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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

お礼です。  島秀生様

ご感想をいただきまして、ありがとうございました。正直、読んでまっさきに、震えてしまいました。嬉しかったのはもちろん、怖くなってしまったんです。……もちろん今後を精進せよとの言葉と受け止め、励みます。私事ですが、いま詩作に、あぐんでおり、ああ、こういう方向に、もしかすると、新しい扉が、一枚、開いているのかと、受け止めました。重ねて、ありがとうございます。

編集・削除(未編集)

御礼 島 秀生様  aristotles200

島 秀生様
拙詩「アンデッド」に評とご感想をいただきありがとうございます。
名作との評、感謝いたします。

ご指導の箇所、ことごとく詰まったところです。
全体像、世界観は、うまく構成出来たのですが、赤い海の表現しかり、最後まで悩みました。
後ろから2連目、ここは後付けでして、違和感を覚えていました。
墳墓を三回まわる、等、礼記の好きなシーンを、アンデッドにさせたのは、東洋世界、東洋思想回帰が私の書きたいテーマなのかなと思います。
ver2で再度、推敲してみます。

作詩は難しいと実感しています。
さらなる精進に努めます。
今後も、ご指導のほどお願いいたします。

−追伸−
推敲したものを、私のブログ「自由詩 No.216」に載せました。
「アンデッド ver2」です。
とても良い詩になりました。
ご指導、ありがとうございます。

編集・削除(編集済: 2025年10月27日 21:36)

島様 お礼です 上原有栖

今回も丁寧な感想と評を頂きまして誠にありがとうございます。
前回の投稿よりも情景の描写は意識いたしました。(書いていて前回のは確かに分量が少なかったな……と改めて感じました)

ご指摘のアドバイスと作例を拝見して、2連がよりビシッと締まった印象でとても勉強になりました。話を拡げようとして色々手を出してしまうのは私の弱点のひとつかもしれないです。
また、3連に出てくる奇岩城は出してみたは良いけれど上手く扱いこなせていなかったです。(仰る通り、ポセイドンからのクラーケンでした)

次回も情景を意識しつつ、丁寧に詩作をしていきたいです。どうぞ宜しくお願いいたします!

編集・削除(未編集)

島 秀生さま 評のお礼です  相野零次

島秀生さま 評ありがとうございます。
粗削りというか、思いついたまんまだからそうなるのなと思ってます。
もっと推敲したいと思います。
なるだけって方言なんですね、勉強になりました。

編集・削除(未編集)

母の惑星  荒木章太郎

母が萎縮していく
母の惑星が萎縮していた
こちらから観ると
母は時空を超えていた
電話の向こうで 時が外れている

——天動説はどんどん複雑化して
何とか現状維持を続けてきた
そこに地動説が現れ
均衡は破られた——

この惑星のシステムは
そうやって進化する
旧態依然としたものは
異質を排除しながら
新しさを取り込み
均衡を模索して生き長らえた
どこかの星の保守政党のように

母は天動説に向かって
成長しているようにもみえた
私たち兄弟姉妹は
これから赤く膨張していく
母の惑星と運命を共にして

まるでアインシュタインの
一般相対性理論のように
運命が重力となり
時空を歪ませていく

我々は母の異世界を取り込み
生き延びようとするのか
家族という境界を越えて
新しい形に変化するのか

我々は母の惑星を
アルツハイマーと呼んだ

母の脳は萎縮していく
こちら側から観れば
忘却の彼方へ軌道を外れていく
それでも我々は
母の惑星に降り立ち
祈りのように 呼吸を合わせている

編集・削除(編集済: 2025年10月25日 20:01)

詩の評、お礼です  じじいじじい

島様

こんにちは。
詩の評、お礼です。
厳しい評価にも大変、勉強になりました。
深さが確かに不足しておりました。
また、後半が浅くなってしまうところなど改善していきます。

これからも宜しくお願いします。

編集・削除(未編集)

島 秀生様 お礼  ゆづは

お忙しい中、丁寧な評をいただきまして、どうもありがとうございます。詩の内容についてお褒めの言葉をいただき、とても励みになりました。また、ご指摘いただいた点にも、気づくことができ感謝しております。いただいたアドバイスは大変参考になりました。ご提案いただいた構成をもとに見直したいと思います。
まだまだ未熟者ではありますが、今後ともご指導いただけますと幸いです。貴重なご意見、本当にありがとうございました。

編集・削除(未編集)

島秀生様 評のお礼  松本福広

名作ありがとうございます!

色んな詩を書く方がいるし、色んな作品がある。
視点や表現が際立ったもの、特殊なものがある。
天才でもないし、普通に生きてきた凡人なりに色々な角度から見てやるしかないじゃないか!
が本音としてありますので、評の最初の方にデレデレしております。

注釈誤解していたようですね。外しておきます。ご指摘ありがとうございます。

引き続き、頑張っていきます。

編集・削除(編集済: 2025年10月25日 12:45)

評、10/10~10/13、ご投稿分、その2。  島 秀生

MLBポストシーズンを見ていて学んだことがあります。

・レッズとレッドソックスは別のチーム
・ブリュワーズとブルージェイズも別のチーム
・ブルーソックスというチームはない
・靴下をはいていない男はいる
・Los Angeles にも天使はいる

(どこまでがマジメなのやら……)

連ドラ『ばけばけ』のヘブン(小泉八雲)役の、トミー・バストウさんが言うには、
撮影が終わったあとに、スタッフ含めみんなが「お疲れ様」と言い合う、この「お疲れ様」に当たる言葉が英語にはないと言う。

英語で近いのは「good job」だけど、「good job」はちょっと上から目線になるんだそうな。皆が対等に、互いの仕事をたたえ合う、「お疲れ様」という言葉は、英語にはないと言う。
日常使うなにげない日本語を、誇らしく思えたエピソードでした。


●トキ・ケッコウさん「訪問」  

トキ・ケッコウさんは、結構書ける人だなと、実は横目で見てたんですけど、この作品を見ると、やっぱり本物だなとわかりますね。

過度に多忙を極める時や、悩みが一度に複数襲ってくる時などに、心に鬱が入ってくる人は少なくありません。大事なことは、自分に鬱が入ってきてる時に、あ、いまオレ鬱が入ってきてるなと、自分で気づけることなんです。そういう、自分を客観視できる眼が自分にブレーキを踏めるのですけど。
この詩はいわばその自分への客観視の延長で、鬱に行く自分を、自分の分身として描いてみせています。本質のところで鬱に向かって行きがちな自分を、もう一人のちょっと冷静な自分が、なだめすかそうとしている構図で描かれている感です。
ただ、妙に明るすぎるふるまいをする自分も、本当の自分でないと思うところもあり、両者のバランスを取るのが難しいですよね。
この物語は、物語風でありながら、表裏一体の裏側で、自分との対話をずっと続けているかのようです。
深いし、且つおもしろいですよね。文体も1行1行丁寧に追えていて、いいと思います。
この作は、トキ・ケッコウさんの現時点におけるベストパフォーマンスじゃないですか。
名作あげましょう。


●相野零次さん「ロスト」  

最初は寂寥感として登場する「ロスト」ですが、
ロストがしだいに膨張していくのに従い、恐怖と焦燥に変わっていくかのような加速感が詩にあります。そこがこの詩のいいところですね。
世界からすべてがロストしそうな中、ぎりぎり間に合った主人公は、神の啓示を受け、自分のやるべきことに気づきます。
ロスト前の世界の記憶を書き残すこと。それはこの物語上のことにも見えるし、今現実の作者の使命感でもあるような気がします。

相変わらずの荒削りさはあるんだけどね、いい詩でした。一歩前に進んだ。
(一歩前に進んだので、ちょっとハードル上げて)おまけの名作あげましょう。

ちょっと一点。後ろから2行目。
「成る丈」(なるたけ)に由来する「なるだけ」という言い方も×ではなく、あるのはあるんですけどね。ここは「自分のできうる限りの克明さで記録した。」くらいの言い方の方が標準語的でいいと思います。


●上原有栖さん「やどかり」  

私、この詩、4連がとても好きですね。たしかに波には自分の影がちゃんと映らない。そう言われてみればそうだという発見と、そのことに関わる心の描写がとてもいい。
また、2連の1~2行目の言い方も、すごくオシャレでステキでした。

ラスト3連も、この詩の主人公が少年だという設定に立てば、足をケガしても、ひとりぼっちで海から帰ろうとしない様が、少年の寂しさや孤独感の情景を、よく表現できていていいと思う。
ただ、5連以降に来るまで、少年と思わなかった、というか、「少年」と設定しなくても読めてしまうので、後半になって極端に少年化したな、の感はあります。

うむ、でも情景を丁寧に書いてくれてるのは好感。名作あげましょう。

あと、もうちょっとだけ気になる点をいうと、
2連の3行目「潮に流れて押し流されて」は強いていえば、「潮に流れて押し戻されて」かな、と思うけれど、
この詩、初連で場の状況を、すでにしっかり書いてくれているので、2連3行目自体が繰り返しに過ぎない。リズム的に入れたいのかな?と思うだけで、ホントはない方がすっきりします。流れを見てもらうのに、初連から行きます。

潮が引いて現れた
凸凹の窪みに波音が打ち震えて
塩辛いプールに取り残されている
小さな生き物の気配
そっと陰に隠れたのは やどかり

母なる海は遠く沖の向こうまで
ポセイドンに呼ばれて行ってしまったよ
だから暫くここに居ようよ
そう言って
ぼくは足を君たちの住む世界に浸した

初連でもう場を完全に言っちゃってるので、2連は次の展開に行って、いいと思うのです。私は2連3行目は、いらない案です。
それと「短い足」は、自身を謙遜しての言葉、あるいは少年を意識しての言葉だと思うけど、自虐ジョークはいらない場面だと思うことと、ここ、他の生物も出てくるので、「短い足」がまた別の生物がいるかに想起させるので、その言い方は、ここではやめた方がいいです。

あと、3連1行目なんですが、
ここ、主語の切り替わりがあるので、新たな主語を置いているという意味で、「岩礁の奇岩城」は単独で置いてほうが私はいいと思います。
それにしてもこの奇岩城、(城というかぎりは聳えてるはずだけど)、怪物が住んでた跡ということなのか、上陸の際に削れた足跡があるということなのか、どこが何に見えるという話なのか、もう少し書いた方がいいかもしれないですね。2行目だけではどこを何に見立ててるのか、ちょっと想像しにくいですね。(ポセイドンを出したから、もう一つと、クラーケンも出したのでしょうけど)


●荒木章太郎さん「自由だ」  

1~3連の「自由」のところは、デニムのジャケットとかを想像すると、ちょうど嵌まりそうですね。「カジュアル」という言葉の中にも似た意味がありますけど、作者の「衣」のジャンルにおける自由マインドの象徴である一着であったようです。一方、リモートの彼女は、デニムをフォーマルに着こなしていたようです。4連の( )内の彼女のセリフにも一理ありますね。とりわけ女子高とかは制服の細かいとこまでうるさいところが多いので、卒業後の私服の解放感には、「自由」を体感するものがあったのでしょう。

2連のメルカリの「誰が仕入れたのかも/知らない自由だ」も、なるほどこれも「自由」のうちなのかと、この「自由」の捉え方も、ちょっとおもしろかったです。

5連の論を経て6連(終連)では、現代社会の方針としての「自由」、あるいは社会人として生きるに規定されるところの「自由」を、先程の衣の自由の話に絡めて、

世界中の国々で着古された自由を
俺はどのように身につければ良いのか

と表現されたところも、おもしろかったです。

一点いうと終行は、

俺はどのように身につければ良いのか
夕暮れに沈み込む灰色の壁を
ただ途方に暮れて見つめていた

これでもいいように思います。

また、「新自由主義は」という言い方をしてしまうと、政治・経済の施策におけるネオリベラリズムの意に抵触してくるので、つまり定義的なものと同じ言い方になってしまうので、「先進の自由主義」「最新の自由主義」などの言い方に逃げたほうがいいと思います。

うむ、まあ悪くない。秀作プラスを。

編集・削除(編集済: 2025年10月25日 18:24)

評、10/10~10/13、ご投稿分、その1。  島 秀生

●じじいじじいさん「信じる」  

うーーん、名前の「未来」のところは、おっ!と思ったんですがね、詩の後半、なんでその「未来」で、もっと押していかないかなあー
名前の未来と子供の未来をもっともっとタイアップさせて、話を続けて行かないかなあー
いつも良いこと、良いところを書いてくれていて、スタートはいいのだけど、話の突っ込み、深さのところで足りないので、結果、どうも平凡なところで終わってしまいがちになります。さわりのところは書くんだけど、その人の心情への入り込みが足りない。

今回も、子供の誕生のシーンを描いてくれていて、いいシーンなんだけど、本当にママになったばかりの人の心情を描いているなら、もっと真剣にその人の心情で書いてほしいと思うわけです。
まずもって、その子の健康を願わない親はいない。その言葉がない。また、後ろの2連目は、あまり生まれたばかりの子供に言う事柄ではない。もし同様の内容を言ったとしても、そんな説教がましい言い方は、生まれたばかりの子に絶対しない。「一つだけ言っておきますね」なんてセリフは論外です。
そういうところがいつも安易なんですよね。その人の心情にもっと真剣に入り込んで欲しいと思うわけです。

終連もそう。最初に「ママ」と言ってるんだから、終連も「パパと私は」じゃなくて、「パパとママは」ですよね。入り方が浅いところが、こういうところにも出てるんです。

たぶん、前の1~3連は見聞きした部分があるのか、ベースがあるのか、まだしゃんとしてるんですけど、4連以降の後半がいけない。

市販の絵本を読んで頂いても、どの本にもハッと感動させるものがあるでしょう? じじいじじいさんのは、雰囲気似てても、そこがないんですよね。そのハッと感動させるものは何かというと、やっぱりぐっと深い想いや、ぐっと深いヒューマンから出てくる意外なひとことや事柄なわけです。私はそこを求めたい。それがないのは視点とか個性とかの問題じゃなくて、つまるところ深さが足りないから出てこないのだと理解してほしいわけです。

ピュアーな心から出てくるやさしい言葉もたしかにあるのだけど、ぐっと深い想いや考えから出てくる、やさしい言葉もあると知ってほしいし、じじいじじいさんに望みたいのはむしろ後者。

うーーん、どうもいっこうに改善が見えないので、きょうはちょっと厳しめに書きました。ご容赦下さい。
秀作一歩前です。


●aristotles200さん「アンデッド」  

うむ、この詩はちゃんと視線が順に追えてるのでいいと思います。主たる人物の輪郭と行動が明瞭に伝わります。
この詩の舞台は、「大きな戦争とそのあとに起きたウイルス汚染で死体の山」となった世界、すなわち人類が死滅した後の世界であるようです。現実に、地球全体を巻き込む核戦争と隣り合わせの現代であれば、この舞台設定自体が、人類への警鐘の意味を持っていると、まずもって言えます。
また、意志を持たない完全悪として描かれがちなアンデッドですが、アンデッドとは終末戦争後の元・人間の姿であり、アンデッドにもアンデッドの孤独があると描かれているところが特徴的です。
設定が非常に興味深いし、人物もよく追えている、いい詩だと思います。途中で驢馬と出会うのもナイスアイデアでした。
名作あげましょう。

2点、気になるところがあります。
まず5連。リズム的に今の5連がちょっと浮いてるので、5連をうまくはめるために、5~7連前半までをこんな感じに置いてはどうでしょう?

赤色と化した海にも潜った
魚はおろか
藻すら見かけない

襤褸をまとい
遥かなる高峰にも登った
頂上で見つけたのは、白骨のみ

そうして
何十回目かの荒野で、アンデッドの驢馬と出会う

こんな感じが一つの案です。
あともう1箇所。
ラストの処理なのだが、東の国の話は、暗に、今の日本にはアンデッドみたいな人が多いというアイロニーにも受け取れて、それはそれで意味があるところも認めるのだが、ストーリー上は、ここでアンデッドに一縷の希望を作ってしまうことになる。
すると、その希望についての後処理が必要になってくる。また続編を書いて、その希望を叶えてあげるか、なんらかの形で、その希望も消失させるかが、必要になってくる。
例1

記憶の人たちと
何処かで
出会えるかも知れない

白骨となった旅行者の手帳には
こう記されていた
遥か東の島国に
不死者たちの国が存在する
朱色をしたtoriiをくぐると
人間のように
語り、生活できるのだという

しかしアンデッドになった彼に
もう文字は読めない

襤褸をまといしアンデッドは
今日も一人
荒野を彷徨っている

という感じが、その希望を消失させる方の例です。
しかしながら、ここまでのこの話の流れから感じるのは、ある意味、人間の永遠の欲望である「不死」が、決して幸せなどではなく、絶望の無限ループであることを思わせる。私はこの幸せにも希望にも出会わない不条理な生のまま終えた方が、ストーリー全体として意味があるように思う。なので、私の意見としては、後ろから2連目は削除で、希望を作らないまま終わる案、
例2

記憶の人たちと
何処かで
出会えるかも知れない

襤褸をまといしアンデッドは
今日も一人
荒野を彷徨っている

の方が良いと思えるが、そこの判断は作者にお任せします。
ただ、後ろから2連目については、後処理をするか、削除するか、なんらかの処理が必要となる箇所で、このまま放置はいけない、という点だけは申し上げておきたいです。


●松本福広さん「鏡の憂鬱」  

まずもって、いつもながら、松本福広さんの視野の広さには感心します。題材の範囲の広さはピカイチです。

4連の「鏡の法則なるものがあるらしい。」以降、その解説となるところ。また、7~8連の、空を見られる私たちの特権の話のところは、凄く説得力のある話で、とても良かった。感激がありました。
正直、この8連で終わってもいい気がしましたが、作者的には終連が書きたかったのだろうから、まあ……、止めないでおきますが、9連をもうちょっとスルリと軽く書いてもらったら、終連まで行きやすくなったと思います。

力作でしたね、名作を。

ところで、ちょっと万華鏡の話をしますが。

※奇数の合わせ鏡……万華鏡は偶数の合わせ鏡で作られます。奇数だと鏡像が重なってしまいブレた画像になってしまうそうです。

と、書かれている注釈があまり正確な言い方でないので、ちょっと訂正させて頂きたい。

まず一般的な万華鏡は、正三角形の状態に置かれた合わせ鏡です。鏡の数だけを言うならば奇数です。また鏡4枚で四角形の形でもできるのですが、鏡像がただ単調な繰り返しになるだけとなり、おもしろくない。美しいのは三角形が繰り返し隙間なく並ぶ形なので、ある条件を満たす三角形が使われます。その条件は、

条件①内角が360゚の約数であること。
さらにその約数は、360度から割った時に偶数となることです。
条件②360÷内角=偶数であること。
です。
これらの条件を満たし、且つ
条件③三角形を描ける角度であること。
を満たすのは、
30,45,60,90の4つの角度だけです。この4つの角度から作れる三角形は3つあるんですが、中心部にのぞき穴をあけたい。また円筒形にして回したい、ということから3枚の鏡を正三角形に合わせる形が万華鏡では使われます。(芸術作品などの特殊なケースをのぞき、この形)

なお、条件の①②を満たすことから、六角形、八角形も理論上できるかに見えますが、六角形以上は万華鏡の法則自体が成り立たなくなる(無限の繰り返しが起こらなくなる)ので不可です。

言っておられるのは、条件②のところの偶数のことではないのでしょうか(五角形がダメな理由となる)。

詩に話を戻すと、
詩中の、奇数の合わせ鏡が重ならないこと自体は間違ってはないし、万華鏡が多重の合わせ鏡であることにはちがいないので、ある意味、詩中は明瞭には書いていないのでセーフに思います。注釈だけはずしてもらえばいいと思います。(注釈ではっきり書こうとした時に、語弊が出てるだけなので。)
注釈さえなければ、詩はそれなりにちゃんと読めます。「万華鏡」メインの話ではなく、「合わせ鏡」メインの話として読めます(万華鏡は脇役として)。


●ゆづはさん「霧の朝」  

金木犀の香りは、お父さんが亡くなった季節を思い出す香りでもあるという、とても想いの深い詩だと思います。また、この詩、とてもしっかりと書いてくれていて、そこは評価したいと思います。

ただこの詩は、構成上、ちょっと考えてほしいところがあります。時制(現在と過去)が激しく出入りすることです。

1~2連(現在)、3連(過去)、4連(現在)、5連と6連は、どちらも1~2行目のみ(過去)で、3行目以降が(現在)のハーフです。この出入りの激しさにより、映像がすごく分散してしまう。読んでてワールドが定まらないのです。なので、時制の整理をされた方がいい。

提案としては、現在→過去→現在、の3区切りに集約した方がいいと考えます。
1~2連は現在ですが、3連アタマで、「あの日 私は」とあるので、ここをスタートに、過去部分は集約してしまう。そして最後はまた現在に戻るというパターンです。

それと、初連で、「六度目」という言葉があり、これは「何からの六度目なのだろう?」という謎かけを、最初に読み手に投げかけていることにもなっているので、その謎かけの答えであるところの「父」という言葉は、もう少しくっきりさせた方がいいです。

以上の理由で、3連以降は、こんな感じにしてみる、というのが提案です。

あの朝 私は
深い霧の底で息をひそめていた

掠れた父の声が
病室の闇に溶けて
世界は輪郭を失い
庭の木々も 鳥の声も
ただ白い静寂に包まれていた

秋の気配がまた肩を撫でると
遠く どこかで歌声が響く

それは 父の声なのだが
記憶の残響と混ざり合い
もうはっきりと思い出せない

ただ 傍らにあった温もりは失せ
空だけが
いつもの場所で
違う色を滲ませている


この構成を参考に、ご自分で一考してみて下さい。

内容は亡き父を想う、とてもいい詩なんですけどね。ちょっと惜しい。
秀作半歩前とします。

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