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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

秋冬様 詩への評の御礼です  鯖詰缶太郎

こんにちは。
作品、読んでいただきありがとうございます。

返信が遅くなってしまいました。
指摘された部分、「あなたにも」という箇所ですが
しばらく経って読み返してみると、やや「傲慢」な箇所だな、と思いました。
たしかに相手方がその必要かどうか、というところに関して、「実際、どうなんだろうか?」と、ふと冷静に思います。
「欲望」と題して書いてみましたが、こううまく編み合わせたというよりは、僕自身が「欲望」を書いていくにつれて、「欲望」に絡めとられてしまっているのではないか?と思いました。
「うつくしい」を繕おうとすると、まだまだ自分は綻びがあるな、と感じました。

御指摘、学ぶところが多く、助かります。
またよろしくお願いいたします。

編集・削除(未編集)

水無川 渉 様 評の御礼です  温泉郷

水無川 渉様 いつも大変お世話になっております。今回も丁寧なご指導ありがとうございました。また、佳作と評価していただき、うれしく思っております。エピソード自体は、実際にあったことでして、デジタルサイネージが一駅分まるまる暗転して、気づいた人がそれぞれの表情で眺めておりました。評を拝読し、話者がそれを自分のこととしてどのように受け止めたのか、具体的なエピソードなど交えて、書いた方がよかったと思いましたので、どのように加筆しようか考えているところです。教えていただいたことを基に、考える作業はとても楽しいものですね。ありがとうございました。

編集・削除(未編集)

水無川様 お礼です  上原有栖

ご感想、ありがとうございます!
読みやすく良い文体とのお言葉、とても嬉しいです。
これからも読みやすさは意識して書いていきたいと思います。
また頂きましたコメントのように、詩の中に用いた言葉を活かせるよう、その前の箇所での表現により気をつけて詩作に邁進してまいります。
次回の投稿の際にも、どうぞ宜しくお願いいたします!

編集・削除(未編集)

献体  松本福広

─死人に口なし。言葉が残らなければ何も遺らないのだろうか。亡くなった後のことを考える。両親の葬式は厳か且つしめやかに行われた。人が亡くなった後の諸々の手続きを行なう。手続きの多さに人は生きている間に色々なものを残して亡くなっていくように思う。私は何が遺せるのだろう。知らない内に削られていく毎日の中で、一つの形が私の中に形作られる。

◯献体。医学・歯学の大学における解剖学の教育・研究のために、自分の遺体を無条件・無報酬で提供する手続きを行なった。無条件、無報酬で行われる。人としての最後の善意の形だ。

─その手続きを行った者のみ入れる団体があり、そこでは様々な取り組みが行われている。特に印象的だったのは将来私の体を切り、私であった体の中を詳細にみることになる医学生との食事席だった。何を話していいのか分からないような緊張した面持ちで固く唇を結んでいた。私の冗談にぎこちない笑みを浮かべていた。(※1)

◯献、ささげるを意味する。旧字体で獻と書く。容器を意味する部分と犬でこの漢字は成り立つ。その成り立ちは大きく2つの説がある。1つは、犬の肉を容器に盛って、神様にお供えするところから。もう1つは、神様に供えものをする際、穢れはらうため、容器に犬の血を塗ったところから。文字通り、血肉のことだった。(※2)

─私が見ることのできない未来。私自身は見られない私の内側を通して、知らない誰かが研究して学んで行く。それが会うことのない誰かの未来を繋げる一助に信じている。

◯ひとつの歴史を紐解く。
1949年。戦後から10年と経っていない。死体解剖保存法が施行される。その時から「礼意を失わないように」との文言(※3)があった。数年後に献体団体が作られ始める。献体活動の火が点き、成果を出すまで二十年以上の時を待たねばならなかった。その成果は新しい法律の施行という一つの形であらわれる。
1983年。医学及び歯学の教育のための献体に関する法律が施行される。献体という言葉がつかわれている。その法律の中では、「献体の意思は、尊重されなければならない。」そんな文言がある。(※4)法律の文言においても、解剖学の現場、献体団体の取り組みにおいて意思を尊重し敬意を示す在り方が重視されていたように思う。

◯2024年度末にひとつの悲しい事例が起きる。献体の前でピースしてSNSにて発信されたニュース。
個人の価値観の多様化は、時として一方を否定する価値観も生んでしまう。その波及を促すSNSの影響力。翌年、解剖学会より倫理指針(※5)が打ち出される。
医学の進歩、献体にまつわる環境。そこに至るまでの経緯。その膨大な歴史に対して、たったひとつの投稿で歴史をひとつ動かす。
─そこには大きく欠如していた視点がある。その欠如は漢字二文字に簡単に書けてしまえる。人によって表現の幅はあるけれど……今その答えを書くのは筆が重い。

─食事会の何を話していいか分からなかった君は、どう思う?
あれから時が経ったけど、君の中で変わったことはあるだろうか?
ピースをした人も最初からそうだった訳ではないと思う。最初はどう感じていたのだろう。

─遺していく人、残される人、その間際に立ち受け継いでいく人。三角の中には「献げる・繋げる」二つの道がある。どちらも未来に繋がる。
私の……私以外の終わり方として、終わって遺族の手に還るまで。終わって荼毘にふされるまで。その終わり方は違うはずで。

─両親の葬式を振り返る。空白にしてしまった二文字がそこにはあった。
私だけではない。あなたにも。まだ見ない誰かにも。言葉そのものではない。なくなってはいけない命のようなもの。それは死して、どこまで残るのだろう? 心臓が止まった時? 葬儀を終えた時? 三回忌などを終えた時? その答えはそれぞれの胸の内に語られず眠っている。それでも繋がりの歴史に体を献げる。


※補足及び参考資料

※1 YouTube , 【医学部】医者、医学生の解剖実習について解説します【献体】 ,

?si=02zzaTfpja-rxOpk ,2025-05-10
※2 漢字文化資料館 , 「献血」の「献」は、「南」と「犬」とでどうして「ささげる」という意味になるのですか? , https://kanjibunka.com/kanji-faq/mean/q0316/ 2025-05-20
※3 死体解剖保存法 第二十条
※4 医学及び歯学の教育のための検体に関する法律 第三条
※5 一般社団法人日本解剖学会内 献体解剖倫理 2025-05-20

その他、参考文献
献体解剖 SNS発信禁止.朝日新聞.2025-03-16,朝刊,p.13.

「献体」SNS炎上、問われる医療倫理 学会は指針.日経速報ニュースアーカイブ.2025-03-31 05:00 日経テレコン(参照2025-05-14).

坂井建雄『献体 遺体を捧げる現場で何が行われているのか』技術評論社 2011年 p.200

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水無川 渉様 感想のお礼 こすもす

感想をいただきありがとうございます。
この詩は長いトンネルを通った時に感じた気持ちを思い出して書きました。
なぜトンネルの中で孤独感を感じるようになったのか。この点をどのように書くべきか考えてみます。
ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

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水無川 渉様 御礼  aristotles200

水無川 渉様
ご感想、ありがとうございます。

確かに、自作の詩をWeb上で発表することにドキドキと興奮し、文章の推敲が足らず、誤字のまま投稿しています。
深く、反省します。

哲学は好きなのですが、詩作に繋げるのは難しいと感じています。
論述が多くなり、正直、詩ではなくなっています。
そこから脱しようと四苦八苦していますが、、
何にしろ、まだまだです。

並行して、初心者向けサイトで研鑚を重ねさせていただきます。

ご指導、ありがとうございました。
これからも宜しくお願いいたします。

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感想と評 6/3~5ご投稿分  水無川 渉

 お待たせいたしました。6/3~5ご投稿分の感想と評です。コメントで提示している解釈やアドバイスはあくまでも私の個人的意見ですので、作者の意図とは食い違っていることがあるかもしれません。参考程度に受け止めていただけたらと思います。
 なお私は詩を読む時には作品中の一人称(語り手)と作者ご本人とは区別して、たとえ作者の実体験に基づいた詩であっても、あくまでも独立した文学作品として読んでいますので、作品中の語り手については、「私」のように鉤括弧を付けて表記しています。

●上原有栖さん「雨を待ちわびて」
 上原さん、こんにちは。初めての方なので感想を述べさせていただきます。
 この作品は植物(稲などの穀物でしょうか、それとも草原の草でしょうか)が雨を待ちわびる様子を詩にしたものですね。乾いた大地に雨が降り注ぎ、植物がいきいきと生命力を蘇らせる様子が擬人法を使いながら上手く表現されています。ですます調の優しい文体も童話風の温かい雰囲気を醸し出しています。
 あえてコメントすれば、終連の「小さき寡黙な生命」が(それ自体は良い表現だと思うのですが)少し唐突に感じました。2連では隣りあう植物同士の会話が描かれているからです。もちろん「寡黙」は口数が少ないという意味でまったくの沈黙を意味するわけではありませんので、現状のままでも矛盾とまでは言えませんが、あえて最後に「寡黙」という語を用いるのならば、その前の部分でもう少し詳しくその寡黙さを具体的に描いておいても良いかと思いました。
 いずれにしても、とても読みやすい良い文体をお持ちですので、またのご投稿を楽しみにしています。

●相野零次さん「逢瀬」
 相野さん、こんにちは。人間は独りで生きることはできず、他者とのつながりを絶えず求めている存在だと思いますが、実際に他者と関わり合うのはいつもうまくいくとは限りませんよね。どうしても互いのエゴがぶつかり合い、傷つけ合ってしまう。この作品はそのような人間関係のジレンマを描いた詩と受け止めました。「優しさは/ストローを通すと/少しずつ/汚れてしまう」や「何度も着信音で叫んで」等の表現がとても印象に残りました。
 ただ全体を通して何度か読んでみても、今ひとつすっきりしないもやもやした読後感が残りました。その理由はおそらく、この詩の焦点がうまく定まっていないからではないかと思います。
 タイトルの「逢瀬」とは、通常恋人同士がひそかに会う機会について使われる言葉ですので、この詩もそのような個人的な恋愛詩かと期待して読み始めるのですが、実際のテクストではなかなか具体的なカップルの姿が浮かび上がってきません。それは「誰か」や「人よ」という一般化された表現が使われているからではないかと思います。そのため、ここで描かれている「逢瀬」が語り手の個人的体験としてではなく一般論として描かれてしまい、インパクトを失ってしまっているように思います。
 人間関係の難しさという、誰もが同意するであろう真理をただ一般論として語るだけでは、よほど表現に工夫をこらさない限り読者に訴えかける力は弱くなってしまいます。一般論を個人の体験に落とし込んで語る方が、詩としては良いものになると思います。
 具体的には初連終行の「誰かに会いたくなる」を「あなたに会いたくなる」、4連の「人よ」を「私の心よ」のように変えてみてはどうかと思います。あくまで一案ですので、ご自身でしっくりくる表現を探してみてください。
 細部では良い表現がたくさんありますので、上記のように個人の視点からの語りに書き直していただくと、とても良い詩になると思います。ご一考ください。評価は佳作一歩前です。

●喜太郎さん「三人三様」
 喜太郎さん、こんにちは。喜太郎さんはこのところ毎回恋愛詩を投稿してくださいますが、今回は三角関係を描いた作品ですね。
 「わたし」は「あなた」に好意を寄せていますが、「あなた」の心は「あの人」に向いている……。このような切ないシチュエーション自体はありふれたものですが、それを好きな音楽や映画や食べ物といった小道具を使って表現しています。ここを単に「食べ物」「映画」「音楽」とするのではなく、具体的な固有名詞を用いて書くとより現実味を帯びて読者に伝わるのではないかと思います。
 後半では想いの届かない悲しみに打ちひしがれながらも「あなた」と「あの人」の幸せを願うという複雑な心情が描かれていて印象的でした。
 確認したいのですが、下から7行目「わたしはあの人の心の中には居るの?」の「あの人」はこのままでよろしいでしょうか? 「あなた」の間違いではないかと思ったのですが。もう一点、下から2行目の「ヒロイン」は「悲劇のヒロイン」という意味かと思いますが、もしそうなら、そのようにはっきり書いた方が伝わりやすいと思います。
 タイトルの「三人三様」ですが、確かに三角関係の詩なので「三人」なのは分かります。しかし「三様」の部分が本文でそれほど描かれているとは思えませんでした。特に「あの人」がいったいどういう人物なのかはテクストからはほとんど分かりません。したがって、このタイトルはより詩の内容に適合した、「わたし」の感情にひきつけたものに変更すると良いと思います。
 最後に、これは毎度指摘させていただいている点ですが、今回も連分けがなされていないのが気になりました。特に本作の場合は、6行目と10行目の「消えそう」、それから14行目の「わたしの心も腐りそう」の後で読者の心に余韻を残すために一行空ける必要があるかと思います。そして最後の5行も独立した連にした方が、「わたし」の心情の吐露がよりインパクトを持って読者に伝わるでしょう。詩においては空白の文字や行、句読点に至るまで、必然性をもって書かれるべきだと思います。特に強いこだわりを持って行分けなしのスタイルを貫いておられるのでなければ、ご一考いただけると幸いです。
 評価は佳作一歩前になります。

●荒木章太郎さん「ひとつになれない争いの窓辺で」
 荒木さん、こんにちは。今回の作品は、前回拝見した「僕は君のしなやかなギブスでいたい」と同系統の、個人と社会(国家)の問題を二重露光のように重ねて描いた作品と受け止めました。私は個人的にこのスタイルにはとても魅力を感じています。
 本作において、まず個人レベルでは、「あたし」と「あなた」のぎくしゃくした恋愛関係が描かれていきます。個人の間のやりとりを戦争のメタファーを用いて描くことはよくなされる手法ですが、それがいつのまにか「窓の外」で起こっている本物の戦争と見分けがつかなくなっていく不気味さが良く現れています。「こちとら遊びじゃないのです」という、恋愛でよく使われるありきたりのセリフも、よりシリアスな意味を持っているもののように読めてきますし、「あなたは肉を欲しがるけれども/あたしは――あなたの骨が欲しい」という表現も、単なる愛欲の表現を超えて「肉を切らせて骨を断つ」という戦いのイメージを喚起します。そう考えてくると、「ふたりがひとつになる」ことも、恋愛なら幸せの頂点でしょうが、国家・民族レベルで考えるならば民族浄化や同一化政策などを思わせる表現に見えてきて背筋が寒くなりますね。
 終連の「緊急避難警報が/ふたりに戻る合図です」は、抽象的なイメージのレベルで重ねられてきた恋愛と戦争のテーマが具体的な形で並置されて終わります。この簡潔で効果的な着地も見事でした。
 その他、「花火」と「火花」、「無垢」と「むくむく」など、細部の表現もよく練られていて、緻密な推敲がなされていることが伺えます。大変読み応えのある素晴らしい詩をありがとうございました。評価は佳作です。

●こすもすさん「トンネル」
 こすもすさん、こんにちは。初めての方なので感想を述べさせていただきます。
 ドライブしていて長いトンネルに入ると、等間隔で並んだ照明が次々と後ろに流れていって、見つめているとすーっと吸い込まれるような不思議な感覚になることがありますね。この詩は、誰もが一度は体験したであろう、トンネル通過というありふれた体験の中で味わった不思議な孤独感を描いた作品と受け止めました。
 この作品は1.トンネルに入る前、2.トンネルの中、3.トンネルから出た後、という分かりやすい構成になっています。丁寧な情景描写でドライブしている光景がしっかりイメージできるのが良いですね。様々な色への言及も効果的だと思います。
 欲を言えば、全体を通して読んでみて、「私」がトンネルの中で感じた孤独感について、もう少し詳しく書き込んでいただけると良いと思いました。話としてはドライブ中にトンネルを通過した、というだけのことなのですが、その体験がなぜ「私」に強い印象を残したのか、その部分が読者に伝わるように工夫していただければと思います。また書いてみてください。

●aristotles200さん「ドの音で始まる世界」
 aristotles200さん、こんにちは。初めての方なので感想を述べさせていただきます。
 これまでの投稿作もいくつか読ませていただきましたが、哲学に興味をお持ちの方のようですね。ペンネームからもその事が伺われます。
 本作は人間の人生が無限に繰り返されるというニーチェの永劫回帰の思想をベースにしていると思われますが、そのテーマを単なる抽象論ではなく具体的なイメージを用いて語っておられるので、詩作品としても興味深く読むことができました。買ったばかりの新刊書に暗号のような印がついていて、今この本を「初めて」読むのが何回目かが分かるという着想は面白いですね。
 そして後半ではピアノの音を契機として何百もの「自分」との同窓会が実現するという不思議な体験が描かれていきます。関係ないかもしれませんが、最後にド(C)の音を鳴らし続ける場面で、私はテリー・ライリーの「In C」という曲を思い出しました。
 細かい点ですが、初連3行目の「同く」、初連最終行の「少なくと256回目」、2連1行目の「買っばかり」、など単純な誤記と思われる箇所が散見されました。せっかくの哲学的素養と詩的想像力を十二分に活かすために、推敲はしっかりされることをお勧めします。でも作品全体としては大いに楽しめました。またのご投稿をお待ちしています。

●温泉郷さん「ブラックアウト」
 温泉郷さん、こんにちは。電車の中の手持ち無沙汰な時間をどう過ごすか。最近は本や新聞を読む人も少なくなり、もっぱらスマホをいじっている人が大半ですが、それとともに意外と見ているのがデジタルサイネージだと思います。大企業の思惑に踊らされているとは思いつつも、つい何とはなしに見入ってしまうんですよね。
 本作はそのデジタルサイネージが突然ブラックアウトしたら……という状況を描いた詩です。地下鉄の車内に突如出現したブラックホールのように、ブラックアウトして広告の消えたデジタルサイネージが、商業主義の生み出すうすっぺらな夢や理想を吸い込んでいく。だからそれは「贅沢な黒い四角」と呼ばれるのですね。それは高度資本主義社会に対するささやかな抵抗のしるしなのかもしれません。語り手は途中で下車しますが、せめてその電車が終点に着くまでは、そこだけはブラックアウトしたままでいて欲しいと願います。
 本作で描かれたようなアクシデントは単なる技術トラブルでも実際起こりそうなことですので、もしかしたら作者の実体験に基づいたものなのかもしれませんし、実際にはほんの数秒だけのブラックアウトだったのかもしれません。けれどもそのようなちょっとした日常の出来事に普通でないものを感じ取るのが詩人の感性というものなのでしょう。温泉郷さんのそのような世界への向き合い方に強い共感を覚えます。
 あえて言えば、本作は上で述べたような目の付け所だけで勝負しているようなところがありますので、もっと想像力を羽ばたかせて「贅沢な黒い四角」についての語り手の思いをさらに展開していくと、深みが増すのではないかと思いました。でも現状のままでも十分な気づきを与えてくれる作品ですので、評価は佳作とさせていただきます。



以上、7篇でした。今月も素敵な詩との出会いを感謝します。

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読まれぬ手紙 津田古星

斎場へ足を運び
同級生の名の下に儀告別式と書かれた
大きな文字を見て
ああ 本当にもう生きていないのだと
きっぱり言い渡された気がした

最後の別れの時
棺にそっと手紙を入れた人がいた
決して読まれることのない友への手紙
書かずにはいられなかったのだろう
そんな友人を持った彼女の人柄が偲ばれた

療養中に
「両親より一日でも長く生きるのが私の目標」と
言っていたのに 叶わなかった

病院へ行った帰りに我が家に立ち寄り
白い梅の花びらが散るのをじっと見ていた
自分の命を重ねていたのだろうか
それから半年あまり
彼女は49歳で逝った

棺の中に納められた手紙は
彼女に届いたと信じたい
それとも 肉体を離れた彼女は
もう人の感情を超越した世界に行ったのだろうか

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天井のわたし  aristotles200

深い眠りから目覚めた
すっきりとした感覚
とても調子が良い

祭壇に寝かされている、お経が聞こえる
身体を起こす、沈黙、の後、式場は大騒ぎに

とても調子が良い、何でも出来そうだ
ヒョイッと台から降りて壁を登り
天井にしがみつく、首も180°動いた
悲鳴、絶叫、お坊さんは腰を抜かしている

あれ、家族や親戚、友人、上司、皆集まってる
何か嬉しくなって、挨拶をする
URYYYYY(ご機嫌よう)

天井から一瞬で床に跳ね、逃げ出す上司を掴む
助けてっ! 悲鳴を上げて暴れる上司
wreeeeee(あれ、B課長、どうしたんですか)
ずっと暴れる、面倒くさくなる

あれ、口も大きく開くんだ
B課長の頭を丸ごと呑み込むと、咀嚼する
ガキュ、ゴキュ、ボキャと音が鳴る
新鮮なプチトマトを一口で食べる感覚
varyyy(美味っ)

そうか、お腹が空いているんだ
無人の式場、誰もいない
ちょっと、食事に出かけようか

身体ごと窓を割って、外に出る
ビルの外壁をよじ登り、屋上の給水塔に立つ
満月がきれいだ、空気もうまい
夜の街が広がっている

そのまま、下のパトカーめがけて飛び降りる

壊れる車体、身体は、何の痛みもない
ムクッと立ち上がる
あちこちで悲鳴、そして射撃音

今夜はビュッフェ形式らしい
ARYYYYYY(いただきます)

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日常 喜太郎

些細な事 些細な言葉 些細な態度
『そんな』事で
あなたに愛されていると感じられる私の心
あなたの心の中に確かに私は生きて居て
この安心感はとても幸せな事なんだと思うの
私はこの思いをあなたにも与えられているのかな?
ちゃんと愛せていて 私の心の中は
あなたが生き続けている事は
あなたに伝わっていますか?

初めて手を繋いだ時に
お互いの緊張感に包まれた『好き』な想いが
手と手から伝わって来た時を思い出した
言葉じゃなくて感じとれた『想い』

「どうしたの?」
同じ部屋の中であなたを見つめる私に
あなたはいつもの笑顔で問いかける
「初めてデートした時の事 思い出してた」
「懐かしいね 今度久しぶりに行ってみようよ」

きっとまた手を繋いで歩くよね
そうしたら伝わるよね お互いの『想い』
緊張感は薄れているだろうけれど
それ以上の『愛しさ』が手と手から伝わるだろうね

同じ部屋の中 二人で笑顔になっている
いつもの事 些細な事 大きな愛しさ

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