Q
支配と依存に感情を使うことはわかりましたが、無関心にも感情を使ってますか?
A
ありますね。無気力な感じとか憂鬱でやる気がないとかいうのは、無関心のために感情を使うわけでしょう。関わらないために。
Q
気分と感情と感じとは違うものですか?
A
気分と感情と感じは、名前の定義次第なんです。言葉の意味が同じか違うかというのは人々が勝手に決めるんです。精神医学では、感情と情動と気分と3つ区別しています。これは精神医学者がお互いどうし言葉を使うときに、こういう定義で使おうねと決めているだけで、世の中全般に通用しているわけじゃないんです。だからあんまり気にしないでください。
Q
7月の子宮胎盤検診で異型細胞が見つかり、8月に再検査を受けることになりました。仮に癌であったとしても初期の子宮癌は手術で治るほうが多いと聞いていますので、また年齢的にも年を重ねてきているので心配していないのですが、できたら手術をするという負担を避けたいと考えています。
A
近藤誠氏の著書によりますと、放射線療法も有効かもしれないということです。
Q
癌と決まったとき現在の出産を主とした個人病院ではなく、私学の総合病院で手術を受けるか慶応病院で見てもらってからこちらの放射線治療を受けられる病院を紹介してもらうのがよいか、ある程度気持ちを決めておきたいと思っています。癌ではなかったらラッキーです。最終的には自分の判断で決めることですが、何かアドバイスをお願いします。
A
私、婦人科は成績が悪かったんですよ。産科婦人科とあと整形外科と成績が悪かったんです。何か関心が持てないんです、あれ。だって大学の医学部の講義って、暗くしてスライドで講義するんです。女性器の大写しを12分見続けてごらん、どれだけ興味が薄れるか。もひとつ関心持てなかったんですけど、だから今から言うことはかなり無責任ね。手術はね、もしも医者が「手術します。これ切ったほうがいい」と言ったとしますね。そしたら医者に訊くんです。「五年生存率はどれくらいありますか?」って。「5年後に私が生きている確率は100か50か20か0か?」。「まあ結構いい線です。この段階だと五年生存率あります」と言われたら切ります、どんな癌であれ。「切っても5年はちょっと難しいかもしれない」と言われたら切らないかもしれない。放射線療法とか抗癌剤についても同様に訊きます。放射線するとしないとで、5年間生き残る確率がどれくらい変わるのか。僕思うのに、手術したあとに放射線を併用するのは効果的だけれど、放射線だけで効果あるかなあ?ないんちゃうか、どっちかというと。ものによって違うからわかんないけど。だから、手術療法を中心に考えたほうがいいんじゃないかしら。癌は、政府が統計研究に凄い金をかけているんです。ある手術をしたら5年後いくら生きているかというのを、きちっと統計を出していまして、患者さんがしつこく食い下がれば、医者は言わないわけにはいかないんです、インフォームド・コンセントで。だから「五年生存率はどれくらいありますか?」って。自分のはわからないです、もちろん。一般的な統計でこの段階の癌で今手術したらと訊いて、希望を持てる数字だったら、あまり迷わないで手術を受けたほうがいいと思います。婦人科の手術ってそんなに大手術じゃないしね、どっちみち。病院はわかんないけど、癌の手術を受けるんだったら開業医さんはやめるな。まあ大きな病院を紹介してもらって、そこでやると思います。大学病院はもひとつ感心しません、どんな病気も。大学病院というのは、あれは治療施設じゃなくて研究施設ですから、医者の関心が治療のほうに向いてない。大阪だと、大阪大学とか大阪市立大学で手術するよりは、例えば国立病院とか府立病院とかで手術するほうが、医者の気がずっと臨床のほうへ向いているからずっといいと思う。
Q
テレビでお騒がせの「サッチー」についてひとことお願いします。
A
わからん。これも僕、アドラー心理学を学んで良かったことなんですけど、自分と利害関係のない人に興味ないんですよ。彼女には金も貸してもいないし借りてもいないし、あの人が生きていようと死んでいようと別にどっちでもいいから、私の課題じゃないと思えるので知りません。
Q
昨日こんなことがありました。夫がスーパーへ車で連れて行ってくれることになっていたんですが、昼食が済んで少し過ぎてから夫に「まだ買い物に行かない?」と聞かれました。私は夫に「早くして」と責められたような気がしたので、「だって今お昼ご飯が済んだばかりでお茶碗を片づけないといけないでしょ」と言いました。すると夫は「私は単にまだ買い物に行けないなら今のうちにタバコを買いに行こうと思って聞いただけで、あなたを急(せ)かしたわけではない」と説明してくれました。間もなく夫がタバコを買いに行って戻ってきたときに、「あなたは最近よく、『僕はこうこういうつもりだった』とよく説明してくれるようになったわね」と言ったところ、夫は「だってちゃんと説明しないとあなたはすぐに誤解して怒りだすもの」と言いました(これが夫婦が理解し合うということですね)。私はその夫の発言に深く感動したのですが、私はすぐに人の言うことを曲解してしまうので、「これって訓練して治せるかしら」と聞いてみました。すると夫は「無理でしょう。それは死ぬまで治らん」と言いました(私もそう思います)。完全に治すことはできなくてもある程度は改善すると思うのですが、やっぱり死ぬまで治らないのでしょうか?
A
治らないと思う(爆笑)。治らないけど、「私はいつも人の言うことを曲解する」ということを知っているということはできると思う。自分の「感じ」をそのまま信じないで、「これ間違っているかもしれない」と思うことはできる。だから「こんなふうに感じる。違う?」と聞いてみることはできるんですよ。でもやっぱり治らなくて、次また曲解するんですよ。だから諦めて、それは。でも、ある性格があるということとその性格を知っているということは別で、知っていればその性格を無意識に野放しにしなくていでしょう。