清記&選句
5月句会の清記一覧を発表します。投句された方は速やかに選句に入って下さい。
投句者は、えっちゃんあら、コビトカバ、ラガーシャツ、森野、弥生、ABCヒロ、夏蕨、ちとせ、▼ふうりん、ヨヨ、尾花、にゃんこ、和談、てつを、楽、ヨシ、ダイアナ、玉虫、ナチーサン、茶々、アイビー、板波の22名。(▼は選句済み)
選句要領
1 選句期間 5月11日(日)~5月13日(火)
2 選句数 8句 うち1句を特選とする。特選は無しでも構わない。特選2点、並選1点で計算します。
3 選句方法 句番号を書き出すだけでもよい。
4 結果発表 5月14日(水)
5 投句に参加しない方も選句することも出来ます。投句者全員の選句が終わっても、スケジュールの前倒しは行いません。
5月度みんなのネット俳句会清記一覧
1 万博へ値上り他所に皐月旅
2 新樹陰ブラスバンドの通りけり
3 別腹の珈琲ゼリー夏来る
4 愛されて我は育ちぬ子供の日
5 鳴りそうで鳴らぬ草笛初恋歌
6 そよ風にペダルを漕ぎて柿若葉
7 豪快に風呑み下す鯉幟
8 試飲して衝動買いの新茶かな
9 アンネてふ大府育ちの薔薇二輪
10 青嵐ガラガラ唸る竹林
11 菖蒲湯に漬かりて唸る投句の句
12 初めての句会春潮に乗る気分
13 道中(みちなか)に飛べぬ野鳩や愛鳥日
14 鯉のぼり抱くたびに嬰重くなる
15 黒南風や老眼来たとぼやく友
16 藤垂るる終日風は紫に
17 神社横ペダル踏み込む花吹雪
18 開ききる牡丹に雨の月曜日
19 甲斐の宿武者人形に迎えられ
20 農業の苦労を学ぶ子どもの日
21 ゆたゆたと昇る乙女座春の宵
22 藤棚に老婆三人爆笑す
23 薔薇咲いてその白妙といふ白さ
24 蝶結び達成したる子供の日
25 鶴が追ふ機械起しや早苗月
26 見上ぐれば今咲き初むる花水木
27 破水せし娘乗せ深夜の代田道
28 新調の切子のグラス夏来る
29 筍の茹であがる香や夕刊来
30 柿若葉けふも予定の一つあり
31 風薫る漸く『山廬』訪ねられ
32 ゴンドラを降りて松蝉耳に先ず
33 妻の目の気になりつつも豆の飯
34 のんびりとテレビ三昧山笑ふ
35 子どもの日爺は福本清三に
36 廃屋の蔦の青さよ初夏の風
37 支持率は低下憲法記念の日
38 逝く春のにじむ彩りそのままに
39 汗の味涙の味を知る試合
40 花みかん香をのせ斜面すべる風
41 春眠や読経たゆたふ百カ日
42 身延山山門にへたり山笑う
43 万博のガイドブックや夏に入る
44 メーデーの帰りならんか家族連れ
45 福願ひ猫と頬張る柏餅
46 夏立つやリハビリ室のオルゴール
47 屋根だけが見えて若葉に埋まる宿
48 病持つ娘無事出産みどりの日
49 蚕豆のこれっぽっちを茹で上げて
50 行事踏むのこったのこった夏場所
51 母の日や八十路の母は幼き娘
52 単線は地平線まで麦の秋
53 子供の日目高ポロポロ卵産み
54 園児らの元気届けし若葉風
55 余花愛でて妻と歩きし上野城
56 庭下駄の鼻緒の緩み芝青む
57 献立を一品増やす子どもの日
58 あの恋は桜散る間に天国へ
59 車窓より山藤見しと来たる人
60 二年目のナース奔走青嵐
61 春一番吹かで異国の黄砂降る
62 豪商の土間通り過ぐ若葉風
63 新緑の道は快適ハイウエイ
64 メッシュフェンスは木香薔薇のためにある
65 鯖寿司や京の河原にふたりして
66 鈴なりの豌豆蔓を絡ませて
67 書に倦みて目をやる庭の樫落葉
68 鬣(たてがみ)を三つ編みされて祭り馬
69 野菜屑鳥啄む遅日かな
70 ゼッケンのある子と無い子青葉風
71 歳時記を閉ぢて新茶を淹れかへむ
72 真っ直ぐに生きる喜び燕子花
73 街燈の灯に透き若葉なほ淡し
74 足伸ばし仔犬とベンチ柿若葉
75 舫綱絡め甲烏賊目の当たり
76 鯉幟揚げてやりたやガザの空
77 青空へポプラ並木の新樹光
78 首夏の風うけて窓辺の読書かな
79 春深し居場所探しの綿毛旅
80 生涯に二度の万博夏近し
81 汗の味涙の味を知る試合
82 傘雨忌や寂しきときは句を詠みぬ
83 早や五月飛び去る如き日数かな
84 この家に住める限りと草を引く
85 裏庭のヒトツバタゴや銀世界
86 スタッフと麦茶分け合ふ風呂介助
87 民守り国を治める五月三日
88 米の値の騰がりに騰がる春の暮
89 鯉のぼり逆さ吊りするパリジェンヌ
90 蝸牛好きと苦手の中間点
91 高空を尾で打ってをり鯉幟
92 ごめんねと言へぬ夕餉の豆ごはん
93 卯の花や傘の雨音連れて行く
94 新茶淹れ策練り直す日曜日
95 柿若葉水場の花の水替えし
96 庭のもの眺めつ受くる風炉点前
97 精密に小さな巣を張る小さな蜘蛛
98 置かれたる筍メモの走り書き
99 小流れに白眩しきやカラー群れ
100 酒肴とて筍来るやお裾分け
101 真つ黒に灼かれた心黴の花
102 無風てふ風のありけり藤の花
103 あをあをと騒ぐは風か木々の葉か
104 この国はこの子に託そ菖蒲風呂
105 「爪切り」も長き道連れ昭和の日
106 雛罌粟(ひなげし)の一つ揺れれば百花揺れ
107 靴揃へ上がる古民家柿若葉
108 抱卵の烏は人を威嚇せり
109 新緑に句碑は包まれ下部かな
110 曼陀羅寺頬に触れゆく藤の波
間違いその他不都合な点をご連絡下さい。
月1回の句会の後、月末はどうしてもダレる傾向があり、繋ぎの意味もあって俳句三択クイズを行ってきました。だんだんマンネリになったのか、先回のクイズ参加者は二人だけでした。しかし、クイズには参加しなくても、アクセスしてる人は相当数いるものと推定されます。毎日の訪問者の推移からも明らかです。よって俳句三択クイズを今回も継続します。29日から始めます。
三択クイズ
お手柔らかくよろしくお願い致します。
竜王戦第3局は藤井竜王が伊藤七段に90手で勝利3連勝で防衛まであと一勝となった。
次回は北海道小樽市で11月10~11日行われる。
アイビーの俳句鑑賞 その4
例によって、アイビーの俳句鑑賞3原則に則っての駄文です。お気に障ったら平にご容赦。異見、反論大歓迎。
山車(だんじり)や岸和田のまち鳴動す (てつを)
山車は夏の祭りの傍題とされるが、岸和田のだんじり祭りは秋の季語として一項立てられている。私の個人的な失敗談だが、ある時、岸和田に製品を出荷することになった。製品は揃うが、トラック便の都合がつかない。丁度、岸和田のだんじり祭り当日に当たり、交通規制だらけで町全体の経済がマヒしたのだ。それを失念していた私の落ち度だが、ことほど左様にいい大人が熱くなるのが岸和田のだんじりだ。民家を壊したとかケガ人が出たとかの騒動が普通に起きる。「鳴動す」が決して大げさではない。
饒舌のテレビの才女残暑かな (ナチーサン)
いかにも暑苦しい、残暑そのものだ。説明の必要もない。しかし作者のナチーサンさんに厄災が起こらねばよいが、と別の心配をしている。近いところでは女性蔑視の廉でオリンピック組織委員会の偉いさんの首が飛んだように。もっとも、上五、中七で切れがあるので、残暑とは無関係と突っぱねることもできるが、屁理屈っぽい。
曼珠沙華今生の彩尽くしをり (ナチーサン)
曼珠沙華は死人花、地獄花、幽霊花等々、異名の多い花である。概しておどろおどろしい名が多く、この世とあの世のはざまの花というイメージが強い。そういう意味では「今生の彩」が生きてくる。近くで見るとつくづく不思議な花だ。
珈琲とジャズの店なり秋時雨 (玉虫)
上品な泰西の名画をみるようだ。香りのよい珈琲を楽しみながらジャズの名盤を聞く。誰からも束縛されない自由な時間。贅沢と言えばこれ以上の贅沢はない。かくして至福の時は過行く。気がつけば外は雨になっていた。
ほんたうはおしゃべりな鰐水の秋 (かをり)
爬虫類の鰐は表情というものを持たないから、人間からすれば無気味そのものである。そんな鰐なのに、本当はおしゃべりだったとは驚きだ。季語の「水の秋」は逆にして「秋の水」でも意味は同じだが、「秋の水」は水に重点が置かれるのに対し、「水の秋」は秋の方に重点を置く。
曳き馬の一完歩ほど秋の水 (かをり)
曳き馬は調教師などが馬の体調や馬とのコミニュケーションを取るため、馬の手綱を引いて一緒に歩くことを言う。一完歩とは競馬用語で、馬の歩幅のことを言うらしい。レース時における一完歩はおよそ7~8メートルが平均らしい。秋の水は澄み切った冷たい水の流れが一完歩ほど、という句意になろうか。専門用語をちりばめた新感覚のかをりさんらしい俳句になった。前の鰐の句とは逆に、「秋の水」にした。この微妙なニュアンスの違いを味わいたい。
アイビーの俳句鑑賞・完
アイビーさん、コメントありがとうございます。
今回は短歌の会のお題が動物、なので生き物を詠んだ次第です。
秋の水、水の秋はそのとおりで丁寧に汲みとっていただいで、とてもうれしいです。
麒麟はかぶりましたが、鰐とか声を出さぬ象徴の生き物たち。雑になり真意が伝わらず。17文字では苦しかったです。
私は乗馬をしますので、「一完歩」自分では専門用語のつもりではなく、「並足」程度に使いました。
職のある母と昼餉を秋時雨 後鳥羽殿舞ふ佐渡の蒔能 かをり
珈琲とジャズの店なり秋時雨 (玉虫) いい句ですねえ。珈琲が飲みたくなります。インスパイヤされてここから踏み込みます。
せっかくのジャズですもの。
珈琲の酸味をパーカー秋しぐる かをり
来月の投句をして、しばらく俳句は休みます。
管理人さん、割り込みます。嚶鳴庵俳句教室は25日(水)、13時からです。
兼題は、鹿、芭蕉忌です。兼題と当季雑詠の5句を12時50分までに提出してください。
嚶鳴庵の秋も進んでいるようです。足の悪い方には椅子も用意されています。万障繰り合わせの上お出かけください。
本名を書くわけにはいきませんが、第弐回天下布武岐阜俳句大会に入賞された方がみえます。
おめでとうを言わせてください。みんなで切磋琢磨して俳句の腕を磨きましょう、俳句の勉強は一人で、できるかも
しれませんが句会だけは、ある程度の人数がいないとできません。句会に出席することが俳句上達の近道だと思います。
来月には吟行会も予定されています。
25日に元気にお会いしましょう。
お邪魔いたしました。
私もクセになっているひとりでーす。残念ですが明日は欠席になりました(ゴルフの為)
先週土曜日に投句五句は嚶鳴庵に出してあります。
皆さん句会楽しんでください。天気は良さそうなので下手なゴルフ楽しんできまーす。
句会の運営方法は色んなやり方があります。この嚶鳴庵俳句教室は実にユニークな運営方法を採用してます。主宰者の飾らないお人柄もあって、一度参加すれば、それこそクセになります。俳句とはこうあるべし、などと難しい事を言う人はいません。それでいて、今年の芭蕉祭では4人が入選しました。ねんりんピックには特選を含む2人が入選。俳句上達の早道は嚶鳴庵に行くこと、ナンチャッテ。
藤井竜王に伊藤匠7段が挑戦している竜王戦7番勝負は、藤井八冠の2連勝を受けて明日から第3局が二日間の日程で北九州市で始まる。二人は同年で若手のライバル同士。藤井竜王が防衛に王手をかけるか伊藤7段が一矢報いるか興味は尽きない。
今朝の読売新聞朝刊に半田の新酒の初揚げ神事の記事が写真入りで紹介されました。
杉玉の掛け替えも。三重県産コシヒカリの新米新酒4号瓶3,500本が23日発売とか。是非手に入れたいもの。
またアイビーさんや束束子さんの句が楽しめそうです。
国盛の中埜酒造ですね。先だって、阿久比の丸一酒造(星いずみ)を見学してきました。国盛に比べればずっと規模が小さい蔵ですが、経営者自ら説明してくれました。新酒と言うことで言えば冬の寒造りの方が主体で、秋の新酒の仕込みは季節の話題づくり程度のことでした。
アイビーの俳句鑑賞 その3
例によって、アイビーの俳句鑑賞3原則に則っての駄文です。お気に障ったら平にご容赦。異見、反論大歓迎。
老世帯の路地に産声菊日和 (ちとせ)
私の住んでいる地域でも老人世帯と空家ばかりが目立つようになった。この路地の場合も少子化のご多分に漏れず、とんと子供を見かけなくなった。そんな中、数少ない現役世代の家庭に赤ちゃんが生まれたという。久しぶりに明るい話題で、町内もいっぺんに活気が戻ったようだ。折から、よく晴れて爽快な菊日和だ。読み手の気持ちまで明るくなる佳句。
また一つ神事消えゆく秋祭 (弥生)
本来、氏神様の行事である筈の祭礼が、地域起こしの客寄せとなった感がある。古老の嘆くのも無理は無い。住民の側も祭りの由来や意識が薄れ、単なる娯楽のひとつになっている。故事や由来に無関心だから神事を省略してもことさら異としない。そうした風潮を織り込んだ句だが、作者はこうした風潮に批判的だ。近く半田山車まつりがあるが、これなど神社とは全く関係が無い。
ややこしき十四歳や新松子 (尾花)
今月のトップに並ぶ句。14歳というのが非常に微妙で難しい年齢だ。高校受験を控え、心が揺れ動き不安定な時で、反抗的な態度も取る。それが普通で、そういう過程を経て大人になっていく。座五に季語「新松子」を斡旋した。成長過程にある14歳を暗示しているようだ。
今日こそは番狂わせの夜長なれ (ラガーシャツ)
番狂わせとは何の競技だろうか。普通に戦えば実力上位の者が勝つが、作者は番狂わせを期待している。つまり弱い方を応援しているのだ。将棋の王座戦とすれば、藤井七冠ではなく永瀬王座を応援していたのだろうか。あるいはプロ野球か、大相撲の秋場所か、いやサッカー、ラグビーというのも考えられる。今年の秋の夜は何かとかまびすしい。
葬儀後の帰路や別れの秋の蝶 (ダイアナ)
知人の葬儀に参列した帰りに蝶を見た、言葉にすればこれだけのことだが、多くのメタファーを含んでいる。よほど親しい仲の友人かとも想像する。「別れの」は「秋の蝶」にかかっているが、その実は、故人との永訣の意であることは明白。そこに作者の故人に対する愛惜の念が見て取れる。
虫集く地球公転音幽か (ダイアナ)
地球は24時間かけて自転しつつ365日かけて太陽を一周する。これを公転というが、公転するのに音がするとは驚いた。考えてみれば、時速11万キロという途方もないスピードで公転しているのだから音もするだろう。その音が幽かにしか聞こえないほど、虫が集まった。奔放な想像力が生みだした不思議な味わいに魅かれた。
善も悪もこの星のもの鳥兜 (高田井)
鳥兜という植物は秋に紫色の花が咲き、見た目には美しい。が、如何せん、根の部分に猛毒があり、何年か前に「トリカブト殺人事件」もあった。このためおぞましいイメージで語られる植物だ。美しいけれど毒がある、このイメージを上五、中七のアフォリズムに擬えた。季語としても鳥兜は珍しく、一ひねりした趣向が共感を呼び7点の支持を集めた。
以下次号、不定期掲載
人形小路 菊まつりのご紹介
高浜市の吉浜駅前の人形小路で、菊まつり2023が開催されます。
期日 11月4日(土)~12日(日)
主なイベント
① 菊人形 「静の舞」菊師 神谷重明監修
② 市民菊花展
③ 菊の山車パレード 4日朝10時
④ 菊まつり 俳句会 会場各所に投句用紙が用意
投句は 投句箱、郵送、インターネットで
選者 中村正幸先生 (俳誌「深海」主宰、師系 加藤楸邨)
その他たくさんのイベントがあります。詳しくは主催者のホームページで。
https://www.ningyokomichi.com/←ここをクリック
アイビーの俳句鑑賞 その2
例によって、アイビーの俳句鑑賞3原則に則っての駄文です。お気に障ったら平にご容赦。異見、反論大歓迎。
秋彼岸入日赤々浄土透く (和談)
作者の和談さんはどこの情景を詠まれたのか知らないが、かなり広い例えば河川敷辺りかと想像する。彼岸の中日ともなると真西に日が沈む。その西の彼方にはお浄土があると言う。真っ赤な落暉のその先に浄土の存在を確信した作者。大自然の悠々たる営みの前に、人は敬虔な気持ちになる。
親離れ出来ぬ私と秋の空 (コビトカバ)
親離れ出来ない子もあれば、逆に子離れの出来ない親だってある。それが人間の自然な情愛と言うものだろう。聖賢ならぬ凡俗の私たち、無理に親離れ、子離れをすることはない。時が来れば嫌でも親離れ、子離れをするしかないのだから。季語に「秋の空」を持ってきたのは、作者自身もそんな自分を肯定する気分だろうか。
親しみし番組終る夜長かな (いちご)
毎週欠かさず見ていたテレビ番組が終わってしまった。さて来週から何を見ればよいのか。その辺りの気分のありようを「夜長」と表現した。「夜長」が利いている。しかし、考えようによってはテレビ番組ぐらいしか、懸案事項を持たないわが身の境遇に幸せを噛みしめている作者でもある。
雑草てふ名の草は無し草の花 (ふうりん)
「雑草という名の草は無い」とは牧野富太郎博士の名言で、昭和天皇も同じ言葉を常々述べてこられた。先頃までNHKの朝のドラマでもやっていた。従って、季語の「草の花」にもきちんとした花の名を言うべきだ、と言われても困る。俳句の世界では名も無き草も千草も立派に通用する。それらを総称して「草の花」という。作者のふうりんさんもまた皮肉な季語を持ってきたものだ。
詰めるだけ詰めし馬鈴薯なほ詰める (ヨシ)
家庭の主婦目線の佳句で、私が特選にいただいた。17音の中に「詰め」ばかり3度も繰り返し使ったことで、そこはかとなくユーモアが漂い、リフレイン効果も出している。特に3回目の「なほ詰める」とダメ押ししたところが上手いと思った。
潮風の力も借りて烏賊を干す (ヨシ)
上五、中七の「潮風の力も借りて」としたセンスが秀逸。ただ、「烏賊」は夏の季語に分類され、秋の句会に出したのでは不利を免れない。
秋天やキリンとキリン首交わす (ABCヒロ)
同じ作者で案山子の句が6点を集めたが、この句を取り上げてみたい。動物園の複数のキリンがいて、長い首を交わらせている。読み手の注意を高い所に引き付けておいて、季語に秋天を持ってくる呼吸を見習いたい。手練れの句。
以下次号、不定期掲載