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土曜日の公園で おおたにあかり

小さなちいさな公園に
置き忘れた玩具みたいな
青いすべり台一つ
ペンキがペカペカ塗りたてで
以前は黄色だったかもしれない
ちいちゃなすべり台

まだ二歳にならない子は
下り坂一合目から
すべるのが精一杯
なのに大はしゃぎ
何度も何度も繰り返す


嗚呼。私、大人になってしまったのが
残念です

しゃがみこんで
出来るだけ小さくなってみて
触って思い出そうとする
砂の味

夕方のにおい含んだ
冬待ち風吹いていく
どこのお家からかカレーの香り

「あと三回すべったら
家に帰ろう」
もう何度目かの言葉
さっきより大きな声で言う

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キラキラテラテラ  じじいじじい

よぞらをみたらたくさんのほし
あきがきてほしがふえたかんじ
さむくなってきたから
くうきがきれいになったからかな

ちいさいほしキラキラ
おおきいほしテラテラ
あっちのよぞらはキラキラ
こっちのよぞらはテラテラ
あつまってほしのがっこうみたい

こんなにきれいながっこうなら
まいにちいってわたしもいっしょに
キラキラテラテラ
よぞらいっぱいのキラキラテラテラ

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舌足らずの短文

舌足らずな言葉がある
それは詩ではなくて
舌足らずな言葉がある
それは散文でもなくて

言い尽くせない想いがある
言葉の向こうに
秘められた熱い想いが

その想いを汲み取れたら
それは詩になるだろう
あなたの心の中で

行間の余白にも
頁の白紙の部分にも
それは書かれていない
炙り出されてもこない

それは貴方独りが想うもの
貴方の中に詩を創るもの

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震える〜誰かの声が吊し上げられる時〜 晶子

たとえば
友達がふるえていたら
私は
寒いのって聞きます
違うって言ったら
じゃあ怖いのって聞きます
そうって言ったら
どうして怖いのって聞きます
理由を聞いて
大丈夫だったら
大丈夫だよって言うし
大丈夫じゃなかったら
怖いねって言うし
それしか出来なかったら
ぎゅって抱っこします

だってふるえるなって言ったって止まらないし
怖いのは怖いってことだから

なのに過去に受けた痛みからくる震えに
震えるなって
怖がるなって
逃げるなって
現実的じゃないって

焼けただれた皮膚の痛みを
殺意を向けられて千切れそうにそうになった痛みを
文字でしか知らず
写真でしか知らず
慌ただしくページをめくり
ため息をついてチャンネルを変えて
次の画面にスライドする

どうして怖いのって
どうしてちゃんと聞けないのだろう
コトバハジョウホウデアリ
ジョウホウハハヤサデス
ミサイルヨリモハヤクハヤク
ネットで呟くのは誰
恐怖に絡め取られた明日の私

震えを否定する者達もまた
理解されない痛みを抱えて
自分の震えさえ黙らせて
震えを怒りに切り替えて
互いの見えない暗い道を追われるように走っていくの
あの子のふるえの止め方も知らないまま

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空  山雀詩人

わたしは 小さな小鳥です

ふふっ
〝小さな小鳥〟って おかしいですね

でも ほんとにそうなんです

たとえば 小鳥といえば
スズメさんかな すぐ思い浮かぶのは

わたしは そのスズメさんより
小さいです ひとまわり
そう だいたい 2センチくらい

ね、やっぱり 小さな小鳥 でしょ?

わたしは 体が黄緑色で
目のまわりだけ 白いです

なので 人間さんからは
メジロだなんて 呼ばれています

得意なのは 飛ぶことです
そう 結構なスピードで

あ、人間さんは 飛べないんでしたね
ふふっ かわいそうな人間さん

だって 飛ぶって
ほんとに 楽しいんだもの

風と じゃれあっこして
雲と 追いかけっこして
どこまでも どこまでも 飛びたいな

わたしの願い

好きだから

この空が

広くて
何のじゃまもない 自由な空が

   *

地面に小鳥が落ちていた

黄緑色の小さな小鳥

実際それは
〝小さな小鳥〟だった

小さいとは分かっていたが
間近に見ると
こんなに小さなものだったとは

駅までの歩道
国道は今朝も渋滞
遮音壁が取りかこむ

透明なアクリル板
その先に
空があると思ったのだろう

痛かったね
びっくりしたね

ティッシュにくるみ
街路樹の茂みにとむらった

手を合わせ
目をつぶる

前にもあった
同じことが同じここで

もう嫌だ
もうこんなの見たくない

固く閉ざしたまぶたから
気持ちたちがあふれだす

目を開ける
空があった

アクリル板の向こう側

ぐにゃぐにゃに ゆがんだ空が
 

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ひらがなで  秋冬

最近
ひらがなで
考える
ようにしている


難しい
ではなく
むずかしい

困った
ではなく
こまった


ではなく
いや


なんとなく
ハードルが
下がった
気がするのだ

漢字テストが
嫌いだったのに
大人になって
漢字で考える
ようになったのは
単なる見栄で
大して難しくないことを
漢字で考えると
大したことのように思えるから

漢字が
苦手なくせに
自分で
自分に
酔って
とにかく
難しい顔をする


ひらがなで
かんがえる
ようになってから
ぼくは
こころが
しずかになった

みんなが
ひらがなで
かんがえれば
よのなかは
やさしくなれる
のかもしれない

編集・削除(編集済: 2022年11月19日 13:08)

部品  ピンボケに気づいた大人

電気信号が届かなくなって
どこに向かえば良いかわからなくなった

機械仕掛けで動く体は
キシキシと鈍い音を立てるから
歩むたびに自分が傷ついて行くのがわかった
でも、どこかに向かわずにはいられなかった

ある日、似たようなやつと出会った

そいつは少し一緒に歩いた後で
「僕の中のこのパーツとこのパーツを取り付ければ、
 君はもう少し楽に歩ける様になるよ」
そう言って僕に自分の部品を取り付け、
どこかに去って行く

「君は良いのかい?」と僕が尋ねると
「僕は誰かに貰うから大丈夫」と答えた

またある日、似たようなやつと出会った

そいつも不器用そうに歩くから、
あの日の彼を真似をするように、
今度は僕がそいつに自分の部品を取り付けた

ところが、そいつは少し迷惑だと言わんばかりに
何も言わずにその場から去って行った

僕は少し腹を立てたが
そんなこともあるかと飲み込んだ

それからいろんなやつと出会った

部品をただくれたやつ
部品をあげたやつ
部品を交換したやつ
部品を盗むように貰って逃げて行ったやつ

そうこうしているうちに
キシキシと音を立てていた僕の体は
それなりにスムーズに動くようになった

ある日、別のやつと出会った

そいつと暫く歩いた後で、僕は
「そういえば何かパーツはいるかい?」
と尋ねた

彼女は
「何も要らないよ、でも、」
「ただ側に居てほしい」
と答えた

最初は意味が分からなかったが、
少し経って僕は
「うん」
と納得するように頷き、
また一緒に歩き出した

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陽気なあいさつ  もず

ようこそ、親愛なるぼくの兄弟たち!
白昼の目眩が指し示す、霧の彼方の暗鬱な岬。空のない浜辺で啼く、一羽の鴫。日射しを浴び、きらきら陽気に笑うまぶしい木の葉の、その裏側にある、さびしげなもうひとつの顔。抜け落ちた、漆黒の鳥の羽。腐った溝に産み落とされた虫の卵。生まれ落ちる矢先に翼を病んでしまった詩人たち。
ぼくはきみたちを待っていたんだ。おお、始まる前に終わってしまった、色気にあふれた不幸なぼくの同胞よ!
もはや何ひとつあたためることのできない太陽と、
償うことの叶わないきみたちの暗い影こそ、本物のチケット。
やあ飲んでくれ。歌ってくれ。これからは陽気にやろうよ!
ぼくは挨拶するよ、はじめて出会った日のように礼儀正しく。
茨の藪の中に咲いた菫のように、永遠に注目されることのない美しいきみたちの、持って行き場のない溜息のために。
朝靄の港に、船はもう来ている。
わくわくするのはこれからだ! 見知らぬ裏通りの果物市場が、異国情緒が、秘めやかで危険な出会いの数々が、どれほどきみたちの訪れを、首を長くして待ちわびていることか。
さあ出かけよう。
手ぶらのまま、着の身着のまま、
胸の高鳴る冒険旅行へ。冷たいコンクリート、埃のたまった底辺から出発する、ぼくらの新しい地獄めぐりへ!

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移ろう季節の輝き  松宮 定家

あてもなく 雑踏へと繰り出す
押し寄せる人たちの波は激しいのに
心の海は虚ろな凪
カラフルな看板が立ち並んでいるのに
瞳の裏はモノクローム

通りを抜けて 公園まで歩く
季節の変わり目の今時分は
訪れる人もまばらだ
冷たい風に吹かれながら
偉人像や美術館を通り過ぎる

ふと、薄雲の間から日がさす
下した視線の先に 広がっていたのは
円熟味漂う黄みを纏った 緑
最後の晴れ舞台を熱望する 黄金
猛々しくも終局へと向かう 紅

遠い異国の国旗にも似た
イチョウ並木のグラデーションは
穏やかで、温かく、美しく、
G線上のアリアを奏で、
今この瞬間を彩った。

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私的な営み  猫目屋倫理

夜空色の少女が笑う
デイドリーム デイドリーム
なびく髪は 外気に混ざり
雲母のように星を撒く

オリオンの左手から飛び立ち
頭上を廻る宇宙の軌跡
それは濡れたアスファルトの
凍った虹
反転

透き通った温度の色に
息を震わせたことがあるか
吸い込んだ深夜の緑に
揺蕩う薄紅の水音に
身体の奥が
心臓が
震えるか
魂が

少女のような夜空が続く
イマージョン イマージョン
冴える耳は 空気に馴染み
綺羅のような詩を聴く

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