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夜明け前、朝の通勤風景
あくび、眠け
駅のホームで並んでいる
ビルに囲まれ
空は少ししか見えない
突然、空が白く輝く
ざわつく通勤客
何が起こったのだろうか
重量音がする、振動
ベチャ、ベチャと聞こえる
悲鳴が、あちこちから上がる
空を見上げると
巨大な、黒と赤のお腹が見える
え?
膨らんでは縮む
ビルを凌ぐほど大きい
アカハライモリが目の前にいる
巨大な両生類は
目の前の餌に気づく
じっと見つめ
驚くほどの敏捷さで
通勤客を呑み込み始める
悲鳴
パニック
それぞれ逃げ始めた
ペチャ、ペチャ
後ろに
巨大なアカハライモリの息
イモリは動かない
この表情と、お腹のまだら模様は
家で飼っている
アカハライモリそっくりだ
まさか
ニョロか?
こちらを見ている
ああ、ニョロだ
どうしたんだ、いったい
目の前に迫る
巨大なアカハライモリの顔
肌に触れる、うまく制御できるかも
遠い記憶が蘇る
数千年前、文明を崩壊させた
−巨神兵の七日間−
巨神・イモリの口から放たれし
ソドムとゴモラを滅ぼした、天の炎
大きく口を開けるアカハライモリ
面白い
ニョロに命じる
薙ぎ払え
と、呑み込まれた
水の本性ってなんだろう
今飲んでるこのおいしい状態が本性?
ほんとかな
水って怖い時あるからね
この量だから飲みこめるけど
落ちて流れて集まって
深い深い海になれば
飲まれるのは僕の方だもんね
温度を変えても危険になるよね
例えば熱湯とか
浴びてしまってやけどを負うと
最悪酷い事になるくらいには
例えばつららとか
長いの刺さったら致命傷だよ
子供の時冬に屋根下くぐるの怖かったんだよなぁ
後は機械で発射すれば何でも切れるレーザーになったり
それは人が手加えてるからアレだけど
うん?でも他のやつはどうなんだろう
他のも周りのせいじゃないか?
その環境だから
水もそういう状況だから
それに合わせた態度取ってるだけで
どの状況にいる時が本性なんだ?
人間はどうだろう
俺は一人でいる時が本性だと思ってたけど
一人でいるからそうなってる訳で
そうだね
水の本性決めかねるなら
人間の本性も決めかねないとね
ポツ ポツ
雨が降り始めて来た
やだな、傘持ってきてないよ
そういえばここ最近ずっと振ってなかったよな
「畑が潤う」とか
じいちゃん呟いてんだろうな
あの人たちはひとつの紙飛行機に乗っているのだ。晴れていればいいが雨もあるから二人とも落ちるかもしれない。そこでくだらない子供に拾われ折り直されてしまってもう飛べなくなるかもわからない。しかしそんなことはあの人たちにはきっと織り込み済みなのだ。だからなんとも思わないふりをして飛ぶのだろうしカラスやスズメやそういった羽のあるやつらがちょっかいをだしてくることも時にはあるだろうけれどおそらくそれもあの人たちにしてみれば想定されたことなのだ。ただ。
もどかしいのは…… あの人たちがどこまで二人で飛べるのかではなくどのタイミングでヒトの手に渡って捨てられてしまうかということだ。── こればかりは飛んで行かなければわからないことになると思う。でも。
あの人たちは飛ぶし仮にどちらかが力尽きて飛べなくなったとしても互いの相方を背負って飛んで行く。それだけははっきりしておりそうやって二人ひとつの紙飛行機として飛んで行きやがて降りることになるのだろうと信じる。ところでそこは目的地ではないし終点でもない。補給地でも経由地でもない。── ではどんなところだろう。
地平線いっぱいに広がった、そこはおおきな一枚の紙なのだ。…… もう誰も覚えていないとされる場所でもある。そこでようやく紙飛行機に乗るのをやめたあの人たちは。
ふたたび、二人それぞれの紙へと切り分けられるのだ。
好きだったんだ
本当に心から
愛していたと言ってもいい
森の中で初めて彼女を見つけた日から
食欲よりも愛が勝ってしまったんだ
だから何度も何度も
お婆さんにお願いしたんだ
お付き合いを許してもらおうと
だけど………だけど人とケモノは………
気づいた時には
お婆さんを丸呑みにして胃袋の中
やがて来る赤ずきんさん
どうしても一度だけでも
赤ずきんさんと近くで話がしたかった
赤ずきんさんを近くで見たかった
赤ずきんさんに少しでも触れてみたかった
赤ずきんさんはベッドの中に隠れている僕に尋ねるんだ
俺は素直に心のまま答えていた
大きな耳は君の声を聞きたいから
大きな鋭い瞳は君を見つめていたいから
大きな手は君に触れてみたいから
そして大きな口は………ケモノだから!
食べてしまいたいくらい愛していたから
誰にも渡したくない
強く危険な衝動は
赤ずきんさんの怯えたケモノを見る目に動かされた
気づいた時には
彼女は僕の胃の中で僕と一つになった
安堵感と満腹感で僕は寝てしまった
通りすがりの狩人が僕の腹を割くまで
僕は何も気づかないで夢の中だった
身体を走る痛みで開けた瞼の先には
真っ赤なお婆さんと赤ずきんさん
あの時の君の瞳に宿る憎しみ
僕の意識が薄れてゆく中で聞こえたんだ
このケダモノ!って
狩人がつぶやく
なぜ丸呑みしたんだろう?と
当たり前じゃないか
愛する人を牙で傷付ける訳ないだろう
ああ でも一瞬でも一つになれた幸せを僕は胸に抱いて
地獄へと落ちてゆく
後悔なんてありはしないさ
愛する人を食べれたんだから
人生のフレームが大きくなってゆく
フレームの素材が
いつの間にか硝子から木に変わって
そのフレームの中に軽石を投げ続ける行為が
生きてゆくことのように思えて
やがて投げること自体を止めた時
フレームの奥に在る空を見つめる時節が訪れ
死という確かな予知をして
小雀の命と私の命の
ひとときの出逢いを恵みとして
小さく生きれば
フレームのより大きくなったように思えて
愛らしく人生を枯れてゆくのです
私の中から
思い出と記憶が取り払われて
フレームにその代わりとして
形骸的な飾りを残したく
私は見ることが出来なくなり
聞く耳を持たぬようになることを
自然と自分に許されんことを
小雀が飛んだ軌跡が
もしくは
誰かが小雀を見た記憶が
私にデジャブすることを目下の願いとして
是と記すものです
胸の奥でひそやかに囁く
呪文にも似た願いは
一枚の濡れた花弁となり
凍てつく土へと還る
それはかつて
闇に呑まれし言葉が
刹那の命を宿し
無声の風に舞い上がる
想いの棘に貫かれ
痛みに引き裂かれた言葉の残骸は
月光すら届かぬ深海に堕ち
ただ空虚な響きを残し
西の涯へと沈みゆく──
やがて朽ち果てた花のように
この躯は時の深淵に葬られ
無垢なる死の安らぎを纏うだろう
それでもなお──
静寂の闇に抱かれ
苔むした墓石の下で
息をひそめ
再び咲き誇る日を夢見ている
それにしても
このCDを、今まで何回
繰り返して聴いたことだろう
新入社員の頃に手に入れたのだから
そろそろ四十年になる
たしか、もうなくなってしまった
駅前のレコード屋さんで買ったはず…
はじめは、ジャケットに描かれた
ピアノ曲で有名な
あの作曲家の肖像に惹かれたのだが、
それだけでなく
「前奏曲集」
というタイトルが
妙に気になったことを思い出す
何のための前奏なのだろう?
もっと規模の大きい楽曲の前に
演奏した曲なのだろうか?
それとも
何か特別な機会の
幕開けで演奏された曲?
聴きはじめて
どの予想も
的外れなのがわかった…
全部で二十四の前奏曲は
どれもが短いけれど
それぞれに固有の
捨てがたい味がある
それに、何れの一曲にも
独立した風格が感じられて
前振りとか、前座とかで
演奏されるような曲とは
とても思えない
ただ、収められた幾つもの曲が
お互いに全く関係が無いかと言えば
そうとも言えない気がする
なぜなら
第一番から第二十四番まで通して聴くと
まるで一人の人間の人生が
綴られているような
感覚に囚われるから…
静穏な幸福に満たされた、
至福の時を描写する曲もあれば
時代の動乱に巻き込まれて苦悩する姿を
浮き彫りにする曲もある
青春の情熱を賛美する曲もあれば
愛の痛みを嘆く曲、哀愁に沈む曲、
そして老年の孤独を癒す曲がある
とすれば、この曲集は
作曲家がこれまでの人生を
振り返って創った、
ということになるのだろうか?
四十年来、わたしが
この「前奏曲集」を
繰り返して聴き続けてきた理由も
そこにある
そのときどきの
自分の状況や気持ちにピッタリ合った曲を
必ず見つけ出すことができたから…
きっと、それぞれの人が
自分の今を重ね合わせることができる
―そんなアルバムだと思う
ただ、こうした人生の深い真実に触れる
数々の曲を創ったとき
作曲家は未だ二十代だった、
という事実を知って驚くほかはない
そこで、また
最初の疑問に戻るのだ―
そう、「前奏曲集」というタイトルだ
後になって知ったのだが
独立した即興性の高い曲にも
前奏曲と名づける作曲家は
結構いたそうだ
だから
わたしの愛聴する
この前奏曲集も、
そちらの例に入るのかもしれない
しかし
わたしは敢えて
こう考えたい―
波乱の時代に青春を送り
人間と世界への
類まれな洞察力を養った作曲家が
自身の前半生を回顧する作品として、
また、一層の困難が待ち受けているであろう、
これからの人生に立ち向かうため
その「前奏」として作曲したのだ、と…
だから、わたしも
この曲集を決して
老境の慰めとしては聴くまい
たしかに、これまでの人生で
甘いも辛いも知り尽くしたように
勝手に思い込んでいたけれど、
それは、とんだ考え違いで
これからまた波乱万丈の展開が
待っているかもしれないのだ
まだまだ枯れてはいられない―
わたし自身の、これからの人生の
「前奏曲」として、そして
自らを鼓舞するために
このアルバムを聴くとしよう
僕が生まれることで この世界の何かが動き始めた
それが何かと問われれば例えば僕の心臓や脳といえるし
僕の母や父の喜びといえるしお医者さんたちの慌ただしさだといえる
世界には喜びと哀しみがあって僕が生まれることは喜びから始まることだとは僕にはわからない
だから僕は声を上げて泣いた思い切り泣いたこの世界を震えさせるほど泣いた
元気な泣き声は赤子にとってのかけがえのない自己主張の手段だった生きてる、僕は生きてるぞと訴えるための泣き声だった
世界はもう安心していた 僕が生まれるまでは少し不安だった
そうした世界の不安や安心が僕に伝わるにはまだしばらくの時間が必要だった
人はいつか気づく 世界と人間との切っても切れない感覚を それは誰でも持っているものでありある種の人間にとっては大事なとても大事なものだった
例えば百メートルの世界記録を出そうとしている人間には最重要情報である
自然は人間と世界を明確に結び付けていた
人間は自然の恩恵を受けずには生きていけないだろう
稲の穂が実り 鮭が生まれ故郷に戻り 鶏が卵を産むようなこと
そして世界は誰にでも平等に美しかった
太陽の光は全てのものに恵みを与え
星の光たちは全てのものを見守った
僕は今生まれた それは世界の始まりのひとつだった
ついつい
同業者を見かけると
知り合いではない人でも会釈をしながら
心の中でお疲れ様ですと言ってしまう
自分も含め朝早くからお疲れ様ですと言いたい
仕事はやりがいがあるのに
時々虚しさのような感覚に陥ることがある
自分は何を目指しているのか求めているのか
秋の気配がそうさせるのか
考えれば考えるほど深みにはまりそうなので
休日はしたいことをするにかぎる
そう考えを変えたら
前向きになれた自分がそこにいる
まずは
部屋の掃除をしてから買い物に行くとしよう
一枚の葉が
それは唐突に
私の目の前で秋という宣告をするかのように
地面にパタリと落ちた
嗚呼 まだ黄色い葉じゃあないか
葉桜を見上げると
緑色の葉がまだ多くひしめき合っていて
黄味掛かった色の葉は少なかった
秋の入りは緩やかなどではなく
私が思うよりもその季節の変化を
厳然と
かつ落胆的に表出させているのかも知れなかった
気付いた時には秋
アスファルトの地面に落ちたその葉は
収まりの悪く
決まりの悪いように
人工物とのコントラストを見せている
本当はまだ枝にくっついて
徐々に枯れてゆき
充分に赤味の色を付けたところで
緩やかな秋風に誘われるようにして
力なく枝から離れて
はらはらと落葉したかったろうにと
そしてそれをさも情緒的な美しさとして
私は見とれたかったのだけれど
実際は
若きその一枚の落ち葉は
私の心に秋という傷痕を残した
死が唐突であるかのように
生が奇跡的であったかのように
なあ いつまで見つめていても仕方が無い
ぶっきら棒になって
私はその場を振り切るようにして
自転車のペダルに足を掛けて漕ぎ始め
ようようよくも立ち去ったのだ