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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

三浦志郎様 評のお礼です。 社不

読んでいただきありがとうございました。
母への思いがテーマでしたが、自分の力量不足とか説明不足を感じております。
気をつけて、そのあたりは今後書いていく必要があると思いました。

編集・削除(未編集)

感想と評 7/11~7/14 ご投稿分 三浦志郎 7/19

1 こすもすさん 「乾く心」 7/12

初連。この詩が提示する最大の問題点であり、この詩の出発点であることを、今、痛感しています。
初連。これはすでにして普遍に近いでしょう。だからこそ、人には屈託があるのでしょう。だから希求します。時にその輪郭が見える時もある。4連のことです。この連は初期の幻想作品のひとつの現在的消化形とみなすことができる、と僕は思っています。ひとつの成果です。そして5連「何度も繰り返している」と7連「求めずにはいられない」―ここはとても重要で、これは人間が一生掛けて繰り広げる「性(さが)」を言っているのだと拡大解釈できるのです。早い話が、心を許した親友がいたとします。それでもその人に対してでも利害打算は働いてしまいます。この詩は、そんなことも含めつつ「自己対他者」の持つ課題に到達していると思います。そんな解釈に立っての佳作を―。


2 上原有栖さん 「drops―ドロップスー」 7/12

出だしの一行がすてきですね。ドロップに導かれて世代的なことを考えていました。僕の子どもの頃、当ドロップは大好きなお菓子でした。本文にもある通り、いつもハッカが残るのも実感で、それを書かれた上原さんも同時代人ではないでしょうか?なかなかややこしい話ですが、両社いろいろな事情があったのでしょう。
総合すると―。

佐久間製菓……「サクマ式ドロップス」本社・池袋 2023年廃業 赤い缶。
サクマ製菓……「サクマドロップス」本社・恵比寿 現存 緑の缶。

現在は別会社ですが、もともとの前身は同じのようです。しかしネーミングの「式」って何でしょうね?最も興味ありますね。全商品が缶というのも、今からすると凄いものがあります。これは詩の評価というよりも、世間話柄として懐かしく興味深い作品です。よく調べられました。そこに愛着と熱意が伝わってくる気がします。ドロップにちなんで、例外的甘め佳作と致しましょう。


3 森山 遼さん 「一枚の写真」 7/14

まずルオーを調べ、この詩とどのような因果関係にあるか、をイメージしてみました。何故ならば、終わり近くにもルオーが出て来るからです。本作のモチーフはあくまで「一枚の写真」なのですが、2連から4連まで、実際の写真を見て、こういった書き方はしないんです。ここは写真を見て触発され、ルオーの絵画イメージを引きずっているように僕には思えるのです。その結果、導きだされるのは、5連から7連までの、見事過ぎるほどの思考です、哲学です。それ以降は、より写真に寄り添うような筆致です。すなわち抽象と具体の両立。そして、この語り手にとって、その人物・その写真は、手の届かないような高みにあるとされています。そこで足がかりとしてのルオーの絵が最後まで随伴するのでしょう。読んでいて、煙るように解釈の行方が不明になることもあるのですが、詩とはそういうものでしょう。それよりもむしろ僕は本作にみる表現・言葉の配置、結果としての詩の佇まいを重く見たいと思います。もちろん佳作です。いろいろバリエーションはあるでしょうが、その中で、こういったフィーリングを中心軸にするとよいと思います。もちろん日常いろんなモチーフもあるでしょう。それはそれ、これはこれで。


4 相野零次さん 「光 闇 風」 7/14

「夜歩く」―闇に紛れて「君」に会いに行くのかもしれません。その外出時に見た実景と、浮かんだイメージ・幻想。その混在。そんな風に把握できそうです。一見、荒唐無稽のようですが、けっしてそんなこともない。ちゃんとリアルを通過してゆく。曰く「犬の鳴く声」「踏切」「救急車」「銀杏の葉」。
あとは歩きながら、物思いにふけるようなイメージの世界です。
ところで、終連にある「性」は「さが=性質」のほうではなく文字通り「SEXUAL」のほうだと推測します。その以前に「今からいくよと君に約束する」が兆しのように置かれているからです。その連以降、そういった詩のトーンに傾いていくかのようです。ソフトクリームの出し方がちょっと奇妙。佳作半歩前で。


5 じじいじじいさん 「君の手で」 7/14 

どこにも否定材料がない。輝くばかりに明るく前向きな詩です。扉~夢~未来を上手く連動させ、子どもへの応援詩になっている。説得力もあります。それはわかりやすさ、伝わりやすさを意味します。まずは表記上のことから。2連冒頭は「君が持ってる夢~」で改行した方がいいでしょう。終連はこれでもいいのですが、僕の場合、少し整理したい気がします。参考までに。

いいかい
扉を開けたら夢って未来に進むんだ
急がなくていい
疲れたらペースをおとしてもいい
進んでいれば夢は叶うから
さあ 扉を開けようよ
君の手で
未来に向かって

次にこの詩の評価的位置づけです。恐ろしく客観的立場で言うと、これは大人が子どもに向けて書いた、いわゆる“大人の詩”なんです。ただ僕はこの場をお借りして、恐ろしく主観的なことを書いてしまいます。結論から書くと、これは子どもの詩です。もう少し言うと子どものための詩です。理由は以下です。「じじいじじいさんはもっぱら子どもの詩を書いてきました。そのポリシーを好意的に見るならば、本作も子ども詩の一環であると見たい。むしろ、視点を変えた、切り口を変えた、アプローチを変えた、これは新種の子ども詩と把握したい」―といったわけです。タイトルもすてき。愛に満ちたこのメッセージに佳作を。

アフターアワーズ。
僕の尊敬する作家・司馬遼太郎氏に「21世紀に生きる君たちへ」という一文があります。
大阪の小学6年生国語教科書に採り上げられました。それを読んだ時のような明るい気持ちに
なりましたね。


6 静間安夫さん 「便利な道具」 7/14 

この詩は実際に路上を歩いているのですね。前半は具体例としての「路上・移動手段(道具)・速度」がメインになります。それを受けての7連「どうやら~」以降、詩は佳境に入って行きます。
ポイントを言うならば「道具と人間」論。ここにこの詩の深みがあります。「あの人は車に乗ると人が変わる」みたいな話はたまに聞きますよね。道具には人を夢中にさせたり、変化を与える要素って必ずあるように思います。道具の魔性とでも言いましょうか。最終的には使い手の人間しだいというところでしょう。道具をコントロールする為の人間の謙虚―凄く良い発想だと思います。タイトルはやや皮肉注入か?「~イライラがつのってきてしまったな」「目の前を歩いているばあさん」―あ、ホント、歩いてますねえ、このくだり、ケッサクです。発想、思考は全く正論で、ためになるものです。いっぽう、詩的観点に照らすと佳作一歩前でしょう。


7 社不さん 「それだけの話」 7/14

初連と5連は詩的感性充分で優れた表現です。
後の部分は何だかよくわかりませんでした。その意外性とか無関係性は、読んでみてそれなりに面白いのです。瞬時にイメージしたことをそのまま書いた、そんな印象です。むしろ「わかってほしかった」「それだけ」のセリフの機能、意味について、ちょっと考えてみました。後者が前者を濃厚に修飾するものだとします。つまりー解説的に書くと―「他はいいから、これだけはわかってほしかった」のような感覚+やや自嘲的感覚。もし、そうであるとすれば、この詩に隠された事情はなかなか深いと言わざるを得ません。しかし、それが何かは僕にはわかりませんでした。佳作一歩前で。


評のおわりに。

明日は選挙に行きます。 では、また。

編集・削除(編集済: 2025年07月19日 18:27)

雨音様 評のお礼 こすもす

評をいただきありがとうございます。
昔に比べると手紙やハガキを出すことも受け取ることも少なくなったと感じます。
この詩は手書きの手紙やハガキに込められた思いを表現したくて書きました。
ご指摘の読まれる方がどんな字だろうと思うような表現についてはもう一度考えてみます。
ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

編集・削除(未編集)

雨音さま 評のお礼です  相野零次

雨音さま 評ありがとうございます。
改めて読むと序盤が取っ散らかってるように思えます。
最初から深いテーマを書きたかったわけでなく、
かいているうちに深くなったのかなと思います。
引き算するのが難しいですね。

編集・削除(未編集)

雨音様へ

ご丁寧なアドバイスありがとうございます。
仰られたアドバイスに注意してトライしていきたいと思います。

編集・削除(未編集)

雨音様 評のお礼です

雨音様、評価していただきありがとうございます。確かに、あなたの部分は重要な部分だっあのだはっきりさせた方が良かったかもしれません。
参考にします。

編集・削除(未編集)

聴こえる/感じる/知るその先へ  上原有栖

ほんの少しの間だけで良いから
眼を閉じてみてください
なにを感じましたか

風のそよぐ音がします
鳥のさえずりが聞こえてきました
木の葉のさやめきが心地良いです

あなたはいま 公園のベンチで 周りの音を聴いています
瞑目して視界が奪われることで
目の前は闇に支配されてしまうけれど
そのかわりに
聴こえてくる世界があることに気が付くでしょう

***

もう一度 瞳を閉じてみてください
なにを感じましたか
焦らないで ひとつずつ挙げていきましょう

遊ぶ子供たちの笑い声が聞こえてきました
揺れる風鈴の音色が響いていますね
暑さに負けない油蝉の合唱が騒がしいです

あなたはいま 部屋の中 周りの音を聴いています
視力に頼らずに耳が拾う音を楽しむことで
聴覚が研ぎ澄まされていくことに気が付きます
想像のモノクロ風景が
頭の中で鮮やかに彩られていくでしょう

***

これで最後ですよ 瞼を閉じてみてください
なにを感じましたか
大丈夫 もう慣れましたよね 教えてください

囁くような企みの声が聞こえてきます 不安です
遠くで叫ぶような言い争う声がします 怖いです
ケガをしたのか誰かの泣き声がします 心配です

なるほど そんな声が聴こえてきたのですね
でもどれもあまり良くない声のようですね
世界には見ることができないけれど
あなたが聴いたような声を挙げている人たちが
たくさんいます
一人一人を救うことはできなくても
そういう問題があることを
「知る」ことが大切なのかもしれないですね

***

目で見えるものだけが全てでは無いから
時々 耳を澄ませてみてください 
この世界の問題をもっと知ってほしいから
あなたの耳には 今度はなにが聴こえてきましたか
 

編集・削除(未編集)

雨音様 お礼です 上原有栖

雨音様、今回も評と丁寧な感想を誠にありがとうございます。
この詩の始まりの言葉たちは、わたしのなかでもとてもお気に入りの言葉で書けました。
嬉しいお言葉、ありがとうございます。

歌詞のような詩、心当たりがございます(笑)
色々と挑戦してみて、これからも詩の世界の奥深さを感じていきたいと思います。

次回は日本からということで、また宜しくお願いいたします!
夏の暑さにはどうかご注意くださいませ(毎日とても暑いですね……)

編集・削除(未編集)

評ですね。 7月4日〜7日分  雨音

「ミラージュ」上原有栖さん
有栖さん、こんにちは。お待たせしました。
詩の始まりの二連がとてもいいですね。「あなたの嘘」が両手では足りなくなった、ことから、さよならは紡ぎ出されていきます。おまけの佳作です。「おまけ」の部分なのですが、心なしか歌詞のように感じられるんです。これは有栖さんは意図されてないかもしれないのですが、少し形を崩したり、体言止めをなくしたりすると、この「ぽさ」は消えると思いますし、それ以上にこの作品に流れている芯の強さのようなものにとても惹かれました。さよならをいう、それだけのことだけど、それは全然それだけではないんですよね。そうした気持ちが間接的に描かれていく部分に有栖さんの筆力を感じました。
良い作品だと思います。

「強靭に言う?」森山遼さん
森山さん、お待たせしました。夏ですね。
そうですね。強靭ですね。でも強靭っていうより、強情かもしれませんね。可愛らしい作品だと思いながら読みましたが、実はとても深い思考が「強靭に」描かれていたのですね。この大部分を占めていた軽やかさがこの作品の最も良い点だと思います。というのも、「人間はひとり」「ひとりで生きていく」というのを重々しく書くよりも、君の腕の白さから始まった方がずっと心に残ります。佳作一歩手前です。一歩、の部分は血を吐くからの最後の部分に少し違和感があったこと。森山さんの構想にはあったかもしれませんが、読み手からすると、急転換に感じました。この辺りは急転換しても「あり」だなと思える工夫がちょっと必要かもしれません。

「人間」相野零次さん
相野さん、こんにちは。夏バテされてませんか?
とても大きな世界が描かれています。壮大なテーマです。相野さんの死生観、人間の創造、すごく面白いし、ポテンシャルはすごく高い作品だと思います。よくまとめましたね。それだけですごいですね。応援の意味も込めて、佳作一歩手前です。テーマが大きいため、時間をかけて推敲して欲しいなと思いました。冒頭、これはもう何もない。心もない。思考はあるのかな。思考はあるんですよね。じゃなきゃ、言葉は存在しませんから。心もないようなあるような感じがしますね。それがちょっと残念かな。心なしっていうのを徹底するといいかもしれません。そこに矛盾があると成立しなくなってしまうので。
二連目に出てくる「彼女をみていると何かが生まれる」というのも少し唐突です。彼女、どっからやってきた?とふいをつかれます。そして生まれたばかりの心の成長早すぎるような、もう少しそのたどたどしさが感じられるといいかな。
後半はすごくよくまとまっていると思います。こうした作品をまとめるときは、自分に厳しいくらいに「独りよがりになっていないか」と問うことが大切です。ですから、足し算よりも引き算が肝心かもしれませんね。

「近所のポスト」こすもすさん
こすもすさん、こんにちは。お待たせしました。
近所のポスト、私にもあります。そうですね、最近はポストから手紙を出すこともぐんと減りました。お手紙をいただくことも減りました。なんだか寂しいですね。
この作品は最終連への繋げ方がとても素敵だなと思いました。応援の意味も込めて佳作一歩手前です。次回から少し厳しくなります。
例えば、たまに受け取った手紙、実際にどんな字だったのかそこを少し掘り下げてみたりすると良いかもしれません。それを、こすもすさんの個性がある表現で書いてみると良いですよ。例えば、「タコが9本足になったような字」とか、まあこれはちょっとやりすぎですが、それってどんな字だろうって思えるような表現です。ちょっとやってみてくださいね。作品の流れやまとめ方はとても良いので、こうした変化のようなものを作ってみてください。

「あの雲」月乃にこさん
月乃さん、お待たせしました。
雲を空の波と捉えた作品、二人のあなたたちと私はどんな関係なのかわかりませんが、孤独感が作品を通して流れています。まず、雲を波ととらえて書いていることがとても良いですね。一貫してその視点がぶれていないためつい空を見上げてみたくなりました。心象風景を忠実に書き出していこうとしていることもとても良い点でした。
二つアドバイスさせてください。
ひとつめ、少し体言止めが多いように感じます。ふたつ目、一行が少し短すぎるかな。この二つを合わせて、詩の中で自分が一番フォーカスしたいところ、目立たせたいところに、この体言止めや短い行を使うのが良いと思います。もしくは、逆に長い行をわざと持ってきてもいいかもしれません。印象がはっきりして、メリハリがつくと思います。
四連目の「にんまりと」がとても効果的でいいですね。その時 から連を分けてもいいかもしれませんね。色々やってみてくださいね。

「ゲームが嫌いだったあなたは」多年音さん
多年音さん、こんにちは。なんだか面白いペンネームですね。
作品、とても興味深く拝見しました。視点がとても面白いと思います。ただ、「あなた」で少し混乱しました。あなたは誰だろう。僕がいて、あなたがいる。父なのかな?それとも過去の僕なのかな?ゲームが嫌いだったあなた、なのでやっぱりお父さんかもしれませんね。その辺りがもう少しはっきりわかりやすくなるといいと思いますので、そこを意識しながらもう少し推敲してみてくださいね。ゲーム、という題材からこんな風に広がっていくということが目から鱗でとても新鮮でした。

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六月はお休みさせていただいてありがとうございました。
改めまして、秋冬さん、澤さん、ありがとうございました。
次回は日本からお届けできそうです。
みなさま、夏バテせずにお過ごしくださいね。

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孤塔  aristotles200

その性、人を許せない
自らにも厳しく、学識を究めようとする

氷の塔の様な
どんどん高くし、居住まいを正す
孤高を示す

市場の流れに親しむこともなく
世間からのズレを、内側からの鍵で答える
感情は分析し、冷徹に処理する

孤独を深める相は
日々、鬼気迫る

普遍的な存在は認める、しかし
この世に、期待することはない
立ち位置は
常に観察者、批判者にある

彼は世界を冷笑する
馬鹿どもめ、と
そして
氷の塔を、また一層高くする

          ※

細い氷の塔が、一本ある
高く、高く聳え立っている
入口はなく、扉は
内側から鍵がかけられている

コミュニティとは交わらない
誤解を恐れない
分かってくれなくても構わない

今日も、氷の塔を高くする音が聴こえる
独り、学識を究めようとしている
鬼、という言葉が浮かぶ

ある日、氷の塔は雲上に達する
祝う者など誰もいない
外界を見下ろす鬼は、感慨深げにいう
まだまだだ

と、塔は激しく揺れだした
重みに耐えかねた、低層階が崩れだす

瞬く間に、鬼は地表に落ちてしまった
鬼なので無傷
周囲を見回すと、氷の塔は砕け散っていた
全てを失った鬼は、既に老いていた

小さな庵を
塔の跡に建てた
近くの村の子供たちに、読み書きを教えつつ
そこで、死ぬまで暮らしたという

好々爺然とした物腰から
誰も、鬼とは気づかなかったらしい

編集・削除(編集済: 2025年07月18日 05:48)
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