているのは自分だけ、次第によってはちからになってやると。
そのかわり、言うことを聞けと迫った小竹を振り切って外へ出たおたねがぶつかりそうになったのは、ちょうど通りかかった菊次であった。
菊次 「あっ、おめえは」
おたね「菊さん」「菊次さん」
菊次もおたねに会えてうれしそうに、だが刀を抜いてかかってきた小竹に向っていき追い返しす。
おたね「菊さん。うれしい、うれしい」 菊次の胸に身をよせるおたねです。
菊次 「おたねちゃん、おめえ、どうしてこんな所に」
おたね「菊さんに会いたくて・・あたし・・・あたし・・・」(➁の画像)
菊次 「何だって、おいらのために、おめえひとりで・・」
おたね 「うん・・」
おたねは、今までの思いを菊次の胸で泣きじゃくる。
そこに、お巻が菊次に笠を渡しに、菊次はっとし気まずそうに、おたねがお巻を見て、菊次の顔を見つめる。
菊次、お巻と旅をしてきたことがおたねに申し訳なく、いたたまれず逃げるようにそこを立ち去ろうとした。
おたね「菊さん、菊さん、待って菊さん」
菊次は足がまだ直っていないので、転んでしまう。おたね追いつき、
おたね「何故逃げるの」菊次下を向いてなにも言えない。
おたね「お父さんの・・お父さんの亡くなられたことも知らないで・・・」
菊次「えっ、親父が・・、どうしたって・・」
おたね「あなたのお父さんは、腹を切って亡くなられたんですよ」
菊次「それはどうして・・本当か」
組頭の大庭にいじめられどうしで、御用金の使い込みの罪を着せられて、
菊次 「では、親父は詰腹を・・。知らなかった、そうとは知らず、親父は幸せにいてくれるとばかり思って、おらぁ」
おたね「それを、それを知らせたいばっかりに」
菊次 「すまねえ」 おたね「菊さん」
大庭には何のお咎めもなく、公方様のお伴をして京に上っているというので二人も京に上ろうと。
おたね「ねえ、菊さん、あたしたちも京都へ行こう。(③の画像) 近江之丞さんにお目にかかって相談したら、きっとよい思案があると思うの。ねえ、京都へ行きましょう」
菊次 「京に・・・」
二人の様子を見ていたお巻に気が付きビックっとする菊次、菊次とおたねがお巻を気にしていたが、お巻はその場を去って行った。
🐧(この時のおたねが話しながら菊次の着物の襟をさわる仕草どうです。ひばりさんの自然な動きには・・。見ていて自然と二人の絡みに引き込まれてしまいます。橋蔵さま、まだこの場面の感情を表現するのはまだちょっと芝居がかってしまいますね。泣きは弱い橋蔵さま、表情と台詞回しに不自然さを感じてしまうのは私だけでしょうか。)
👆(下記URLをクリックすると画像にリンクします)
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🌷色の恋のと言うんじゃねぇ
さっき若い、いい男の神楽師が踊っていたと聞いたおたねは、もしやしたら・・と。
菊次はいつもの通り博打場に行っていた。勝負と声がかかり、臺を開けようとしたとき
菊次「待った、おっ、素人だと思ってなめなさんな」
やくざの子分たちが身構える。
菊次「ここの親分は、いかさま賽で素人衆の懐を痛めるのか」
いかさまと何を証拠にと、
菊次「ちょいと、そのサイコロを貸してみな」
一転地六の賽の目にくるいはないと臺を開けようとした時、菊次がその手をとめ、菊次「このサイコロじゃねえ」と左手を掴み握っていたサイコロを取り出した。
菊次「そうれ御覧じろ・・一転地六の賽の目に種と仕掛けはこの通り」
いかさまを見破ったのだから、そのままではすまない。やくざ達と乱闘になり、足にけがをしてしまい、やっとの思いで逃げ出した。
🐧(この場面は、まだ歌舞伎の癖が出てしまっていますが、いたし方ござんせん。このような台詞と動きは初めてですから・・)
(追ってくるのを交わし逃げていった道を、ちょっとの差でおたねが通って行く。ここですれ違いになります。)
菊次が行っていた賭場に案内してもらったが、とっくに逃げてしまったと。
怪我を負った菊次は橋の下に身を隠し川の水で傷をいやしている、その橋のうえをおたねが歩いてきて、(①の画像)橋の途中で草鞋の紐を締め直しますのです。が二人は気配も感じずに・・・。(ここでまた、すれ違いなのです。)
橋の下にいる菊次から、道を歩いていく姿は普通なら見えるのですが、お巻という女が現れたもので見ていなかった。そのため、二人の距離はまた離れてしまうことになります。
賭場で菊次を気にしていた、お巻という女に菊次は助けられ旅籠に身を置いています。足の怪我の手当てをしてくれているお巻に「誰もそんなこと頼みはしない」「親切の押し売りはやめてくんな」と邪険にする菊次。
お巻「あーら、傷口膿んでるじゃないか、ほっとくから」
菊次起き上がり、足を見て、「畜生、足でせいなけりゃ」
お巻が「あたしは、真実兄さんが好きなんだ、分からないかね、この胸の内が」」と迫るが
菊次 「分かりたくもねえや(➁の画像) さぁ、用が済んだらけえってくんな」
しつこくするお巻を振り払って雨の降る中、風車におたねを思い浮かべ(③の画像)、そして舞えるか動いて見たが足の傷で、ダメでかんしゃくを起こす。
お巻のお酌を受けず、手酌で飲む菊次に
お巻「私のお酌じゃ気に入らないのね。その江戸の何とかという娘さんでなくちゃ」
菊次「馬鹿」
お巻「ふん、私にはちゃんと分かってる。あんたはその人のことが忘れられないんだ」
菊次「よせ、俺とあの人とのことはそんな、色の恋のと言うんじゃねえ」
小娘なんかに負けるもんか、と言うのお巻に腹が立つ菊次。
👆(下記URLをクリックすると画像にリンクします)
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🌷おたねちゃんがいない旅は
先日の お礼に菊次を訪ねたおたねは菊次が破門になることを聞かされた。
菊次が、こと川の座敷で待ったぐらいで破門になるのはひどいと、おたねは師匠の総右衛門にいう。座敷で舞うのが悪いというのではなく、法官や芸者と同席で、宮神楽にない獅子舞を舞ったのがいけなかったのだと。
菊次は実の父親の危急を救うために舞ったのだとおたねが総右衛門に訴える。
そのわけは菊次から聞いた。菊次には一世一代の芝居だった、破門は覚悟の上だったのだろう。これからの菊次は、自分を自分で鍛えるのだ。わしは、日本一の神楽師になってくれるなら、よろこんで鬼になる、と師匠。
おたね「でも、菊さんが・・・菊さんが・・・」
その頃、入れ違いに菊次はおたねの家へ。
菊次、おたねの姿をさがすようにして、
菊次「おたねちゃんは」
この前のお礼にと菊次の所へ行ったと主人。
菊次「そうでしたか」
主人がすぐに帰ってくるからあがって待っているように言うが
菊次「いえ、それじゃよろしくお伝えください。これから旅に出るので、もう会えないかと思いますが・・」
主人、もしや破門に・・・と
菊次「覚悟の舞ですから、後悔はしていません」
これからどうするのだ、という主人。
菊次「どうって、手に職がねえんだから、宮神楽をやりながら、諸方を渡り歩くつもりです・・じゃ、御達者で」
菊次が店を出て行くのを「待っておくれ、それじゃ話もなにも・・といって引き止めるが、
菊次「御免なすって」
主人「娘が・・おたねが・・」
菊次「旦那、喧嘩相手のない旅は淋しかろう(①の画像)・・あっはっっ、そういっていたとお伝えくださいまし」
🐧(菊次のおたねに対する胸の内が、ジーンと伝わってきて・・これから一人旅に出てどうやって行くのか心配になり、可哀想に・・なってしまう台詞です。)
こと川に帰ってきたおたねは、菊次がちょっと前お別れに来て「喧嘩相手の旅は淋しかろ」と笑ってなと聞き、おたねは慌てて菊次を探すが・・姿は何処にもなかった。
菊次がいなくなって暫くたったある日、こと川に能美の祝いの時に同席していた小竹小十郎が来て、能美三之丞が大庭に腹を切らされ、検視に立ち会ってきた。大庭は自分の使いこんだ金をごまかすために、大庭中務は能見三之丞に罪を着せたというのだ。
父親が非業の死を遂げたことを知らずにいる菊次がかわいそうと、探す決心をしたおたね。宮神楽を舞うような所を菊次を探し歩く。
旅の途中水車を見て菊次を思い出すおたねです。
🐦(二人の思いを水車とあとに出てくる風車で表しています。ここで花見獅子の歌が流れていきます。)
(🐧花見獅子の歌は画像をクリックしたところに載せています)
宮神楽を舞いながら菊次も旅慣れ、風来坊のやくざ姿も板につくようになっていました。
🐦(神楽師の町人姿から、長脇差姿の橋蔵さま。スクリーンで初めてのスタイル。水を見つめていて、礼金を待っている後ろ姿からふり向いたときの橋蔵さま素敵ですね。(➁の画像)橋蔵さまの違った魅力が、また一つ増えたのです。)
礼金を祭りには博打がつきもの、と博打場に誘われて躊躇する菊次(③の画像)でしたが、背に腹は代えられません。そんなことまで覚えて旅を続けている菊次。
歌と三味線で鳥追い姿で菊次の行方を探しているおたねは、隣の宿で宮祭りがあることを聞き、祭りの最中の境内に行きつきましたが、菊次は舞った後でそこにはもういませんでした。
👆(下記URLをクリックすると画像にリンクします)
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村上元三原作『花見獅子』の映画化したものですね。
「笛吹若武者」でのお二人の共演が好評で、トミイ・マミイのコンビが私たちに夢を与えてくれる楽しい映画の
始まりになりました。
▷ トミイ・マミイは「笛吹若武者」の撮影の終わりごろにつけたようです。
ひばりさんが名前の富成からトミイと、橋蔵さまが年は若いけれどしっかりしていてお母さんのよう、(ママのよう)だからマミイと。橋蔵さまとひばりさんが一緒に出られた番組で、「この人失礼しちゃうのよ、お母さんのようだからだって」と言っていました。
▷ ひばりさんは、初めての共演の時、橋蔵さまのにっこりほほ笑む顔の底に、芸の道を歩んで来た苦労が見受けられ付き合いにくいと思ったそうです。でも、撮影が進むにつれ、橋蔵さまの気持ちがのみ込め、ひばりさんが疲れていると癒してくれたりと優しい心のひとで、初めての作品だったのに兄弟のような気持になったと書いてあったことを思い出しました。
同じプロダクションでしたから、映画、舞台にとご一緒のときが多かったこともあり、何をやっても息の合うお二人です。
橋蔵さまはひばりさんがリラックスされるように気を使ってくださるのでとてもやりやすかったそうです。
ひばりさんとの出会いは、橋蔵さまにとっても、とてもよかったことですね。
💛ひばりさんとの他の作品でも思うのですが、ひばりさんと橋蔵さまの絡みは、とても自然な雰囲気、
ひばりさんの橋蔵さまに触れる時の手の仕草に感心させられます。ラブ・シーンの時でもひばりさんが抱きつき甘える手のふれ方でもほんとにいい感じなのです。橋蔵さまもひばりさんだと安心して演技をしているようにみえるのです。他の女優さんとですと、こういう雰囲気でしっくりいかないの。
📍この作品も橋蔵さまの歌舞伎界から映画界への移行第一弾にふさわしい作品内容だったかもしれません。
神楽の舞の場面、厳しい稽古場面、・・等々、見ているとどうしても歌舞伎界にいた時の橋蔵さまを想像してしまう私です。
You tube からひばりさんの「花見獅子」と「おしどり囃子」の歌も中に挿入しておきますので、場面を想像してみてください。
🌷 あっしが獅子舞を見せれば
神社の境内で奉納の宮神楽を舞っている菊次。(凛々しさがありますね)
舞台からどうも気になることがあるようで、舞がおろそかになり、師匠から注意が飛びます。祭りのなか地回りが乱暴に喧嘩を吹っ掛けているよう、それを収めたのは料亭琴川の娘おたねである。おたねは一両を渡して丸く収めたのである。
菊次が舞を終えて帰ろうとしている所へ「菊さん」、菊次ふり向くがそのまま行こうとする。にこりとはせず少し不機嫌な様子。
おたね「菊さん、待ってよ。さっきから御神楽の済むの待っていたんだよ」
菊次 「そうでもなかろう。たいそう派手な一幕があったじゃねえか」
おたね「あら、見てたの」にっこり笑い「どう、私の腕は、まんざらでもないでしょ」
菊次 「ふん、おめえが、あんなおちゃっぴぃとは思わなかったよ」
おたね「おちゃっぴぃ、まあ失礼。あたしゃ、皆のためにあいつらを裁いてやったんだよ」
菊次 「それが余計な出しゃばりというものだ。女は女らしくするものさ」
おたね「じゃ、おんた、何故黙って見てたのさ。男なら男らしく飛び出して、あいつらをやっつけてくれればよかったじゃないか」
菊次 「そうよ、男が男らしいところを見せようと思っても、どっかの娘のような出しゃばりのおちゃっぴぃがいちぁーね」
おたね「ふぅーんだ、なにさ、そんな男らしくないこと言う人大嫌い」
菊次 「おいらも、女らしくねえ娘は嫌いだよ」
おたね「嫌いで結構、どうせあんたのお嫁さんなんかにゃなってやらないから」
菊次 「ありがてぇ、それでおいらも、先の苦労がなくなって、たすかったよ」
おたねに言い残して行ってしまう菊次に地団太をふみます。
と、こんな具合ですが、周りが心配することではないようですよ。宮神楽の弟子・菊次と料亭こと川の娘・おたねは惚れ合っている二人なのですから、喧嘩をして言い合って結構楽しんでいるようです。
🐦(トミイとマミイの映画には、このような二人の掛け合いが他にもありますね。「女は女らはく」この台詞ふり袖太鼓でもありました。)
その夜、川端に菊次とおたねの姿がありました。
昼間のことでおたねはまだ怒っている様子、「言い過ぎた」と誤って送ってきた菊次に頼んではいないと強がりを言う。
菊次「いいのかい、夜道は物騒だよ」
男なんて平気だからかまわないでといいます。
菊次「おやおや、そうかい。そんなら、何があっても知らないよ」(①の画像)
立ち去った菊次を、本当に行ってしまうのか気になっているおたね、そして菊次もおたねが気になり見守っている。
(お互いに強情ですね。)
そこへ、地回りの仲間がおたねから一両をもらった事を聞き、自分たちもあやかろうとやってきます。もう小遣いはないと言うおたねに、それならと・・・。逃げるおたねのところに、影から見守っていた菊次が現れます。
おたね「菊さん、助けて」
菊次 「おや、おめえ、男なんかへいちゃらだったはずだろう」
おたね「そんな意地悪言わないで、こいつらやっつけてよ」
菊次 「そうかい、頼むならかたずけてやってもいいが・・・頼むんだね」(➁の画像)
おたね「早く、後生だから」
🐧(この二人の会話のやりとり、とてもいい。そして、この先大変な事態が起こるなんて想像もできません。ここの場面のおたねの菊次を見つめる表情と手の動きを作品で見て見て・・)
菊次 「よおーし。さあ、おめえら、俺が相手だ。ちょいとかたずけるかな」
地回りの二人を簡単にあしらって、菊次とおたねが仲直りが出来一緒に帰ろうとしたとき、お侍の姿を見て菊次は慌てて行ってしまう。(お侍は菊次の父親の旗本の能美三之丞であったのです。)
おたね「菊さん、どうしたの菊さん」と後を追う。
師匠の家に帰った菊次は、青山から菊次の父親が、今度新御番入りになるからと祝いの品を置いていったことを聞く。
菊次 「俺にゃ、親なんかねえ。ガキの時から子供を人手に渡す親は、俺の親じゃねえ」
弥吉 「だってぇ、お侍の家にはこっとらと違って、難しい格式だの世間体というものがあるだろう。それに、おめえは・・」
菊次 「おれは女中の子だ。女中の腹から生まれた子は、侍の家にはおけねえとよ。おれは何も生んでくれとは言った覚えはねえ、頼んだ覚えもねえよ」
菊次が父親の持ってきたまんじゅうを手ではらった時障子が開き、師匠が
総右衛門「菊次、来い」 と言われる。
稽古場へ
菊次 「なんでしょうか、師匠」
総右衛門「修行中の身で、浮世の雑事に心を煩わしてはならん」
菊次 「へい」
総右衛門「今日のお前の舞には、すきがあった」
よくよくは後を継いで、宮神楽の神髄を伝えてもらわなければならないのに、・・・。もう一度舞って見せなさいと言われ、菊次は弓と矢を持ち、師匠の拍子に合わせて舞い始める。
🐦(ここでの橋蔵さまの稽古舞は見せどころですね。素晴らしい。)
数日後の料亭こと川の座敷、芸者と男衆がやってきた。
今夜の座敷は新御番組の振舞い、能美様が御番組に入ったので、こういう時は必ず上役達がいじめるのが常なので、粗相がないように、と言われる。
座敷では、能美三之丞が難癖を付けられていた。器が粗末、芸人どもが遅いと。
芸者が来た時、芸者の踊りなど見たくはない、と大庭中務。おたねに踊れというのを断ると、能美の仕切り方が悪いから娘まで馬鹿にすると。
それではと男衆が江戸一番の獅子舞をと踊り出すと、大庭の盃が飛んだ。
大庭は能美に難題を吹っ掛けて来た・・本当の江戸一番の獅子舞を見せていただきたい。
さぁーて困った、能美様のせっかくのご招待が・・・おたねが菊次さんにお願しよう、菊次さんならきっと江戸一番の獅子舞を見せてくれる。
こと川に呼ばれた菊次に、お歴々を招いての今夜の振舞いが、菊次に獅子舞を踊ってもらわないとめちゃめちゃになってしまのだ、と頼まれたが
菊次 「折角ですが、それは御免こうむります。獅子舞は太神楽のもので、宮神楽の中にはありません」
「獅子舞は出来ないの」というおたねに「習ったことはあるから知ってはいる」
おたね「そんなら」
菊次 「あれは宮神楽師の舞うもんじゃねえ。うっかりそんなことしたら、俺が師匠に破門される」
おたね「御大層なもんだねぇ、宮神楽師ってのは」
菊次 「まぁっ、お断りしましょ」 と・・・しかし、ふと何を思ったのか
菊次 「もし旦那、今夜の振舞いのご主人役とおっしゃるのは」
能美三之丞様と聞いて、びっくりする。
菊次 「えっ、その能美様が、いじめなされているのか。あっしが獅子舞を見せれば能美様、・・とおっしゃる方の顔がたつ訳なんですね」
破門を覚悟で舞ってくれとは言えないという主人とおたね。
菊次 「その組頭の御旗本が、江戸一番の獅子舞が見たいといっているんだろ、俺が江戸一番の獅子舞を見せようじゃねえか」
菊次は支度をして、獅子頭を取って宴会の座敷に向う。(③の画像)
大庭 「今宵一番のご馳走。誠江戸一番の獅子舞じゃ」
獅子舞を舞ったのは息子菊次郎。能美三之丞は自分のために舞ってくれたのが分かった。
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♧息子を罪に陥れれば
久雄「俺はぶそんやけど、己か、江藤という殺しの大将は」
江藤「おきさらせ、バラケツ風情に呼び捨てにされる俺と思ってけつかるのか」
といってドスを抜き、久雄に斬りかかる。
ドスが鴨居に刺さってしまい、危なくなった江藤は懐に持っていた合口を抜いた。
久雄「なるほど、それが俺の合口やな」
(ここで江藤が事件に関わっていることが分かります。・・・超特急で、疑問の解明に入っていきます。)
久雄「水月から裏ずたいに浜の屋の2階に行き、ことの発覚を恐れて仲井を殺し、部屋へきて睡眠薬を飲まされて人事不正になっている花奴をえぐり殺し、その血だらけの合口を傍に寝ていた俺の手に握らし、懐にある合口を盗んで水月に戻った。どや、俺の推理に間違いないやろ」
江藤「何とでもぬかせ。これがわれの合口なら、たった今帰してやるから受け取れ」といって向ってきた江藤の右腕が飛んだ。
江藤を人質に、栗本の屋敷に乗り込む。
栗本「貴様ら何の真似だ」
久雄「どうやらこれで、悪党の顔ぶれが揃うたようでんな」
(疑問の解明の大詰めです。最初の頃顔を出した栗本と坂内という人が関わっていたわけです。花奴が武村刑事に会ってから呼ばれた座敷に行くと言っていましたが、栗本の座敷だったのです・・ここまで来てやっと分かりました。)
情婦のお浜に睡眠薬を入れさせたのは軍医の坂内、元兵事部長の栗本は、酔月を根城にして花奴にお熱だったらしい。
久雄「もし、お偉いお方。男ちゅうもんはな、最後だけはいさぎようするもでだっせ。ええか、耳の穴ほじくってよく聞きさらせ」
浜野屋の女将が薄情したところでは、花奴の男がぶそんということを知っていた。そこで、あの晩、江藤を酔月に呼び、坂内、大月屋と相談の上、ぶそんと花奴の痴話のもつれに見せて、殺しの罪をぶそんにかぶせた。
それは何のためだったのか?
武村久五郎刑事が身辺を探っていることが分かったので、息子を罪に陥れれば、警察から追放させられ、自分たちのやっていることはわからない、と考えたからだ。
栗本と坂口は結託して、大月屋や江藤一家の組員を丙種として軍籍から除いて。暴利をむさぼっていた。
武村久五郎は無事釈放になった。
相良刑事達と質屋のおかつが出迎えた。
武村「すんまへん、自分のことで皆はんにご迷惑かけて」
おかつ「旦那はん、ぶそんはん、お元気だっせ」
武村「おおきに、おおきに」
みんなに囲まれて行く父親を、遠くから見まもる久雄と妙子。
久雄の安心したような、嬉しそうな顔が印象的です。(①の画像)
ですが、左腕に彫ってある刺青をしみじみ見つめ何を思ったのでしょうか・・・・
🐧(堅気になろうと決心をした・・・と思えるのですが、堅気になるのですよね。)
妙子「うちはあの晩、あんたのそれを見たんや。ほんで直ぐに入れたんやけど、こんなかには、た・け・む・ら 隠し彫りがしてあるんねん。参ったか」
久雄「参った(➁の画像)、所詮おまえには勝てんわ」
🐧(腑に落ちないのは、いくら久雄が好きで一緒に生きて行くと思ったからと言って、堅気の妙子が刺青を彫るのは、それに久雄には堅気になってほしいのですから・・ちょっと私には理解しがたいところです。)
久雄と妙子に笑みが(③の画像)・・堅気になってくれるんですよね、久雄さん。
妙子「ほな、何処ぞへ行ってお父ちゃんのために祝杯あげようか」
久雄「よしや、そうしよう」
📌二人の楽しそうな後ろ姿から・・・心配しなくても大丈夫なんだなと思われますが・・。
でも、父親のもとへは帰るのでしょうか、帰らないのでしょうね。あれだけ帰りを待っている父親の気持ちを考えたら帰ってほしいな、せめて時々でも逢いに行ってほしいな。
ファンからすると、最後に橋蔵さまの明るく可愛い笑顔が見られたのは救いでした。
作品の感じからすると、橋蔵さまにあのような凄みを強調したバラケツでなくても良かったのではないか、とつくづく思うのは現在の感覚で見るからなのかしら。
今のテレビの2時間ドラマ的ないようですよ。
題材、脚本、演出が当時の世相には合わなかったと思われるのでした。
またまた、長ーくなってしまいました。お疲れさまでした。
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♢やったるで。俺やってみせたる・・
親父に面会をお願いするが、監守は肝心のお父さんが・・と困りはてる。
武村「断っておくなはれ、わいは人殺しや、その人殺しの親がどの面さげてせがれに会われます。どんなことがあっても、会われしまへんねん。ただ一つだけせがれに伝えておくなはれ。親が親なら子も子やと、世間に後ろ指刺されるようなバラケツから、一日も早く足をあろうて、まともな人間になるよう、これだけせがれに、わしが言うとったと・・お願いします」
監守が、気持ちはわかるが食事を一度もとらない。なぜ好意を丹波屋のおかみ、木下鹿造、警察本部の志のもの、なぜ好意を無にするのだ。
武村、心配かけてすまないがどうしても喉を通らない、と。皆には有難くいただいているといっといてほしい。
武村「おとうはん、堪忍してくれ。わいが後妻を持ろうたばかりに、久雄をあんなバラケツにしてしもうた。これというのも、みんな、わいの蒔いた種や。その償いだけはちゃんとつけて、いずれ近いうちにそっちに行くけどな。・・・おとうはん、おや、親ちゅうもんは弱い もんやな」
🐧(ここまで後悔する必要があるなら、いくら頑固と言っても、伝え方はあったと思うのですが。母親を恋しがる息子とバラケツにしてしまい殺人を犯してしまった息子をかばう父親の複雑な思いを入り交えながら・・葵新吾の胸中に持っていき、見ているファンの心を揺さぶろうとしたのかしら。申し訳ないけれど、私はこの場面で涙は流しませんでした。)
父親に会うことが出来なかった久雄は汽車の汽笛に消されるなか「おかあはーん」と大声で叫ぶ。久雄は決意をする。
久雄「この事件には3つの疑問がある。お前も名刑事の二代目やったら、やるだけのことはやってみい・・よーし、やったる、やったるで。俺やってみせたる・・親父を死なすことは出来ん」(①の画像)
神戸に2本しかないという合口、鹿造親分のところへ行って聞いてくるように勘吉にいう。
その頃木下組に江藤組から果たし状がくる。勘吉が木下組へ行った時には出て行ったあとであった。勘吉急いで知らせに戻り、バラケツ達がくりだしたが、行った時には鹿造親分はやられてしまい、
久雄の「もう一つの合口は誰に」との問いかけに答えられず息絶えた。
親父は別の事件を手掛けていると言っていた。
🐧(そうなのです。この作品の筋は、何故武村刑事が福原に張り込んでいたのか、が描かれてはいません。あっちこっちからの尾ひれをつけ、結果肝心のところがおろそかになっているような気がします。そして、ここから事件の謎解きが始まるのですね。それだったら、違う題材の方がよかったのではないかしら・・。)
勝兵衛にあの下駄どこから盗んで来たのかと問うと・・酔月の玄関からひろってきたのだと。
久雄「酔月の玄関から。(➁の画像) よーし、それやったら生駒へ行ってあの正下駄誰が買ったか調べてこい」
勝兵衛「えらいこと思い出した」、久五郎の旦那にあの合口を調べられた時、近くで彫師の留次郎が見ていたことを思い出したのだ。
久雄殺人現場へ行き、その時の状況を思い出しているところに、女将のお浜の様子が気にかかり問い詰める。
秋月は、江藤組の一人に兵役から逃れるのに誰に頼んだか問い詰める。
🐧(どこからどういうにして、兵役が関係していると分かったの?)
秋月が調査してきたものを読んで、「なるほど、やっぱりそうか」(③の画像) 確信した久雄は、鹿造親分の敵討ちだと木下組の6人と一緒に、江藤組に乗り込んだ。
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♤「貴様には分からんのか」「分からへん」
竹村刑事が酔月をはっていると、久雄が浜の屋に入って行くのをみる。
花奴に手紙で呼び出された久雄。
見受けをされるから手を引いてほしいということだった。花奴も久雄が好きだった。
懐から合口を出し、花奴につき付け・・花奴の「心中」するのという言葉に、「バラケツは心中はせん」と。
それじゃさっぱりと殺して・・と覚悟を決めた花奴、・・久雄合口をおさめる。
久雄「俺はろくでなしや。どんな女でも口説くし、相手かまわず喧嘩もする。お前を引いてくれる男がええ男やったら、直ぐに俺のことなんか忘れるやろ」
花奴「わてかてこんなつもりはなかったのやけどな(①の画像)、この間あんたのお父はんにおおてから、・・おおてから、わての気持ちが変わったんや。お父はんの涙を見たら自分が悪い女のような気がして」
その先は言わなくても分かっている、と久雄。酒を酌み交わす。
(橋蔵さまと桜町弘子さんとの絡みもう少し描いてほしかったですわ。花奴は久雄の情婦なわけですよ、その関係がこれだけ。事件が起きるのに。)
暫く時が経ちます。
久雄が目を覚ますと、血がついた木下からもらった合口を手にもっている。
傍には花奴が、廊下には仲井が死んで(倒れている)いる。
久雄は合口を手から離し、驚き慌てて外に飛び出し、張込みをしていた武村刑事とぶつかりかける。
武村「久雄」と呟く。
不信に思った武村が家に入っておかつの所で見た桐の下駄が目に入った。2階の部屋には花奴が、廊下には仲井の死体が、捨ててあった合口を見て・・久雄がやったと思い、帰ってきた女将の前に、合口を手にして現れる。
翌朝、新聞を見て、やったのは自分?、だが何も覚えていないと悩む久雄に
秋月「ぶそん、これには何か訳がありそうだなぁ。泣くな、君は親父を憎んでるっちゅうが、うん?」
久雄、懐から写真を取り出し
久雄「秋月、見てんか、おかはんや。おかはん、俺が16の時に死んでしもうて、それからちゅうもんは何べんもその面影を夢に見るようになってなぁ、(➁の画像) 別にもろうた後妻は悪い人ではなかったけど・・・」
反抗していたのでそれが原因で勘当された。その親父が、自分が殺しをやったと思い、自分の代わりに自首したのだと。
久雄は妙子に、今度の戦いは俺の負けや、皆はよう身の始末つけるように、と言って、花奴と仲井殺しの犯人として兵庫警察に自首する。
久雄「あの事件は親父がやったんと違う。僕がやったんです」
相良「具体的な証拠は」
久雄「花奴は僕の情婦でした。凶器の合口は俺が鹿造親分からもろうたもんです・・」
他に言うことはあるのかと聞かれ、これだけの証拠があったら十分だろうという久雄に、相良のビンタが飛ぶ。
相良「おいバラケツ、今だから言うたるけどな、俺たちは今日、貴様の逮捕に踏み切ろうとしたのや。しかし、合議の結果中止せなしょうがなかったんや」
久雄「なんでだす」
相良「その理由は、貴様には分からんのか」
久雄「分からへん」と言った瞬間、だまれとビンタが飛んだ。
(そんなこと言われたって、誰でも分かるはずありませんよね。)
相良「当局が、本件に関する新聞記事を差し止めてるのは何のためやと思う。武村久五郎が拘置所で断食をしているんだぞ」
あの事件は息子の犯行と信じて、逮捕されてから差し入れも一滴の水も 口にはしない。恐らく公判までは生きていないだろう、と聞かされ久雄は唖然とする。
相良「どうやバラケツ、貴様にはこの親の心分からんやろ」(③の画像)
久雄、何も言えない。
相良「よーし、分からんかったら見せたいもんがある、来い」
といって武村の家へ連れていかれる。
そこで見せられたのは、仏壇にかざられた久雄の母親の写真。
武村は久雄を勘当してまもなく後妻と別れ、前妻(久雄の母親)の写真に息子の更生を祈りながらいつかきっと息子が帰ってくると信じて一人淋しく暮らしていた。
胸にこみ上げるものがあった久雄であったが・・・。
相良は久雄に、今度の事件には沢山の疑問がある、我々はその裏付けを取るために必死になっている。
仲井が正面から胸をえぐられて頭を階段の方に向けて死んでいたのはなぜか。
解剖の結果、花奴の体内に睡眠薬を飲んだ形跡があるのはなぜか。
武村刑事が一人で福原に張り込んでいたのはなぜか。
相良「貴様、名刑事の二代目やったら、自分で判断してこの3つの謎を解いてみい。解けなかったら、貴様が真犯人として逮捕されんや。武村久五郎はそれを恥じて必ず自殺するぞ」
じっと黙って何か考えているように聞いている久雄の肩を強く叩き、
相良「どうや、分かったか。分かったらとっとと帰れ」
🐦(ここのところ強引にもっていったように思えます。それに相良さんがいい人だったとしても警察ですよ。それに疑問を投げかけバラケツに犯人を探せなんて言いますか。父親のためにとは言え)
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