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まだ落ちない
まだ落ちない
そろそろ
落ちそう
あ
落ちる
もう
そんなふうに
いつのまにか
眠りに落ちていることが怖くて
意識と無意識の境目を探ろうと
布団の中のわたしは
何よりも真剣だった
真剣に
切実に
眠ろうとしていた
幼かったわたし
得体の知れない恐怖を抱えて
たそがれ泣きの延長に
いたのだろうか
目が覚める保証など
どこにもないのに
どうして気安く眠れよう
うすらうすらと
虹が消えてゆく
ひこうき雲が消えてゆく
わたしが消えてゆく
意識と無意識の境目を
知ることはできないのだと
残酷なほど明るい朝日に
諦めたとき
わたしはすこし
鈍くて脆い大人になった
そうして今はもう
なにも怖くないけれど
ただ時々
白昼にうとうとと
ついうっかり落ちた眠りから覚めると
今が朝なのか夜なのか
ここは一体どこなのか
わたしは
誰だったのか
からっぽな空へ
放り出されたような感覚に
早く脈打つ鼓動
どんどん遠のいていく
今しがたまで浸かっていた夢の
名残惜しさを振り切って
過去と
未来を繋ぐ記憶を
必死で手繰り寄せながら
幼稚園バスのお迎えに
慌てて駆け出してゆく
1 相野零次さん 「幻想の街」 2/21
先のコメントでリアリティ云々の件が出ていましたが、今作に限って言うと、リアリティの範疇をはるかに超えているので、今回その件は除外となります。
幻想の中で創る街。面白いのは人間も他の生きものもいない。ここまで来ると、―下品な言い方をすると―どう書いても作者の自由ということになるのですが。発想の角度を変えてみると「入れ物だけを創った」とすると、うなずける部分も出て来ます。文中あるように「ジオラマ造り」です。さながら脳裏で創った“幻想ジオラマ”。なんかタイトルにも似合いそう。メインは怪獣たちの破壊し尽くすシーンです。なかなかよく書き込まれていて、ちょっと特撮物を見ている気分になります。「好きな子の家」の件はちょっと注目できます。終わりの部分にも触れられていますが、自分の過去の現実に基づいて幻想したことがわかります。いっぽうで破壊シーンもさることながら、実は意外と思考・心情が語られている点です。ここに注目したい。凶暴な怪獣群に一人で立ち向かうことはできない。されるがまま。これは仕方がない。ただ奇妙なのは、この事態を肯定的に―もっと言うとーむしろ喜び楽しんでいる点です。壊されるより壊されないほうがいいに決まっているのです。ところがそうではない。このあたりの心情理由は触れてもいいかもしれないです。実体が無いから壊されても、また想像すればいい、と言ってしまえば、それまでなんですが、そのあたり、読み手は釈然としないだろうし、作者においても検討の余地はありそうです。佳作一歩前で。
2 こすもすさん 「灰色の街」 2/22 初めてのかたなので今回は感想のみお書きします。
よろしくお願い致します。第1連、すごく良いですね。すごく好きです。「笑みがない~無表情」「夢や希望がこぼれ落ち」などの適度な幻想のさじ加減のことです。現実をわずかに浮遊する感じです。儚げで、優しげで。いっぽう、2連はほぼ現実的叙景です。このちょっとしたトーンの違いが誠に惜しいのです。1連目が良いだけに、2連もそのムードをキープして欲しかった。タンポポにまつわる軽やかな幻想のことです。手の空いた時に考えてみてもいいでしょう。そうすれば、この詩はかなり愛すべき作品になると思うのです。あと感じたのは、淡白というか、もう少し書いてもいい。ちょっと遠慮しちゃったかな?そんな印象があります。そのあたりも含めて、また書いてみてください。僕の感触としてはとても好感が持てるからなんです。
3 上田一眞さん 「緋鳥鴨」 2/22
この評を書くにあたり、参考がてら緋鳥鴨の画像を見て楽しんでおりました。可愛いもんですね。ただしここに登場するそれは、やや剣呑か?おそらく、天敵か仲間に危害を加えられ警戒心いっぱいなのかもしれない。そんな場面での出会いといったことでしょう。
そうと察した上田さんの、いたわり、気づかい、優しさ、励ましの賦であります。出会い部分の簡潔な書き方。中間部のやりとりには具体性を持たせ、「夕焼け~」以降では気高い語調にして鴨を励ますと同時に詩の世界を一気に広げていきます。あたかも鳥が助走して空へ羽ばたくが如しです。「穢土」「疾く」「濫觴」など、古格な味わいの言葉も相応しく活きています。上田さんの強みとはテーマに向かってブレることなく正面から取り組む。その熱意と誠実です。今回もそれがあります。佳作を。
4 荒木章太郎さん 「いの中の蛙」 2/22
このタイトル言葉の意味を改めて調べてみました。曰く「狭い範囲の中だけで生活し、外の広い世界や多様な知識について理解がない状態」とあります。これをまず脳裏の片隅に置いておきます。
ところで、荒木さんの得意技として、同音意義語を上手く使い詩の中核に据えることが多いです。
あとは、自己の人間性について深く考える属性も加味していいでしょう。以上の2つを前提に僕が勝手に以下に推測したものです。
〇 「井」……上記の定義通り、自己のいる狭い世界。
〇 「異」……異端、超個性、アヴァンギャルド。この世界も狭いものかもしれない。
この二つを自己に置き換えて思考しているように僕には思われます。自分の持つ地図と照らし合わせてみる。 しかし、この二つは社会の風当たりがやや強いかもしれない。5連にそれを感じました。とりわけ「異」への反応です。ただ後半、それは「風穴をあける」
つまり何かが変えられるかもしれない、そんな予感も含んでいます。さらにもうひとつ。これは僕の勝手な推測ですが「羊達」です。
これは眠る時に数えるおまじないの事ですが、同時に「羊達」=「社会的に馴致された常識的でおとなしい人々」もっと言うと「スクエアな(英俗語・つまらない)人々」のことではないか?「異」の対立概念になりそうです。そんなせめぎ合いの中にこの詩はある、そう見てます。そんな中の荒木さんです。佳作です。
5 森山 遼さん 「キリスト教 存在を残して意味を消せない」 2/24
僕はキリスト教について幼児のように無知です。まあ、不勉強と言った方がいいでしょう。
従って、キリスト教周辺の知識上のコメントはしません、というか、できません。あくまで、この作品に即し思った事を書きます。
文字通り感想のみです。この宗教は現今は知らず、過去において各宗派が互いに相容れず、激烈な闘争を展開したようです。まあ、肉食人種だからそういうこともあったのでしょう。そんな歴史を初連で感じました。2連及びニーチェのくだりを読むと、これはキリスト教批判の詩として僕には読めるのです。何故ならば、ニーチェは反キリスト主義者だからです。ところが、ニーチェを「危険思想家」だと言う人も出てくる始末で、もう何が何だかわからなくなりました。教義や思想の解釈は難しいものです。ただ、ちょっと感じたのは、やや強い書き方をしているので、思想性も絡みますので、今後少し注意が必要かもしれません。そういった背景から評価は保留にします。
6 静間安夫さん 「日本語」 2/24
大分古い本を挙げ恐縮ですが、著名な数学者・藤原正彦氏(作家・新田次郎氏のご子息)の著作に、「祖国とは国語」があります。国語とは対極にいると思われる数学者にして、この著作です。当時ベストセラーになりました。「国語なくば数学すら成り立たず」といった主旨でしょうか。こんな例を引くまでもなく、僕はこの詩の主旨に大賛成であります。日本人の細やかな国民性に最もフィットした言語でしょう。いや、その感性こそがこの言語を完成させたと言えるほどです。
さて、この詩のことです。折からのオーバーツーリズムを背景として桜の木に擬人化しての問答。この設定の“いかにも感”と、述べていることの”正論“性。この狭間にあって評者はジレンマというか、大変悩むわけです(笑)。しかしながら、漢字・ひらがな・かたかなの用例を出しながら語った点は日本語の持つ特質を立体的に論じ注目されます。さらにその属性が文物、文化、工業にまで論点が広がるのは、この詩の裾野の広さと言っていいでしょう。最後は英語が話題になります。「まぁ、そう熱くなるなよ」―とありますが、僕も同感ですね。危険ということはないと思いますがね。まあ、程度問題でしょう。ここは視野を大きく取って、英語を引き合いに出しながらも、昨今の日本語への浅学、乱れを心配していると解釈したいと思います。佳作半歩前で。
7 白猫の夜さん 「月下の旅路」 2/24
まず初連と2連に語り手が存在するようです。3連「神無月~」以降、物語を語るように、女性の独白詩の体裁を取っています。これは男女の心中を描いたものでしょうが、今どき「ひい ふう みい」とは言いませんから背景は江戸時代や明治時代を感じさせます。文中「貴方」が男。最初の「ほら 一緒に」は男の生のセリフでしょう。気になるのは「幼い貴方」とある点ですね。そして先に死んだのは男のようで、しかも女が手をかけた、と取れなくもない。このあたりの前後関係が今ひとつはっきりしませんが、作者自身がそういった事は意図して避けたような気がしてます。それを補うように、たっぷりと心情吐露が成されています。ショッキングな事態を扱っていますが、主人公のひたむきな想いと、美しく優しい文体で終始したお陰で、悲しくも美しい作品になりました。佳作を。
しかし、今まであまりなかったモチーフでした。
評のおわりに。
いよいよ三月。早いものです。
僕にとっては、環境というか、風景が少し変わる春です。
みなさん、よい春をお迎えください。では、また。
台風一過の海岸
大きな波がせり上がっては
浜に広がり
ひいてはまた
せり上がる
せり上がった波の腹は
濃緑の鏡面のように
ツルツルに輝いている
台無しになった旅行
ぼくと弟とK君は
無言で波を見ていた
風はまだ強い
弟がどこからか
少し空気の抜けた
黄色いゴムボールを見つけてきて
せり上がった波の鏡面に投げつけ
崩れる波より先に逃げてきた
ボールは波に飲み込まれて
消えてしまったが
浜に広がった水の中から
また ポツンと現れた
今後はぼくが
ボールを拾って
引いていく水を追い
波がせり上がるのを待って
鏡面に投げつけて逃げた
ボールはやっぱり戻ってきた
野球少年のK君も
早い球を投げつけて逃げた
ボールはやっぱり帰ってきた
弟、ぼく、K君の順に
ボールを波に投げつけては逃げた
その度にボールは帰ってきた
いつしか
黄色のボールは
「我らのボール」と名付けられた
波がせり上がるタイミングは
もう僕らにはお手のものだ
我らのボールは
必ず帰ってくるのだ
弟がK君のように
速い球を投げようとした
ああ!
ボールはわずかに高く
波頭をかすめて後ろへいった
ボールは沖へ沖へと流されていく
弟は泣き出しそうな顔をした
ほくは 弟に何か言いたかったが
何も言わなかった
K君も何も言わなかった
我らのボールは
濃緑の海を沖へと渡っていく
黄色い点が海面を滑り
うねりの影に消えていく
弟はしばらくして
「ごめん」と言った
井嶋りゅう様 いつもお読みいただき、また、佳作と評価していただき、ありがとうございます。ご指摘のとおり、別れ際のあの人の表情については、悩んだ末に「引き算」して消してしまいました。今回は何とかなったようですが、結果オーライのような感じもあり、もう少し丁寧に考えてみたいと思いました。あれは一体?何を思っているのか?何が何だか分からない?という「混沌」を表現してみたかったので、評を拝読して、とてもうれしく思いました。今後ともよろしくお願いいたします。
井嶋りゅう様、この度は丁寧な感想を頂き誠にありがとうございます。
私も幼い頃にはコーラを飲むと歯が溶けちゃうぞ、と親に言われて育ちました。
サイダーは味方、分かります(笑)
毎年、夏になると三ツ矢サイダーの250㎖缶をケース買いしています。(これくらいが飲み切りで丁度良い塩梅ですかね)
私の詩を楽しんで読んで頂けたということがとても嬉しいです。私も楽しい気分でこの詩を書けて良かったです。次回も機会がありましたら、是非講評を頂ければと思います。ありがとうございました。
長者ヶ森へ続く細い道
揺れる若草に
春の息吹を感ずる
西の彼方から白い雲
風 わが身に迫るとき
そのなかに
美しいあの人の香りを嗅ぐ
風に運ばれた
潮の香に似たあなたの体臭
ああ あなたは遠く
西海の小島にいるのだと…
十四のとき知り合い
二十二で別れたあなた
少女からめくるめく大人の女に
瑠璃色の蝶の如く脱皮したあなた
丘の上に
新たな雲が湧き 風に乗る
千切れちぎれに飛んで
また新しく大きく…
雲の数ほど
あなたへの追慕を唄い
過ぐる日の愁いを知る
それは確かに〈愛〉に近かった
春の日 遠いあの日と同じように
草原は輝き
天に向かってチチチと
雲雀が囀った
今回、読んでいただき、その上ご感想までありがとうございます。まだまだ未熟ですが、ご感想を励みにして精進したいと思います。ありがとうございます。
月は見つめた 人を見ていた
遙か遠くの宇宙(そら)に浮かんで
夜毎に満ち欠け また満ちた
月は寡黙に 地上の人を見下ろした
人は見つめた 月を見ていた
遙か遠くの球体(ほし)を想って
手合わせ祈り 神を宿した
人は大いに語り 夜空の月を見上げていた
月は幾千の夜を照らし 人は幾万の物語を綴る
時を経て紡ぎ出された人月譚
引力に引き寄せられるかのように惹かれ合い
両者の関係は密に密に
言わず語らず夜空に在る月
それでも人は多くを享受し歴史に遺した
彫刻 絵画 詩 音楽
様々な月の姿は人々の想像を掻き立てた
月夜の帳が降りる頃
小さな町の工房で
キャンバスが散らかったアトリエで
本が積まれた薄暗い書斎で
観客の居ないひっそりとした舞台で
そして 悩み考え抜いた貴方の頭の中で
まだ誰も知らない名作は生まれる
優しく輝く月明かり 今宵もまた
創造の夜は 静かに更けて
幾年も快晴
空を切り裂かない朝が今日もきた
あなたの目の前に鐘がある、それを貴方は腕一つでならせる
それを貴方は鳴らさない選択もできる
いまこの場にいるのは貴方一人だ
この朝は靄に包まれ、先も何も未来も見えないここで
貴方は確かにその鐘をならせる、あなたはそこにいる
それを鳴らせるのは貴方一人だ
その鐘を鳴らすのは貴方の役目だ
ただそれがいつかは誰にも指定されていない
この鐘がいつ鳴るのか誰も知らない誰にも指定できない
さて鐘の役割はなんだったのか誰も思い出せない
高くから見やればパンの焼ける匂いも煙もなにもない街並み
鳴らしたところで聞く人はいるのかどうか
そういえばどうだったかいつもなら朝の讃美歌が
最後に聞いたのはいつだったのかどうなのか
もう誰も彼もが眠って怠けて土の下ではないのだろうかどうか
今更これを鳴らしたところで何になるのか
神様に聴いても鼓膜は揺れない
静寂がうるさいくらいの静けさが唯々心に語り掛ける
私は一体なにをしたいのか
答えはいつも早く速く疾く
私は答えが出ないまま
思い浮かぶのは早く速く疾く
あなたの目の前に鐘がある、それを貴方は腕一つでならせる
それを貴方は鳴らさない選択もできる
いまこの場にいるのは貴方一人だ
今日も空を切り裂かない朝で終わるのか