12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表
12月句会のトップは10点を集めたダイアナさんの「冬うらら」の句でした。次いであんのんさんの「除夜の鐘」の句で、1点差の9点でした。以下、ABCヒロさんの「寒紅」の句が7点、弥生さんの「十二月」の句が6点と続きました。
10点句 42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ)
9点句 5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん)
7点句 52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ)
6点句 19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生)
個人別総合では、ダイアナさんが16点でトップでした。
12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表 特選2点、並選1点で計算。
1 早咲きの山茶花一輪短冊に (みにょん) 2 ◎えっちゃ、
2 よろよろと歩む姿は狂ひ花
3 畝間では白き肌魅せおでん酒 (和談) 1 ヨヨ、
4 亜米利加は未だ銃社会開戦日 (ABCヒロ) 2 ◎ちとせ、
5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん) 9 ダイア、◎尾花、◎ラガー、◎森野、ふうり、アイビ、
6 片手ずつ手袋外し手を繋ぐ (玉虫) 4 茶々、にゃん、かをり、コビト、
7 冬日射す水飲み台に小鳥の像
8 初雪や音なく過る鳥の影 (馬渡谷) 2 えっちゃ、アイビ、
9 人は人吾は吾だと冬将軍 (コビトカバ) 2 ラガー、えっちゃ、
10 ほどほどの二年連用日記買ふ (ナチーサン) 4 ◎ヨシ、◎みにょ、
11 雪催ひしいんと生きる村の知恵 (かをり) 2 ダイア、森野、
12 枯草を束ねて結ぶ通学路 (尾花) 2 ナチー、森野、
13 未来とは後のことぞ日記買ふ
14 大阿蘇の枯れて尾花の風となる (森野) 4 ナチー、馬渡谷、◎にゃん、
15 炬燵中先に籠るや熊よりも (ヨヨ) 1 和談、
16 県境を超えれば一面冬紅葉 (ふうりん) 1 ヨヨ、
17 炬燵猫寄せる寒気に薄目開け (茶々) 1 えっちゃ、
18 蜜柑食べ掌談義始まりぬ (ヨシ) 2 玉虫、かをり、
19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生) 6 ちとせ、馬渡谷、◎ABC、◎コビト、
20 掃いたあと掃いたあとへと落葉かな (アイビー) 5 ちとせ、和談、弥生、ABC、みにょ、
21 冬の朝烏らは鳴き芥を出す
22 一日を炬燵を出ては戻る猫 (にゃんこ) 1 茶々、
23 ポトフ煮る厨の外は虎落笛 (ダイアナ) 2 尾花、ふうり、
24 電線に音符の響く寒雀 (茶々) 1 ヨヨ、
25 暮れ際のポインセチアの並ぶ店 (みにょん) 1 弥生、
26 しがみつき耐えて残る葉落葉風
27 寒いよーJapanの家は地獄かな (ラガーシャツ) 1 ふうり、
28 パリパリと音する夜道聖夜ミサ
29 先生の前いきなりの大くさめ (ABCヒロ) 3 尾花、玉虫、にゃん、
30 白駒の根上がりに苔雪化粧
31 埋火やあいまいに生くこれよりは (あんのん) 5 ナチー、玉虫、森野、かをり、ヨシ、
32 年の瀬や歌姫昭和の歌を吐く (ナチーサン) 1 和談、
33 陸奥の湯宿初雪にして根雪 (馬渡谷) 1 てつを、
34 当主にて終ふ湯やどの冬構 (かをり) 3 ◎馬渡谷、アイビ、
35 早朝のバス凩と共に待つ (コビトカバ) 1 ダイア、
36 枕木も朽ちて廃線冬ざるる (森野) 5 ◎ダイア、ヨヨ、ABC、アイビ、
37 葉ぼたんや日時計我の腹時計 (尾花) 1 弥生、
38 最後には玉子で〆るおでんかな (ふうりん) 3 弥生、ラガー、ABC、
39 小春日やまたひとり来て畦談義 (てつを) 3 あんの、コビト、みにょ、
40 群と呼ぶ数には満たず鴨の池 (弥生) 2 あんの、にゃん、
41 池鏡もみじ葉映す東山
42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ) 10 ちとせ、ナチー、◎てつを、◎弥生、ラガー、にゃん、ヨシ、アイビ、
43 コンビニのおでんと言へど侮れず (アイビー) 1 てつを、
44 真夜中に猫の入り来る蒲団かな
45 雪降ればちちははの声雪積もり
46 突つつけば海鼠のつそり復元す (アイビー) 4 ちとせ、尾花、玉虫、馬渡谷、
47 貫けずとても虚子には初昔 (ラガーシャツ) 2 ◎かをり、
48 大根の皮は剥かぬと諭されて (玉虫) 1 えっちゃ、
49 苔庭の日暮れ寂しき冬紅葉 (みにょん) 2 ダイア、和談、
50 初冬の夜道へ誘う電飾衣
51 補助具付け杖つく人や冬日燦 (ちとせ) 2 馬渡谷、アイビ、
52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ) 7 てつを、◎あんの、ラガー、コビト、ヨシ、アイビ、
53 暗闇を燃やす晦日の熱気かな (コビトカバ) 1 みにょ、
54 長生きのめでたきことと言ふ冬日
55 綿虫や逢うて語るも易からず (かをり) 4 ◎玉虫、あんの、コビト、
56 襖絵の虎の眼や山月忌 (馬渡谷) 2 ◎ナチー、
57 日当たりて鴨一列に堰の上 (てつを) 4 ヨヨ、茶々、かをり、ふうり、
58 屑籠に師走の芥放り込む (ナチーサン) 1 尾花、
59 佇めば風吹き抜ける松手入 (ヨヨ) 3 ◎和談、森野、
60 冬晴の天守見惚るる竜吐水
61 百均で探すあれこれ年用意 (弥生) 1 ABC、
62 枯蔦や異人屋敷の跡と聞く
63 電飾の街や二人のクリスマス
64 着物着て外つ国人も紅葉狩 (ふうりん) 3 茶々、ヨシ、みにょ、
65 寒烏逢引きですか見つめ合ふ
66 豆炭の埋れて赤き火鉢かな
67 父の癖思ひだして冬至柚湯 (えっちゃんあら) 1 アイビ、
68 足音に日々の疲れや年詰まる (ヨシ) 2 ◎ふうり、
69 吾子の名の縫い取りありぬ吾の手套 (ダイアナ) 4 てつを、◎茶々、あんの、
*投句者は森野、えっちゃんあら、ラガーシャツ、ABCヒロ、弥生、コビトカバ、馬渡谷、ヨヨ、ちとせ、和談、玉虫、あんのん、ナチーサン、ふうりん、尾花、アイビー、ヨシ、てつを、にゃんこ、みにょん、茶々、ダイアナ、かをりの23名。
*間違い、その他不都合な点をご連絡下さい。
29 山辺に万葉歌碑や返り花 (てつを) 3
この句、万葉歌碑の作者、内容は語っていないので上五、下五で推し量るしかない。恐らく哀しいの句碑の内容だろう。山辺に立つその句碑の前に立ちたいもの。全ては季語が握っている。
30 釣柿やいま人生の分岐点 (コビトカバ) 4
作者は今人生の曲がの角に来て踊り場で立ち止まっている。その度知恵を絞り切り抜けてきた。何度目だろう。まだまだ続く人生行路。宿命と割り切るまでは時がいる。上五の釣柿がこの句のキーポイント。
65 親方のいくらか丸く松手入 (アイビー) 5
仕上がった松はいくらか丸みを帯びている。施主の指図か親方の好みか。いずれにしても作者の鋭い視点に先ずは脱帽。願わくば散髪を終えた松の好みを聞きたいものだ。
89 小包を開く前から林檎の香 (ヨシ) 6◎みにょ、
我が家に毎年届いていた栗が途絶えた。叔母が施設へ入所した為だ。
故郷との絆が途絶え淋しい。作者一家は毎年届く贈り物を心待ちしているのだろう。初物は先ずは仏様へ。・・・ご馳走様。
78 退屈も心地良きかな冬日向 (あんのん) 5 ◎羅漢
なるほど。ここまでくると達観と言うほかはない。色々な欲望から解放された老いの心境を冬日向がやさしく受け止めている。
85 初冬の丸きポストに句を託す (羅漢) 2
時代の流れか丸いポストを見かけなくなった。赤色は健在だが。初恋のときめきかと思ったが昭和の懐かしい雰囲気を醸し出しているのに気づいた。自信作だ、何とかしてくれ。上五の季語が効いている。
108 夜長には平家の落つる物語り (ラガーシャツ) 5
最近テレビでは能や歌舞伎が放映され楽しませてくれる。内容は不案内だが謡や古式豊かな器楽で楽しませてくれる。殆どが哀調を帯びたものだ。この句平家の落ち武者の物語を涙ながらに聞いているのだ。しんみりした味わい。佳句。
平家の句鑑賞ありがとうございます!
ドラゴンズも大相撲も将棋タイトル戦も終わり
この頃は読書をせっせとしております。
鑑賞していただけると俳句作りにも力が入ります
ありがとうございました!
♯♭人生いろいろ・・・♬♫・・・
釣柿の句の鑑賞ありがとうございます。
人生には幾度となく分岐点が訪れますね!
自分が選んだのだから後悔は無いはず。
たくさん考えて、人に相談したりして、最終的に自分で選べば良いのだと思っています。
お願い
5日から12月句会が始まります。現行の5句出句8句選句は、正直なところ、幹事アイビーの負担が重くなっています。そこで申し難いのですが、12月句会から、3句出句5句選句に変えたいと存じます。種々ご不満はおありでしょうが枉げてご承知おきを賜りたく、お願いたします。
三句ですね🎵。アイビー様無理なさらずにネット俳句を継続して欲しいと思います。
承知しました!
この句会を長く続けていただけるのが一番嬉しいのです。
はい❗️了解です😃なかなか佳句ができませんが、これからもよろしくお願いいたします🙇😃
ご尤もです。なんのふそくもありません。お手伝いもできず申し訳ありません。
いつもありがとうございます。
了解致しました!それでは厳選して(笑)三句投句いたします。
末長くネット俳句会が続けられる事ことを願っています!
アイビーさんご苦労かけますがよろしくお願いいたします🙇♂️
2 秋桜風に靡きて色散らす (茶々) 3 ◎てつを、
情景が目に見えるようです。やはりこのような句は頭では作れませんね。ましてAIでは。秋桜との対話は欠かせません。色散らすは作者の思いでしょうか。今年の秋が永からんことを。
34 残菊や路地にかをりを誘う風 (森野) 4 ◎ふうり
残菊ともなれば香りも淡く儚いものでしょう。生活臭のたまり場でもある路地、その路地へ残菊の香を誘う風。作者はこの情景を目の当たりにして己の人生を重ねているのでしょうか。奥行きのある句と思いました。
40 薬局の名入りの袋下げて冬 (玉虫) 5 ◎コビト
私の場合概ね診療時間は長くて10分。「どうだね、変わりないかね。はい! 測定記録を確認し記録、血圧測定後、ではお大事に。大抵そんなもの。混んでると会計に時間がかかります。そして薬局へ。薬局は連絡が行っているので概ね早い。空いている時は懇意な薬剤師と談笑。(必ず薬の効用の説明を受ける・朝5種類、夕3種類)そして外へ。これまでは暑かったが最近はやや寒い。私の場合この一連の流れの中では病気のことは殆ど頭にありません。通院の患者の心の機微をさらりと表現した心憎いまでの作品。特選にと思った句です。
41 初冬や杖の影にも風の音 (羅漢) 3
杖の影とは意表を突かれました。杖は老いの心身の支え。ここに風の音を聞いたんですね。。恐らく体感でしょう。あたかも冬はじめ、長い冬を思いこれからの余生に思いを致す作者。深読みでしょうか。
46 冬林檎量って擂って介護食 (尾花) 4 ◎ナチー
介護食の句を時折見かけますがこの句は至って具体的。その行為一つ一つに患者への思いやりが滲み出ています。分量を量る行為から患者の病状や状況が読み取れ上五の季語と下五の措辞が響き合って介護の大変さは微塵も感じさせずむしろ介護食づくりを楽しんでいる様子が伺え心を打たれました。一種のリズムの乗せられ特選に戴きました。
68 帰り花忘るることも生きる知恵 (尾花) 8 ◎ヨシ
なるほど、人生訓ですね。生身の人間、多くの人は煩悩に妨げられ老境になってもい生き方を狭めています。帰り花が微妙ですね。でもこれに変わる季語は見当たりません。佳句と思います。
83 熱の子のスマホ離さぬ今朝の冬 (玉虫) 4
ありそうですね。最近の子はスマホが友であり生き甲斐です。親はスマホのもたらす負の面を気にしつつ半ば諦めの心境です。一方、子どもを守るべく法的な措置に踏み込んだ国もあります。この句、熱の子を前にはらはらしている親御さんの気持ちが伝わってきます。
106 凍て雲や両手に挟む子の頬っぺ (玉虫) 5
中七がいいですね。季語と見事に響き合って親子の情愛が醸し出されています。季語の斡旋、切れ字も適切かと。
ナチーさんへ
おはようございます。
「冬林檎量って擂って介護食」この句に特選をいただきありがとうございました。
カロリー制限のある食事作りは量って量ってです。肉も魚も、醤油も砂糖も、もちろん林檎もきちんと量るのです。食欲のある人の介護食作りは大変でした。本を読んだり栄養指導を受けたり勉強しましたが常に不満が少しあったのではないかと。それを補うのは話し合いしかないかとも?
「帰り花忘るることも生きる知恵」 物忘れが酷くなった私開き直って。「帰り花」という美しい季語のおかげで俳句になりました。この季語でいいと言って頂き嬉しいです。
ありがとうございました。
ナチーサン
私の俳句三句を鑑賞して頂きました。
ありがとうございました。
106 凍て雲や両手に包む子のほっぺ
此の句は子育てを始めた北海道のころ。当時は車も無く
汽車かバスの移動で時間通りに来る事は稀だったように記憶しています。
待っているときの寒いこと!
親としては冷たくなった子供のほっぺを手で温める事しか出来ません。
赤いほっぺの手触りがおもいだされ一句に。
私は句材に北海道時代を用います。しかし現在の北海道の暮らしとはかけ離れた表現になっている事が多いです。
悩ましいです。
2 秋桜風に靡きて色散らす
この句にコメントありがとうございます。本当に実際にコスモスを観察してみないと頭に浮かばないと思います。AIの句は肌感覚がないから味気ないでしょう。私は毎夕愛猫の餌やりに田園方面に出かけます。道中、1反
程の田圃一面にコスモスが咲いています。赤白ピンクと色鮮やかです。
夕日に映えています。いつのまにかコスモス祭と幟がはためいていました。デモ見ている人は一人もいない。私の一人占めです。コスモスの揺れ動くのと私の凝視は秋ならではの至福です。アイビーさん、錦秋が続くと
良いですね。アイビーさんのコメント大満足です。
アイビーさん、
神在月の句を鑑賞ありがとうございます🙇
今年中にはお礼詣りをしたいと思っていて、実行できて嬉しいかったです。得に神在月に行けたことが私には良かったです。あちこちの沢山の神さま達にお願いしましたから😅
これからもご指導よろしくお願いいたします🙇😃
アイビーの俳句鑑賞 その3
七五三をのこの燥ぐ袂かな (にゃんこ)
七五三はわが子の健やかな成長を願う親心から、年々盛んになっている。祝われる当の子どもは、いつもと勝手が違う晴れ着を着せられ、興奮して騒ぎ始める。特に男の子はその傾向が強い。こうした子どもの生態を観察して上手く俳句にした。ただ、子どもの「飽きっぽさ」に焦点を当てても面白かったのではないか。すぐに退屈して喧嘩が始まるとか。
身に入むや喪中葉書で知る友よ (みにょん)
そろそろ年賀状を書く季節になった。喪中であることを知らせる葉書が届く。「えー、あの人が亡くなった」という経験は誰でもあるのではないか。よほど親しい友人でも、最近は家族葬が多いから知らずにいることがある。そうした機微を上手く纏めたが、座五の「知る友よ」は少し不自然と思う。こうしたケースは語順を変えると解決することが多い。「友の死を葉書で知りぬそぞろ寒」
ウッドもて紅葉を軽く払ひけり (羅漢)
ゴルフ場でよく見かける光景だ。ティーショットを打つ寸前、紅葉が落ちてきた。持っているウッドで紅葉を払いのけた。当のゴルファーは無意識にやってるだろうが。この句はゴルファーに焦点を当てて、さりげなく、季語の「紅葉」を登場させた趣向が面白いと思った。紅葉に代えて「落葉」でも面白い。
秋桜風に靡きて色散らす (茶々)
秋桜はコスモスのこと。コスモスと風の組み合わせはよくあるが、座五を「色散らす」したことで辛うじて類想句を免れた。「色散らす」は多分に主観的なもので、作者がそのように感じたのである。個人的な主観を俳句に持ち込むのは、私も大賛成で「わが意を得たり」と拍手したい。
今月も惜しいところで無点となった句が出た。どこをどうすれば良かったのか、皆さんと一緒に考えてみたい。
稲架掛田日暮れ飛び交ふ鳥数多 (無点)
一見して推敲不足、もっと整理できると感じた。「日の暮れて稲架に飛び交ふ鳥あまた」
どんぐりを探し求めて庭先へ (無点)
中七の「探し求めて」は可愛い孫のためとは言いながら、少し大袈裟過ぎないか。「孫のためどんぐり探す狭庭かな」
たいがいに夢から覚めて今朝の秋 (無点)
上五の「たいがいに」が乱暴すぎる印象。それと11月句会に「今朝の秋」は如何なものか。「目覚めれば雀の騒ぐ今朝の冬」
煮詰れり三日続きのおでんかな (無点)
完面白い句だが、類想がありそう。「一人居やおでん煮るのも三日分」
盆踊り老若男女JAPONISM (無点)
11月なのに「盆踊り」を持ってくるのは如何なものか。それと所謂三段切れとなっている。英語が入るのは構わない。「外つ国の人も交えて盆踊」
追へば木に登り始める穴惑 (無点)
穴惑と言えば蛇に決まっているが、読み手の側には不親切。「蛇追へば木に登りそむ穴惑」
炊きたての湯気も嬉しき茸飯 (無点)
特に瑕疵と言うほどの問題でもないが、季重なりを避けるために湯気をほかの言葉に置き換えて見てはどうか。「炊きたての香も嬉し茸飯」
アイビーの俳句鑑賞:完
アイビーさん
拙句鑑賞していただき、ありがとうございます。
先日、写真屋さんで七五三の女の子とお母さん、お祖母さんに会いました。着飾った女の子は、それはおしとやかではにかむように笑っています。その様子を見ていて思い出したのが、息子5歳の七五三。ヒーローにでもなったかのようにかっこいい(と本人が思っている)ポーズを次々に繰り出し、少しもじっとしていない。写真一枚撮るのに大騒ぎ、小さい頃から女の子と男の子は違うなあと思ったのでした。
読者に伝えたいことを整理して、句を練り直します。ありがとうございました。
アイビーさん、残菊の句の鑑賞ありがとう御座います‼️
笠寺観音の辺り、旧東海道に沿ういくつかの路地を毎月利用させて頂いています‼️ かつて武蔵が修行したとされる寺院から遺跡の丘迄、路地に沿う小さな小さな畑には毎年季節の野菜が立派に実りそれを遠目より感心して眺めたり、夏には植木鉢に育つ西瓜やメロン🍈を楽しみながら旧東海道を10歩もかからず渡り塀をはみ出す残菊も毎年のこと、でも、路地の景色は変わって行きます‼️ 駐車場が増えたり代替わりを感ずるこの頃です‼️ あの菊たちもいつまでかな〰️と八十路の私がそう思うのもおかしい🤪かも〜
アイビーさんの心に残る句の鑑賞、嬉しいです‼️ これからもゆるり、ゆるりと宜しくお願い致します🙇 感謝です!
アイビーの俳句鑑賞 その2
神在月参詣終へて出雲そば (ダイアナ)
出雲に神々が集まるということは、出雲からすれば神在月ということになる。ということは舞台は出雲の国、参拝したのは出雲大社ということになる。どういう事情で島根県を訪れたのか、私は偶然知っているが、ここでは明かさない。物見遊山ではないことは確かだ。願いが叶ってお礼参りに訪れた出雲大社。そこに一筋の光明を見た。さぞ出雲そばは旨かったことだろう。発想の逆転が面白い一句。
残菊や路地にかをりを誘う風 (森野)
菊の薫りは遠く離れていても匂うほど薫る。ところが、ことさら原因と結果を曖昧にして「かをりを誘う風」とした。まるで風が吹くから菊が薫ると言わんばかりだ。もし、私の解釈が見当外れであっても、中七から座五の「路地にかをりを誘う風」は秀逸な表現だ。
大屋根のリングに出でし後の月 (ふうりん)
出だしはどうなる事かと思ったが、大阪万博も好評のうちに終わった。大阪万博の象徴とも言うべき大屋根のリングと月の取り合わせが面白い。人工の産物である大屋根と自然物である月を並べたところが新鮮な驚きがある。
木の葉髪これまでのことありがたう (尾花)
今月の巻頭句「帰り花」の句もあるが、ここではこの句を取り上げてみたい。端的に言って読む方の想像力を刺激する句だ。まず姑と嫁を思い浮かべる。元々他人同士が同居する。両者の間には様々な葛藤があったであろう。ところが、寄る年波で気の弱くなった(あるいは死期が迫っているのかも知れない)姑。しみじみとこれまで世話になったと感謝する姑。たった17文字から、これだけイメージが湧くのだ。俳句の面白さであろう。
直箸のうたげ続くや夜半の秋 (てつを)
「直箸」は一つ料理を銘々の箸で食べる、鍋物か何かと解釈した。よほど気のおけない友人との宴か。話に花が咲き時間の経つのも忘れる。気がつけば「おや、もうこんな時間か」ということになる。斯くして秋の夜は更けて行く。しみじみとした味わいを楽しみたい。
小包を開く前から林檎の香 (ヨシ)
いつも林檎の季節になると送ってくれる知人がある。今年も宅急便が届いた。果たして林檎の甘い香りが、包みを開ける前から漂ってくる。小包を開ける時のワクワク感がよく描写されている秀作。
薬局の名入りの袋下げて冬 (玉虫)
薬局の名入りの袋下げたことと冬が来たこととは、まるで関係がない。無関係の事象を並べ、一編の詩に仕立てたお手並みは見事。所謂「俳句の呼吸」を感じた。「俳句のコツ」と言い換えてもよい。
頑なに子が口閉ざす榠樝の実 (ナチーサン)
「子が口閉ざ」しているのか、理由は問うまい。多感な少年期にはありがちなことである。榠樝の実はよく言えば個性豊か、悪く言えば不細工な顔をして、その辺に転がっている。転がる様は無造作という他ない。無口な少年のイメージと重なる。そこが作者の意図したところでもある。何らかの寓意を感じ取るべきだ。
持ってけと太き皺の手大根引く (あんのん)
農家の親父さんの、ぶっきらぼうな口調が目に浮かぶようだ。「太き皺の手」と描写したところも「上手いなあ」と感じた。登場する人物が生き生きとして、血が通っているのが私の印象だ。これは作者の手腕によるものだろう。
以下次号、不定期掲載。
とんだ間違いをしました。玉虫さん、失礼しました。尾花さんの指摘があるまで気がつきませんでした。尾花さん、黙っていれば巻頭と個人別総合と二冠でしたのに、フェアプレーの精神を発揮されました。敬意を表します。
アレッ⁈ 間違いに気づきました!
おはようございます。
玉虫さんの11月の個人別総合点は19点でトップでした。
尾花は18点と及びませんでした~!
気づいてしまったので、アイビーさん訂正をお願いいたしますねー。
薬局の名入りの袋下げて冬
アイビーさんに句を鑑賞して頂きました。
ありがとうございます。
何故だか寒くなると体調が悪くなる家族。
毎年一回は病院のお世話に。
薬を頂いて薄い袋なので薬局はもとより、患者の名前も透けて。
冬が来た!そんな気持ちになります。
退院されてゆっくりされる時間は持たれましたか?
なが~くこの句会にお世話になりたくて、アイビーさんに御自愛していただきたいのです。
今月は五句全て得点出来ました!
ドン底あり、こんな月もある。老け込んでる暇がありません!
中日俳壇特選
アイビーさん病など吹き飛ばすほどの俳句人生に感銘してます。
高田正子選 カードなど使えぬ店の衣笠
私でも出来そうで出来ないのが俳句なんですねー!
合わせて私の夜長の句の選句観賞ありがとうございました。
ありがとうございます。時おり、こういうことがあるから俳句をやめられないですね。因果なこっちゃ。
アイビーさん
新聞みました。
おめでとうございまーす❣
アイビーさん、今朝の新聞高田正子選、特選第一席、おめでとうございます‼️😆
素晴らしいですね。その技、目の付け処、表現力、すこしでも授かりたいものです😃これからも勉強させて頂きます。おめでとうございます‼️😆
すいません間違えました
アイビーさんの特選句
カードなど使えぬ店の衣笠と書いてしまいましたが
カードなど使へぬ店の衣被 でした大変ご無礼致しました。
修行がまだまだ足りないラガーより🙇
アイビーの俳句鑑賞 その1
泣き終へて体軽きし蜜柑食ふ (えっちゃんあら)
夫が元気だった頃の追憶に浸る作者。胸に迫るものがあったのだろう。ひとしきり泣いた後、蜜柑を食べた。このあたりの場面転換が鮮やかだ。女の人は何時までも泣いてばかりはいられない。場面転換はよいのだが、「体軽きし」は文法的にも誤っており、一考を要する。「思ひ出に泣き尽くしたり蜜柑食ぶ」
嫁ライン笑顔見ずとも爺甘藷 (ヨヨ)
円満な家庭の状況が窺えて心楽しくなる句だ。殊に連れ合いは嫁に甘いことが分かる。
ただ、一句の中に色んな要素を織り込み過ぎて、却って分り難くなってしまった。思い切って省略することも大事だ。省略は捨てること。
虫喰いのアート模様や柿落葉 (ABCヒロ)
なるほど、そういう見方があったか。虫喰いの柿落葉。虫の方はアートを作っているつもりはないが、図らずもアートになってしまった。意図しないのに傑作が生まれることは、俳句についても言える。俳句の妙味だろう。
何しても直らぬレジよ神の留守 (コビトカバ)
旧暦の10月は神様の年次総会が島根県であり、日本中の神様が留守ときている。不可解な出来事はすべて「神の留守」の所為になる。人間社会は神の所為にすると上手く回っていくようだ。上質のユーモアが感じられる一句だ。
秋の夜やバンドネオンの響き満ち (ちとせ)
バンドネオンはアルゼンチン・タンゴやコンチネンタル・タンゴの伴奏につく。物悲しい独特の音色は人々を異国情緒に誘い、陶然とさせる。作者はうっとりと聞きほれている有様を活写している。欲を言えば、どういう状況でタンゴを聞いているのか、読み手に分からせる工夫があればと思う。
掘りし甘藷(いも)飢えし日遠く八十年 (和談)
戦中戦後の物のない時代を経験した方々にとって、大いに共感を呼ぶ句。代用食の南瓜を見るのも嫌だという人を知っているが、それほど食い物の恨みは根深いのだ。特に育ち盛りの少年期に終戦を迎えた年代の人は、理屈抜きで共感を呼ぶに違いない。ただ、日本農業の名誉のために、藷も南瓜も品種改良が進んだ結果、昔のように「スジっぽい藷」などは皆無であることを付言しておく。
パーキング一ピタリと決まり冬に入る (弥生)
日常生活のちょっとした折に、季節の変わり目を感じることがある。「もう、そんな季節になったのか」と感慨に耽る暇のあらばこそ、すぐに日常に戻される、そんな経験は誰しも一度や二度はあることだろう。作者はそんな経験を、駐車場に愛車を入れるときに感じた。切り返しもなく一発で収まった時に「もう、冬だなあ」と「冬」を感じた。
夜長には平家の落つる物語り (ラガーシャツ)
平家の落つる物語は吉川英治の「新平家物語」であろうか。例の「祇園精舎の鐘の音」で知られる、日本人の美意識の根源とも言うべきものだ。「新平家物語」は長編小説だが「夜長」である。思わず時間の経つのも忘れ、物語の展開に夢中となっている作者。ここで、季語の「夜長」がよく利いてくるのだ。
以下次号、不定期掲載。
今朝の中日俳壇の一席高田正子選のアイビー様おめでとうございます。カードなど使わぬ店の衣被。
アイビーさん、「パーキング」の句の鑑賞ありがとうございます。
張り詰めた空気感からか冬は「ピタッ」とか「キチッ」とかの言葉を使いたくなります。
この句会を皆さんが楽しんでいる事がよくわかります。
これからもアイビーさんに甘え、お任せしてしまいますが、どうぞアイビーさんのペースで進めてください。
弥生