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編集・削除(編集済: 2024年09月10日 18:37)

評、12/9~12/12、ご投稿分、その1。  島 秀生

毎度、遅くなりまして・・・。


●おおたにあかりさん「ひとさしゆび」

おもしろいじゃありませんか!

まず2連がいいなあー ヒンヤリするのかあー この皮膚感がいいですし、その由縁を知りたくなる謎かけの役割も果たしています。

3~5連の並びなんですが、私はまず一番一般的な内容の4連を先に出すべきと思います。それと5連の「サシチガイ」は、漢字間違いという意で誠に正しいんですが、これは私の好みで「サシチガエ」(刺し違え・・・刀で斬り合って、両方とも死ぬ)の方がもっとドキッとしておもしろい気がしました。これはあくまで、私の個人的好みなので、拒否してもらってかまわないです。なので、3~5連は、

 しぃー、内緒ね
 唇に指あてすこぅし笑い
 秘め事抱えたあの時
 ひとさしゆびは憶えている
 
 ほら、あの人と
 指さされ弾かれぬように
 先手必勝とばかり
 誰かをさしたことも
 あったはずで
 
 ひとさしゆび
 使い方を間違えないで
 人刺す指よ
 サシチガエにはご用心

わたし的には、こんな案を提案しておきます。
私の少年期には、外でひとさし指をなめて、指を立て、風向きを調べるのが流行ったな。指が濡れてると、風向きがよくわかるのです。(ただし、なめたその指が、キレイだったかどうかは定かではありません)。なんか、なつかしい・・・。

いちおう案を出しましたが、現状のままでも充分おもしろいです。秀作を。


●江里川 丘砥さん「十二月、巡る」

百歳ですか。曾祖母になるのかな? 天寿を全うされましたね。百歳まで生きられたということは、少なくとも九十過ぎまでお元気だったはず。小学校時代はよく話したり、遊んだり、してもらったのではないでしょうか。いくつになっても記憶が色濃く残る年齢期に、良い思い出をいっぱいくれた人なのでしょう。

十二月は命日がある月なのですね。それで十二月が巡ってくるたびに、思い起こされるのでしょう。詩は、十二月の哀愁とも言うべき風情で、十二月にこだわって展開されていきます。
ラストでは、遠い未来の12月、私が亡くなる頃、「あなた」は再びこの世に生まれる。そして私も「あなた」のそばに、再び生まれてくることを誓います。12月の輪廻です。想いが、とても深いですね。いい詩です。

少しあります。
まず5連1行目、「長く長い」は、真面目な詩にはちょっと良くない。「長い長い」の方がマシです。「重く長い」もアリです。
それと、6、7、8連と続く「~ようで」は、5連の3~5行目と対応した連なので、この対応を明確にするために、5連3~5行目は連を分けた方がいいです。
つまり5連は、

 この世での重く長い一生も
 あの世では
 光り輝く一瞬の閃光なのでしょうか
 
 魂はありましたか
 それならばあの後
 どこへ行ったのでしょうか

こんな感じにした方がいいかな、と思います。
私、この詩の中で、「魂はありましたか~」の3行と、6、7、8連の絡みのところ、とても好きですよ。

次、9連なんですが、穏やかな顔をしていたと出したい気持ちはわかるけれど、ここは初連の「もう話すことができなかった」との対応を優先した方がいいです。「穏やかに」を入れると、ちょっと邪魔しますので、ない方がいいです。それと4~6行目もちょっと整理します。

 十二月が来るたびに
 さようならを言えずに亡くなった
 あなたを思う
 いつでも私を
 私以上に愛してくれた人が
 この世に在ったと知る

こんな感じの方がベターです。「さようならを言えずに亡くなった」とした方が、初連との対応がくっきりします。

12連~15連(終連)の、輪廻のくだりもステキですね。先程の6~8連のとこも良かったけど、やっぱりこっちがクライマックスですね。
内容もステキだし、13連に「時代の境界線を跨いで」を置いたのはグッドでした。

終連ですが、

 十二月は、巡る

と、ここも読点入れておきましょう。単独1行連だから、タメがほしい。さらに間合いを持たせるために、「巡る」の後ろに句点「。」をここだけ置いてもいいです。(う、小手先のテクニックを教えてしまった・・・。)

それにしても、この年齢差の人に、大事にされた思い出を語る人は珍しいです。特別な人だったんですねえ。

うむ、いくつか指摘した点、検討してみて下さい。それ条件付きで、名作としましょう。


●理蝶さん「冬を見ている」

初連、いいねえー

 流れるもの同士の親密さで
 互いに挨拶をし
 冷え込みを強くする

この観点は、初めて聞きました。
そして4連の陽の当たらない路地の描写も良かったです。
この2つの連は、特筆ものでした。

あと、2連の、
 缶コーヒーを拝むように持ちながら

の表現もグッドでした。

3連も雰囲気いい連なんですが、「濃い茶色をしている」だけが私はちょっと違和感なんですよね。その都市上空はダーク色の鳥が多かったのかもしれないけど。
2行目は抜いて、「フォルム」中心でまとめた方がいいと思います。例としては、

 朝の鳥はどれも
 その無駄のないフォルムを
 逆光に光らせる
 彼らはやはり空を飛ぶために
 生まれてきたものたちだと感じる

こんな感じです。

6連の後半なんですが、ちょっと順序かえて、

 気が早いことに
 朝にはもう
 陽気な音楽と
 発光する電球を
 街にばら撒き始める
 夜に向けて

この方が良くないですか?
クリスマスイルミネーションのことなのかと思って読みましたが。

7連4行目なんですが、「等しく」には「対等」の意味もあるので、その意に取られるとニュアンスが変わってしまう。ここはたぶん「均一に」の意味で使ってると思うので、
4行目は、「均しくぶつかって」でいいのでは?

以上は、いたって些細なことです。
わからんのは8連ですね。

 思うが存分凍てつかせてしまえ

この言葉は「街」に対して「凍てつかせる」ですよね? なので、同様にそのまま、

 何の未練もなく
 消えてしまえ

を読むと、「街」対して「消えてしまえ」と言ってると、最初思ったんです。
でも後者の方は、全体の脈絡をよくよく読み直し、考えると、北風に対して言っているようです。この齟齬はよくないです。ここは絶対、修正要ですね。ここはちょっとキズが深いと思う。

 北風はさらに強くなる
 乱暴に上から吹きつけて
 北風よ
 今は思う存分凍てつかせるがよい
 そして 春が来る頃には
 何の未練もなく
 消えてしまえ

修正案としては、こんな感じですかね。一考してみて下さい。

うむ、全体の詩情はステキだったし、特に前半の4連は、うっとり読ませてもらいました。とりわけ、北風と川面が仲良しだという視点は発見でした。
秀作を。


●妻咲邦香さん「約束」

いきなり話が逸れますが、その亡くなってた親猫も、子猫の時に捨てられたんでしょうね。猫って、野良猫として案外育ってしまうんだけど、繁殖力が物凄いんです。一生のうちに50匹くらい生みます。で、その50匹の半分の25匹がメス猫だったとすると、その子たちがさらに50匹を生む。すると、孫の代には1,250匹になっています。猫ってまずもって、そういう繁殖力すごい生きものなんです。
で、そんなに拾ってもらえるはずがない。20匹もいかないんじゃないかな。大方は保健所等に連れていかれ、「かわいそうな子猫」になります。年間、何匹処分されてると思いますか? 捨てる人は、「一匹だけ」と思って捨てるかもしれないけど、それが結局こういうことになる。それゆえ、犬・猫を捨てることは犯罪の扱いになっています。
それで、動物愛護協会が推奨してるのは、もし野良猫を見たら、掴まえて避妊手術をする(補助金が出ます)、そして耳のところに「地域猫」マークをつけて、放してあげる。その子を一代限りで、地域でかわいがってあげましょう。というのが動物愛護協会の推奨ですね。これが正しい対応になります。
ちなみに家で飼っている猫についても、家の外に出さないか、避妊手術をすることが推奨されています。基本的に、その子、一代限りでかわいがってあげましょう。が動物愛護協会のスタンスですね。

もう一つ余談をいうと、犬も猫も、道路を横断するときは、当てずっぽうです。車が来てるかどうかなんて、見てません。ただ、よく言われるのは、「犬は歩いて横断するから轢かれないけど、猫は走って横断するから轢かれる」。これは視認性の問題として概ね言えてると思います。当然、距離がある時はよけろよ、と思いますけど、猫は走ってる車の直前でも、やみくもに走って横断してくるので、どう考えてもよけられないタイミングのものもあります。交差する時点で、もう車の前面の影に入っているので(車の前面に当たるのではなく、タイヤの位置で轢かれます。つまり車体の下、車の先端からタイヤまでの間に入りこんでくるのです)、なので轢いたこと自体をわかってない人もままいます。走ってる車の真横から突進して、車体の下に入り込み、後ろタイヤで轢かれる例もあります。猫の横断て、本当にやみくもなんです。(←歩行者として、子供の頃から何度も目撃してるので知ってる)。轢いたやつが悪くないとは言いませんけど、それ一番悪いのは、そもそも猫を捨てたやつなんです。外で暮らしていたら、いずれそうなります。
(補足:たぶん、それらが親子という推測は正しい。親が死んだので、子猫はどうしていいかわからず、そこにじっととどまっていた。じっととどまっているものだったので、子猫については前もって車から視認できたわけです。一方、親猫の方は「横断」なので、やみくもに走ってますから、車から視認できず轢かれたわけです。動物と言えど、基本的に、わざわざ轢こうとする人なんていない。少なくともよけます。視認性の差は大きいんです。
ちなみに、家猫の親猫は、子猫を「家」=「安全な場所」に置いておいて、自分一人で外を出歩きます。子猫を連れて外に出たりなんかしない。だから、まだ小さい子猫が外にいるということ自体、また親猫と子猫が外で連れ立って一緒にいるという自体が、野良猫の証拠なんです。)
動物の死骸を見たら、心あれば、役所に電話して、死骸を早くかたづけてくれるよう頼んであげて下さい。いくら死んでるといっても、何度も轢かれちゃかわいそうだから。自分で死骸を道路脇まで移動してあげた上で、電話できたら、なお良しです。(私、箱に入れてあげたことあります。夜に轢かれた猫で、朝まで役所が引き取りに来なかったから)
その時にできることといえば、そのあたりかと思う。

なんでも放任することが良いことのように思われがちなんですが、動物は「共生すべき相手」です。放任と共生は違う。猫も同様です。

具体的・現実的にはそういうことなんですが、おっと余談が過ぎましたね。
「優しさ」について、細部の解釈まで詰めていくと、当然ながら人により意見が分かれるところが出てきますけど、大きな括りとして「世界が優しくなる」ことは、もちろん賛成ですよ。また、方法を知らなければ、行動に移しにくいことは当然あります。まずはそうやって気に留めるのか、気にもしないのか、その差からですよ。作者には「気に留めた」やさしさがあります。

ところで、今回の詩は、1行1行の行送りを丁寧に書いてますね。とても伝わりやすくて、いいと思います。
また、今回の詩は登場人物は作者一人なので、登場人物が一人の時の妻咲さんは、全然心配してないです。安心して読んでます。今回は読み違いなく、読めたのではないかなと思っています。だいぶ修正されてきたかも。

終連ですが、たぶん2行目の、

 何処かに置き忘れて来たかもしれない

の言葉を受けて、後ろに「置き忘れた自分」が写ってないか見てるって、ことなんだろうと思います。
4行目の「誰も」は、2連前の「誰も止まらない/誰も見向きもしなかった」のとこの「誰も」に、話が戻ってるのかな?と読めてしまうから、そこだけ言葉を変えるなり、丁寧に行くなり、した方がいいと思います。2連前の「誰も」と、そこの「誰も」は、意味が違うはずだから。
1点気になったのはそこだけです。あとは丁寧に書かれていました。状況がよくわかったし、その場における作者の迷いも伝わりました。秀作プラスを。


●浅井拓也さん「夜明け前の無人駅」

いい詩じゃありませんか! 丁寧な叙景がステキです。
初見は、その場の情景にうっとりしながら読んだんです・・・。
が、繰り返し読むうちに、自分が初見の時、読み違えていることに気がつきました。
私は、除雪って、始発列車の前に、一発目をするものだと思い込んでいたので、「六時半の汽車」を、勝手に前日の終電のように、読んでいました。その後、一夜明けて、除雪作業員が集まってるのかと、思った。
詩を正確に読むと、これ、始発電車が行ってから、除雪作業員が集まってるんですね?
すると、線路の除雪作業員ではなくて、ホントにその駅だけの除雪作業のための集まりなのかもしれませんね。もちろん降りがひどい時は日中も作業を続けるんでしょうけど。
それとも夜勤で作業してた人たちの、交替要員なのかな?
そのへんは、私の方の知識不足なのかもしれませんが。まあ、知らない人は先入観で初見のように読んでしまうという話です。

うーーん、詩自体は、とてもステキな叙景なので、ぜひ生かしたい詩なので、そこのロジックだけちょっと整えた方がいいかも、ですね。つまり、この状況のままを正確に伝えたければ、私が疑問に思った部分、補足説明的なものがいるし。また逆の方法としては、事実がそうであったとしても、そこは脚色で読み手が想像しやすいように、朝の電車を夜の電車に置き換えてしまうのもアリです。そこを変えても、主たる詩情が大きく変わるということはなさそうに思うので。どちらにするかは作者のご判断です。

それから、詩全体を、冬のプロローグとして描かれているので、9行目の最後の「彩られる」は、「彩られるだろう」としておいた方が、これから始まっていくものの感じになっていいかな、と思います。

最後の4行は、それら冬の訪れに対し、自分の立ち位置を描くという感で、力強くていいと思います。ナイフの比喩も良い。

浅井さんは私は初めてですので、今回、感想のみになりますが、この詩はマルですよ。味わいが充分ありました。ちょこっとだけ変えれば、人前に堂々と出せるものになります。
雪国の情景は、雪国の人でないと書けないものがあります。また書いて下さい。

編集・削除(編集済: 2022年12月27日 18:16)

みちゆき  香月

扉があいて 踏み出して
駅に みちる
電車に みちる
細くて狭いその場所に
数多の人がみちていく
おりた駅から 往くも帰るも
乗り込んだ電車で 往くも帰るも
三々五々と散る足の
踏み敷く先がわかるのは
足を踏み出すかれらだけ
人波ひいて 電車が去って
駅の片隅 ベンチの横に
サヨナラが言えない傘ひとつ
次の扉が来る前に 駅員さんに拾われてった

編集・削除(未編集)

まだまだよくわからない
父の死を
考えてみては途方に暮れる
不思議な稲妻
海の向こう
あやふやな雲に
歌う天使の父と舟
うっとおしくてこそばゆい愛が
消えるとなると美化されて
ずるいなあと思う
白い菊の花
良い機会と思って
家族との諍いをすこし片付けた
モンスターは
また戻るかもしれないけれど
とりあえず逃げた
美しい少年よ
まだ時間はかかるけれど
諦めずに在りなさい
生きてみなさい
良いことばかりではないけれど
とにかく

編集・削除(未編集)

雨音さま

私生活がバタバタしていてお礼が出来ずに居りましたが、「何らかの穴のようなもの」に評を頂きありがとうございました。本当に哀しい時には詩を書くに限りますね。

編集・削除(未編集)

日々  エイジ

今日もやっと夜が明けたようだ
辺りはもう明るい
けど雨降りのせいで太陽を見なかった

朝は一見同じように訪れるけれども
空の色はいつも違って
カラスの羽ばたきもいつも違って
木々の葉の色も毎日変わってゆく

一つの季節が終わろうとする頃
新しく生まれる季節と交差して
もう一つの季節があわいに出来上がる

秋が冬と交差して終わり
冬が秋と交差して始まる
もう一つの季節 秋冬が
あわいに出来上がる

日々 何かが終わり
何かが始まってゆく

さっきの雨が終わったら
晴天が始まった
鳩がもう森に来なくなったら
マガモが池に来るようになった
三階の僕がガムを噛み始めたら
一階のおばさんが病死していた

初冬にもなると日照が短い
一日がもう終わる
僕はふと窓を覗く
昼と夜のあわいに
夕焼けはある

夕焼けも終わり
辺りがすっかり暗くなり
僕が目を閉じる頃
今度は言葉が目を覚まし始めた

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妄想人 黒い木

冬休みが始まると同時に、同僚たちは冷たい都会のなかへ暖かみを求めて消えて行く。
私は今日という一日を終わらせる為に駅に向かう、眠ってしまったその駅へ。

電車もイビキをかいて寝ている。私は彼の体にぽっかり空いた穴の中に入る。中の空気は生暖かく、やわらかい。
発車のベルが彼を叩き起こし、空いていた穴はギュッと閉まる。
彼は私をより家に近い場所へ運んでいく。彼の残酷なところは、
そこから私を家まで歩かせるところだ。

疲れた。私は座る。
会社にも愛されず、家族にも愛されない私を優しく包み込んでくれたのは、見知らぬ人のこの温もりだった。

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私の心の境界線にも笑顔が欲しい

児童クラブの子供達の
最近のお気に入りのゲームは
体育館での中あてだ

私は緑色のビニールテープで
中あての線を引く
早く始めたい子達は剝がれないように
足で引いたビニールテープの上を
踏んでついてくる

早く早く キャーキャーなんて
笑いながら飛び跳ねながら

緑の線の境には笑顔があふれる
ボールがぶつかっても楽しい
今日はいい線を引いたな

いつもは少し違うのだけど
いつもの私はちょっぴり狭い心で
冷たい線を引く
そう コロナ禍の救急病院並みに

ここから先に入らないで下さい

入ろうなんてすると病院関係者が
怖い顔して出てきてつまみ出す

私も同じ
私以外の人間は怖いから
ここから入らないで下さい
ピシッと見えない線を引く

そのうちこの冷たい
差別だとか嫉妬だとかに
まみれた嫌な線に
自分でもつまづいて泣いてるかもしれない
ひとりぼっちになって寂しいって

編集・削除(編集済: 2022年12月22日 10:18)

けんけんぱ さくたともみ

けんけんぱ
けんけんぱ

次の貴方もけんけんぱ
知らない君もけんけんぱ

白いチョークで
書き足して
土には枝で書き足して

ずっとずっと、けんけんぱ

今日はまだ帰っちゃいけないから
チャイムが鳴ってもけんけんぱ

少年団のみんなにさようなら
お迎えの来た小さな貴方もさようなら
人が帰り始めると楽しくなる
世界がずっと開けて見えるのだ

焼き魚はどの家の晩ごはん?
赤屋根のお家はカレーみたい
ぐおお、とお腹が蠢いた

夕日の柔らかな光が 冷たい海へ沈んでいく
いつの間にかピアノの音は止んでいた
上手なあの子は何時間も練習しないと酷く叱られるらしい
ブランコに座っていた少女が突然飛び降りた
走り去る足音は遠ざかり
きい、きい、き、
鎖の擦れる音が鳴っていた

けん、けん、ぱっ
書いた丸が見えなくなっても
私はまだまだ続けてる

編集・削除(未編集)

詩人 

あなたは 言葉を あまり 知らないから 
詩人になることは お薦めしません 
たとえば 言葉は 世界のなかに 木に実がなるように 
なっていますから 
それを さがして 集めなさい  

たとえば 言葉は 川に水が 流れるように 世界のなかに 
流れていますから 
それを 探して 手で すくいなさい  

たとえば 言葉は 海に沈むように 
静かに ねむって いますから 
それを さがして 海に 潜りなさい  

あなたは 毎日 言葉を 起こしなさい 
言葉は 世界なかに 眠って いますから 
すぐに ねむりこんで しまいますから  

あなたは 言葉を やさしく あやしなさい 
赤子を あやすように あやしなさい
そうでないと 言葉は すぐに あなたから 
逃げてしまいます  

あなたは 毎日 歩きなさい 
お日様の なかを 歩きなさい
秋のお日様を 浴びながら 
気持よく 歩きなさい  

小鳥が 木々の 梢で 鳴いて 
世界は すでに始まって いますから 
あなたは 歩く詩人に おなりなさい 
言葉の 詩人では なく  

時間が ゆっくり 流れて
なたは 止まって 世界を 
見て いますから 
あなたは 時間の詩人に おなりなさい
言葉の 詩人では なく  

あなたは 言葉を あまり 知らないから 
言葉の 詩人に なることは お薦めしません 

編集・削除(編集済: 2022年12月21日 14:33)

石畳  妻咲邦香

狭い入口だった
石畳の階段
座っていると
まるで通せんぼしているようだった

黒い猫と遊んだ
長い髭をたくさん持っているようなので
ひとつ頂戴と言った
猫はくれなかった

「ソゥリー」と言いながら紳士が脇を通り抜けた
知らずにスカートを踏んづけていった
私が邪魔してたから悪い
だけど
これから素敵な所に行く予定なのに
うっすらと足跡が付いた

私は足跡を連れて行くんだと思った
みんなは何と言うだろう
新しい友だちだと紹介しよう
恋人だとからかわれるかもしれない

貴方のことが好きですと
私はいつの日か、告白するのだろうな
そしてゆくゆくは
家庭を持つのだろうな
私は腰を上げた
足跡は幾つも付いていた
どうやら眠ってしまってたらしい

最後に残る思い出は
いつも必ず一つだけ
それでも私には声があり
言葉があり
詩があるから
毎日新しい扉を開ける
たとえ外が寒くても

可愛く生き残れ
拾えなかった声たちよ
明日咲くかもしれない花がある
私の綴る言葉には
どんな未来が待つだろう

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