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アイビーの俳句鑑賞 その3

アイビーの俳句鑑賞 その3

廃業を告げ来る電話冴返る (犬伏)
新派の舞台を見るような一句。電話で廃業を言ってくるほどだから、作者の友達か、よほど関係の深い間柄なのだろう。寄る年波からある程度、作者も予想していたかも知れない。「やっぱりなあ」と得心したことではある。止むを得ないながら、一抹の寂しさを覚える作者。折から、寒さがぶり返した。「今年はいつまでも寒いなあ」と一人ごつ作者なのであった。

揚雲雀ひこうき雲は描き足し中 (尾花)
高点を得た一句。揚雲雀を目で追っていくと、同じ高さに飛行機雲を見つけた。その飛行機雲をよく見ると先頭に機影らしきものが、雲を吐きながら進んでいる。そこを見逃さなかった作者の慧眼、観察力に敬意を表したい。かくして雲雀を詠んだものが、途中から飛行機雲に主役が変わったのである。面白いものを見つけたら、臨機応変に対処する柔軟さに拍手。座五に推敲の余地はありそう。「揚雲雀雲吐き進む機影あり」とか。

句会終へ神社に満つる夕桜 (ダイアナ)
句会は曜日を決めて月1回、稀に2回開催されることが多い。開催日が予め分かっているから、開催日までに自信作が出来ればよし、出来ていなければ焦る。さて句会当日、思いのほか点数が入り、やれやれと安堵の胸を撫でおろした。折しも桜が見事だ。帰りに見事な桜なら、往路も見事だった筈で、桜のことは眼中になかったのだ。余裕が無かったのだ。その辺の心理を「満つる夕桜」で表現した。特に時間的経過も分かるように「夕桜」としたところが上手い。

感情のなきAIや亀鳴けり (うらら)
「感情」、ひっくり返して「情感」。どちらもAIには解せない。人間の領域は機械ごときが冒してはならないのだ。この句の主題に「亀鳴けり」を持ってくる発想が出色だ。なんとなく響きあうのだ。この「なんとなく」は俳句のミソで、理路整然と説明できないことが俳句には多いのだ。要は、分かるか分からないかである。身も蓋もない結論になってしまった。ところで「AI一茶」なる俳人が出現して久しいが、評判はどうであろうか。

整へし髪あらあらと桜東風 (ふうりん)
穏やかな日ばかりでなく、春は風の強い季節でもある。この作品は桜の頃の東風ということで、せっかく整えたヘアスタイルが、一陣の風で台無しになってしまったと嘆くユーモラスな句になった。特に私のように髪の毛が潤沢でない場合は悲惨なことになる。と言っても、髪の毛は髪の毛、命にかかわる話ではなく、その場限りの話題に過ぎない。「あらあら」に宛てる漢字によってニュアンスがガラッと変わる。

姿勢よく改札通る受験の子 (ヨシ)
少し前に受験シーズンも終わったが、悲喜こもごものドラマが展開されたことだろう。この句の場合、改札口を通る時でさえ姿勢が良いと言う。一事が万事、すべての挙措が自信に満ち、堂々としているのであろう。きっとこの受験生は見事に合格したに違いない。読み手に結果まで確信させるほど、場面の切り取りが上手かった。とりも直さず作者の手柄だ。

春雷や放浪愛猫怯えさせ (茶々)
愛猫家の茶々さんらしい一句。犬にしても猫にしても雷には弱い。普段は元気にしていても、遠くでピカッと光った途端、一目散に寝床へ逃げ込む。きっと犬猫の祖先も雷に弱かったのであろう。いわば太古からの種の記憶とでも言おうか。そんな猫の生態を句にしたが、欲を言えば怯えるにしても、寝床でブルブル震えていたとか具体的な描写があればなお良かったと思う。

以下次号、不定期掲載

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35  春雷や放浪愛猫怯えさせの句
アイビー主幹さん、ふうりさん、有難うございました。
ソファーに腰掛けてテレビを見ていた春雷の夜のこと。雷の速度は時速約40分だから、まだ良いかと思っていたら急に
ドドンと我が家か、ピカッとしたのは前のアパート、落ちたのかと思った。雷が来るときは大概我が家に轟く。高圧線が近くを通っているので落雷するのかな。雷鳴で愛猫は私の足元へ、私は怖かったです。猫ちゃんを充分に見ていなかったので、アイビーさんのご指摘のとうり描写が不十分でした。現実度の高い句つくりを。有難うございました。

。 

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入選おめでとう

水あらば覗きこむ性燕来る 武豊町 鳴海浅葱
中日俳壇(7.4.20) 高田正子選 一席特選

武豊町の鳴海浅葱さんは当ネット句会の常連投句者です。ハンドルネームで投句されますので、一応匿名扱いですが、分かってる人は分かっていることと思います。浅葱さん、おめでとうございます。

高柳克弘選で成田乱泊さんが入選されていますが、この人も筆者の知合いです。ちなみに乱泊さんは女性です。

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 浅葱さん中日俳壇トップ当選おめでとうございます。ト何方は特定出来ずもどかしいですが句友として嬉しい限り。年間賞に期待大。
成田乱泊さんのこと
 この方大府大福会の句友です。デザイナーのプロで毎年俳句入りのカレンダーを頂きます。白桃の誌友でもあり複数の句会にも入っており最近句集2冊目を刊行しました。張り切りガールです。

 

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ありがとうございます。
実は随分前に武豊町の堀川(海に繋がっていて海に近い所)にかかる橋から川を見ていると、「えい」が泳いでいて目を奪われました。
深い川ではなく干潮のときなどは川底が見えるくらいなのですが、そんな所に「えい」がいたのが驚きで、それ以来川、海、田んぼ、沼など水の中を覗くのが習慣になってしまいました。「何かいないかなー?」と思って。

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嚶鳴庵俳句教室は23日です

 御世話になります。
 嚶鳴庵俳句教室今月は23日(水)、13時からです。
 兼題は、春の雲、スイートピー    または当季雑詠
 組み合わせは自由ですが合計5句を12時50分までに提出してください。
 用紙については規定のものがありますのでない人には当日配ります。

 当俳句教室は会費はその都度徴収、お菓子お抹茶付きで550円です。
 誰でも参加でき、肩肘の張らない句会です。
 名鉄常滑線聚楽園下車、しあわせ村の中の嚶鳴庵という茶室で月に一度開催しています。
 足の悪い方には椅子も用意されています。
 万障繰り合わせの上、お出かけください。

 管理人さん、お邪魔いたしました。

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アイビーの俳句鑑賞 その2

アイビーの俳句鑑賞 その2

春雷や鼻につうんと辛子和え (青麦)
上五で切れ字「や」を使って二物取合わせの句にした。辛子和は、酒の肴に飯の菜にと日本の家庭には欠かすことが出来ない。辛子特有のつーんとくる辛さが、好きな人には堪らない。特に、分葱や浅蜊など貝類を使う料理は、いかにも春らしい。日常的な一コマを描写して、配するに春雷を持ってきたのは妥当だ。

囀りや八ヶ岳ブルーてふ空に (ちとせ)
一物仕立ての句。意味の上では「囀り」は中七、座五の意味は繋がるので、上五で切れてはいるが一物仕立てと見なしてよい。倒置法を駆使して、主語を最初に持ってきたのが新鮮。なんと言っても「八ヶ岳ブルー」という措辞には感心した。抜けるような青空、つまり快晴の天候と、八ヶ岳に旅行した時のことが一度に分かるのだ。

たおやかに行きつ戻りつ花筏 (ラガーシャツ)
花筏をじっと観察した折の句と見受けた。一本調子で一定の方角に流されて行くのでなく、それこそ「行きつ戻りつ」しているようにも見える。それでいて決して一か所に留まらない。どこかへ流れ着いて、最後には消える。人生も同じことが言えないだろうか。来し行く末に花筏を重ね合わせ、ふとそんな感慨を催した。そんな様子を「たおやか」と作者は表現した。まことに意味深長である。

幹叩き機嫌伺ふ桜守 (ナチーサン)
私が特選にいただいた句。桜守は桜の木の木肌を叩き調子を見る。もし変調があればいつもと違う音がするのであろう。長年の職業的な経験で分かるのだ。中七の「機嫌伺ふ」の軽い調子が、また良い。AI万能の世の中、人間の領域にどんどん進出している時代に、職人芸、名人気質がなお健在な分野があるのが嬉しい。

新社員黒革靴の音硬し (にゃんこ)
靴音が硬いのではなく、新社員が初出社で緊張し硬くなっているのだ。それをしらっと「靴の音硬し」と言い切るのが俳句の呼吸というもの。このように俳句には「決めつけ」も必要だと思う。ここまで言っては言い過ぎじゃないかと自己抑制する必要はない。言葉は悪いが「いったもん勝ち」だ。

石蹴りのケンパの丸や花吹雪 (玉虫)
次から次に降ってくる花吹雪。地面に書いた丸が花吹雪で埋まりそうだ。幼かった作者自身と花吹雪、回想と現実の自分が混然一体となって幻想の世界へと誘う。無限に続くものでもあるかのような花吹雪。その中にいると、誰でも詩心が生ずるのである。読み手の側に、得も言われぬ懐かしさを催す一句。

ふららこの揺れは心の共鏡 (てつを)
共鏡は合わせ鏡のことで鏡を二つ合わせて物を見るときに使う。その共鏡を作者は比喩として使った。ブランコは誰も乗っていなくても微風でも揺れる。その様を人間の心の弱さに喩えた。一旦決めたことでも、外的な要因で挫けるのが人間だ。あるいは誘惑に揺れるかもしれない。私はそうした脆さがあってこそ人間なのだと思うが、作者は肯定も否定もしない。読み手の側に解釈を委ねた。

以下次号、不定期掲載

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拙句鑑賞ありがとうございます。

緊張ぎみの新社員への応援の気持ちを込めての句でした。
川柳の癖があって、どうも対象に踏み込み過ぎるようです。
「いったもん勝ち」に勇気をいただきました。
ありがとうございました。

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花筏の拙句鑑賞ありがとうございます。
  私の自宅は名古屋市昭和区の山崎川沿いにありまして桜の季節は
  毎年楽しませていただいてます。
  三階のべランから川面がよく見えて俳句をするようになり花筏
  などと言うものも覚えてよりいっそう花見が楽しみになりました。
  ありがとうございました。

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幹叩き機嫌伺ふ桜守 (ナチーサン)
 一昨年でしたか大府市が市制50周年を記念して市の木に桜が花にはつつじが追加指定されました。クロガネモチとクチナシを合わせて賑やかになりました。よそ者の私も今年で63年目を迎え、骨を埋めるべきこの地も一昔前の桃の木は現在地名で残っているのみ。
最近とみに増えてきた桜にも愛着が湧き毎年桜巡りをして写真に収めています。
特選に選んでいただきまして有り難うございました。光栄です。

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アイビーさんに感謝

「一畝を打ちて・・・」の句は、今迄寒い日が多く畑にしばらく行かなかったが、久し振りの春の陽気に誘われ、畑へに向かった。
体がなまっているのか一畝でヒイヒイ。でも今から夏物の植え付け等で弛んではおれんぞと、自分の気持ちに気合を入れた時の句です。
アイビーさんに、私の気持ちを理解してもらえた事がうれしい。

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早速のリプライありがとうございます。私もやってみたいのですが、農作業をするにも宿痾の腰痛あり、それ以前に農地がありません。
その点、和談さんは農作業を通して折々の四季の移ろいが感じられて羨ましいですね。酒については一家言をお持ちで、農作業と酒をテーマにした俳句を期待しています。

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選句鑑賞

皆様、こんばんは。
アイビーさん、お纏めありがとうございます。

16 朧月許されてゐるつまみ食ひ (コビトカバ)
全く正反対の趣ですが、紺絣春月重く出でしかな 龍太 をおもいました。秀句ですね。
しかし投句も負けてはおりませぬよ。
五感のうち四感を読み込まれた朧の視覚、あとは想像ですが、巻き寿司の落とされたしっぽの部分をつまみ食いの感触。
でんぶやかんぴょうの香り、甘さ。
大成功です。

21 リュックには入山届け春炬燵  (えっちゃんあら)
春浅き入山前夜の自宅、いやふもとの基地的山荘の趣。
静かな句ですが、登山の喜びが充分に伝わってきます。
そのうれしさに付けます  連山我をきつと待ちなん  かをり

24 入学や回転寿司の予約席 (ヨシ)
回転寿司、回る方ばかりに目がいきやすいですが、席に目をやったのは新しい。
ええ、子供は豪華なレストランよりも回転寿司の方がずっとうれしいとおもいます。
季語の入学は喜びの季語。形容詞や副詞をべたべた貼り付けなくても、予約席、華やいでいますよ。
リュックの句や、後の石蹴りの句にしても季語、具体的な名詞と助詞しか用いていません。
これが言葉の掛け算になり、ありありと目に浮かべることができます。

42 石蹴りのケンパの丸や花吹雪 (玉虫)
ケンケンパリングなんていうのがあるのですね。
子供のころは地面に線を書いて、石などの目印になる物をのマスに投げ入れた記憶が。
いずれにせよ、花吹雪と言う季語が生きて、子供の声が聞こえてきます。
「や」で切るのも型ではありますが、状況により「に」「へ」「を」でも面白いとおもいます。

★54 からたちの花へ湾より風抜けし  (森野)
これはもう、だって「THE・俳句」ですね。
俳句に風味があるとしたら、風味爽快にして・・・ただただ、気持ちよくなれる句です。
暖流はかなた、湾より風抜けし、もさわやかですが、季語の斡旋が秀逸です。
からたちの花の白い色と香気が、清新な抒情をかきたてます。
特選でいただきます。

63 耕人の仕舞煙草の点滅す (犬伏)
時は鍬を置いて薄暮のころとすぐにわかります。
とってもダンディやなあ。
さて、この句の投げかけてくる耕人の姿はどのように感じたでしょうか。
達成感、疲労感、開放感。。。
多分皆様の感じた気持ちが、ご自分の気分に近いかもしれません。

65 整へし髪あらあらと桜東風(さくらこち) (ふうりん)
あらあらとは「荒荒」でよろしいでしょうか。整へしがやや説明調なのが惜しいです。
しかし、古語「あらあら」、まだ寒さの抜けきらぬ「桜東風(さくらこち)」 言葉の選びが深く美しいですね。

79 花筏動かすものの尾の見えて (尾花)
わたしなぞは格好つけて、下五を見えざりぬ とやり七七つけますが、俳句なら尾の見えてと具象化するのが達人ですね。
閑に動きあり、尾はあまごのような渓流魚と見えました。
竿先にある昼の眉月 かをり  勝手に読み手は太公望として。

今回は構えがしっかりとされた力作が多かったです。
点盛り上位作品をご覧ください。安易な形容詞、副詞がありません。
後は自分の好む句の”風味”をひろう楽しさで選句した次第です。

追記 37 菜の花と和して児童の黄帽子 (ABCヒロ)
この和すは足し算と言う趣向かしら。ちと選句で抜けましたが、多くの方が選んでおられるので、ほっとしました。
あと黄帽子はきのぼうし、きぃぼうしか。知りたいです。

引用して返信編集・削除(編集済: 2025年04月16日 16:45)

お忙しいのに書き込みをいただきありがとうございます。やはりかをりさんのコメントがないと、掲示板が締まりません。今後もよろしく。あ、それと54番のからたちの句、作者は森野さんです。

引用して返信編集・削除(未編集)

かをりさんへ

朧月の句の鑑賞ありがとうございます。
色んな感覚が句に入っているとの評価、とても嬉しいです!
私のつまみ食いの真骨頂は天麩羅です(o^^o)
揚げたてをそろっと。
朧月は優しく見守ってくれます^ ^

引用して返信編集・削除(未編集)

かをりさん、花筏の句の鑑賞をありがとうございました。
すみません。太公望ではなくて(笑)
豊田市のある古刹の門前にある池。近くを通ると鯉が集まって来るのがわかります。餌を持ってないのが申し訳ないという気持ちになり、看板にあった餌売り場で一袋買ってきました。四方八方から鯉が寄ってきて、花筏はいつしか鯉の尾で遠くに押しやられていました。
七七を付けて頂き、渓流であまご釣りをしているのですね? 若葉の美しい美味しい空気をいただき、日常を忘れられるひと時、憧れです。 ありがとうございました。

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選句完了

4月句会は投句者全員の選句が完了しました。明日14日の正午までには結果発表をできると思います。投句していない人も選句参加ができますので、是非お願いします。特にかをりさんの選句参加を皆さんも待ち望んでいることと思います。

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アイビーさん  ほどひてをほどきてのアドバイスをありがとうございます。ひとつひとつを丁寧になさるアイビーさんこれからもどうぞよろしくお願いします。

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かをりさんへ
皆さんかをりさんの参加を待ち望んでいます。ぜひ選句にご参加を。
今回、冒険句も出していますので是非評価を!!

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訂正とお詫び

尾花さん、にゃんこさん、ご指摘ありがとうございます。ご指摘の事項を訂正しました。一部、順位が入れ替わりました。関係する投句者にはご迷惑をかけましたこと、深くお詫びします。個人別総合は結果的に増減はありませんでした。

引用して返信編集・削除(未編集)

かおりさんへ  七七をつけていただきありがとうございます。連山我をきっと待ちなん  素敵な言葉です。登山はしないのですが登山人の気持ちを想像しました。ナチーサさん  桜祭りの時長唄元禄花見踊を三味線でやる時の緊張感を出したかった気持ちを詠みました。

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選句鑑賞

24 入学や回転寿司の予約席 (ヨシ) 6
回転寿司での入学祝、恐らくこどもの希望でしょう。作者も心得たもので予約済み。最近の子は舌が肥えていて高級ネタから注文、
きっと満足!満足!!最高の入学祝だったのでは。

30 ふららこの揺れは心の共鏡 (てつを) 5 ◎ナチー、
下七で降参。ふらここと読み替えての選になりました。心の共鏡とは言いえて妙、この句の心情は色々考えられますが詮索無用、野暮と言うもの。迷わず特選に戴きました。

50 夕日身に遍路宿へと足急かす (ダイアナ) 2
四国のお遍路さんでしょうか。今は乗り物との合わせが増えているようですがこの方は仏様との二人旅。夕暮れが迫り
つい足早に。夕陽に背中を押されながら。

63 耕人の仕舞煙草の点滅す (犬伏) 6
夕暮れの中に点滅する煙草の火。ひと汗かいた後の一服に身を委ねる耕夫。絵になりそぅな状況を切り取りました。
味わい深い句ですね。

64 開くたび花の屑吐く自動ドア (アイビー) 10 ◎にゃん、◎てつを◎青麦◎コビト、
この句不思議な句ですね。最後まで状況をつかめぬまま納得させられてしまいました。自動ドアーですから車かと思いましたが電車にしては吸い込むが自然だし、乗客の付けた花びらとも思えるし、いずれにしても気になる句です。ぜひ自解を!

69 鳥うららホーホーチョチョの舌足らず (ヨヨ) 4
中七から鶯と思われますが、ユニークな表現ですね。作者の耳にこのように届いたんですね。上五の季語が新鮮でした。

105 桜咲く毛氈に三味弾けたり (えっちゃんあら) 2
花見の宴でしょうか。桜には琴とか三味線など弦楽器が似合いますね。毛氈は獣の毛皮の加工されたものでこれに三味線の音が弾けたのです。桜の下での高揚感溢れる句に感動を戴きました。

107 去る者は日々に疎しか石鹸玉 (犬伏) 5 森野、◎うらら
これは下五に尽きますね。捉えどころのないしゃぼん玉、去る者は日々に疎しかとの問いかけ。考えさせられる句です。
自解をお願いしたい句です。

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アイビーさんナチーサンさんかおりさん、下手な俳句に鑑賞していただきありがとうございます。世の中の人が大阪万博、春の高山祭りの日に犬山城の吟行?とおもいきや食べ歩き地酒と帰宅して疲れと言い訳してお礼というか遅くなりました。犬山城城下町の感想はおかげ横丁と京都の匂いがしました。吟行はゆっくりとです。

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拙句を取り上げていただきありがとうございます。句意はいたって簡単なもので、普通のビルの自動ドアです。客が出入りするたびにドアが開閉します。風圧で、開閉の度に花屑が出、出た花屑がまた入る。何のことはない、同じ花屑が同じところで行ったり来たりしているだけなんです。あたりに桜の木は無く、この花屑が最初は何処から入ったのか、その方が不思議です。

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シャボン玉を作るのに熱中してあまり行方を気にかけない、その子の代わりにシャボン玉を見ている。兄の100ヶ日も済んで思い出すことも間遠になって空しい気がする。はかない。シャボン玉に去る者は日々に疎しかと聞いてみた。

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アイビーの俳句鑑賞 その1

アイビーの俳句鑑賞 その1

母からの着物ほどひて十三参り (えっちゃんあら)
「十三参り」数え歳13歳になると、大人の晴れ着を着て虚空蔵菩薩にお参りをする風習を言う。4月13日前後に行われることが多いので、春の季語とされる。母の着物を着て参加する作者のお孫さんであろうか、通過儀礼とはいえ、よくぞここまで成長したという喜びと、この先も長く福徳を授かるようにとの願いが込められた句。肉親の情愛を過不足なく詠んだ佳句。中七の「ほどひて」は「ほどきて」が正しい。あるいは音便形にするなら「ほどいて」。

からたちの花へ湾より風抜けし (森野) 
からたち(枳殻)の花は4月から5月にかけ、白い花をつけ柑橘系の芳香を放つ。作者が吟行か何かで実際に見たのであろう。その時の感動をすぐさま句にした。吹きつける風は心地よく、もはや初夏を思わせる。中七から座五の「湾より風抜けし」と言い留めたのが素晴らしい。身も心も開放されるようだ。海辺には蜜柑や柑橘系がよく似合う。

鳥うららホーホーチョチョの舌足らず (ヨヨ)
鶯とあえて言わずに「鳥うらら」なる季語を持ってきた。鶯とは言っていない以上、この鳥は鳥一般のことと解釈される。鳥の鳴き声は求愛のメッセージと聞くが、鶯でなくともプロポーズの言葉が「舌足らず」とは愉快だ。「鳥うらら」はおそらく造語だろうが、いい雰囲気を出している。この句は成功したが、安易な造語は失敗すると収拾のつかない事態になるので気を付けたい。

春休東横インのモーニング (コビトカバ)
作者のコビトカバさんから出された5句は、いずれも子育ての現役世代の生活実感をブログふうに詠んだ句と私は感じた。孫との交流は疑似体験にはなるが本物の子育てではない。どうしてもワンクッション置く感じになってしまう。同じ事象を見ても重さが違うのである。感じ方と言い換えてもよい。掲句なども事実を列記しただけのように見えるが、現役の迫力には太刀打ちできない。

偏屈の揃う句会や蝶生まる (ABCヒロ)
自虐の句。私も句会にはよく出かけるが「偏屈」揃いとは参った。たしかに、亀が鳴いたり山が笑ったりする、虚実定かならざる世界に遊ぶ俳人など、偏屈と言われても仕方ない。主題とは何の関係もない「蝶生まる」を座五に持ってきたあたり「偏屈」の際たるものであろう。その離れ具合が良いのだから困る。この句の作者のABCヒロさんもまた偏屈に違いない。

街に吹く風の白さや辛夷咲く (弥生)
白く耀くように咲く辛夷を強調して、「風の白さ」と形容したのは大いに頷ける。ただ、白は一般的には青春、朱夏、白秋、玄冬というように、秋のイメージだ。よって白を強調するあまり、秋をイメージさせるのは如何なものか。辛夷の白さと風の白さを結びつければどうだろう。二物取合せから一物仕立てに変更するのも一つの手だろう。「吹く風を真白に染めて辛夷咲く」

一畝を打ちて一息春立ちぬ (和談)
「畑を打つ」も季語となるが、あえて「春立つ」を季語にした。作者の和談さんは趣味で畑をつくっておられるが、「一畝を打つ」ことで気重りを回避すると同時に、「また一年の始まるなあ」という感慨を持ったのだろう。つまり暦の上の立春とは別に、私的な農作業の一年が始まるという意味に取ったのだが。これは全くの独善に過ぎないかも知れず、作者に聞かねば分からない。いずれにせよ、作者は「春立ちぬ」を季語に立てる確信があったに違いない。

以下次号、不定期掲載

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アイビーさん

辛夷の句、白を強調するつもりはなかったのですが、「や」の切れ字を使ったので結果強調されてしまいました。
添削して頂いた句、とてもすっきりした素敵な句になりました。
アドバイスありがとうございました。

弥生

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アイビーさんへ

春休の句の鑑賞ありがとうございます!
鴫立庵にお邪魔した時、東横インに泊まりました( ^∀^)
モーニングのビュッフェが皆美味しくて良かったです(^◇^)

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ナチーサンさん、お調べいただきありがとうございます。勉強不足で申し訳ありません。

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鳥うららホーホーチョチョの舌足らず (ヨヨ)
 
鳥うらら・・・気になりましたので確認しました。角川季寄せに
       麗かの副題として鳥うららが掲載されています。
       他に、町うららや橋うららも。副題の扱い他も調べて 
       みます。

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