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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

☆4月15日(火)~ 4月17日(木) ご投稿分、評と感想です。  (青島江里)

4月15日(火)~ 4月17日(木) ご投稿分、評と感想です。


☆聞き役 津田古星さん

行や言葉の裏側に、細かい心の動きが感じられる作品だと感じました。「聞き役」というタイトル通り、一人の人の話を聞き続けてきた「わたし」という個人。拝見して、かなり聞き役として耐えてきたのだなという風にも感じました。

作中の「36年」というワードを用いられている点については「わたし」の「あなた」に対する期待の気持ちが込められているとも感じました。長い年月が経ったから「あなた」の一方的な会話ではなく、お互いが、ふりこのように会話できるというような期待です。ですが、その期待はものの見事にはずれてしまうという淋しさ。「あなたは明るくなった」という会話の一言をピックアップして表現されたところは、ずっしりと迫ってくるものがありました。

対等ではなかったのだというやりきれなさ。「あなた」は明るくて何でも気軽に話す人で「わたし」は無口で暗い人。一方的とも感じられるその決めつけ。常に「あなた」という人は、「わたし」という人の上でなければならない。「聞き役」どころか、さもすれば、はけ口や、承認欲求を満たすための定位置に座らされているような痛みまでも伝わってきました。

作中の中盤までは、特別に用意されたかのようなレトリックも目立った表現もありません。しかし、ここまで心中を感じさせてくれるのは、なぜだろうと考えると、個人的に感じたのは、会話の選出の方法がよかったということでしょうか。ある意味、会話でも読ませてくれる作品でもあると思いました。で、す、が、この作品は、このままで終わりませんでした。そこが一番よかったです。

一度も振り返らなかった
振り返ったとき
あなたが背を向けていたら辛いから

この表現は、とてもとても詩的な表現だなと感じました。

ずっとずっと耐えてきた「わたし」が36年ぶりに「あなた」とあった日の出来事。対等に楽しく会話をできるかもと淡い期待までも、一撃のような言葉で破られ、嫌われるかもという不安を押し切り、わたしのことは何も聞かないといった「わたし」・・・・・・そのような背景がみえてくると「わたし」のラストの気持ちや様子が、一日の終わりの夕暮れの細々と伸びた影のように思えてきて、なんだか泣きそうになっちゃいました。作中に「あなた」から「聞き上手」という言葉がひとつもでないことからもわかりました。「聞き役」なんですよね。できることなら画面に潜り込み、作品の中に入っていって「わたし」に、もう我慢しなくてもいいよって、背中をさすってあげたくなりました。佳作を。



☆Tasting Note : 『直喩的回想の風味』 佐々木 礫さん

初めてのお方ですね。今回は感想を書かせていただきますね。

ほぼ比喩。しかもタイトルで「直喩的回想」と言い切ってしまっているところ。思い切りの良さを感じました。何て言っていいのか、小川に流した葉っぱの舟のように流れていくような詩のリズム。とまることなく、ぶつかることなく、さらさらと流れていくリズムにのせられた、架空のメニューたち。現実にはないのだけれど、どこか本当にありそうな気持ちにさせてくれるような言葉のチョイス。

こじゃれた雰囲気の音感の中に突然出てくる「母の平手打ち」などという言葉に驚かされたり。美味しそうな言葉の中に、または、美しくてまぶしい世界を掲げる言葉の前後、中にも、見え隠れしてくる闇のような数々。なかなか手が込んでいる作品だと感じました。作者さんの独特な世界観を、たっぷりと魅せていただきました。



☆4コマ漫画  喜太郎さん

発想がユニークですね。喜太郎さんは、これまで、恋愛詩を多く書かれてきましたが、 今回の作品のテイストは、今までとは少し異色の作品だと感じました。作者さんのアレンジがいい味を出しているように感じました。恋愛の流れを起承転結の4つにわけて、4コマ漫画のようだする感覚がとてもユニークでした。出会いから別れまでの回想シーンの描き方は、いつもどおり丁寧で、ゆっくりとした風が流れていくような雰囲気に仕上がっていると思いました。

細かいことをいうとしたならば、上から七行目の【『寒いね』って言えた暖かさ】の【暖かさ】ですね。【暖かさ】とすると、肌で感じるもののみになってしまいます。【温かさ】とすると、心で感じるものも含まれることになります。彼女の手の温もりから生まれてくる自身の心で感じられるあたたかさも表現したいのなら【温かさ】と表現されるのもよいと思いました。別の方法として、ひらがなという字体からくるやわらかさで表現する【あたたかさ】を用いる表現方法もあります。こういうことを考えながら詩を書くのも楽しいですヨ。

恋愛を四コマ漫画のようだと感じて終わるだけなら、ただの面白い発想を用いた作品で終わってしまうのですが、今回の作品の醍醐味はラストの部分です。

思い出は曖昧になって薄れてくの?
やがては4コマ漫画になってしまうの?
悲しい漫画は笑えないままなのかな

一般に四コマ漫画と言えば、冗談や皮肉をもって、笑い導く作品が多いのですが、このことを頭に置いてこの作品のラストを拝見すると、何とも言い難い切なさが波及してくるのです。大切な思い出が薄れていってしまう切なさ。「冗談」「笑い事」と言うワードが、頭の中にクローズアップされていきました。「冗談じゃないよ。笑い事じゃないよ。そんなこともあったねと、自然に笑いたいけど」そんな切なさが、作中の「めぐる季節」という言葉も手伝って、走馬灯のように巡り出しました。その四コマ漫画という落とし込み方が、とてもよかったと思いました。佳作を。



☆ずっとずっと  じじいじじいさん

春って、あんなに長く感じる冬の間に待ち続けているのに、あっという間に終わってしまうのはなぜなのでしょうね。

この作品から、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうのだなと感じてしまうのは、みんな同じなのだなと、改めて思えました。また、春のお楽しみの一つの「さくら」の美しさ。さくらを慕う気持ちも、もちろん、みんな同じだと感じると同時に、ずっと咲いてくれればいいのにという気持ちの中に、止まらない、止めることのできない季節の流れを感じることができました。

気になったのは、同じ連に同じような意味合いのことが重なっているところが、作中のところどころあるように思えたので、その部分を整理していけば、もう少しまとめることができることかなと思いました。一例をおいておきますね

はるになると たいようがはるがきたおしらせで
「はるがきたよ あったかくなったよ」って
さくらのはなをさかせておしえてくれる
         ↓
はるになると たいようがおしらせしてくれる
「はるがきたよ あったかくなったよ」って
さくらのはなをさかせてくれる

作中で一番心に残ったのは、下記でした。

せっかくがんばってふゆをのりこえて
せっかくキレイにさいたのに
ちょっとだけさいておわりなんだ

この中の「ちょっとだけさいて」という言葉、子供が言ったのだと思うだけで、なんともいえないかわいらしさを感じてしまいます。なぜちょっとだけなの??みたいな、ちょっとすねたような、ちょっと困り顔のような、どこか頼りなげな子供の顔が浮かんできてとまりませんでした。

ずっとずっとさいてほしい・・・・・・ ほんとそうですね。
大人も子供もみんな大好きな桜の春を描いてくれた作品、今回は佳作二歩手前で。



☆gold moon/とある青年の独白 松本福広さん

※詩の訂正の件のメールをありがとうございました。受け取っております。ご安心くださいね。

月。地球から見て太陽と同じくらい身近に感じる存在ですね。メールで海のことをお知らせいただきましたが、それで思い出した余談ですが、月って地図があって、地名なんかもあって楽しいですよね。

外国(日本から見て)に住む裕福とは言えない青年が、月には金があると思い、あの手この手を尽くして、本が読めるようになるまで勉強するが、金のない星だと知る。その途中で日本という国を知り、自ら命を絶つ人が多いことも知るという感じで、作品の大筋を捉えました。

個人的には物語詩のような感じで拝読させてもらいました。格差社会、治安の悪さ、一攫千金に望みをかけるしかないと思いたくなる環境だとか、青年の暮らす国の様子の書き込みは、詳しく書けていると思いました。月に執着してしまう動機の理解にも繋ぐことができていると思いました。(中略)から出現してくる日本という国の様子は、この青年の国の様子と対峙させるために一役かっているようにも思えました。二つの国の様子を照らし合わせてみることで生まれてくること、何が人間の幸福なのかと言う思いを読み手に投げかけてくれているようにも思えました。

最終的には日本人は希望が多すぎるということや自ら命を絶った人に対しての問いかけのような形で終わっています。個人的には、最後の着地点が日本人のことになっていることに関しては、最初に月に視点をあてて書き続けていたということを思うと、着地点が少しずれてしまっているように思えてしまいました。日本の社会のことを一番のテーマにしたいのか、それとも、月をメインとして理不尽な世界全体の様子について書きたいのか、その点が私の中では、ぼやけてしまいました。う~ん、どうかな。今回はテーマが大きすぎてしまったようにも思えます。世界全体の様子も不安定だし、最近のこの国の社会の様子にしても疑問に思うことも多いし。ラストに投げかけている、自ら命を絶つ人のことについてなんて、かなり深い問題だし。全部でなくてどこか一つに絞る方がよいのかなと感じました。青年の国のことにしても、日本のことにしても、それぞれを分けて拝読すると、それぞれよく書き込めていたので、なんだか、せっかくの筆力がもったいないなぁと感じてしまうのです。それにしても、月の本をひらいて知った青年の言葉は、著名人が残すような言葉で名言だなぁと・・・・・・「月には黄金なんてなかった」

現実を知る厳しさについても考えさせてくれる作品でした。今回は佳作一歩手前を。



☆許しの傷  温泉郷さん

子供が他人の物を壊してしまうシーンは、誰もが一度は見たことがあるのではないかと思います。そして、見ている本人や子供も小さい頃、同じようなことがあったなということを感じていたりするのではと思ったりします。

イケないことをしてしまったなという申し訳なさは、大人は思いっきり頭を下げたり、弁償という形で表したりすることができますが、子供はというと、大人が一緒に謝ろうと言ってあげずにいると、そのまま何も言えずに終わってしまいそうです。言わせてもらえなかったことは傷になって残る。言わせてもらえなかったことを許すけれど、それは傷になって残り、大人になって循環し、いつかその古傷が痛むこともある。

読み手の私は、作品からこのようなニュアンスを受け取りました。これが仮にそのまま作品の趣旨やテーマとして用いられているのだとしたら、表現するのはかなり難しいことなのに、このようなわかりやすい状況や、言葉をもって表現し、伝えることができるということについては、私の中では、ことごとく印象に残る表現となりました。壮絶な体験から表現するということでも難しいことだと思いますが、皿を割ってしまった子供という、誰もが見たことのあるシーンを起点として、このように読み手に表現できるのは、日頃から、生活の中にある出来事をまっすぐに見つめ、深く掘り下げ、感じようとする気持ちがあるからなのだと思いました。佳作を。



☆芸術  相野零次さん

拝見していると、パステルのような淡い美しい色を感じました。とってもいい匂いを感じることもできました。ここちよい音を感じることもできました。

切っても切ることができない芸術と自然。その自然の描写が、誰もが目に浮かべられるように描かれていると思いました。映像が浮かんでくる文字のマーチです。

作者さんの芸術論。芸術論といえば、ものすごく堅苦しいもののように思えてしまうのですが、こちらの作品の芸術論は誰でも気軽に読めてしまうという、いい意味で、カジュアルな芸術論。人生についても絡められていますが、すいすい読めて、その上にどこか気持ちを楽しくさせてくれます。そして、作品の初めから終わりまで、作者さんの芸術に対するまっすぐな熱を感じさせてもらえました。

作品の中で一番印象に残った一行は「挨拶も僕は芸術だと思う」でした。その理由としての「生きることは芸術との出会いと別れの繰り返しだ さまざまな人との出会いと別れの繰り返しだ」という表現。説得力を感じました。そしてとても素敵な考え方だなとも思いました。終盤の言葉も印象的でした。

さようなら今日の僕 さようなら今日のみんな
さようなら今日の僕と過ごした芸術たち

このような言葉に触れると、暮らすということは、生きるということは、みんな芸術の仲間なのだよと伝えてもらっているような、そんな風にも思えてきました。佳作を。


*********************************

つばめをみることができました。昨年は、ほとんどみることができなかったのですが、今年は、昨年よりも多くの数のつばめをみることができて嬉しかったです。あと少しで5月。はやいなぁ。桜の青葉がきれいなこの頃です。

みなさま、今日も一日、おつかれさまでした。

編集・削除(未編集)

集団意識と個人の尊厳   aristotles200

国家が権力を自覚し始めた時から、ある意味、全体主義とは必然である。
何故なら、権力構造そのものに多数の全体主義への因子が存在するからだ。
一方で宗教とは、内部統制に分裂を見ることはあれど、共同体であることを一とする、
そして人間の存在意義、人はどうするべきかを常に問う。
人間が群れて行動すると、何処か胡散臭さが付き纏うのは構造的、及び共同体において、集団の利益を第一とするからだ。
札束で風を扇ぐリーダーと働き蜂の群れの例え、要は私は集団が嫌いなのだ。
          ✳
傲慢さ、冷徹、目的至上、帰属意識による横柄さ、人間の非道徳的行動とは、ほとんどが集団意識の暴走を元とする。
この面に関しては、性悪説を否定することが難しい。
歴史を省みても、俄然として死体の山が聳え立つばかり、そこに人間の尊厳を見出すことは出来ない。
私のような個人主義者はいう、それ見たことかと、なるほど、科学文明の発達には必要だろう、そして、火薬から核兵器が浮かぶ。
要は、人間の尊厳とは、集団意識ではなく個人に帰する、そうでなければならない。
          ✳
人間の尊厳とは、斯くあるべきものではない、決して、そうあってはならない。
何故なら、人間の本質とは自ら考えることにあり、ロボット、或いは労働者、又は組織人間になることではない。
集団意識が正であり、どの集団が正しいかを問うなど、本末転倒そのものである。
人間の尊厳とは、自ら考えることによるアイデンティティの、思う行うに他ならない。
昨今の人間でない人間、暴力、破壊衝動で動く加害者群とは集団意識の犠牲者でもある。
常に集団の声を求め、指示通りに動く、蜂や蟻の如く、或いは暴走する、要は、彼らの哲学は死んでしまったのだ。

編集・削除(編集済: 2025年04月30日 12:06)

三浦志郎様  御礼  静間安夫

今回も私の詩を丁寧にお読み頂き、誠にありがとうございます。佳作
との評をくださり、とても励みになります。

「独自の音楽家像にまで昇華」と仰って頂き、嬉しく存じます。

そうですね、亡命でなくても、新たな国を訪問し滞在することで、
芸術家が大きな刺激を受け、新たな境地を開くことにつながるのでしょうね。

今後とも、どうかよろしくお願い致します。

編集・削除(未編集)

三浦志郎様 お礼です 上原有栖

今回も評と感想を頂きましてありがとうございます。
前回は子どもとの実体験からの作でしたが、今回はオールフィクションです。ご心配おかけしてしまいました。仕事をたくさん抱えていますが私は大丈夫です!元気です!

ご指摘のように後輩からの言葉は豪速球の感がありますね。後輩なりの「目、覚ましてくださいよ!」という気持ちがついつい入ってしまいました。

これから本業が忙しくなるため夜の仕事(副業)は5月から減らすことにしました。本作の主人公のように病んでしまっては元も子もないですから。
今までより時間に余裕を持って詩作に励んでいきたいと思います。次回もどうぞ宜しくお願いいたします!

編集・削除(未編集)

三浦志郎様 評のお礼 こすもす

佳作の評をいただきありがとうございます。励みになります。
この詩は以前仕事帰りで電車を待っている時に目の前を通り過ぎた貨物列車を思い出して書きました。
貨物列車だけでなくローカル線を走るディーゼル車も好きですが、最近は実物を見に行く機会がないのでインターネットにある動画をよく見ています。これらの列車に懐かしさや哀愁を感じるからかもしれません。
列車に関する詩はこれからも書こうと考えておりますので、その際はまた評をいただけたらと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。

編集・削除(未編集)

感想と評 4/18~4/21 ご投稿分 三浦志郎 4/26

1 上原有栖さん 「ペインキラー」 4/18

「~~キラー」というのは、けっこう物騒なものもあるのですが、これは良い方ですね。
念の為、調べたら「鎮痛剤」とありました。前作は「パパ」でしたが、今回はご自身のこと。
これは実体験を基調としながらも、少し誇張やフィクションが入って仕上げた感じがします。
前作にもあったように、仕事が心身にとってハード過ぎる気がします。精神面が大きい気がします。
「錠剤~二粒」「カプセル~一錠」とあるので、二種類飲んでると理解されます。ポイントになるのは、終わり2連という気がします。後輩のセリフです。しかし忖度なく、ずいぶんはっきりと言うものですねえ。自分のコンディションに傾き過ぎ、他者との関係、他者の気持ちに気が回らなくなった、といったところでしょう。その方面にも薬が効くかどうかは、ちょっと疑問ですね。やはりご自身の意識の範疇といった気がします。
佳作一歩前で。


2 こすもすさん 「貨物列車」 4/18

前口上を少し。
トラック輸送と鉄道輸送の活動比率を調べたところ、現在は圧倒的に前者が多いそうです。
で、このことは、この詩の骨子に少なからず関わってくると思うわけです。

それを前提とすると、この詩は3連が最も読みどころ。「コンテナが数えるほどしかなく」や「トラックが列車を追い越してゆく」が代表でしょう。トラックと列車の速度関係は普通、逆のように思えるのですが、何か事情があったのでしょう。いや、それ以上に、この情景は今の輸送界の実態を示唆するに充分のものがあります。それに答えての「時代の流れなのか」「叫んでいるのか~時代に抗うように~」と続きます。ここはよく考えて書き込んでいます。そんな連を他の連は、美しいが少し切ない描写で囲んでいます。それは貨物列車への優しい眼差しのようでもあります。タイトルからすると、書き手も読み手も力強いものを指向するのが、ほぼ定石なのですが、この詩はそうではない、ひとつの哀感です。そこに価値がある。そこを見ておきたい。
別視点を書きます。貨物列車を実際に運転している人は、こんなことを思ってはいない。鼻歌でも歌って、仕事後の酒を楽しみにしているかもしれない。いっぽうで、離れた地点で貨物列車をこのように書いてくれる見知らぬ人―すなわち詩人―がいる事を、ここに記しておいてもいいかもしれない。佳作です。

アフターアワーズ。
過去にも鉄道に関わる作品がありました。このあたり、単に偶然なのか、それとも何かのこだわりがあるのか、少し興味深いところです。


3 詩詠犬さん 「ことば」 4/19

そういえば 「なんとも言えず」と言いながら
「美しい」と言っている

いきなり引用してしまいました。
少し笑えるのですが、これは大まじめに考えないといけない。僕はこの詩で、ここが一番好きなんです。「なんとも言えず」=「言葉にならない・筆舌に尽くしがたし」とするならば、一応言った「美しい」は本当に正しいのか?嘘くさくないのか?表面だけではないのか?詩は検証を始めます。
実はこの詩は花の状態をきっかけとして、言葉の可能性と限界をシンプルな日常性と言葉の中で言い当てているのだと理解しています。これを私見交えて書いてしまうと……

「人間の五感・感性・情緒・インスピレーション>言葉」

後者は前者群に追いつけない。完璧に体現できない。詩はその事を言っている。結果、詩は終連部分の結論に至ります。これもひとつの見識と思うわけです。深い内容を詩詠犬さんらしい言葉で書かれました。 甘め佳作を。


4 静間安夫さん 「ある作曲家へ」 4/21

前口上を少し。
詩論とは別地点において、評者のみならず、読んだ誰もが(この詩の作曲家は誰だろう?)と思うわけです。とりとめがないので、思いつくままに候補者を挙げて調べてみました。
「スメタナ・ドボルザーク・チャイコフスキー・ムソルグスキー・ワーグナー」
どれもピンときません。どうも釈然とせず。そこで、検索方法を変えたら、ショスタコヴィッチがヒットしました。多分、この人のことでしょう。そう思って書きます。違っても気にしません(笑)。

「社会主義体制に翻弄された作曲家」とありました。
まさに、この詩もそれを充分踏まえています。まずは独裁体制下での彼の辛苦が背景に描かれます。具体的にはスターリン政権下での音楽芸術への圧力です。身の危険も感じるほどの。
加えて、地獄のような独ソ戦。このような中での音楽活動は甚大な圧迫を受けます。詩中にもあるように(生きる為には)「体制に迎合した」面もあったでしょう。この付近までが前半。しかし、この詩の本領は後半部。その前兆がすでに初連から4連までに提示されています。「なぜ亡命しなかった?祖国に残ったか?」の疑問。それを受けて後半はその解析、静間さんの詩を通しての推論、考察です。彼の「良くも悪くも我が祖国」―そんな思いが詩によって浮き彫りにされます。単に履歴羅列に留まらず、ひとつの疑問から発して、この人間の持つ表面、裏面にも触れながら、静間さん独自の音楽家像にまで昇華されました。 佳作です。

アフターアワーズ。
冒頭付近の疑問ですが、亡命ではありませんが、ドボルザークが米国を訪問して、あの「新世界」を完成させた故事が、どうも僕の頭から離れずにありました。静間さんにもあったのかもしれません。僕はクラシックは殆ど聴きませんが、この人、ちょっと聴いてみたいと思います。


5 人と庸さん 「関係」 4/21

まずは準備として、吉原幸子「無題(ナンセンス)」を読みました。

そして初連……例えば街中で人と人がすれ違ったとします。相手の名前は知らない。自分の名前も知られない。そんな一瞬の関係の二人。そこから同心円状に広がる世間・社会・世界。広い荒野はそういったもの。マッチ棒幾本は人の象徴。

2連……吉原詩の1フレーズ。ある解説では孤独のありよう、あるいは存在の本質と説明される。
ここでは、この詩の作者が作品の呼び水として引用したと思える。

3連……初連との対比で、名前さえあれば、関係はもちろん、人間や社会に「変化」という一石を投じるだろう。

4連……2連の引用部を下敷きとして、作者は「いる、いない」の本質を、タイトル「関係」にまで広げている。

5連……転じて、此処は具体的事例。一人の人間の死。

6連(1行独立)……生も死も恐怖である。(2連、4連とも関連)

7連……一見美しいが、内実は醜いだけのこの世界。

8連……人と人に芽生えた「関係」によって、この世界は俯瞰すると美しくは見える。いや、希望的観測かもしれないが、実際、美しいのかもしれない。

9連……世間の個々人に向け、作者は何事かを働きかけようとしている。あるいは祈りや願いかもしれない。詳細は評者にとって不明。

10連……評者にとって意味不明。

―と、まあ、こんな感じで読んでいたんですが、「広い荒野にマッチ棒」はシュールな絵画を観るようで、非常に抽象現代詩的効果があります。それでいて、これらは比喩する物が何であるかはわかる仕組みを取っています。「匿名→名前あり」の発展によって関係が始まり世は初めて動き出す、良くも悪くも―。そんなフィーリングを感じています。詩は難解さを提出しながらも「いかようにも読んでもらって構わないです」といった寛容ももたらしています。 佳作を。



評のおわりに。

ある偉大なアーティストの偉大なコンサートに行ってきました。
会場は1万2千人キャパで満席。
いい歳こいて人生観が少し変わりました。
その1。
人は生を受けたからには、よろしく成功すべきであること。(僕はもうとっくに遅いけど、ネ)
その2。
地鳴りのような重低音を積極的かつ好意的に研究すること。

以上です。 では、また。

編集・削除(未編集)

水無川 渉様 評の御礼です  温泉郷

水無川 渉様 いつも、丁寧にお読みいただきありがとうございます。また、佳作をいただき、うれしく思っております。白黒写真というのは、不思議な記憶の喚起力があると思いました。カラーでない分、想像力を刺激するのかなと思ったりしました。引っ張り出した写真が、素人カメラマンが撮影したモノクロ写真でして(実はそんなに大昔でもありません)、眺めているうちに、作品のようなイメージが湧いて書いてみた次第です。書いていたものが、詩だったらよかったのですが、もう少し、仕事寄りの文章でした(笑)。引き続き、よろしくご指導ください。

編集・削除(編集済: 2025年04月25日 12:30)

ブラザーフッド 上原有栖

「なあタバコをくれないか」
「今度会った時に返すからよ」

お前が煙草を切らすなんて珍しいじゃないか
差し出したマールボロを吸う横顔は
何か隠しごとをしているな
言葉にしなくても俺には分かるんだよ

どうした、という言葉を俺がかける前に
火を消したお前は背を向けて歩き出す
「どうした」
去っていく背中へ一拍遅れて投げかけた言葉に
返ってきたのはヒラヒラと振り返された
手のひらだけだった
こっちを向けよ、コノヤロウ

何かあったときに背中を預けられると思ったのは
後にも先にもお前ひとりだけなんだ
話せば何かと馬が合った
年の離れた兄貴より兄弟らしいとさえ思っていた
お前がいるから今まで歩いてこれたんだ
泥だらけでも、傷だらけでも
ふざけあって、笑いあって
お前と出会って人生が輝きだした

何があったか知らないが
俺がいることを忘れるなよ
辛いとき苦しいときは声をかけてくれ
いつでも準備は出来ているから

それ以来お前からの連絡は途絶えてしまった
伝手を頼って調べてみたが何も分からないのだ
俺のマールボロを吸う本数だけが増えていく
まったく、いったいどこで何してるんだ

なあ貸した煙草、早く返しに来いよ
話したいことがたくさんあるんだ
お前はその話をニヤニヤしながら聞くんだぜ
そうさ、分かってる
お前のことは俺が一番よく知っているんだから

編集・削除(未編集)

水無川渉様 ありがとうございます。

感想をありがとうございます。
テクストは、織物、編み物を意味するラテン語と教えていただき、時間を掛けて何かを作っていく、紡いでいくことの大切さを改めて思いました。
なかなか、周囲にも手仕事をする人が少ないので、針を持つことが、精神の安定に繋がることを書いておきたいと思いました。

編集・削除(未編集)

水無川渉様  評のお礼です。  松本福広

佳作の評ありがとうございます。
おっしゃる通り、自己批判も含みます。
今回取り上げた聖書のエピソードを聞いて、水無川さんの解説された通りに理解しておけば良いと思うのですが……皆様ご自身に対して自覚的で素晴らしいなぁとズレた感想を持ってしまったことが書こうと思ったきっかけです。
自分が「正しい」と思える立場になると攻撃性が増したり、都合が悪いことは忘れて、自分を美化してしまう気持ちは誰にでもあるけど……自分はどれだけ歪さを自覚しているのだろう?
と思うことも多々あります。
自分のことすら実は知らない。
自己正当化とか、自信のなさ故に他の価値観に翻弄されたり……生きるって難しい 苦笑
社会、自己どちらにも当てはまるよう書かせていただきました。
ありがとうございました。またよろしくお願いします!

編集・削除(編集済: 2025年04月25日 08:18)
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