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ADHDの子が増えているのか?

Q
 ADHDの子どもが増えているのではないでしょうか?相談や事例があれば教えてください。

A
 こんなの嘘ですよ。増えてないです。アドラー心理学ではそう考えています。
 昔は、“自閉症”の子どもがめったやたらいたんです。どこの学校に行っても、「あの子は“自閉気味”」とか、「この子は“自閉傾向がある”とか言っていました。今はどこへ行っても、「この子は、“注意欠損”で……」とか、「この子は“多動症”で……」とか、「“学習障害で”……」とか言われる子が、ものすごくたくさんいます。反対に、“自閉症”は減りました。それはなぜかと言うと、同じものの名前が変わったからです。“自閉症”になる前は、“知恵遅れ”と言っていました。
 “知恵遅れ”と言われるとイヤでしょう。「お宅の坊ちゃん“知恵遅れ”ですよ」と言われると、母親はショックじゃありませんか。“自閉気味”、“自閉症”、これならかっこいい。それなら辛抱できる。昔の母親はそう思ったので、“知恵遅れ”の子どもは全員“自閉症”という名前になりました。
 そしたらだんだん、“自閉症”というのもなんかすごい難しい病気で、治らないということになっていった。世の中の趨勢としてね。そうすると、今度はいつの間にか“多動”とかいうのが流行ってきて、“多動”だと母親が辛抱する。「お宅の子どもさん“知恵遅れ”ですよ」と言われるんじゃなくて、「“多動症”なんですよ」と言われると、「そうですか。“多動症”ですか。かっこいいな」なんて思うと、その病名は増えます。
 そんなふうに、これは流行というか、嘘の名前なんです。これはアメリカで始まったんですが、アメリカでは“知恵遅れ”なのか、“知恵遅れ”でもあるし性格的な問題もあるとかして、あんまり先生の言うことを聞かない子、教室の中で落ち着きがないとか、お勉強がもうひとつ嫌いだとかいうタイプの子が、片っ端からこの病名をもらってしまいました。この病名は、“自閉症”とか“知恵遅れ”という名前に比べて、具合の悪いことがあります。本当の“多動児”、つまりいわゆる“多動”ではなくて、医学的にきっちり“多動症”と診断された子どもにはお薬が効きます。つまり薬があるんです。私もそれは事例として持っています。その子は、中学3年生の夏休み前くらいに、教室で大暴力事件を起こして警察沙汰になり、裁判所に送られて来ました。当時私は裁判所にいました。調査官がその子と話をしていて、「この子は変だ」と思って、私のところへ連れて来られました。一目見て“多動症”とわかるくらい、神経学的な“多動症”の特徴がいっぱいありました。一度試しにお薬を飲んでもらおうと思って出したら、本当に翌日から人格が変わりました。この子は小学校3年生くらいから、教室の中で勝手に歩き回ったり、走り回ったり、大きな声を出したりするし、友だちに対して乱暴だったりして、クラス中から嫌われてのけ者になって、何となくずっとクラスから浮いていました。そんなので、ますます対抗心を起こして、だんだん変になり、中学生になったころには札付きになっていて、3年生でとうとう大事件を起こしたんです。もしも小学校3,4年生のころに、児童精神科のお医者さんがこの子を診てお薬を飲ませていたら、この子の運命は変わったはずです。たぶんクラスの中で対応できただろうし、そんなにのけ者にならなかっただろうし、そしたらきっと警察沙汰にもならなかったでしょう。そういう意味で、“本当の”多動の子を発見してお薬を使ってあげるのはいいことだと思います。ただ困ったことに、お薬が効くということで、本当じゃない“多動”の子も片っ端からお薬を飲ませられているんです。アメリカの学校では、子どもの10%くらいが、薬を飲まされてしまっている。これはすごい問題だと思います。そんなお薬は全然効かない。効かないけど、“多動”だと言った以上、医者としては薬を出さないわけにいかないから、薬を出す。
 日本でも同じようなことになりかねないです。だからそんな病名なんかにこだわらないことです。児童精神科の先生が、「これは間違いなく“多動症”だ」と言ったのだけが本当の“多動症”で、残りは嘘なんです。
 例えば性格的な問題とか、例えば「コミュニケーションがうまくとれてない」とか、例えば「先生と仲が悪い」とか、例えば「知恵遅れ」とかの、他の問題に“多動症”というレッテルを貼っているだけですから、増えてないです。断言します。あんなもの、絶対増えないです。「人口あたりいくら」って、一定の比率でしか発生しませんから。
 そういう子だって、原理は同じです。「ちゃんと勇気づけていけばいい」んです。方法に工夫は必要ですが、お薬を飲ませるなんてとんでもないことです。(回答・野田俊作先生)

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競争に負けた子が精神病に?

Q
 社会の競争に負けた子どもたちに精神病が増加しているそうですが、どんな病気が増加しているのでしょうか?躁鬱病なども関係があるのでしょうか?

A
 躁鬱病はあんまり関係ないな。統合失調症の軽いようなやつとか、それから、例えば拒食とか過食とかいうのも、ちょっと関係があるし、対人恐怖も関係があるし……。
 まあ、病気になる人というのは、どう考えても社会の中の勝者、勝った人じゃないと思う。学校でも「成績が良くて、友だちがたくさんいて、精神病です」なんてことないです。だから競争が強いと、落ちこぼれる人は落ちこぼれます。(回答・野田俊作先生)

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納得するが実践が難しい

Q
 繰り返し本を読んで、アドラー心理学を納得してはいるのですが、現実には、実践することは大変難しく思います。なぜ変われないのでしょうか?

A
 変わりたくないからですよ(笑)。この答えじゃ愛想がないかな。
 一度に何もかもしようとするから難しいんです。“一点突破”です。人間は、一度にたくさんのことができない。だから、とりあえず今週の目標を決める。「1日に1回、家族を勇気づけよう」と決めると、とにかく勇気づけることしか考えない。子どもでも夫でも誰でもいいから、とにかく1日1回でいいから、「勇気づけの言葉を出してやるぞ」「出してやるぞ」「出してやるぞ」と思って暮らして、子どもが帰ってきたときに、「今日、元気そうね」と言ってみる。それなのに子どもに、「元気じゃない。頭が痛い」と言われて、裏切られたりするかもしれないけれど、「頭が痛いの?でも正直に『頭が痛い』と言ってくれてありがとう」と言ったら、「そんなの正直も何もあるか!」と言われたりして、失敗しながらも、とにかく“勇気づけ”というものを身につけていくんです。
 あまりこだわらなくても、わりと自由にできるようになったと思ったら、次は例えば、“お願い”です。それまで命令してしまっていたところを、何とか“お願い”というのをやってみよう。1日に1回は“お願い口調”を使うと決める。「ちょっと、こっちに来てもらえないかな」と言ってみるとか、あるいは、「子ども話をよく聞く」と決めたら、何でもいいから、「子どもの話を最後までしっかりと聞いてみる」という練習をする。
 そうやってその都度その都度、自分が問題だなと思っていることを1つだけ、1週間2週間3週間4週間お稽古して、そうやって、心に染み込ませていくというか、醸(かも)し出していくというか……、そういうプロセスがないと、アドラー心理学は上手にならないんです。
 アドラー心理学が上達するコツについて、「3つの方法を同時にしなければならない」と、アドラー自身が言っています。
 1つは、本を読んだり講演を聞いたりして理屈をちゃんと学ぶこと。
 1つは、学んだことを1つ1つ丁寧に、生活の中で実践していくこと。
 1つは、実践の結果について、他の人たちと意見交換をしていくこと。
 その3つともないと絶対に学べないと言っていますし、私もそう思います。ですから、一度に全部しようと思わないでください。(回答・野田俊作先生)

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子どもがお金を持つのは?

Q 
 “お金”についての相談です。私は、未成年の子どもがむやみに多額のお金を持つことは、好ましくないと思っています。
A なぜでしょうか?
Q 当たり前ですが、子どもはお金があればあるほど良いと思っているようです。
A 私(野田)も思っています。
Q 小遣いについて子どもと話し合ってもなかなか折り合いがつきません。兄弟がいるので、例えば中学生と小学生の差額があれば、それもまったく納得がいかないようです。子どもの小遣いを認めないわけではないのですが、“お金”について、子どもに納得のいく説明ができません。日々悩まされています。何かアドバイスがあればお願いします。

A
 私は別に多額の小遣いがいけないとは思わないです。子どもが自分で管理して、使う力をつけていくことが大事だと思います。子どもが百万円持っていてもかまわない。そのことで子どもと権力争いしようとは思いません。
 私のところではどうしていたかというと、一応お小遣いをあげていました。それプラス、労働に応じた正当な報酬というのがありまして、働くと1時間あたり400円くらいの給料を、いろんな作業について出していました。だから、子どもがお金を稼ぐ気になれば簡単に稼げました。高校も最初からではないんですが、ある程度の年齢になると、学校に隠れてアルバイトをするのを許容しました。アルバイトで結構稼いで、高校を出たとたんにアルバイト的に完全に自立をしまして、あんまりお金を出さなくてよくなりました。
 うちの子どもたちは、みんな浪費家です。よく使います。その代わり、よく使うからよく稼ぎます。大人になったときに、ケチケチ貯めて貯金したって、銀行の利子がいくらだと思います?そんなことしてるより、パアッと使って、パアッと稼ぐほうがいいんじゃないですか。私は何となくそう思っているので、うちの子どもたちは、全員浪費家に育ちました。そして、全員とても働き者に育ちました。そんなんでもいいんじゃないですか。
 だから、労働でお金が稼げるシステムを小さいときから作っておいて、「お金がいるなら働いてね」と言って働いてもらう。たくさんお金を持つのはいいことだと思います。(回答・野田俊作先生)

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体の悩み

Q 
 小さいころ、身体的な部分で劣っていることを親戚の人に言われ、いまだにコンプレックスになっています。どうしたらこれを、コンプレックスと感じないようにできるでしょうか?

A
 身体的な部分って何かわからないけど、誰でもみんなどこか劣っているんです。すべての点で問題のない体を持っている人って、世の中に1人もいないんです。鼻筋が少し曲がっているだの、少し出っ歯だの、おっぱいが小さいだの、肩が張ってるだの、撫で肩だの、何かあるんですよ。誰でもみんなそれを気に病むんです。誰も気にしてないのに、本人だけはそれを気に病みます。気に病むから、「だからどうしよう、こうしよう」と思う。
 人間には劣等感があって、その劣等感を補償しようと思う。その補償の仕方は、大きく分けると3つあります。
 1つは、劣っている部分を何とか矯正しようと思う。できるものとできないものとがありますが、できるものとしては、例えば、痩せていて貧相な体だと思うから、スポーツして筋肉モリモリになったとすると、劣っている部分をそのまま補償したんです。私も、もう少し激しい器官劣等性が子ども時代にありました。今もありますけど、それは、赤緑色盲です。橙色と黄緑の区別がちょっとつきにくいんです。水色とピンクもちょっと危ない。これは大変不便でした。スケッチするのに不便で、隣の子に聞かないといけない。「これは橙?それとも緑?」と。聞くのはかなりイヤなんですが、しょうがないからずっと聞きました。で、結局、目に関すること、特に色彩に関することは避けて通るという側を選んだんです。つまり、そこは鍛えませんでした。鍛えても無駄だなと思ったし、眼科のお医者さんに「訓練したら治りますか?」と聞いたら、「治りません」とはっきり言われました。それじゃあ、もう目は駄目。代わりにどんな補償をしたかというと、耳です。聴覚的な力をうんと伸ばしたんです。例えば、聞いたことはわりと覚えています。記憶力がいいと言われるんですが、私は“しつこい”んだと思う。“執念深い”のね。どっちでも同じことです。それに音楽好きですし、耳で聞いてものを理解するのが好きです。だから、私は、自分の“劣っているんじゃないところ”で補償する人です。体がすごく弱いからお勉強をしっかりして頭が良くなったとか、あるいは、頭がすごく弱いから体を鍛えて運動が上手になったとか、そういう感じのことです。
 3番目には、諦めて、自分では駄目だから人に頼るとか、人のせいにするとかして、自分で努力しなくなる。これはやっぱりまずいですね。なるべくそうしないで、鍛えられるものならそれを鍛えるし、鍛えられないものなら、違う自分の能力を伸ばしていくほうが建設的だろうと思います。
 みんな誰も、自分の体で悩んでいるんです。このごろ私は、“お腹”について悩んでいます。下を見るたびに、「たくさんお肉があるなあ」と思う。悩んでないで、何か実行したほうがいいんだけど、実行するほどの気にもならない。(回答・野田俊作先生)

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