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互選結果発表

12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表
12月句会のトップは10点を集めたダイアナさんの「冬うらら」の句でした。次いであんのんさんの「除夜の鐘」の句で、1点差の9点でした。以下、ABCヒロさんの「寒紅」の句が7点、弥生さんの「十二月」の句が6点と続きました。
10点句 42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ)
 9点句  5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん)
 7点句 52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ)
 6点句 19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生)
個人別総合では、ダイアナさんが16点でトップでした。

12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表             特選2点、並選1点で計算。
1 早咲きの山茶花一輪短冊に (みにょん) 2 ◎えっちゃ、
2 よろよろと歩む姿は狂ひ花 
3 畝間では白き肌魅せおでん酒 (和談) 1 ヨヨ、
4 亜米利加は未だ銃社会開戦日 (ABCヒロ) 2 ◎ちとせ、
5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん) 9 ダイア、◎尾花、◎ラガー、◎森野、ふうり、アイビ、
6 片手ずつ手袋外し手を繋ぐ (玉虫) 4 茶々、にゃん、かをり、コビト、
7 冬日射す水飲み台に小鳥の像 
8 初雪や音なく過る鳥の影 (馬渡谷) 2 えっちゃ、アイビ、
9 人は人吾は吾だと冬将軍 (コビトカバ) 2 ラガー、えっちゃ、
10 ほどほどの二年連用日記買ふ (ナチーサン) 4 ◎ヨシ、◎みにょ、
11 雪催ひしいんと生きる村の知恵 (かをり) 2 ダイア、森野、
12 枯草を束ねて結ぶ通学路 (尾花) 2 ナチー、森野、
13 未来とは後のことぞ日記買ふ 
14 大阿蘇の枯れて尾花の風となる (森野) 4 ナチー、馬渡谷、◎にゃん、
15 炬燵中先に籠るや熊よりも (ヨヨ) 1 和談、
16 県境を超えれば一面冬紅葉 (ふうりん) 1 ヨヨ、
17 炬燵猫寄せる寒気に薄目開け (茶々) 1 えっちゃ、
18 蜜柑食べ掌談義始まりぬ (ヨシ) 2 玉虫、かをり、
19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生) 6 ちとせ、馬渡谷、◎ABC、◎コビト、
20 掃いたあと掃いたあとへと落葉かな (アイビー) 5 ちとせ、和談、弥生、ABC、みにょ、
21 冬の朝烏らは鳴き芥を出す 
22 一日を炬燵を出ては戻る猫 (にゃんこ) 1 茶々、
23 ポトフ煮る厨の外は虎落笛 (ダイアナ) 2 尾花、ふうり、
24 電線に音符の響く寒雀 (茶々) 1 ヨヨ、
25 暮れ際のポインセチアの並ぶ店 (みにょん) 1 弥生、
26 しがみつき耐えて残る葉落葉風 
27 寒いよーJapanの家は地獄かな (ラガーシャツ) 1 ふうり、
28 パリパリと音する夜道聖夜ミサ 
29 先生の前いきなりの大くさめ (ABCヒロ) 3 尾花、玉虫、にゃん、
30 白駒の根上がりに苔雪化粧 
31 埋火やあいまいに生くこれよりは (あんのん) 5 ナチー、玉虫、森野、かをり、ヨシ、
32 年の瀬や歌姫昭和の歌を吐く (ナチーサン) 1 和談、
33 陸奥の湯宿初雪にして根雪 (馬渡谷) 1 てつを、
34 当主にて終ふ湯やどの冬構 (かをり) 3 ◎馬渡谷、アイビ、
35 早朝のバス凩と共に待つ (コビトカバ) 1 ダイア、
36 枕木も朽ちて廃線冬ざるる (森野) 5 ◎ダイア、ヨヨ、ABC、アイビ、
37 葉ぼたんや日時計我の腹時計 (尾花) 1 弥生、
38 最後には玉子で〆るおでんかな (ふうりん) 3 弥生、ラガー、ABC、
39 小春日やまたひとり来て畦談義 (てつを) 3 あんの、コビト、みにょ、
40 群と呼ぶ数には満たず鴨の池 (弥生) 2 あんの、にゃん、
41 池鏡もみじ葉映す東山 
42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ)  10 ちとせ、ナチー、◎てつを、◎弥生、ラガー、にゃん、ヨシ、アイビ、
43 コンビニのおでんと言へど侮れず (アイビー) 1 てつを、
44 真夜中に猫の入り来る蒲団かな 
45 雪降ればちちははの声雪積もり  
46 突つつけば海鼠のつそり復元す (アイビー) 4 ちとせ、尾花、玉虫、馬渡谷、
47 貫けずとても虚子には初昔 (ラガーシャツ) 2 ◎かをり、
48 大根の皮は剥かぬと諭されて (玉虫) 1 えっちゃ、
49 苔庭の日暮れ寂しき冬紅葉 (みにょん) 2 ダイア、和談、
50 初冬の夜道へ誘う電飾衣 
51 補助具付け杖つく人や冬日燦 (ちとせ) 2 馬渡谷、アイビ、
52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ) 7 てつを、◎あんの、ラガー、コビト、ヨシ、アイビ、
53 暗闇を燃やす晦日の熱気かな (コビトカバ) 1 みにょ、
54 長生きのめでたきことと言ふ冬日 
55 綿虫や逢うて語るも易からず (かをり) 4 ◎玉虫、あんの、コビト、
56 襖絵の虎の眼や山月忌 (馬渡谷) 2 ◎ナチー、
57 日当たりて鴨一列に堰の上 (てつを) 4 ヨヨ、茶々、かをり、ふうり、
58 屑籠に師走の芥放り込む (ナチーサン) 1 尾花、
59 佇めば風吹き抜ける松手入 (ヨヨ) 3 ◎和談、森野、
60 冬晴の天守見惚るる竜吐水 
61 百均で探すあれこれ年用意 (弥生) 1 ABC、
62 枯蔦や異人屋敷の跡と聞く 
63 電飾の街や二人のクリスマス 
64 着物着て外つ国人も紅葉狩 (ふうりん) 3 茶々、ヨシ、みにょ、
65 寒烏逢引きですか見つめ合ふ 
66 豆炭の埋れて赤き火鉢かな 
67 父の癖思ひだして冬至柚湯 (えっちゃんあら) 1 アイビ、
68 足音に日々の疲れや年詰まる (ヨシ) 2 ◎ふうり、
69 吾子の名の縫い取りありぬ吾の手套 (ダイアナ) 4 てつを、◎茶々、あんの、

*投句者は森野、えっちゃんあら、ラガーシャツ、ABCヒロ、弥生、コビトカバ、馬渡谷、ヨヨ、ちとせ、和談、玉虫、あんのん、ナチーサン、ふうりん、尾花、アイビー、ヨシ、てつを、にゃんこ、みにょん、茶々、ダイアナ、かをりの23名。

*間違い、その他不都合な点をご連絡下さい。

編集・削除(編集済: 2025年12月14日 13:15)

選句鑑賞

アイビーさん、お疲れのところ、お纏め感謝です。

6 片手ずつ手袋外し手を繋ぐ (玉虫) 4
句全体に流れるためらい、この雰囲気が好きです。つけます
たをやめぶりのわれをおぼえて

18 蜜柑食べ掌談義始まりぬ (ヨシ) 2
掌談義、この言葉を拾った作者に感服です。
意味はAIで調べましたら、仏教的な意味合いの説法や、仏教の教えを説くこと、あるいは手のひらを使ったちょっとしたお話や雑談のようなもの。

31 埋火やあいまいに生くこれよりは (あんのん) 5
いいですねえ、このお気持ち。日本人は曖昧に生きて曖昧に老いていくは得意なのです。つけます。
息継ぎをしてまた歳晩来

47 貫けずとても虚子には初昔(ラガーシャツ) 2
あの虚子の名句へのオマージュですね。その挑む心根がとても頼もしいです。
また季語がいいですね。初めて知りました。
じゃあ、来年のここで1/5-10に詠むと新鮮味がない、よく今月詠んでいただいてよかったです。
悔いのない孤高の特選句です。

57 日当たりて鴨一列に堰の上 (てつを) 4
冬の暖かさがよおく感じられました。鴨一列は春の光景でしょう.
それほど無風で冬日が燦燦。水でなく、この句は堰の上でしょう、実景、実感から飾らずに一句をよまれた、見習いたいです。

引用して返信編集・削除(未編集)

玉虫さんとヨシさん、鑑賞談義は楽しいですね。
ありがとうございます。
ラガーさんも御謙遜、よき年の瀬を。
この週末は年賀状の一首を考えます。

引用して返信編集・削除(編集済: 2025年12月18日 22:41)

こんばんは。
玉虫さん、蜜柑の句を選んでいただきありがとうございました。
読ませて頂き、南瓜でも黄色くなるのだ!とびっくりです。私は南瓜も大好きでレンジでチンとしてオリーブ油で食べます。なるほど仕事仲間が笑うほど掌が黄色くなるわけです。おかげ様で風邪を引きません。
かをりさん、ありがとうございました。玉虫さんとも、掌談議ができました(⁠^⁠^⁠)

引用して返信編集・削除(未編集)

此処をお借りしてヨシさんの、蜜柑の句選句させて頂いた
玉虫の鑑賞を述べさせて下さい。
此の句は、かをりさんと、玉虫が選に入れました。
蜜柑・・掌から私は黄色を連想しました。沢山食べて黄色に。
私も黄色い掌の記憶があります。南瓜を食べ過ぎて!
食べ過ぎるほどの南瓜は塩茹での南瓜でしたが。
ヨシさんの、黄色くない?と、ご自分の手を見せながらの情景を思い浮かべました。
手は黄色くなっても、きっと風邪など引かずに過ごされたのでは?
楽しい記憶が蘇りました。

引用して返信編集・削除(未編集)

かをりさん、手を繋ぐの句に点を頂きました。
ありがとうございます。
手袋のままに手を繋ぐのは、焦れったいですね。
様々の事が思い出されます。
たをやめぶりのわれをおぼえて・・・ありがとうございました。

引用して返信編集・削除(未編集)

かをりさん、蜜柑の句の選句鑑賞ありがとうございました。短詩や小説でも同じでしょうか。作者の手を離れたら読み手に委ねよ。ネタばらししない方がいいかなと思いつつ。蜜柑の季節が始まると掌が黄色みを帯びて来る気がして、仕事仲間と掌の色を比べ、そこから色々と話が広がっていった。と言う句です。読んでくださった方の感想を聞くというのは嬉し楽しです。ありがとうございました!

引用して返信編集・削除(未編集)

選句鑑賞ありがとうございます😊
  虚子の句鑑賞ありがとうございます。
  本当は去年今年の季語で一句詠みたかったのですが
  なかなか出来なくて歳時記を読んでいて初昔という
  季語に出合いましたのでこんな句になっちゃいました。

引用して返信編集・削除(未編集)

アイビーの俳句鑑賞 その2

アイビーの俳句鑑賞 その2

補助具付け杖つく人や冬日燦 (ちとせ)
補助具の実物を見たことないので、詳しい仕組みは分からないが、懸命に歩こうとする人に向ける作者の眼差しは暖かい。気がつけば、「もう少しだ、頑張れ」と応援している自分に驚く。座五に「冬日燦」を持ってきたところに、作者の気持ちが現れている。「冬温し」や「冬日差す」でも十分なのに、敢えて「冬日燦」とした意味は浅くない。

畝間では白き肌魅せおでん酒 (和談)
昼間は畑仕事に忙しく、夜は昼間の疲れを癒すための一杯が無上の楽しみという女性であろうか。もっと言えば作者の奥さんであろうか。わが女房ながら、改めて惚れ直す作者。私の妻は全くイケない口なので羨ましい。やはり女性も少しはお酒を嗜んだ方が楽しい気がする。中七に「魅せ」とあるが、私はあまり賛成しかねる。折角の夫婦愛が安っぽく見える。

片手ずつ手袋外し手を繋ぐ (玉虫)
手を繋ぐ時は手袋を脱がなければならない。そうしないとスキンシップが保てないから。これは作者自身が、子ども時代を振り返っての実感に基づくものだろう。いちいち手袋を外すことのまだるっこさを感じても、いま振り返ってみれば、印象に残るのは両親の手の温もりだろう。

埋火やあいまいに生くこれよりは (あんのん)
作者のあんのんさんの俳句は、推敲が行き届いていることだ。いつも見習いたいと念じてはいるのだが…。自分の越し方、行く末を思い合わせて感じたことを吐露した。季語の「埋火」は作者が考え抜いた末のことだろう。ただ、結論的には、埋火の灰を被った様と、一方で燃え滾るエネルギーを内に秘めている訳で、悪くない選択だと思う。同様に座五の「これよりは」の取ってつけたような言い回しも、作者にとっては理由があるに違いない。

ほどほどの二年連用日記買ふ (ナチーサン)
三日坊主の私は日記など買ったことはないが、作者のナチーサンさんは違う。長いものは5年連用日記というのもあるが、5年経つと自分の寿命がどうなっているか分からず、なかなかそこまで踏ん切れない。そういうこともあって「ほどほどの」「二年日記」にしたあたり、用意周到というか慎重さが窺えて可笑しい。巧まざるユーモアの句。

最後には玉子で〆るおでんかな (ふうりん)
おでんのネタに着目した句は、数少ないだけに新鮮だ。人間関係や職場の句は多いのに。一通り順番に注文し最後のネタは玉子で〆る。これは合理的理由などない、単なるジンクスめいたルーティンのようなものだろう。でも、決まって最後の一品は玉子なのである。これに類することは私たちの身辺を見合わせても、結構ありそうだ。

枯草を束ねて結ぶ通学路 (尾花)
私は実物を見ていないので即断はできないが、昔からある、枯草を束ねて結ぶ女の子の遊びのことかと思う。子どもは遊びの天才である。道具がなければ自分たちで工夫して何とかする。そうやって、知らず知らずのうちに社会性を身につけていくのだろう。ただ、座五の「通学路」と場所を特定しない方が良いと思う。苦柄が小さくなるような気がする。

以下次号、不定期掲載。

引用して返信編集・削除(未編集)

選句鑑賞

12 枯草を束ねて結ぶ通学路 (尾花) 2
この句当初は意味が解りませんでした。通学路、枯草と思いを巡らせるうちに雪に至りました。雪と言えば北海道。やっと枯草に結びつきました。雪景色が醸し出す風景、住民の知恵等新鮮に映りました。自解を!

14 大阿蘇の枯れて尾花の風となる (森野) 4 ◎にゃん、
大きな句ですね。枯れ芒の大草原、風が阿蘇の山山を吹き抜けています。現地に立たねば出来ない句。作者も大自然に取り込まれ一体になっているんでしょう。

31 埋火やあいまいに生くこれよりは (あんのん) 5
達観でしょうか。人生経験を重ねた上での。あいまいとは幾通りにも解釈できることと辞書にあります。「あいまいに生きる」と宣言した作者ですが上五の季語が微妙。 私は「自然体」をモットーにしています。                                   

42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ)  10 ◎てつを、◎弥生
田舎の診療所でしょうか。何代かお世話になった医者。患者の健康状況は全て把握しています。後は現状を診るのみ。つい話し込む。次の患者も巻き込んで。折しもうららかな初冬、長閑に時は流れます。

56 襖絵の虎の眼や山月忌 (馬渡谷) 2 ◎ナチー、
この句の山月忌が歳時記を見ても分らずネットで検索、小説家で「山月記」の作者中島敦の忌日と分りました。人間の獣性や自尊心と後悔、
才能と努力などをテーマに中国の古典や南洋の文化に材を採った作品を発表、病弱で昭和17年36歳で他界しています。山月忌を取り上げた作者の見識に敬意を表し特選に戴きました。一度襖絵を観たいものです。
ぜひ自解を! 

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襖絵の虎の睨みや山月忌  手遅れだけどこっちのほうが良かったかな

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ナチーさん、枯草の句の鑑賞をありがとうございました。
とても想像力が豊かできれいな景を描いていただき脱帽です。でも?

私の住んでいる武豊町の狭い道ですが(通学路)道路脇に茅花のような枯葉がずっと続いてるところがあり、その葉をその場所で束ねてクルッと丸くして結ぶ。2~3メートルおきに15~20くらいあったでしょうか・・・! 誰が何のためにそうしたのか解らないのですが、多分中学生が下校時、お友達とおしゃべりしながら遊び心で作ったものではないかなーと思いました。別れを惜しんで道草をしていたのではないかと。
後日ある方に聞いたのですが、それを作っていたのはかなり高齢の男性だったということで、私の「中学生の道草」説は間違いだったようです。すみません。

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拙句 襖絵の虎の眼や山月忌 特選で取っていただいてありがとうございます。12月5日が投句の始まる日で中島敦の忌日だと思ってなんとか句にしたいと思いました。忌日は12月4日で一日間違えました。没年33歳です。虎の絵は兵庫県の香住の大乗寺(応挙寺)に応挙の虎の間があります。応挙は虎を見たことがないので猫を見て描いたという話が残っています。中島敦の忌日は敦忌または山月忌みたいです。代表作は李陵ですが歴史上実在の人の名を取るわけにもいかないようです。山月記は心の葛藤が人間を虎に変える話だから虎のまなこではつき過ぎかも。全集は北村透谷と中島敦しか持っていない。あるときふと透谷は若くで縊死、敦も33歳と思ってなんか怖くなって遠ざけたまま。

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アイビー の俳句鑑賞 その1

アイビーの俳句鑑賞 その1

枕木も朽ちて廃線冬ざるる (森野)
季語「冬ざれ」の本意通りの使い方は、外連味が無く好感が持てる。おそらく復活されることもないであろう廃線。廃線の枕木がボロボロに朽ち果てている。その様子を「冬ざるる」と言い留めた作者。こうやって詠めば俳句になるんだよ、と教えられたような気がする。

寒いよーJapanの家は地獄かな (ラガーシャツ)
兼好法師が「徒然草」の中で述べているように、日本の家屋は、夏向けに造られているそうだ。寒さはどうにか凌ぐ方法があるが、夏の蒸し暑さは凌ぎようがないという内容である。それでも今日の次元から言えば、防寒対策はお粗末というほかない。まして、外国から来た人々には、地獄に思えるのだろう。外国人の口調を借りて、「Japanの家」と言ってみたり、全体に「舌足らず」の感じを入れて工夫したのが効果的。

寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ)
「寒紅」は寒中の作られた口紅のことで、品質が良く色鮮やかに引けるので重宝される。女の人は、特に何事かを決意した時に朱の口紅を引くと、今までのモノトーンが、紅の朱に染まり一層鮮やかさを増す。その様を「女は強くなる」と言い留めた作者の感性は鋭い。 

父の癖思ひだして冬至柚湯 (えっちゃんあら)
何気ないときにひょいと飛び出す癖。誰にもある癖だが、故人となると、「そう言えば、あんな時に決まってする癖があったなあ」と、思い起こす。そんな癖のある亡父を懐かしく思い出す作者。亡父への懐旧の念が滲み出た佳句だが、「字足らず」になったのは残念。「字余り」は字余りを狙って作る場合もあるが、「字足らず」の句は避けるのが無難と思う。「亡き父の癖思ひだす冬至風呂」

広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生)
12月の声を聞くと町は歳末商戦一色である。クリスマス、正月と子どもたちにとって楽しみな行事が目白押し、そこに目を付けない玩具メーカーはない。かくて、デパートの玩具売り場は、どこもかしこもゲームに玩具と商戦に熱が入る。そんな歳末風景を早速俳句にした。

人は人吾は吾だと冬将軍 (コビトカバ)
解釈の仕方によって様々に解釈できる。一応「人は人吾は吾だと」と繋がっているから、そう考えているのは冬将軍自身ということになる。もし、切れていれば、冬将軍以外の誰かが主体となる。切れのあるなしで句の解釈がまるで違ってくる。このあたりが、俳句の怖さであり魅力でもある。是非、同一のテーマで、切れを入れて作って欲しいように思う。

初雪や音なく過る鳥の影 (馬渡谷)
今年は夏の暑さが異常なほどで、その分暖冬になると思いきや、冬は例年通りに寒いと聞く。なんか損した気分になる。というのは冗談。雪が積もると、あたりは静寂が支配する世界に変わる。これは誰しも経験があることだろう。一面の白い静寂に、鳥影が動いた。見事なのは中七の「音なく過る」の描写で、静寂の世界を雄弁に語って、間然としない。

佇めば風吹き抜ける松手入 (ヨヨ)
「松手入」は秋の季語とされる。おそらく作業が終わった後の情景を詠んだものと思われる。庭の手入れも済んでほっとした瞬間、一陣の風が庭を吹き抜けた。心なしか、風も清々しい。これは経験豊かな職人の仕事に違いない。素人では、そうはいかない。

以下次号、不定期掲載。

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アイビーさん、おもちゃの俳句の鑑賞ありがとうございます。
近頃はクリスマスと言っても特別何も欲しがらない子供も多いのだとか。
つまり、既に買って貰っているからです。
広告を見て目をキラキラ輝かす子供も減ったのでしょう。
今や広告商戦は空振りかも知れません。

弥生

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アイビー様鑑賞ありがとうございます。きゃっ字足らずで失敗😵💧でした。亡き父の癖思ひだすや冬至風呂。ありがとうございます。

引用して返信編集・削除(未編集)

鑑賞ありがとうございます

埋火やの句の鑑賞ありがとうございました

ご指摘のとおり 埋火や の季語は
なかなか私の心情と合うものがなく
ピッタリと合う言葉が見つけられず
とてもとても苦労しました

また あいまいに生きる
と言う語彙については決して達観をして出てきたような重い言葉ではなく
近年体調をくずし 入院 手術等の繰り返しですべて悪い方向に考えてしまう自分がいてこれではいけないと!
これからは物事あまり深く考えないで明るく生きていこうと考えた結果思いついた言葉です
今でもこの句は作って良かったのか悪かったのかと葛藤しております

拙句を鑑賞していただきありがとうございました

引用して返信編集・削除(未編集)

アイビーさんJapanの句鑑賞ありがとうございます。
  お恥ずかしいですがNHK朝ドラばけばけから拝借した一句です。
  Japanにつては先月の俳句教室で使ってみて再び使ってみました
  試行錯誤の毎日です!それでも楽しいですね😆
  これからもご指導よろしくお願いしまーす🙇‍♂️

引用して返信編集・削除(未編集)

冬将軍

アイビーさん鑑賞ありがとうございます。
キレを入れるとなりますと
人は人吾は吾なり冬将軍
とゆうかんじでしょうか。
冬将軍、いかにも寒くて強そう。
冬帝と共にこの季語とても好きで、毎年この季語で詠みたくなります。
佳句が読めるよう今後も沢山作っていきたいと思います。
ありがとうございました。

引用して返信編集・削除(未編集)

お詫びと訂正

ABⅭヒロさん、コビトカバさん、ご指摘有難うございます。私のチェックミスでした。早速是正しました。ダイアナさん、ご指摘有難うございます。結果的には、是正しなくてもよくなりましたが、間違いは間違いです。作者の皆さん、ご迷惑をおかけし深くお詫びします。

引用して返信編集・削除(未編集)

アイビーさん、早速の訂正ありがとうございました🙇
今回思わぬ得点を頂き、朝からルンルンです❗️皆様、ありがとうございます🙏
ナチーサン、鑑賞ありがとうございます🙇小さな俳句から大きく物語を紡いで下さり嬉しい限りです🙌

引用して返信編集・削除(未編集)

明日11日・互選結果発表

12月句会は、投句者全員の選句が済みましたので、集計作業を進めています。
明日早朝には互選結果が発表できると思います。
それまで暫時お待ちください。

引用して返信編集・削除(未編集)

ただいま、12月句会開催中

12月句会を始めます。下記開催要領に従い奮って投句願います。
現在までの投句者は、森野、えっちゃんあら、ラガーシャツ、ABCヒロ、弥生、コビトカバ、馬渡谷、ヨヨ、ちとせ、和談、玉虫、あんのん、ナチーサン、ふうりん、尾花、アイビー、ヨシ、てつを、にゃんこ、みにょん、茶々、ダイアナ、かをり、の皆さんの23名です。
12月度みんなのネット俳句会・開催要領
1・投句期間    12月5日(金)~12月10日(水)
2・投句      当季雑詠 3句まで
3・清記発表    12月11日(木)
4・選句      5句選句 12月11日(木)~12月13日(土) 
5・成績発表    12月14日(日)
6・その他     投句代行可、投句後の訂正、差し替えも可
       
投句内容は幹事が確認次第、非表示にします。
句会開催中であっても一般の書き込みは制限はしません。

投句後の訂正依頼のやりかた
(誤) 古池や海豚飛び込む水の音 バショウ
(正) 古池や蛙飛び込む水の音 バショウ

12月句会から3句出句・5句選句とさせて頂きますでお間違えなきよう願います。
もし、5句投句された場合は最初から3句目までを採用し、4句目、5句目は割愛させていただきます。

引用して返信編集・削除(編集済: 2025年12月10日 13:02)

清記&選句

清記&選句
12月句会の清記一覧を発表します。投句された方派速やかに選句に入って下さい。
12月の投句者は、▼森野、▼えっちゃんあら、▼ラガーシャツ、▼ABCヒロ、▼弥生、▼コビトカバ、▼馬渡谷、▼ヨヨ、▼ちとせ、▼和談、▼玉虫、▼あんのん、▼ナチーサン、▼ふうりん、▼尾花、▼アイビー、▼ヨシ、▼てつを、▼にゃんこ、▼みにょん、▼茶々、▼ダイアナ、▼かをりの23名。(▼は選句済み)

選句要領
1 選句期間  12月11日(木)~12月13日(土)
2 選句数   5句 うち1句を特選とする。特選は無しでも構わない。特選2点、並選1点で計算します。
3 選句方法  句番号を書き出すだけでもよい。
4 結果発表  12月14日(日) 
5 投句に参加しない方も選句することも出来ます。投句者全員の選句が終わっても、スケジュールの前倒しは行いません。

12月度みんなのネット俳句会・清記一覧
1 早咲きの山茶花一輪短冊に 
2 よろよろと歩む姿は狂ひ花 
3 畝間では白き肌魅せおでん酒 
4 亜米利加は未だ銃社会開戦日 
5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 
6 片手ずつ手袋外し手を繋ぐ 
7 冬日射す水飲み台に小鳥の像 
8 初雪や音なく過る鳥の影 
9 人は人吾は吾だと冬将軍 
10 ほどほどの二年連用日記買ふ 
11 雪催ひしいんと生きる村の知恵 
12 枯草を束ねて結ぶ通学路 
13 未来とは後のことぞ日記買ふ 
14 大阿蘇の枯れて尾花の風となる 
15 炬燵中先に籠るや熊よりも 
16 県境を超えれば一面冬紅葉 
17 炬燵猫寄せる寒気に薄目開け 
18 蜜柑食べ掌談義始まりぬ 
19 広告に溢れるおもちゃ十二月 
20 掃いたあと掃いたあとへと落葉かな 
21 冬の朝烏らは鳴き芥を出す 
22 一日を炬燵を出ては戻る猫 
23 ポトフ煮る厨の外は虎落笛 
24 電線に音符の響く寒雀 
25 暮れ際のポインセチアの並ぶ店 
26 しがみつき耐えて残る葉落葉風 
27 寒いよーJapanの家は地獄かな 
28 パリパリと音する夜道聖夜ミサ 
29 先生の前いきなりの大くさめ 
30 白駒の根上がりに苔雪化粧 
31 埋火(うづみび)やあいまいに生くこれよりは 
32 年の瀬や歌姫昭和の歌を吐く 
33 陸奥の湯宿初雪にして根雪 
34 当主にて終ふ湯やどの冬構 
35 早朝のバス凩と共に待つ 
36 枕木も朽ちて廃線冬ざるる 
37 葉ぼたんや日時計我の腹時計 
38 最後には玉子で〆るおでんかな 
39 小春日やまたひとり来て畦談義 
40 群と呼ぶ数には満たず鴨の池 
41 池鏡もみじ葉映す東山 
42 診察は旅の話しや冬うらら  
43 コンビニのおでんと言へど侮れず 
44 真夜中に猫の入り来る蒲団かな 
45 雪降ればちちははの声雪積もり  
46 突つつけば海鼠のつそり復元す 
47 貫けずとても虚子には初昔 
48 大根の皮は剥かぬと諭されて 
49 苔庭の日暮れ寂しき冬紅葉 
50 初冬の夜道へ誘う電飾衣 
51 補助具付け杖つく人や冬日燦 
52 寒紅を引きて女は強くなる 
53 暗闇を燃やす晦日の熱気かな 
54 長生きのめでたきことと言ふ冬日 
55 綿虫や逢うて語るも易からず 
56 襖絵の虎の眼や山月忌 
57 日当たりて鴨一列に堰の上 
58 屑籠に師走の芥放り込む 
59 佇めば風吹き抜ける松手入 
60 冬晴の天守見惚るる竜吐水 
61 百均で探すあれこれ年用意 
62 枯蔦や異人屋敷の跡と聞く 
63 電飾の街や二人のクリスマス 
64 着物着て外つ国人も紅葉狩 
65 寒烏逢引きですか見つめ合ふ 
66 豆炭の埋れて赤き火鉢かな 
67 父の癖思ひだして冬至柚湯 
68 足音に日々の疲れや年詰まる 
69 吾子の名の縫い取りありぬ吾の手套 

間違い、その他不都合な点をご連絡下さい。

引用して返信編集・削除(編集済: 2025年12月13日 17:53)
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